●霧絵の人物像
作中でまだ名前が出てないが、最後のクレジットより今回の敵は巫条霧絵。
「お前が巫条霧絵か。お前の望みを叶えに来た。"自由になるもう1つの体"、欲しくはないか?」
そして2話の最後で荒耶宗蓮がこう言っていた。その時霧絵はベットに横になったまま、上半身も起こさない。これらより、霧絵は寝たきりの重病だと思われる。よって、霧絵は世間から離れた、病により世間から隔離された存在。
「俯瞰の視界がもたらす感情・・・・それは"遠い"、だよ。高所から見下ろす風景は壮観だ。なんでもない眺めさえ素晴らしいものと感じる。だがね、広すぎる視界は転じて世界との隔たりができてしまうものなんだ」
これは事務所で橙子が言った台詞。霧絵の場合は順序が逆。世界から隔離されている霧絵だから、高層ビルの屋上を選んだ。つまり、霧絵は孤独で、もはや世間に関心を持っていない、世間と繋がっていない。
「巫条ビルは1970年代の高度成長期に、この町のシンボルタワーとして建設されたビル群だ。一時はその高さと展望室だけで客を呼んだが、今では老朽化が進み、何年も前から取り壊しが決まっている。全棟の立ち退きが終わったのはつい最近の事だな」
「なんと言うか、あそこは時間が傾いでいる。順序が逆と言えば良いのか・・・・人の記憶、いや記録か。あのビルはそういった、記録だけの時間の経過が遅いんだ。彼女達の生前の記録が、まだ本来の彼女達の時間に追いついていない。結果、思い出だけが生きている」
また、少し時間を戻して、橙子が霧絵(霊体)がいる巫条ビルについて述べた台詞。そして、これは霧絵の事を指す暗示でもある。霧絵は重病で、現在の記録は闘病中だが、事実上もう死んでいる。そんな霧絵の実体に気持ちだけが追いつかず、霧絵は巫条ビルの屋上で、その思いだけが生きている。
「彼はいつでも夢を見てる。いつでも真っ直ぐにしてる。だからその気になれば何処へだって飛んでいけるんだわ。私は彼に連れていって欲しい・・・・貴方は飛べる?」
更に後のシーンで霧絵が言った台詞。霧絵は世間から離れた屋上で、更に空を見て、何処かへ飛んでいきたいと思っている。地上(=世間)などもう眼中にない。
また、この時の霧絵は空を飛ぶわ透けてるわで霊体だと考えられる。よって、荒耶が言っていたもう1つの体とは幽体離脱した霧絵の霊体。しかし
「視界とは眼球が捉える映像ではなく、脳が理解する映像だ。私達の視界は、私達の常識によって守られている。人は自らの箱を離脱して生きていく事はできないのさ、本来なら」
事務所のシーンに戻って、橙子の台詞。本来なら、自らの箱(=体)から出る事はできないと魔術師の橙子が言う。やはり荒耶が何か悪さをしたのは間違いないようだ。
●式は頑張る方向が間違っている
式がはじめて巫条ビルにいった時、その下には自殺した女子高生の写真と供養の品が供えてあった。写真の娘が可愛い!
そこを過ぎ進んでいくと新たな犠牲者が血だまりの中事切れていた。顔は見えなかったけどきっと可愛い!!
更に橙子が俯瞰について述べる時、ポニーテールの女子高生が屋上から飛び降りるシーンが映る。やっぱり可愛い!!!
更に6人目の犠牲者のニュースが流れた時、橙子の持っていた資料に写っていた2人の娘もメチャ可愛い!!!!
前回、前々回で式はレイパー以外も藤乃が殺戮していると怒ってすぐ動いたけど、タクシーの運ちゃんとかより女子高生が、JKが殺された方が大問題だよJK(常識的に考えて)!
●黒桐は乗せられ易い
「魂の抜け殻になった肉体そのものには意味がない。ただの器、空でしかないんだ・・・・かつてのお前がそうだったようにな」
「あいつは、私の人形にお前の空を見ていたのかもしれないな。人形に取り憑かれるような奴だ、あいつには巫条ビルに近付くなと言ったんだが・・・・」
「暗示は効かない。もともとそんな憧れ、俺にはないんだ」
上2つは義手を修理しながら橙子が言った台詞。下は次回予告での式の台詞。もしこの"空"が題名"空の境界"の"空"なら超重要な台詞。ただ、普通に空っぽの空なだけかもしれないし、3話レビューで書いた"境界"と違い、重要かどうかまだわからない。
また、下2つの台詞より、霧絵の能力は精神系、暗示や洗脳だと考えられる。また、1話レビューで書いた人形の意味は、式の意識が戻らない間、黒桐が式を投影した人形に救いを求めていた演出だったと考えられる。現実に病室に寝ている式でなく、人形に式を投影し(究極的には人形を式だと思い込み)救いを求めた黒桐。だから橙子は暗示、洗脳にかかり易いと判断し、巫条ビルに近付かないよう警告した。つまり、黒桐は乗せられ易い(笑)。
●アイスクリームはバラの花束
自分の部屋で風呂上りに黒桐から貰ったアイスを食べる式。式も黒桐に好意を寄せている。その黒桐の魂が抜かれ、熱くなっている式。初戦は義手を失い散々だった。そのせいで義手がなく、食べにくいのにアイスをわざわざ食べた理由は、黒桐がアイスを持って来た時の台詞より
「でも、今日は暑かったし、流石の式も冷たいものが恋しいんじゃないかと思ってさ」
"冷たいものが恋しい=頭を冷やしたい"と思ったから。
「それに、苺ってバラ科の植物なんだよ。意外だろ。苺は可愛いなんてみんな思ってるけど、バラなんだから・・・・うん、やっぱり式だよ」
何より、バラは恋人に贈る花の定番。式がアイスを冷蔵庫にしまっていたのは、バラを花瓶に入れ少しでも長持ちさせようとするのと同じ。にも拘らず、大事に取っておいたアイスを食べたのは、黒桐の愛情を感じ戦いに赴く自分を鼓舞する為。まさにツンデレ(笑)。
「橙子の忠告を無視した挙句にこの始末・・・・自業自得だな」
「迎えにはいかないのか?」
翌日、事務所で新しい義手を付け、眠り(?)続ける黒桐を見ながら式が言う。続く橙子の質問には答えず、ジャケットを羽織り事務所を出ていく式。アイスを食べ戦う気、黒桐を取り返す気満々なのに、本当にツンデレ過ぎる(笑)。
そんな式をニヤニヤ見つつ次回に続く。
スポンサード リンク
スポンサード リンク