冒頭は真奥がエンテ・イスラに帰る千穂の夢。色々やってるとマグドの冷蔵庫から猿江が。笹に無意識でかけた魔法=人をマグドに集める、それがゲートにも反応して出口が変わったらしい。
前回「迷える子羊をお救い下さい」と神に祈った猿江だが、祈りは届かず、子羊は更に道を見失っているようだ(笑)。そしてOPに。
「村を・・・・
OP明けに真奥との接し方に悩む恵美。曇り空は悩み沈む恵美の心情の演出。「そもそも私は勇者で〜」は恵美が"それとも・・・・"に続く言葉を否定し自分を納得させる為に考えた言い訳。ならそこから逆に辿れば
「それとも・・・・寛大な心で魔王を許し共に未来を見るべきなのかしら?」
となる。
そんな事を考えながら魔王城に入ると、鈴乃が真奥にうどんのコンフィソースアメリケーノ(長い)を食べさせるところだった。それを見た千穂がそこに割って入る。
「真奥さんも何でされるがままになってるんですか」
と千穂が言う時、映るのは恵美。その目の揺らぎが示すのは"迷い、葛藤"。魔王がこんな調子では先程の言い訳が通じなくなってしまう。
その後色々あって芦屋が真奥に暇を貰いたいと言い、何をしだしたのか気になる恵美。エメラダに心当たりを尋ねる。
「えー?アルシエルが里帰りですか?」
エメラダがそう話す時、部屋にある"ヌール(日本製)"が映る。7話ではBOCKY(意味深)があったし、マッチョにお菓子を送らせているようだ。そしてマッチョが届けているのはお菓子だけではない。真奥達の動向も報告しており、エメラダはもう真奥達の動きを知ってる、その演出。そして知ってて、えー?と惚けているので本人を映さない、2重の意味の演出。
「エンテ・イスラには戻って来てないと思いますが・・・・」
椅子に座り背もたれにほとんど隠れたエメラダが後ろから映される。「本人の実像+真正面から+アップ」が真実を言ってると感じさせる演出。ならこれはいかにも嘘っぽい、裏に何か含んでいる演出。ただ、戻ってないのは事実だろうし、絶対に戻ってないと言える程監視してるがそれを隠してる、とかなら良いけど、エメラダもエンテ・イスラにいない可能性があるにはあるし・・・・。エメラダの居場所については7話レビューでも書いているので良ければご覧下さい。
「なるほど、確かにそれは怪しいですね」
珍しくエメラダを正面から映す。エメラダも本当に気になってこのあと独自に調査する。次に映る恵美は困り顔。しかし、悪の魔王の陰謀を暴かなくては、というより、友達が何か悪い事をしてるかもしれない、といった様子。
翌日恵美と千穂が歩いていると通り雨に遭う。近くのビルのひさしで雨宿りをする2人。雨は押し寄せる真奥への不信や不安。それを防ぐひさしの中で恵美が思い出したのは"かつて傘をくれた真奥"の姿。その思い出が、雨のように降ってくる真奥への不信や不安を弾く傘となる。雨宿りはその暗示。
その後もう1度エメラダに電話する恵美。
「やっぱり、変わった事はないですね。一応"アルバート"に調べてもらったんですけどぉ」
椅子に座り背もたれにほとんど隠れたエメラダが後ろから映される。エンテ・イスラで調査したような言い方だが、どこで調査したか明言してない。マッチョ(アルバート)は日本にいて、調べてもらったのは真奥達の日本での動向・・・・の筈。
エメラダが地球にいて、マッチョが魔法で変身してエンテ・イスラにいたりする可能性もなくはない。でも向こうだと魔法の細工はバレ易そうだし、マッチョが日本で変装し真奥を見張ってる方が自然。魔法使ってもホーリービタンβで回復できるし。一番怪しいのは、出入りの多い宅配の配達員。今回の悪徳社長も体型的、タイミング的にかなり怪しい。
とりあえず、このシーンで窓から入る日差しから外は晴天。しかし、前のシーンで恵美達は雨宿り、次のシーンで真奥がマグドから帰る時も雨。よってこの日の関東圏は雨、エメラダは少なくとも関東圏にはいない。
「目立ったトラブルも報告されてません」
