【<物語>シリーズ セカンドシーズン4話】猫物語(白)は翼の恋の物語【感想】


猫物語(白) 第懇話『つばさタイガー其ノ肆』

●OP考察

 OPの圧倒的違和感、それは暦がクレジットされている事、それにやっと気付いた。1〜4話まで1回たりとも暦は登場していない。なのにOPに暦のクレジットがある。それが意味する事はただ1つ、暦が最重要人物だという事。後に述べるように、翼が"虎=火=嫉妬"にいき着いた事からも

「猫物語(白)は翼の恋の物語」

だと考えられる。親との不仲や翼の異常な感情も話の柱ではあるが、最重要なのは暦との恋物語だという事(これは1話で気付きたかったなぁ・・・・)。

 OPがはじまり、ダンボール箱の中で眠る白翼。ダンボールは2話レビューで書いた「自分に対する視野の狭さ」の演出。

ごめんね こんな風に
君の事を 困らせるの

最初で最後だって
決めている 何度も

 ダンボールから黒猫が飛び出し、その後画面の真ん中に翼が現われる。ブラック羽川により、少し外の世界に出られた演出。

やたら甘すぎる
チョコレートみたいな

真っ白な夜は嘘だらけ
おとぎ話の世界

本当はずっと 夢見ていたの
本当はずっと 知らなかった

 8匹の黒猫に運ばれる翼。黒いチョコレートを食べると白い光に包まれる。ブラック羽川の助けで、黒チョコ(=嫉妬)を感じる事ができた。しかし、それにより白虎になってしまう。

眠り姫はね 王子のキスを

 白虎の翼が座る三日月が光を増し、満月となったそれが黒く巨大な城(=翼の心の闇)を夜の闇に浮かび上がらせる。虎により自分の心の闇を認識できた翼の演出。

待っているだけではダメだと

 ダンボールに入る白虎の翼。翼が自分の中に虎を受け入れられた演出。そして自分からダンボールを開け飛んでいく。虎を受け入れ、自ら視界を閉ざすダンボールを開け、普通の感情を手に入れた演出。歌詞的にその後翼、ひたぎ、暦がどうなるのか気になるところ・・・・。

●ブラック羽川になった原因

「でも、どうして私が、またブラック羽川になったのかっていうのは、想像が付くよね」

 翼がこう独白する時、焼けた翼の家が映る。翼は家が焼けたせいだと考えているが違う。家を焼いたのは虎。虎の原因が家の火事なら、火事が起きるまで虎は家を焼けない、正にデットロック。

 何よりOP考察から、虎とブラック羽川が出て来た原因はただ1つ。1話で真宵に会って暦が真宵の為に動いている事に嫉妬したから。3話で塾跡が焼けたのも、暦に頼られた神原に嫉妬した為だと考えられる。

 ではその行動原理は?正義なく無関係な者を襲いストレスを発散させようとしたブラック羽川。一方、後の赤いトランプの話でも述べるが"虎=白=正義"だと考えられる。なら虎は原因となった者を直接襲うのではないか?

 翼が寝床にした場所を襲う、というのはミスリード。ストレスの原因となった両親の家と、神原がいくと言っていた場所を焼いたと考えられる。なら次に狙われるのは真宵。前回忍とブラック羽川が塾跡から移動した暦の足取りを掴んでいるなら、そして予想通りそれが真宵関連の話なら、次回そこに全ての役者が揃う事になりそう(次点は、現彼女であるひたぎの家・・・・もしくはブラコン妹達がいる暦の家(笑))。

「人は嫌な事があったら、どんどん逃げて良いんだけれど、目を逸らしているだけじゃ逃げた事にはならないんだよ」

 今の翼は逃げ(られ)ない。1話ではじめて虎を見た時もそうだった。

●街灯の柱の意味

「君が何も知らない事も私は知っている。しかし、それは恥じるべき事じゃないよ。世の中の人間て奴はみんな何も知らないんだから。知らず知らずの内に、騙し騙し生きているんだ」
「勿論昨日の夜、メメを含む君達にとっては思い出の場所とも言うべきあの学習塾跡の廃墟が燃えてしまった事だって、私はちゃーんと知っているさ」

