【<物語>シリーズ セカンドシーズン3話 猫物語(白)】角砂糖は心の在り様【感想】


猫物語(白) 第懇話『つばさタイガー其ノ參』

●角砂糖は心の在り様

 冒頭、翼と暦の違いを翼に語るひたぎ。その時、ひたぎが積む角砂糖は、様々な人の心の在り様を演出する。

「例えば、道路で車に轢かれて死んでいる猫がいるとして、その猫を埋葬してあげるという行為はきっと正しい」

 ひたぎがこう言う時、1行×1列で角砂糖を積み上げた、角砂糖の棒とでも言うべきものが2本、机の上に作られる。それは任意1つの倫理観以外が崩壊した人間の心。例えば「引き受けた仕事を責任持って全うする」事は正しい。だから、依頼されれば子供や無私の善人でも殺す、倫理観の崩壊したプロ意識だけ高い殺し屋といったところ。貝木とかこの類かもしれない。

「羽川さんはそうするんだろうと思うし」

 ひたぎがそう言った直後に映される、2枚の角砂糖の壁。基盤のしっかりしたお人好しといった感じ。左側が暦、右側は忍野というのはどうだろうか?

「(阿良々木君も、何だかんだ言いながら)そうするかもしれない」

 この時映されるのは、基盤が細長く、その上に不相応に伸ばされた2本の塔。偽物語の火憐、月火にぴったりではないだろうか(あれから2人はどれだけ成長してるだろうか?)。

「全てを受け入れちゃダメなのよ。あなたは馬鹿さや駄目さに対して、何の警戒心も持っていない。人から付け込まれる事がわかっていても、なんとも思わず善行に走り、集団の中で浮いてしまう事がわかっていても、倫理的であろうとする。結論として、あなたは良い人なんじゃなくって、聖人でも聖母でもなくって、闇に鈍いだけだわ。それじゃ、野生として落第よ」

 そしてこの時映されるのが、角砂糖で作られたデフォルメの鎧武者のような像。匠の技や根気の問題でなく、もはや接着剤や釘でも用いなければ、
「自然法則では作成不可能=野生として落第」。

 更に張り出した上部のせいで、下部が影に覆われている。正に、過ぎたるは尚及ばざるが如し・・・・。

●2人の距離(物理)が意識の距離

「その猫を埋葬する事が危ういからよ。自分が良い人、善人である事を周囲に知られる事は、人間社会では非常に高いリスク。付け込まれる可能性が」
「いえ、違うわ。きっと貴方にだって、そのリスクの存在はわかっている筈。だけど、そのリスクを全然大した事だと思っていない。そこなのよ、多分。あなたは何も後悔していない。悪意や駄目さをまるでものともしていない」

 少し戻って、台所でコーヒーの湯が沸くまでの間にひたぎが言った台詞。下は台所から机に戻ってからのひたぎの台詞。また、ひたぎは翼の反対側、机からかなり離れた場所に立ちながらこう話している。

 机に着いて話すより、明らかに2人の距離が離れる。ひたぎの話が翼の意識より掛け離れている事の演出。(ここに限らないが)ひたぎの話を聞く間、翼はずっと呆然とした顔のまま。翼は猫を埋葬する事がそんなに危ういと思えない、そのリスク、悪意や駄目さを問題視する事が理解できないといった感じだろう。

 これらの台詞の前は、死んでる猫を見かけたら埋葬するのが正しいという翼にも理解できる話。後ろは、普通の人の考え方を挙げるのではなく、翼が何故悪いのか言い聞かせている。ひたぎから歩み寄って縮めたのは、意識ではなく心の距離。しかし、次のシーンより翼はまだひたぎの話を理解できない・・・・。

●元ネタ

「神原にメール?なんと不愉快な。私を差し置いて、阿良々木君に助けを求められるなどあの女、どうしてやろうかしら?まずは内臓を・・・・」
「戦場ヶ原さん性格が更生前に戻ってる」

 夕方、ひたぎの家に戻る翼。これは神原が暦に頼られたと聞いた時のやり取り。これを受け、自分の両人差し指で自分の唇の両端を吊り上げ「おっと」と言うひたぎ。この仕草はDARKER THAN BLACKの銀(イン)というキャラのパロだと思われる。銀は感情をなくし笑う事のできない少女。かつての師匠への手向けに無理矢理指で笑顔を作った(自分でやった時は片手だけだったが)。それを当てはめるという事は、2話レビューでも書いたように、やはりひたぎは相当無理をしているようだ。

