冒頭は夕暮れ時に祭り飾りが風に吹かれ僅かに揺れているシーンから。一瞬涼しげだが、すぐ人通りの雑踏にまぎれ煩雑な町の顔になる。屋外だが商店街の建物や通行人に阻まれ開放感にはほど遠い状況。梨香の提案で3人はまずSFC(センタッキーフライドチキン)に入る。
SFCは新装開店と言う事でレジは人だかりで混みあっていた。テーブルは小さいし、店を細かく区切る仕切りがそこかしこにあり狭苦しい。そして恵美が誤解を解こうと真奥の悪口を言いまくっていると芦屋登場。
何故芦屋がいるのか回想が入る。魔王城を鳥瞰で見下ろすと、床、壁2面に加え、天井の蛍光灯と背面の冷蔵庫まで視界に入る。床、壁3面、天井が迫る圧迫感で狭い部屋がより狭く感じる。その狭い魔王城で芦屋はSFCを偵察するよう真奥に言われていたのだった。
その回想をしていたのはマグロナルドで客が来ない事に苦悩する真奥。客が1人しかおらず閑散としているマグロナルド。更に度々映される壁や天井が客が来ない閉塞感をかきたてる。
場面はSFCに戻り、芦屋に梨香の誤解を解く為の協力を要請する恵美。恵美がデザートとサラダを奢る条件で芦屋も話に加わる事になる。3人でも狭かったテーブルに4人が座り、いよいよ狭苦しい絵づらとなる。
梨香に説明する為に芦屋がはじめたのは魔王軍を真奥組なる架空会社に置き換えた話。恵美に破れ倒産する話ではあったが、真奥組のイメージ画は屋外の建設現場や天に伸びるビルの下など、開放感に溢れていた。起業し挑戦すると言った真奥組の可能性、勢いが強調され、梨香がどれだけ感銘を受け芦屋に落とされたか(笑)が伝わってくる。これまでずっと屋内の狭さが強調される画が続いていた為、その差が際立つ演出だった。最後は(多分日笠さんのアドリブの)たこ焼きで落とされたが(笑)。
芦屋の話で梨香の誤解は解けたが、今度は直接真奥に会いたいと言い出しマグロナルドへ移動する事に。芦屋に約束したデザートなどを買う為1人レジに並ぶ恵美。ウィンドウ越しに外の3人を見ながら「あ〜どんどん最悪の展開になっていってるコレ・・・・」とぼやく。透明なウィンドウによってでも3人と区切られたような疎外感、なんだか他人事を見るような感覚なのだろう。それに続く胡散臭いSFC店長の「〜自分の意思を介在させる事ができなくなった時、後悔されませんように」と言う台詞が強調される。何かの伏線っぽい。
そして4人はマグロナルドに。また室内の閉塞感を感じつつ話は進む。外は夕暮れの朱を夜の帳が覆い隠しどんどん闇に染まっていく。そんな中、真奥が指示したチラシ配りや骨の無いバーガーアピールが次々と失敗していく。
そこに現われたのは真奥がボランティアで知り合ったナベさんと言う老人。真奥に頼まれた七夕の笹を持ってきたと言う。雲は高く、太陽が降り注ぐ夏空の下、蝉の声に包まれた緑広がる公園。そんな開放感溢れる場所で築いた人脈が真奥の奥の手だったのだ。室内の閉塞感、忍び寄る夜の闇を吹き飛ばす、実に対照的な演出だった。
最後笹が光って恵美と鈴乃が顔をしかめてたのが何だったのか気になりながら次回に続く。
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