自動掃除機の起動音で目を覚ます翼。しかし自動掃除機が頭に当たるまで起き出そうとしない。
「これは、阿良々木君が大袈裟に、さながら歴史上の聖人や聖母のように語る私が、ただの1人の人間である事を知って貰う為の物語だ」
朝目覚めても布団から出たくない、そんな普通の人間だという演出。
「私が猫であり、虎である事を、そして人である事を知って貰う為の、軒並みがっかりして貰う為の裏切りの物語・・・・さあ、悪夢から目覚める時がやってきた」
虎の怪異も翼が招いたもの。また自動掃除機は翼の意思で動かしたものではない。自発的に悪夢から目覚めようとしたのではなく、外的要因でそうなるとの暗示。
色々あって、学校にいく途中で真宵に会う翼。あれ、見えたっけ?と一瞬思ったけど、そう言えば1期でも翼は見えてたな・・・・。つまり翼は家に帰りたくないのでまた真宵、迷い牛に会ってしまった。
赤いのぼりは翼の家に帰りたくない、現状に対するストレスに起因する「怪異の表れ」・・・・開始早々言い訳すると、のぼりがこんな風に乱立する事は普通ない。そして普通は自動掃除機のように、常識的光景の中に演出を隠し込む。しかし、この作品はそうではなく、演出の為に非常識な光景でも大胆に使用する。よって演出の解釈が難しい・・・・だから解釈ミスしても仕方ないよね・・・・と最初にハードルを下げておくのが汚い大人(笑)。
赤いのぼりにはそんな意味がある。真宵に会うまでと、虎に会った後は全て普通の風景なので、翼のストレスの表れ、ではなくストレスに起因する「怪異の表れ」。更に、赤いのぼりは無差別にではなく規則的に立っている。翼の意識下では入ってはいけない場所(誰かの私有地)を示し、ルールを守る為に圧迫してくるものの表れ。よって単に怪異だけを表している訳でもない。
だから随所に入る、のぼりがない翼と空だけ(電線とかは無視)の画が対照的に凄く映える。天は蒼く高く、自由で広々として、むしろ切なくなる。翼は(無意識下だとしても)どれだけ自分を縛って生きているのだろうか・・・・。
しかし、ぼk・・・・ロリコン諸兄はともかく、翼がそんな空を感じるような気持ちになる要素がこの会話の中にあるだろうか?
また、真宵が最初に歩いている時、影を纏って途方に暮れているといった表情。また
「へぇ〜」(と言って真宵と目線を合わせる為にその場にしゃがむ)
「無理矢理(暦の家に)連行されました」(この時の影は8割程だが)
(「阿良々木君は昨日の夜からずっと(家に)帰っていないのか、かもね」→)「おお〜」
の時も真宵と翼は影に覆われる。後に翼の台詞や
"真宵チヤン絡ミ-------ダラウカ。"
より暦は真宵の為に奔走していると思われる。なら、その妨害になる(可能性のある)事は影のイメージ通り事態を悪化させる、その演出。
しかし、暦が昨日からずっと帰ってないかもと予想する時でさえ、翼は向かって左半面が影に覆われるだけ。それより、最初に会ってしゃがむまでの方が大きく影に包まれてるのが違和感を感じる。翼が迷い牛の事、迷い牛に付いていくと迷ってしまう=良くない事と知っていたとすれば、それを敢えて破ったので全身影に覆われた?そして若干のルール違反ができて気が晴れた?
そんな考察じゃ全然すっきりしない人には・・・・後の翼とひたぎの会話より、この時点で翼は暦が真宵の為に何かしていると感付いていた。なら真宵と話したのはそれに対する嫉妬から。そして、翼が虎に会ったと聞いて翼の手を掴むまでのひたぎも影に包まれている。こちらもそれ絡みで暦に関わって欲しくないから・・・・何て腹黒説を用意しました(笑)。
また真宵とのシーンではのぼりは全く動いていない。真宵が最初翼に突進してきた時、その余波が翼のスカートなどを多少揺らしただけ。家に帰りたくないと思っていたから会っただけでそれ以上の意味はない。しかし、虎に会う前後でのぼりは風に大きくはためいている。また虎が脇を抜ける時も翼は風を受けている。風は空気の流れ、新しい空気が運ばれてくる、変化の予兆。虎は冒頭にあった悪夢から覚めるという変化をもたらすものと思われる。
しかし虎に会った時、のぼりは青色になる。青は侵入可能、ルールを守るという基準からでも緊急事態なら入っても良い、逃げても良い場所。辺り一面が逃げても良い場所になった。更に翼は十字路の真ん中にいる。正に何処にでもいける位置・・・・。
しかし翼は逃げない。何故?のぼりが示すのは、「翼のストレスに起因する怪異の表れ」。逃げるも逃げないもない、自分が呼び出したもの。だから自分が引き寄せた怪異と対決しなければと思うのは「白い」心。だが、自分が呼び出したと(、自分が望んでいると、多分)認識しているので「白々しい」・・・・なのかな?
その後学校で虎の話をひたぎにする翼。会話中やたら影の多い風景だったり、逆光で2人が影を纏っていたり、そもそも映ってるのが2人の影だったり・・・・。ひたぎは前述の理由から、翼は事実上の救援を、しかもひたぎに対して発しているから、ともう2人が腹黒にしか見えない(笑)・・・・しかし、一方で徹夜で町中を探し回ったひたぎ。暦と相思相愛なのに身を引いてくれた、その負い目からはじまったかもしれないが、その友情は深い。今回の件で翼の友情も深まると良いな・・・・。
話を戻して、その内、2人の影がわかれる。暦に猫の姿で事実上助けを求めて、それを自覚しているのに暦に助けを求めた事がないと言う翼と、本当に自分から助けを求めた事はないひたぎ。
その後色々あって、忍野がいた廃墟で寝る翼。夕時〜夜は白い根のようなものが部屋を覆っている。しかし朝、陽の光の中で白い根だと思っていたものは黒い影となる。闇の中に沈むような親との生活の中で、白い心となったものが、真の光(今のところ不明、暦?)に照らされ影に変わる。これからの暗示と思われる。
更に色々あって、ひたぎの家にいく翼とひたぎ。家のシーンは、壁の内一面が取っ払われ、舞台を見るような感じ。2人が演技、建前で喋っている演出。そして舞台というより建設中の家のよう、ぎこちない、不安定な2人の関係を表す演出。
最後に
「阿良々木君の事、今でも好き?」
と問うひたぎに
「うん、今でも好きだよ」
と答える翼。ひたぎは壁に隠れながら、恐る恐る、しかしがら空きになってる壁は映らず本気で真剣に尋ねている。一方の翼はがら空きの壁が映る室内→アップに、何か含みがある。
関係ないけど・・・・世の中にはやって良い引きといけない引きがある。カットして良いシーンと悪いシーンがある・・・・そんなこんなで次回はシャワーシーンから!(威圧)
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