【俺ガイル11話】八幡/雪乃の心の壁と、落としの結衣【感想レビュー】


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 第11話
「そして、それぞれの舞台の幕が上がり、祭りは最高にフェスティバっている。」

 八幡と結衣のクラス2年F組の文化祭準備風景。大勢が着ているオレンジのTシャツの背中には2Fの文字が。クラス用のTシャツを作るとかどんだけ余計な労力かけてるの・・・・?

 雪乃が病欠したと聞いて見舞いに行く結衣と八幡。雪乃の部屋は15階。寝る為か(と思ったが作業する為だったようだ)髪を括ってる雪乃がメチャ可愛い(確信)。

 しかし入った室内は殺伐としていた。女子が置いてそうな小物やらぬいぐるみは勿論、雑誌1冊、ごみ箱1つ無い。TV、ノートパソコンがある事からリビング=娯楽用で、本来なら雑誌などもっと娯楽用品がある筈だ。仮に今日だけ楽な姿勢で作業する為にノートパソコンを持ち込んでるとしても、こんな大きな部屋において生活感がまるでない。TVやBD見ながら食事(お菓子含む)するならごみ箱くらいある筈だ。雪乃がどんな生活を送っているのか心配になる。まあ金持ちなので1部屋毎にTVやノートパソコンがあり、リビングは空き部屋感覚って可能性もなくはないけど・・・・。

 テーブルを囲んで2人がけのソファーが2つ。結衣と八幡がその1つに2人で座る。しかし雪乃は残りのソファーに座らない。開いていた他の部屋へ続いているだろう扉(少なくとも玄関から入る時に通った扉とは異なる)を閉めそのすぐ傍で壁に背を預ける。この扉は雪乃と他人の心を区切る心の壁。そこへ他人が入る事を許さない、更に訪ねて来た2人とも距離を取り同じ卓にもつかない雪乃。

八幡「お前のやり方は間違ってる」
雪乃「じゃあ正しいやり方を知っているの?」
八幡「知らねーよ。だけど、今までのお前のやり方とは違ってるだろ」

 話は進みこのやり取りで八幡は「俺に聞かずとも雪乃は今まで正しいやり方をしていた。今回のやり方が間違っているのはわかってるだろ」と言いたいのだろう。ここで1つ引っかかる。では「今までのお前のやり方」とは?結衣、材木座、戸塚、沙希など厳しいやり方でも本当に依頼者の為になる事をしていた。今回そもそもの間違いは、雪乃が私情を挟み相模の為に動いていない事。「今までのお前のやり方」なら依頼自体受けないか、文化祭成功の為ではなく相模に責務を全うさせる為に動いた筈だ。

 事実(自業自得ではあるが)相模は救われない。今回の最後で思い詰める姿を見てここと繋がった。いかな八幡と言えど(そもそも助けるか迷ってるし)雪乃に気を取られそこまで頭が回らなかった。相模を改心させ、八幡が悪者になり、雪乃が相模をフォローして責務に当たらせていれば、スピーチに臨む心構えも違った筈だ。何なら相模ルートも加わり我が家の壁の寿命が更に縮んだたかもしれない。

 これらより来週は相模へのフォローとなる筈。しかしサブタイが不穏だし何か最終回の雰囲気・・・・。13話あると思ってたのに・・・・(泣)。

 その後紅茶を3人で飲むが、雪乃は窓際に移動し1人佇む。ここで雪乃と外界を隔てるのは脆いガラス窓。さっきまで寄りかかっていた壁や傍にあった扉とは段違い。更にそこから外を見る。これらは心を開きかけている演出。結衣が「結衣と八幡を頼って欲しい」と雪乃に言ってくれたおかげ。2人が帰ろうとする時、玄関で「いつか結衣を頼る」と雪乃も約束する。それを聞き1人先に帰る八幡。

 しかし次に映されたのは10→12階に移動するエレベーター。雪乃の部屋は15階。一旦帰ろうとした八幡だが、無関係の12階に戻る。葛藤、心の迷いの演出。だが視線は窓の向こうの夜景に。雪乃と同じく本人は無駄な抵抗をしているが心の壁は僅かに窓ガラス1枚。視線も外を見ており雪乃を助ける事を決意する。

