【<物語>シリーズ セカンドシーズン2話 猫物語(白)】誰もいない翼の世界【感想】


猫物語(白) 第懇話『つばさタイガー其ノ貳』

●誰もいない翼の世界

「良いタイミングなので、ここで少し阿良々木君の話をしようと思う。実は私は、阿良々木君の事を春休み以前から知っていた。何でもは知らないけれど、阿良々木君の事は知っていた」

 冒頭は翼の独白。机に座ってる相手と真剣に向き合うなら正面から話す。しかし、翼を映す視点は机の横から。翼は席から立ち上がり、わざわざ横を向く。一見正面を向いて、話に真正面から向き合っているようで、横から、しかもかなり離れた遠くから語っている。真剣に向き合ってもいなければ、遠い対岸の火事、他人事。後にゴールデンウィークの回想に絡めて詳しく述べるが、何せ暦の話をすると言いつつ、独白が終わりOPになるまで当の暦が一瞬も映されないのだから。

 しかも強烈な陽光で窓は一面真っ白で外の様子は一切見えない。更にその光が教室内も照らし全体が白くぼやけている。視界が著しく悪い。翼の視野が狭い事の表れ。1話冒頭の

「羽川翼という私の物語を、しかし私は語る事ができない」

から続く、自分を認識できないから自分を語れないと言った翼の独白、その自分に対する視野の狭さが演出されている。

 次に翼の顔の下半分がアップで何か喋るが無声。唇の形から翼が発した言葉は「あららぎこよみが」?猫や虎を呼んだ、白羽川が認識できない押し込められた心の声?なら映像は途中で途切れたが、それに続く言葉は「すき」ではないだろうか?・・・・しかし、無声=それを白羽川は認識できていない。

「阿良々木君は直江津高校において結構な有名人なのだ。と言うか有り体に言って、悪目立ちをしていた」

 有名人という事実を言うだけなので翼自身が大きく映る。感情の入らない、事実のみ、知識だけで語れる内容。悪目立ちという、その他の学生達の認識について言う時は翼でなく教室の机などが映る。本人以外を映しながら喋る時は、良く知らなかったり他人事だったり、そういう話である演出。

「学校をサボって授業や試験をおざなりにして、阿良々木君が何をしていたのかと言えば」

 自分の席を離れ、多分暦の席の前に立つ。この翼のように普通机に面と向かうなら正面から。しかし、今はそれを横から映している=翼が自分に向き合えていない。

「どうも春休みやらゴールデンウィークやらと」

 春休みはともかくゴールデンウィークは命をかけて暦が翼を助けた話。それこそ回想で暦の姿を映すのが相応しい。それなのに無機質な外の風景を映しながら喋る。余りに他人事。春休みに暦を助けた時、翼は全く同情の感情を持っていなかったと暦は言っていた。ならゴールデンウィークの事件も何の感慨もなかったという事になる。

「似たり寄ったりの事をしていたようだ。火憐ちゃんや月火ちゃんのファイヤーシスターズの活動だって何の事はない、阿良々木君の中学時代の焼き直しに過ぎないのだった」

 火憐も月火も映されるのは蜂とフェニックスの絵。2人を偽者と認識している演出とも取れるが、翼が感情のある人間を認識できない演出とも取れる。何にせよ独白中に人が全く出てこないのはちょっと異常・・・・。

 そんな中暦の机を指でなぞる翼。珍しく感情の表れた動作。翼は暦と中学は違う筈。ならそれに込められた思いは・・・・火憐、月火への羨望?

