原作未読の初見です。また以降、特に何も書いてなければ式=式(女)です。
●藤乃の涙の理由
雨の中、傘もささずうずくまりずぶ濡れの藤乃を黒桐が見つける。鞄でお腹を押さえながら歩く藤乃を黒桐が気遣う。
「お腹痛む?」
「いいえ・・・・はい、とても、とても痛いです。私、泣いてしまいそうで、泣いて良いですか?」
この涙はおそらく喜びの、歓喜の涙。以下は後の藤乃と母(?)を回想しながらの藤乃の台詞。
「(手を切って)痛かったでしょう?」
「それは訳のわからない言葉でした。でも、抱き締めて貰えたのが嬉しくて・・・・」
(泣き出す幼い藤乃)
「藤乃、傷は治れば、痛まなくなりますからね」
「私には、その言葉の意味もわかりません。だって私は一度も痛いとは感じなかったのですから・・・・だけど、やっと私、わかったんです。お腹がとっても痛くて・・・・せっかく痛みを手に入れたのに、生きているのに」
藤乃が泣いたのは喜びの為という、最初の涙の理由を探るちょっとしたヒント。更に「お腹がとっても痛くて」と言う藤乃の顔は苦痛と歓喜が混ざり合っている。これらより最初の涙も歓喜の涙と考えられる。雨が降ってなければ、黒桐が会う前から藤乃の顔は涙だけで濡れていただろう。
「とても嫌だけど、私が人殺しだと知られてしまったら・・・・だから私、貴方を殺さないといけないんです、啓太さん」
続く藤乃の言葉。「(人殺しは)とても嫌だけど〜」が省略されていると思われる・・・・しかし、上記の苦痛と喜びが混ざった顔、その喜びの中に殺人の喜びも入っていると思えてならない・・・・出る娘がほとんどあっち側ってどういう事なの?(慟哭)。
場面は黒桐の部屋で、寝ている藤乃に黒桐がシーツをかけるところ。ここで藤乃の制服が大写しになる。その時、ちょうど右脇腹の辺りに切れ目がある。そこが後に出てくる不良に刺された場所だろう。
●結局式の人格は?
場面は橙子の事務所に。藤乃を確保するか殺すかの依頼を受けた橙子。橙子からその話を聞くとすぐ出かけようとする式。
「ずいぶん性急じゃないか、式。そんなに飢えていたなら・・・・ほら相手の顔写真と経歴だ」
「いらないよ。そいつは"俺"と同類だ。だからきっと出会った瞬間に殺し合う」
2話レビューでは一時的に式(男)が出ていたから一人称が"俺"に変わったと思ってたのですが、一人称が"私"に戻らない、困った(笑)。考えられる可能性は2つ。
1.式(男)が復活して式が引っ込んでしまった
2.強くなる為に式が式(男)を模している
1だと橙子が何かしら言うだろうし、話の流れ的にも何故式(男)が消えたのか?なんてのをやった意味がなくなる。よって2話で俺と言っていたのも式、"俺"という一人称は強くなるという決意の表れ。
・・・・だとすると、式は普通の生活に憧れてるなんて言ってたけど、全然あっち側の人・・・・人殺ししか生きる目的がなく、人を殺せないと飢えて、同類と出会った瞬間戦いはじめる・・・・やっぱ通り魔事件の加害者だよね?(笑)。
そうなると、式(男)がむしろ良心的人格だったのでは?殺人狂だった男が消え女の子が残るなら何も問題ない、と深く考えなかったけど・・・・自己犠牲で式を助けるくらいだし、式(男)は戦闘力は不明だけど精神的に強かった。だから式も強くなる為に式(男)の言動を真似た。そっちの方がしっくりくる・・・・。
ただ、1話で式は黒桐の名前を思い出しており、ド忘れしたのを思い出したってのはアレだし、やっぱり式(男)が認識できない形で式の中に残ってるのは間違いない筈。
●式の普段着は和服
色々あって喫茶店で鮮花と藤乃に会う式。
「誰が自意識過剰ですって?そんな格好で出歩いている人に言われたくないわよ」
鮮花の式に対する台詞。確かに3話で普段着として和服を着てるのに違和感を感じたが、1〜2話の全ての回想で式は和服を着ていた。過去の式が洋服を着ていて、式(男)と思われるシーンだけ和服を着てたら違った考察もできたけど、そんな事はなかった(笑)。よってこの台詞も今までの和服姿を見た上でのもの。
