【空の境界1話】赤と青と操り人形【感想レビュー】


空の境界 第1話 「伽藍の洞T」

 原作未読なので、初見だとどう見えるのか書いていこうと思います。ただ直死の魔眼についてのみ致命的弱点が見える的なネタバレを食らってます(笑)。

 「通り魔殺人事件」で大怪我を負った女子高生の両儀 式(りょうぎ しき)。救急車で病院に搬送される。救急車には同学年(同じクラス)の黒桐 幹也(こくとう みきや)も同乗していた。

 通り魔殺人に遭ったとわかるのは後の
「両儀式が2年前の通り魔殺人にどうかかわっていたか、これで本当に闇の中に消えてしまったわ」
という蒼崎 橙子(式のカウンセラー医、正体は魔法使い)の台詞より。

 また、後に黒桐の高校の卒業式と思われる場面で、黒桐が式の机を見て物思いに耽ってると思われる演出があるので、2人の境遇は上記のように推測される。

 手術室に運び込まれる式、外に取り残される黒桐。そこに式の父がやってくる。父としたのは、後に式の退院の話を式の母(と思しき女性)と3人で聞いていた為。父でないにしろ極近しい身内なのは確実。そして娘が通り魔に遭い、大怪我をして病院に搬送されたというのに冷静そのもの。それは両儀家は魔術師か何かの超常の力を持つ一族である為。そう思われる理由は式の退院告知の場面で述べる。

 手術後、宇宙空間(?)を漂う赤い光に包まれた式(女)。しかしその赤い光の内側から青い光が溢れ出してくる。一瞬辺りを強烈な光が照らし、多数の人影が浮かぶ。そこで式は完全に青い光に包まれ式(男)が目を覚ます。シーンを跨ぎ再び宇宙空間(?)を漂う式(男)。「果てはなかった」と言う。

 更にシーンを跨ぎ3たび宇宙空間、式(女)が目を覚ます。青い光の方に手を伸ばすも、途中で何かの力により赤い奈落に落ちる。それまで手を上に伸ばせていたのに奈落に落ちる途中から磔にされたような体勢で固まる。何らかの力に逆らえない演出と思われる。「これが死」と言う。

 更に更にシーンを跨ぐ。しかし場所は操り人形倉庫(?)。多数の人形素体に混じり式の人形が映る。そして4たび宇宙空間のような場所で赤、青2人の式が上下に離れていく。式(女)は目を覚ますが、式(男)は目を開けず奈落に落ちていく。しかし先程の式(女)と違い磔の体勢で固まったりはしない。式(女)も上昇させられる力には抗えなくても、体の自由は利いているようだ。

 これを解釈するとか情報不足で無理ゲーじゃね?(笑)と思いながら、せっかくの1話目なので頑張ってやってみる事にする。

 後のシーンでわかるが式は複合個別人格(二重人格の強化版のような状態)で事故前までは2つの人格が体を共有していた。

橙子「でも式君が消える理由はなかったのよね。だって、黙っていれば消えていたのは、式さん、貴方だった訳で、彼はどうして自ら消える事を望んだのかしら?」
式(女)「彼は何と引き換えに、何を守る為に消えたのか?いなくなってしまった式(男)。おそらく自らの夢を守ると、幸福に生きると、彼は言う。私に、こんなにも深い孤独を残して」

そしてこれらの台詞より式(男)が式(女)を助け代わりに消えた。よって赤い方が式(女)、青い方が式(男)。そして式(女)は1度目の宇宙空間では意識がなく、代わりに式(男)が目覚める。式(女)が3度目でようやく意識を取り戻すが死に対して成す術がなかったのは上記の演出からも明らか。

 また、宇宙空間は式の内面意識の世界だと思われる。式(男)の意識が覚醒している1〜2度目、周囲は青の色彩に包まれている。3度目は式(女)が青の光を目指すが、赤の色彩が彩る奈落に落ちていく。青い世界は式(男)の意識世界、赤い世界は式(女)の意識世界。