 伊豆湖の立っている踊り場にある柱だけ弧を描く柱の先が1点に集まっている。更にこの台詞の時だけは、翼のいる道の両端から伸びる街灯の柱も繋がって柱ではなく半円のアーチのように見える。伊豆湖には全ての情報が繋がって見えている演出。

 よって、街灯の柱は数多の情報を暗示し、それがバラバラに見えた翼(やエピソード)は情報と繋がっていない=知らない、もしくは断片の情報を知っていても関連する他の情報に結び付けられていないという演出。
つまり翼は状況を全然理解できていない。

●赤色=虎への理解度

 浪白公園からひたぎに電話する翼。シーソーや滑り台など公園のほんの一部が僅かに赤色で塗られている。そして視点が翼に寄ると、それらの1つずつしか映されず画面に占める赤色は更に少なくなる。翼は虎の事をほとんど理解できていない。

 一方、翼の話を聞いたひたぎは赤い色紙で鶴を折り、赤い鶴の山脈が部屋に現われる。翼の話からどんどん虎の正体に近付いている演出。

「じゃなくてこれは、貴方が直前に寝床とした場所が連続で燃えたという事じゃない」

 この時、ひたぎの投げた「白い紙飛行機=翼」が「赤い鶴の山=虎の正体」に突き刺さる。ひたぎが虎の正体まで翼を導いた演出。

「つまりこのままだと、私のアパートや、阿良々木君の家も、今晩あたり、全焼の憂き目にあっちゃうって事なんじゃなくて?」

 ひたぎがこう言う時、赤い鶴達は部屋を舞い、ひたぎのアパートは赤い鉄骨で覆われている。虎の正体を的確に言い表すと同時に、ひたぎのアパートが炎に包まれる姿を思い起こさせる演出。ただ、上の方で述べたように、翼が寝床にした場所が燃やされるのはミスリードの可能性があるので、ここも罠演出である可能性がある。

●翼は駄目な娘

 今まで翼は名探偵のような洞察力、推理力で答えに辿り着いていた。しかし、ひたぎと翼の会話を見ていると、とてもそうは見えない。1話の翼の台詞
「羽川翼という私の物語を、しかし私は語る事ができない」
を受け、2話レビューで書いた「自分に対する視野の狭さ」が改めて強調された。

 また、今回もひたぎの部屋が舞台に作られたセットのように映される。しかも舞台手前の骨組み越しでかなりの心の隔たりがある。心の壁とまでは言わないが、心の骨組みがある。心が遠く離れているとは言わないが、舞台前でなく後列席から見るくらいに距離はある。

 勿論、ひたぎは壁を取っ払って部屋の中身が見えるように、極力歩み寄ろうと努力している。翼が嫌いな訳ではないし、友達として仲良くなりたい。


しかし、翼はひたぎの彼氏である暦が思いを寄せた、いつ暦を取られるかわからない相手。
本来、仲良くできる訳がない。


 1話レビュー2話レビューで書いたように、ひたぎは相当無理をしている。数々の演出からそれは明らか。

 一方で翼は全くそれをわかっていない。全然普通に電話をかけている。これを見て、1話で翼がひたぎに虎の話をした時の違和感が正しかったと、確かにアレが異様だったと認識できた。

「十何年間正しすぎる人間(=翼)がずっと傍にいたんだぜ?それは言い換えれば、己の醜さ、己の未熟さを延々と見せ付けられる地獄だ、悪夢だ」

 猫物語(黒)で忍野は翼の両親をこう弁護した。正にこれだろう。もし、ひたぎが翼と普通に接する事ができない自分に劣等感を感じたなら、それはどれ程辛い事か。

「記憶を切り離し、心を切り離す。今朝の通学路で、エピソード君と話した時の事を思えば、わかり易い。私は私で私なりに、春休みの事を思い出しつつ、怖がりながら、彼と立ち話をしたつもりだったけれど・・・・他の誰かから見ればあんな奇行はないだろう。自分を殺そうとした相手と、私は歓談していたのだ。そんな異常な話があるか」