 翌日八幡は1人悪役を演じる事で実行委員達の敵愾心を煽り仕事に向かわせる。前回陽乃の名を連呼した戦犯生徒会長はその意図を汲んでくれてそうだし、少数とは言え残って仕事してた委員達は八幡と同じ思いだろう。それらを取り込み静や葉山、陽乃の協力を得る方法もあった。しかし協力の重要性を説き纏まらせるより、敵愾心により個々人が別々に行動し別々に同じゴールを目指しただけ、その姿の方がボッチ(八幡)の世界の真理なのだろう。

 結衣との約束もあり、そんな八幡についに雪乃がデレる。また陽乃の目的も判明した。そして八幡と陽乃がイチャついていると雪乃が嫉妬して大量の書類を持ってくる。そして矢継ぎ早に仕事を命じる。相変わらず雪乃は都合が悪いと饒舌になる。一方、後のシーンで結衣とハニートーストを食べる時、やたらと饒舌に文句を言った八幡。似たもの同士ですね・・・・(俺の家の)壁が薄くなるな・・・・。

 また陽乃が八幡に話しかける前、八幡の隣に無言で書類を置くモブ。八幡の孤立を演出。

 その後文化祭開会式で相模が失敗したり、雪乃と八幡の夫婦漫才があったり、ホモ星の王子様の客層がおかしかったり。

 八幡が受付をしてると隣のクラスが騒がしくなる。その混雑を収める雪乃達。最後尾の看板を見てコミケの混対スタッフを連想する。最近サッカーの試合の時、渋谷の混雑を捌いて警官が警視総監賞を貰ったらしい。そのニュースを聞いた時もコミケを思い出した。ニュースで紹介された文言も上手かったけど、大昔からコミケスタッフの誘導は秀逸なものが多い。コミケの混対は世界一ィィィィィィ!・・・・レビューに関係ないけど、こんな雑談も挟んだ方が良いでしょうか?

 それを見てた結衣と八幡。結衣のほとんど告白のような宣言に目を逸らす八幡。そして前述のハニートーストを2人で食べる。八幡は食べた分払うと言うが結局いつか結衣に奢り返す事で話が纏まる。でもそれはデートの約束。そう思い至った八幡、その時映されたのは窓越しに2人を見た画。しかも視点は窓から、2人から次第に遠ざかる。行き交う人々は思考のノイズ、迷い。その演出の通り「で、いつにする?」と問う結衣に「ちょっと良く考えさせてください」と答える八幡。結局また逃げたヘタレだが、その心を閉ざす壁は僅かに窓ガラス1枚で更に迷いに揺れている。雪乃と八幡の心がほとんど無防備にされる日も近い、かもしれない。正に「落としのシーダ結衣」(笑)。

 最後は落ち込む相模を映して終わり。予告とサブタイが、すごく、最終回です・・・・。


あと11話見て、10話のレビューで書いた「棟」、「渡り廊下」の解釈がズレてたと気付いたので修正。

「手前の棟=自分」、「奥の棟=他人」、「渡り廊下=繋がり」

結衣はクラスに戻る為に渡り廊下を渡るが、委員会の会議室の位置関係などで結衣を追わなければ八幡は渡り廊下に入らずそのまま帰ったかもしれない。結衣は雪乃とも八幡ともより仲良くなろうとしており、平気で渡り廊下を渡り奥の棟へ。結衣に引っ張られ八幡も渡り廊下の途中まで歩を進める。しかし八幡はそれ以上進む事ができず、立ち尽くしたままシーンは変わる。八幡は結衣との、雪乃との関係を更に進めるかどうかを迷っていた。

 人を誘導する能力が高かろうが自分の事となるとボッチ気質の八幡を過大評価、アホの子考える前に体が動くタイプの結衣の行動力、積極性を過小評価していたようだ・・・・。あと意固地になっている雪乃は当分部室にいるだろうが、時間は経っても後にこの渡り廊下を渡っていた。それが今回の結衣との約束へと続いた、と思いたい・・・・。
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2013年06月24日 20:35 by 元会長
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