 だとすると、まず1度目で意識を支配していたのが式(女)から式(男)に移る。式(女)の意識がなくなった為、式(男)が出てきたと思われる。そして多数の人影が映るが、この演出は式(女)は式(男)の認識する1個別意識に過ぎない事を示す。しかし

「式君は肉体の主導権がなかったんじゃなくて、使わなかっただけなんだ」
「複合個別人格であるなら、式君は眠っている必要なんかないのよ。彼はいつも眠っていたそうだけど、そこがちょっとね」

という橙子の台詞より主導権は式(女)にあった。なら式(男)は寄生悪魔みたいな感じで多数の人に寄生し何かする感じだろうか?式(男)の実体は別にいて、寄生している式(女)が廃人になると困るので助けた、みたいな?もしくは他に眠っている多数の人格が式の中にいるか・・・・?

 すると、式(男)が式(女)を助けた方法を示すのが操り人形・・・・式(男)が魔力で作った偽りの人格=式(女)が踊らされているだけ?実は記憶も何も全部捏造されてる・・・・とか?ただ、ここの色彩が青ならそれで良いけど、赤なのが気になる。赤=式(女)=操り人形、の演出と思うことにする。4度目に式(女)が昇っていく世界が赤色でないのも気になるけど・・・・とりあえず、今のところこんな予想になりました(笑)。以降特に書いてなければ式=式(女)。

 少しシーンを戻って黒桐が橙子の事務所に就職する(バイトかも?)。橙子は後に式のカウンセラーとして病院に勤務するが、開業医の部屋とはイメージが違う。また橙子は「こういう商売をやってるとね」電話ではキツ目の喋り方に変える事も必要だという。医者とは思えない。自称魔法使い、そして後のシーンで直死の魔眼を知っていた事からも実際に魔法使いと思われる。なら黒桐も超常の力を持つ側の人間の可能性が高まる。

 色々あって、病院の廊下を運ばれる病人の手がベットからずり落ち、見えた左手には魔術の紋様っぽいものが。これは式に退院が告げられるシーンで取り上げたい。

夜の病室で霊魂を呼び(向こうから群がってくる?)憑依(?)させる式。
「結局、開いた穴は何かで埋めるしかない。記憶ではなく、今を積み重ねて新しい自分を形成していくしかない。それは誰も手を貸せない伽藍作りなの」
という後の橙子の台詞より霊達の記憶を見て慰みにしているっぽい。しかし夜が明けて自嘲気味に笑う演出より、橙子の言う通り心の穴は埋まらないようだ。

式「彼(黒桐)の名前だけが思い出せない」
橙子「ええ、彼が失われてしまった以上あなたの記憶にある欠落は取り戻せない」
これより黒桐に会うときはいつも式(男)だったとすると・・・・アッー!な世界の可能性が?

「バラはバラとして生まれるの。育った土と水が変わっただけで違う花になりはしないわ」

 これも違和感が激しい。式は高校生になるまで成長していた。まるで最近生まれたばかりの言い様。ここも上記の操り人形の解釈がああなった理由。

 色々あって、退院の話を(多分)両親と聞く式。看護婦、自分でさえも魔眼の力で滅び去る様を見る。しかし医者と両親には魔眼の力が及ばない。式が霊を受け入れ魔眼を持っているのも含め、上記で両儀家が超常の力を持った一族だと述べた理由がここ。

 また医者は式が最初に目覚めたのを診察した時、魔眼の力で滅ぶ様が映っていた。式の両親は魔術師の家系とかで結界か何か張ってるとしても、医師は・・・・これと合わせて上記で述べた魔術の紋様が左手に書かれた患者がいたり、この病院はちょっと胡散臭い。

 そんな感じで次回に続く。
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2013年07月07日 22:40 by 元会長
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