 そして後のシーンの翼の独白。翼もいい加減これらの思いを理解しなくてはいけない。自分の為にも周囲の為にも。

●翼と火憐は似ている

「えっと・・・・お邪魔します」
「お帰りー翼さん。遅かったじゃん、何処寄ってたの?」

 シーンを戻して、阿良々木の家に帰って来た翼。翼が躊躇いがちに「お邪魔します」と言ったのは今朝の暦母の話を受けて。なら火憐が言うべき正解は「遅かったねー翼さん。何処寄ってたの?」で「お帰り」を付けるべきではない。だが、大人の役目は母が果たしており、子供には子供の役割がある。子供としての挨拶なら満点だろう。ただ、正義の味方(ファイヤーシスターズ)としての対応ならまるで不合格。

 一方、大人として一見合格の挨拶をしたようで、翼の心はまだ真っ白な子供。親との関係から逃げられないまま挨拶だけ繕っても張子の虎。子供には不相応な正義の味方や大人になろうとして、中身が伴ってない2人はなんだか似ている。

 そしてスカートさんは相変わらず鉄壁だった・・・・。

●赤色=虎への理解度2

 赤いトランプでトランプタワーを作って遊ぶ翼と火憐と月火。タワーの高さが火=虎への理解度。また、赤い椅子や梯子などが背景に含まれると、より虎に近い事を言っていると考えられる。

 しかし、あくまで基本はトランプタワーなので「怒り=正義」というのは"翼の"正解には近くない。この後翼が辿り着いた答えからも、OP考察からもそう考えられる。しかし、上記で述べたように"虎=白=正義"という虎の性質に正義も含まれる事を暗示していると考えられる。

「因みに私は、火とか炎とかいう言葉からは、恋心を連想するかな」
「うん、お兄ちゃんの恋愛相談にも乗ってあげた事があるくらいだよ」
「でもさ、火憐ちゃん。火憐ちゃんの瑞鳥君に対する気持ちは、正義じゃないけど熱い気持ちでしょ?」

 一方、これらの台詞の時の、月火のタワーの高さや、背景の赤の多さは火憐の比ではない。

「焼きもちを、焼く・・・・嫉妬、ああそうだ。それもまた、明らかにまず最初に連想されても良いくらいに、火に連なるキーワードじゃないか。阿良々木君の中でいない事になっているというのは、言い換えれば、阿良々木君が真実から目を逸らしているとであり、私と同じだ。目を逸らし現実から逸れている。それが何に起因するのかと言えば、人の中で最も強い感情の1つ、7つの大罪の1つにさえ数えられる、正しく嫉妬ではないか。だから焼きもちを、焼いている」

 翼のこの独白の時、トランプタワーは完成寸前。更に説明の中、嫉妬を頂くトランプタワーは既に完成している。論理的には答えに辿り着いた。よって、虎は翼の恋心から生まれた。OP考察で書いた「猫物語(白)は翼の恋の物語」を補強する演出でもある。

 だが、翼は最後でタワーを崩してしまう。それは続く翼の台詞
「記憶を切り離し、心を切り離す。(後略)」
で言われるように、翼が自分にそれ(=嫉妬)を結び付けられなかった事を示す演出。

●覚悟を決める翼

「(前略)そんな異常な話があるか・・・・もう会えないかもしれないな、阿良々木君・・・・」

 自分の異常性に気付き、それから生まれた怪異の強大さを認識したか、最後のピース"翼が暦を好きになった理由"から虎の強大さにいき着いたか、とにかく翼は生きて帰れないかもしれないと覚悟する。

 暦のベットにマーキングをし、暦の服で身を包み、その姿を写メで(おそらく)暦に送った翼。

 次回、虎を倒し翼が無事に帰って来ると信じて4話レビュー終わり。


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2013年08月02日 23:11 by 元会長
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