「もっとも中学時代の阿良々木君と高校時代の阿良々木君とでは、やっている事は同じでも、そのモチベーションには大きな差異があった事は、どうやら事実のようだ」

 そう言いながら前(黒板の方)を向き暦の席から前に進む翼。黒板の前で1回転する。しかし回っているところは翼の影が映され、その後黒板を背にしたところでも全身影に覆われている。黒板の蜂が白く、フェニックスが影という事は影は翼が知らない事。火憐、月火への羨望があっても、2人が憧れた暦は変わり、変わった暦が自分を助けてくれた、それが嬉しいという、奥に隠れた翼の心。しかし翼はその事を認識できていない。

「何があったのか?その点については、春休み以上に頑なに語りたがらないけれど、高校1年生の頃に、何らかの精神的な転機があったらしい。彼曰く「落ちこぼれる原因」とでも言うのか」

 翼でなく、外の風景がひたすら続く。翼もわかっていない内容の話。

「それに変わろうが変わるまいが阿良々木君は阿良々木君な訳で、出会った頃はクールだった阿良々木君は、今となっては変わり果てたと言っても、それでも彼は彼であり、そして今日も今日とて何やら動いてるいるようで、私はそんな彼をいつからか好きになってしまったのだ」

 窓は光で遮られ、屋外でも舞い散る葉以外は光で真っ白。そんな視界が悪い、風景を映しながら「好きになってしまったのだ」と言っても説得力がない。嘘でないにしても何か含みがある演出。1話レビューで書いたように翼の好きはどこか引っかかる。

「それがいつからなのかは、もう少しあとで話そう」

 ここで暦の席(暦の席の2つ前、1つだけ椅子が出てる席が翼の席だから)に座った翼が映る。あとでまた話すのは事実、だが好きかどうかは怪しい。しかし暦の席に突っ伏し目を閉じる翼。好きというのが全くの嘘という訳でもなさそう。

●ひたぎの部屋で

  OP明けて、翼が目覚める。章ナンバーからブラック羽川が虎と戦いに出たようだが、ひたぎはそれに気付いていない。この後、夜にブラック羽川が抜け出した時は気付いている事から、昨日徹夜で本当に疲れ果てていると考えられる。そんなになるまで、ひたぎは必死に翼を探し回っていた。

 そして目を覚ますひたぎが怖い(笑)。翼が黙って出ていってないか不安だった、もしくは父以外と寝るのは相当無理をしていて起きた瞬間はそれが出てしまった演出。

 寝起きは梁の上から天井板のない下を見下ろす視点。作りかけの家で暮らすような、不安定でぎこちない2人の関係を表す演出。

 シャワーシーンを見られたので、今なら世界平和でも考えられる、ふぅ・・・・。

 部屋に戻った2人を、部屋の壁の内一面が取っ払われ、舞台を見るような感じで映す。1話レビューで書いたように2人が舞台のように演技、建前で喋っている演出。

●食事の盛り付けでわかる事

 それから昼ごはんを作るひたぎ。キャベツは良い作画でした、残念(笑)。同じ釜の飯を食う、ではなく大皿に盛った野菜炒めを一緒に食べる2人。2皿に分けて盛るのが面倒臭いって事はあり得ない、ひたぎが仲良くなろうと頑張っている演出。一方、後に翼が作った朝食はパンもサラダもベーコンエッグも2皿に分けてあった。まあ、ひたぎが焦り過ぎているとも言えるが、頑なな翼の演出でもある。

 色々あって虎と対面するブラック羽川。その場所は十字路の真ん中。1話で翼が会った時も十字路だったし、何か関係がある?4方向と虎と言えば思いつくのは白虎だけど・・・・。

「もしもこれ以上、お前が俺のご主人に害をにゃすような事があれば、俺はお前を殺す」

 工事中で通行止めを知らせる赤灯が3種類次々に映される。通さないというブラック羽川の強い意志の表れ。

●ひたぎの想いは伝わるか?

 色々あって朝起きて鏡を見るひたぎ。疲れの色が見える。
「よろしくね、羽川さんの事、よろしく」
障り猫と握手したせいだけではない。起きた瞬間覚醒するほど気を張り詰めていたように、昼ご飯の野菜炒めを1皿にしたように、一緒にシャワーを浴びたり一緒に寝たりしたように、相当の無理をしている。この努力が少しでも翼を変えられただろうか?

 1話レビューや冒頭で書いたように翼の好きは少なくとも普通の好きではない。最後はひたぎが、翼は本当に暦を好きなのかと疑問を投げかけて次回に続く。


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2013年07月19日 20:13 by 元会長
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