●2つのコップの意味

「(そうだよ、自分の家だと思ってよ、思いまくっちゃってよー、)羽川さん」
 色々あって、暦の家で火憐と月火が翼を迎える。お茶を勧めながらこう言う月火。その時、月火は両手で2つのコップを持っている。コップは最初に柄ものが1つ、次に柄なしが3つの計4つが映り、その全部に氷が入っている。よって月火が翼の分まで持って渡した訳ではない。

 この時だけ、コップを2つ持つ演出の意味・・・・二心、裏、隠し事。しかし、歓迎してないのなら後のシーンも2つコップを持ち続けないとおかしい。
火憐は「翼さん」、月火は「羽川さん」と呼称が違うのも気になるが・・・・今のところ月火に裏はなく、月火も(自覚はないが)人に寄生する怪異で「自分の家だと思って〜」と言うのは本来おこがましい、その演出と考える事にする。

●火事は虎のせい?

「忍野さんが言うところの、人は勝手に1人で助かるだけ、とは全然違う理屈なんだろうな。そう多分私は自暴自棄なのだ。1人で助かろうとも思っていない。私は味気のなさを受け入れていて、闇に鈍く、野生として落第」

 色々あって、暦の家の脱衣所で物思いに耽る翼。周りがどれだけ手を尽くそうが、心の持ち様、在り様を変えられるのは本人だけ。自分の心の問題を乗り越えられるのは自分だけ、それが忍野の真意。よって翼はむしろ真逆、他人がどれだけ手を尽くそうが勝手に1人落第していく・・・・。

 またここで映される虎は白地黒字が逆転し、目が炎のよう。後にブラック羽川と忍の会話の時に映る虎の目も同様。火事は虎のせいで間違いなさそう。

●次に虎が来る家は?

 今回最後で1話で翼が泊まった塾の廃墟が焼け落ちる。翼がストレスを感じた場所を焼いていくなら、学校の方が先だろう。そうだとすると帰りたくない家を焼く怪異?なら次回は・・・・上記で書いているように、ひたぎの家でひたぎと翼は、ずっと無理をしていた。ひたぎの家に虎が来る?

 ただ、1話で翼が寝た時に塾には虎を連想する白い根があった。他に虎を連想させたのは1話で翼がひたぎと話した時の学校。柵などの影が虎の模様のようだった。よって演出的には次に虎が来るのは学校かも?

 話を戻して、この後、3人のお風呂やブラック羽川が天井から垂れるロープを足で弄る姿など、サービスシーンが多過ぎて逆に次回からが怖くなってくる(笑)。

●ナポレオンを翼に当てはめると?

「表とか裏とか、そんなもんは表裏一体みたいなもんなのじゃがの。我が主様も大概じゃが、どうもうぬもうぬで要らんところで空回りというか、空転しておる印象があるの」

 色々あって暦の部屋で会うブラック羽川と忍。忍はこう前置きしナポレオンの話をはじめる。それを要約すると

ナポレオンは3時間しか寝ない+風呂好きで1日6時間の風呂=風呂の中で寝ていた

「つまるところ、別々の事柄のように思える事でも案外繋がっておるのかもしれんと、わしは言いたい訳じゃ」

 これらを翼に当てはめると・・・・

自分に甘い者は、他人にも甘い。
自分に厳しい者は、他人にも厳しい。
他人の悪意や駄目さ全てを受け入れる→自分の悪いところも全て受け入れる。
何でも受け入れる翼→無関係な500人を襲いストレスを発散しようとする障り猫も受け入れる。

要はプラスマイナス0。虐げられても倫理的であろうとした翼に報いないのは倫理的でない。500人も無差別に襲おうとしたのに、翼が障り猫を否定した事はない。"怪異として"の障り猫も受け入れている。それを"自分として"受け入れられれば翼の心のバランスもプラスマイナス0になる筈だ・・・・余談だけど人の行動全てを許し、汝の為したいように為すが良い、が教義の某神様は暗黒神だったりする。ホント善と悪は紙一重(笑)。

 翼がマイナス部分を怪異ではなく人として、自分の人格の中に取り込んではじめて翼は"ただの1人の人間"になれるのではないだろうか?それが1話冒頭の翼の台詞

「これは、阿良々木君が大袈裟に、さながら歴史上の聖人や聖母のように語る私が、ただの1人の人間である事を知って貰う為の物語だ」

へ繋がると祈って、次回に続く。


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2013年07月26日 20:57 by 元会長
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