その上で声に突っ込みがないので、以前から声を低くして話していたと思われる。病院でもこれくらい低かったが、2話での戦闘シーンだけ声が若干高くなった。余裕のない戦闘中の声なので、それが地声と思われる。
●境界
「お前、お前痛くないのか?・・・・いや、お前じゃない」
喫茶店で藤乃を見て開口一番こう言った式。後に橙子が
「腹部を刃物で刺されたのが20日の夜。式が出会ったのがその2日後だ。その時、浅上藤乃に傷はなかった、完治していたと言うんだ」
と言っている。2日で刺し傷が完治する事からも超常の力を持っている・・・・まあそんな考察をするまでもなくレイパー達(多分)を超常の力でねじ切っているんだけど(笑)。つまり式は藤乃を見ただけで肉体的ダメージがない事と、それなのに強烈な傷の痛みがある事を見破った。直死の魔眼は、精神的(?)にダメージを負った箇所も判別できるようだ。
そしてそんな異常な状態で平然としていた藤乃を犯人だと判断し、尾行する式。藤乃に近付きながら喋る式が、途中コンテナの影に入り全身影で覆われる。その時の台詞が
「だからさ、人間はそういう風には死なないよ。人間らしい死を迎えなかった奴は既に人とは呼べない。境界から外された奴は、根こそぎ意味を剥奪されるんだ。もう常識では扱いきれないだろ、それも、お前もな」
題名"空の境界"の一部が含まれてる最重要レベルの内容と思われる。すぐあとの
「(あはは、)俺達は似たもの同士だよ、浅上藤乃!」
という式のあっち側の台詞が影を抜けてからだった事から、思考が逝ってしまったあっち側の理論ではない。深淵、人智の及ばない闇に隠された理を示す演出だと思われる。1話レビューで書いたように両儀家は超常の力を持った家系なので、式もその知識を持っているという事だろうか?しかし、境界についての詳細は不明。
●藤乃の力と荒耶宗蓮
そしていざ戦おうとすると、藤乃の目から魔眼の力(?)が消える・・・・後の黒桐の台詞より、藤乃は無痛症と考えられ、今はそれが一時的になくなっている。なら藤乃の力は痛覚が戻っている間限定のもので自分では制御できない?橙子は不良達に背中を殴られたせいと言っていたが・・・・。
2話の最後で
「もう良い、白けた。今のお前じゃ殺す価値なんてない」
「俺は浅上藤乃を許せない。あいつがまた人を殺すかと思うだけで吐き気がする」
それを見た式はそう言ってその場を去る。下は後の式の台詞・・・・50歩100歩じゃないかな〜(笑)。
再び橙子の事務所に集まる一同。
「あと荒事になるから、黒桐は啓太少年と一緒に、ここに残る事」
との橙子の台詞より黒桐に戦闘能力はない。
●痛覚残留
「違うぜ橙子、あいつには本当に痛みがある。浅上藤乃の痛みは体内にまだ残っているよ」
「あー?傷はなかったんじゃないのか?痛覚だけが残留しているとでもいうのか?」
話は進んで式と橙子のやりとり、タイトルの意味が語られる。
●両儀と式
色々あって、藤乃と戦いにいく式を見送りながら
「さて、嵐が来るのが先か、嵐が起こるのが先か・・・・式1人では返り討ちに遭うかもしれないぞ、両儀」
と橙子が言う。外は暗雲が立ち込め今にも雨が降り出しそう。藤乃1人だと雑魚を一方的に虐殺するだけで嵐とは言えない。また嵐が来る=既に何処かで起こっている嵐が来る。よって、(自然の)嵐が来るのが先か、(式と藤乃による)嵐が起こるのが先か。
ここで問題なのは「両儀」が誰かという事。2話レビューでは式の親だと予想したが・・・・橙子と式の親の接点を全く書かずにこの台詞を出すのは不自然。次回でその様子が出るかもしれないけど「両儀」が式の中の別人格の可能性もある。「式(男)=式君」だし・・・・式(男)と面識があったが式にとぼけていたとか?複合個別人格相手にそんな事ができる?・・・・魔術師だから可能性がなくもないか・・・・?
最後の藤乃の
「痛い・・・・」
ってちょっと嬉しそうな台詞が切ない・・・・次回、式には啓太を代わりに殺させてあげて、藤乃は無罪で良いんじゃないかな・・・・(切望)。
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