【<物語>シリーズ セカンドシーズン6話】削られてる部分の補足など【感想レビュー】


<物語>シリーズ セカンドシーズン『総集篇 I 』

●メタ的な話

 珍しく、猫物語(黒)「つばさファミリー」を見て予備知識があるので、メタ的な、ネタバレ的な話を書いてみようと思います。

 今回総集編を入れた目的を考えると、妖刀・心渡の説明だと思われる。猫物語(黒)を見てないと、いきなり現われた暦がチート刀で苛虎を瞬殺して"なにそれこわい"状態だろうし(笑)。

「彼女は、吸血鬼モドキの人間の如き存在に、僕は人間モドキの吸血鬼の如き存在に。僕達は互いに、傷を舐め合った。それから僕は、この元吸血鬼に血を捧げ続けている。それが、僕と彼女を繋ぐ唯一の絆なのだ」

 また、猫物語(黒)の冒頭のものから暦の独白が変わっている。しかし、暦と忍の関係は「つばさキャット」、「つきひフェニックス」で語られてる。よって、ここも心渡の所有者である忍と暦の絆を補足し、心渡を貸した流れの説明をしていると考えられる。

 以下、削られたシーンを色々と補足していきます。

●忍が変わった遠因

「人間がそこにあると思うからそこにあるもの。それが怪異だ。怪異は周囲の認識通りに現われる。周囲の認識通りに振る舞う。そういうものだ」
「今この吸血鬼を認識しているのは阿良々木君、君だけだ。(中略)一番強く吸血鬼ちゃんが影響を受けるのは、阿良々木君からだ」

 上記のような理由でスポットライトを当てられている忍だが、忍がょぅι"ょの振る舞いをするのは暦の(悪)影響という話が削られている。

「この(忍がドーナツを犬食いする)図が僕の期待通りって事はないだろ?」
「子供が親の期待通りに育つとは限らないだろ。それでも、期待の影響は受けるさ」

それから繋がるこの会話で、暦は親と子の話から羽川を連想する。しかし、ここは忍が心渡を貸そうと、暦に協力しようと思った遠因の示唆でもある。朱に交われば、ではないが、暦のお節介に影響されている事を臭わすこの話は入れた方が良かったような?

●翼の異常性の示唆

「十何年間正しすぎる人間(=翼)がずっと傍にいたんだぜ?それは言い換えれば、己の醜さ、己の未熟さを延々と見せ付けられる地獄だ、悪夢だ」
「(両親が上記の理由で翼を迫害したのは)委員長ちゃんのせいだよ。力を持つ人間は、その力が周囲に与える影響について自覚的であるべきだ」

 上は4話レビューでも取り上げた、忍野が翼の両親を弁護した台詞。下はそれに続く忍野の台詞。これらも削られている。翼の異常性を説明するこれらは是非入れて欲しかった。

 何だったら、翼の両親は翼と顔を合わせたくなくて、翼を部屋に押し込めようとしたが、それを個室なんて必要ないと、家族団欒の為に要らないと翼が言っていた可能性すらある。翼はそれくらい怖い娘だと思う。ここを削るとその判断を誤ってしまうかもしれない・・・・女の子キャラには甘い僕なんかは特に(笑)。

●忍野について

「阿良々木暦君。ここから先、君にできる事は何もない。君は委員長ちゃんの為に何もできない。したくてもできない。気持ちの問題じゃない、技術の、実力の問題だ」

 暦にこう言った後、忍野が再登場すると顔に落書きや、背中に吸着盤付きの矢が付いている。障り猫と戦ったが連敗した事を表す演出。猫に連敗したと言う台詞が削られてわかりにくいが、忍野でも駄目だったから暦が戦う事になった。

「こんな事には意味がない。怪異殺しを使えば、確かに障り猫は退治できるけど、羽川の抱えるストレスが克服できる訳ではないし、家庭の不和がなくなる訳でもない。こんな解決で良いのなら、忍野は、多分最初の1回で決着を付けている」

 しかし後の暦のこの台詞より、倒すだけなら忍野は余裕だった。でも、5話で苛虎と戦った時にブラック羽川を取り込んだ翼、それくらいの状態を目指した為に連敗した。

 忍野に翼との絆はない。障り猫だけを取り除くつもりで戦えば、本当に取り除いただけになってしまう。だから暦に賭けた。怪異相手の方策や技術ではなく人同士の、暦と翼の心の交流に。
そして後に翼の問題が解決しきってないのに町を離れた事からも、この件で暦に賭け、暦を信頼するようになったと考えられる。

●欲求不満

 暦が恋について月火や火憐に相談するシーンも削られている。暦はクラスのHさんを目で追ったり、気付けばHさんの事ばかり考えてたり、恋をしているかも?と、これは本当に恋だろうか?と月火に相談する。誰が見ても聞いても恋なので恋してると話は一旦纏まりそうになる。すると暦は、胸を揉みたいのも恋だろ?と意図的に"恋ではなく欲求不満なだけ"という結論に誘導した。それを受けての

「ちげーよ、全然違う。僕はただ、欲求不満を解消したいだけなんだ。僕は、下着姿の猫耳女子高生に、欲情してるだけなんだよ」

この言い訳。前半と合わせると同情、恋してるのが強調される台詞だけど、前半がないとそこら辺が薄まってしまう。

●細かい色々

 翼が両親と血が繋がってないと話すのはトンネル。翼の家庭環境が、暗く先の見えない、お先真っ暗である事を表す演出。しかし
「その顔、誰にやられた?」
と暦が言う時、車が入って来て辺りを明るく照らす。お先真っ暗な翼を気にかけてくれた、光が差し込んだ演出・・・・ここも削られてて、ちょっとわかり辛くなってるけど・・・・。

「とりたてて猫は不味いだろ。あの委員長ちゃんに障り猫はドンピシャだ」
「そりゃあ猫ってのは、被るもんだからさ。委員長ちゃんだって、猫を被っていたという事だろう」

 どちらも忍野の台詞。翼に猫が駄目な理由。

 教室で思い悩む暦のところに障り猫がやって来る。障り猫は翼の記憶があり、忍野の仕掛ける策を全て見破った。なら、暦に手を引かせるならもっと言いようがあり、翼にはそれがわかっていた筈。なのに、あの言動。障り猫=翼は暦に警告しに来たのではなく、(表層意識で認識してなくても)助けて欲しいと訴えに来ていたのは明白。
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2013年08月16日 23:17 by 元会長
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