【有頂天家族4話】狸の明治維新【感想レビュー】


有頂天家族2の記事も始めましたので、よろしければご覧下さい。
【有頂天家族2】一期のまとめと二期の予想
【有頂天家族2】第1話 感想・考察



有頂天家族 第04話「大文字納涼船合戦」

●赤玉の本心は?

 冒頭は納涼祭りに赤玉を誘う矢三郎。赤玉は最初ちゃんとダルマの目を描いていたが、矢三郎と話すうちに黒目をはみ出して目の辺りを塗りつぶしてしまう。そんな風に気もそぞろになってしまった原因はなんだろうか?

 奥座敷に乗り込み赤玉はしきりに聞く、弁天はいつくるか?と。奥座敷は弁天のもの。だから「弁天に会えると思った」と考えられる。しかし、夷川の船に弁天がいるとわかっても、赤玉は船を移ったり、矢三郎に連れてくるよう言ったりしない。本当に弁天が目的だとすると違和感がある。

 また、今回で下鴨総一郎が赤玉の恩人だとわかった。矢三郎たちは恩人の家族。そして不本意でも矢三郎には何かと世話になっている。これらより、本当は来たくなかったが、矢三郎の顔も立てなくてはいけない。その葛藤でダルマの目を塗り潰してしまったのだと思われる。

「これから"先生に"お借りした奥座敷を使って、送り火を見物しようと企んでいたところです」

 色々あって、赤玉を納涼祭に誘う矢三郎。"弁天に"ではなく"先生に"借りた奥座敷。"弁天に"と言っても、赤玉が気分を害する訳がない。よって、矢三郎は弁天の所有物だとは認めていない、赤玉から魔法の品々を巻き上げた事を認めていない。

●気を張る矢一郎

「お前矢一郎か?何故そのような格好をしておる?」
「今宵は無礼講です薬師坊先生。たまには私も遊ぶのですよ」

 赤玉と矢一郎の会話。しかし、奥座敷が飛び上がっると、もう矢一郎は普段の姿に戻っていた。かつて父がしていたから無理に化けていただけだと思われる。

「見ろ、"早雲"がいる」
「いくら何でも酷すぎる。俺が"叔父上"に抗議してこよう」

 また、上は早雲を見つけて矢一郎が最初に言った台詞。下は夷川から砲撃を受けた時の台詞。上が本心、下は矢一郎が総領として作っている外面、その差が垣間見える。これらは、総領として常に気を張っているが、すぐボロが出る矢一郎の演出。

●狸+茶釜=恩返し

「あー"茶釜"に飲ませるのは勿体無い・・・・」

 シーンを戻して、奥座敷を飛ばす為に矢四郎が茶釜にワインを注ぐ。これはそれを見た赤玉の台詞。奥座敷や茶室ならなんとも思わないが"茶釜"なら話は別。狸、茶釜と聞いて思い浮かべるのは分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)、狸の恩返し。よって、この奥座敷での宴会は矢三郎の赤玉への恩返しという事になる。

「飲みたいものを好きに飲み、妄想の天空を自在に飛行するのは、天狗たる者の生得の権利に他ならぬ。わしは如意ヶ嶽薬師坊である!」

 後にこう言って最後のワインを飲み干し、奥座敷を墜落させる赤玉。また、狸は阿呆だとワインを飲みながら繰り返し言っていた。しかし、本当は意地を張りつつ赤玉も阿呆な事をしたかった。狸をダシに今回はそれができ、良い憂さ晴らしになった、そう思われる。

●父の話を知らない矢四郎

 シーンを戻して、奥座敷に金光坊がやって来る。歓迎し酒を注ぐ母だが、しばらくすると狸一家は廊下に、天狗は室内に分かれ、微妙な壁を感じる。しかし、顔だけは室内に向けていた狸達。だが、金光坊が偽如意ヶ嶽事件について話しだすと矢四郎以外みんな外を見て目を逸らす。まだ総一郎の死を受け入れられていない、その演出。

 矢四郎だけは父の知らない話を聞けて嬉しそう。自慢できる偉大な父の話を"矢四郎は知らなかった"、つまり家族の誰も話していない。これからも総一郎の死をまだ受け入れられていない事がわかる。

 しかし、こんなに強いなら並の人間が銃を持ったくらいで到底殺せるとは思えない・・・・とするとやはり弁天が何かしたのだろうか?

 色々あって、矢三郎達に花火を打ち込まれ沢山の小火が上がる夷川の船。それが船の花火に引火し多数が誘爆する。そんな夷川の船を見もせずに弁天が見つめるのは(多分)矢三郎達の奥座敷。夷川に全く興味がなく、矢三郎に強い興味を持っている演出。

●狸の明治維新

「花鳥風月を真似るのも風流だが、やはり一番味があるのは、人間を真似る事であろう」

 これは冒頭の矢三郎の独白。今回の空中戦が(意図せず)蛤御門の変を真似る事になる伏線。五山送り火が8月16日、蛤御門の変が8月20日。この変より小五郎は京都で潜伏生活に入る。

「才覚のある私は、余りに巧みに逃げたので、夏の終わりから秋にかけて、私は"逃げの矢三郎"という勇名を洛中に馳せる事になる」

 シーンを飛ばして、奥座敷と雷神、風神扇を失くした矢三郎。弁天を恐れ脱兎の如く(狸だけど)逃げていく。これはその時の独白。"逃げの矢三郎"と聞いて思い浮かべる渾名がある、眠りの"逃げの小五郎"だ。幕末、小五郎は剣豪でありながら剣で戦わず、洛中を逃げ回ってこの渾名を付けられた。
「剣豪なのに戦わない=強い力(父のように大変化できる?)があるのに使わない」
という更に踏み込んだ暗喩ではないだろうか。

 3話レビューの「矢三郎=クジラ」や今回の「矢三郎=桂小五郎」のように、矢三郎は繰り返し大物の暗示がされている。

 また「矢三郎=桂小五郎(長州藩)」より「夷川=江戸幕府」、「今回の空中戦=蛤御門の変」と考えられる。なら矢三郎が夷川を破る未来は約束されている。

 ここからは妄想(笑)。あと残っているのは弁天と赤玉。今のところ「赤玉=近代兵器(外国)」、「弁天=薩摩藩」と考えるのが一番しっくり来る。これは弁天が味方の場合。次点で「赤玉=天皇」、「弁天=徳川慶喜」。これが弁天も敵の場合。ただ、維新をなぞったのは今回の空中戦だけで、物語を通してはなぞっていない気がする。

 物語通して維新をなぞっているなら、次回の宴会が薩長同盟だけど・・・・もし、そう考えられる要素が出たら次回改めて考えたい。
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2013年07月29日 21:07 by 元会長
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