トイレ脇の制御装置を映し、しかもどら焼きを食べながら不明瞭に言う・・・・演出的に嘘しか言ってない(笑)。エンテ・イスラで報告があったかどうかなんてそもそも調べてないようだ。
ここまであからさまに胡散臭い演出をされると、実はエメラダは裏表のない素敵な人で、全ては罠演出じゃないかと疑いたくなる。しかしそう見せかけてやっぱり腹黒という罠かも・・・・まあ、何か新情報が出るまでは自分の演出の解釈を信じてみる。
全然困ってないようだが、お菓子の食べすぎでエメラダが少し太ったのは事実のようだ(笑)。
色々あって悪徳社長に言い負けてションボリ夜道を歩く3人。「みんなで協力、みんなで努力、みんなで町づくりに参加しまし」と奇麗事を書いた看板が映る。雨露でところどころ腐食し、現実は奇麗事だけでは済まないと演出する。この演出で続く「警察は当てにできないわ」も強調される。
また30kmの速度制限の標識があり、車道と歩道を分けている(と思われる)柵もある事から、3人が歩いているのは車道。順法精神旺盛な真奥達がプチ違反とは言えルール違反するのは珍しい。
人間にもクズがおり、そのせいで真奥達が法に不信を持ちだした演出とも取れる。しかし、会話の内容から、不信を持ったとしても極めて小さい。それこそ車の来てない車道を歩く時の罪の意識くらいに。そもそもちょっと車道を通るくらい圧倒的多数の人がやっている・・・・筈。それを違法扱いしたのでは日常生活が成り立たない・・・・筈。
この演出は解決法が厳密に言えば正義に反する暗示。漆原は日本の戸籍上18歳だが、実年齢は数百歳とか?もっと上だろう。それを戸籍詐称し未成年としてクーリングオフするのは不誠実と言えば不誠実。まあ相手がクズなのでここで問題にはしない(笑)。
そして何より車道を歩く演出は、恵美が厳密に言えば正義に反する方法を取る暗示。エンテ・イスラで数多の人々を殺した魔王軍の王、それを助けるのは本来正義に反する。
しかし、恵美と一緒に映った張り紙
「近隣の皆さんが迷惑しています。「猫」には絶対エサをやらないで下さい。」
が正義とは何かを訴える。人の町で困窮してる猫を助けるのは違法だろうか?人類のせいで困窮してる猫を見捨てる周辺住民の方が非道ではないか?車道を通るのは、猫にエサをやるのは、本当に正義に反するだろうか?
そして恵美は(厳密な)正義より真奥達を助ける事を選択した。
また猫=真奥達、とするなら、教会の件もあるし、エンテ・イスラの人類に魔族を追い立てた責任があるのかもと思ったり、思わなかったり。11話で千穂がそんな事を匂わせていたし。2期でそこら辺の話を見られる日が来たら良いな(希望)。
あとクーリングオフができると恵美が告げたのは公園に沿った道の上。8話レビューや12話レビューでも書いたように人の交流を暗示する公園の傍。猫についても交流し話し合った結果が張り紙となり、人々が公園でそれを知る。ついに勇者と魔王の交流が果たされた事を演出している。8話の千穂や鈴乃と比べると柵を跨いだ車道の上で、打ち解けるにはまだまだ時間がかかるだろうけど。
そしてクーリングオフの申し込みにいく真奥と恵美。悪徳会社にいく時も恵美は付き合ってたし、もう素直になった方が良いんじゃないですかね?(笑)。
クーリングオフが認められ業者が品物を回収する。その様子を不安そうに窓と柵越しに眺める漆原。自分で何もしない内に問題が解決しまるで他人事のようにその様子を見ている演出。また業者が去る時、それをわざわざ見送る真奥は滅茶苦茶嬉しそう。はじめて真奥の悪魔っぽい顔をみた気がする(笑)。
そして最後は傘がないので雨の中マグドから家に走る真奥。1話で恵美に傘を渡した交差点で信号待ちをしてると恵美が現われ傘を差し出してくる。この傘が、もしいつか未来に真奥が恵美を信じるかどうか迷った時、恵美への不信や疑念を弾く傘となると信じつつ、13話のレビューを終わる。
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