【有頂天家族2】一期のまとめと二期の予想
【有頂天家族2】第1話 感想・考察
有頂天家族 第07話「銭湯の掟」
●サブタイトルの意味
サブタイトルの「銭湯の掟」とはなんだろうか?言ってしまえば、みんなの風呂を綺麗に使おうという話。特に、みんなが浸かる湯船に入る前に汚れを落とし綺麗な体で入る、それが今回の題名の由来。
汚れとは勿論「自分の不手際で父親を死なせてしまった矢二郎の負い目、心の傷」。そして「みんなが浸かる風呂=みんなが投票する選挙」・・・・と取るか、更に広く公共の場、人前に出る事と取るかはちょっと悩むところ。
どちらにしても、選挙・人前に出るなら見つけてしまった汚れを洗って綺麗にしなければいけない。矢二郎の心の傷を洗い流し、立ち直らせなくてはいけない。そしてメインタイトル「有頂天家族」より、本人にできないなら家族が助けてやらなくてはいけない、それが今回のサブタイトルの意味。
●赤玉の醜態は矢二郎の暗喩
「それでも、何かが発酵したような奥深ーい香りが立ち込めてきたから、なんとかしようとしたんだけど・・・・」
「香水を振りまくばかりで、息すらできなくなったか」
ずっと風呂に入らず矢四郎のような子供がオブラートに包むような有様になり、更にそれを香水で誤魔化そうとして悪臭が極まった赤玉の醜態。それは「汚れ=心の傷」を洗い落とさず、井戸の底に隠棲している矢二郎。その苦しさを暗喩している。負い目による息苦しさで、息すらまともにできないと。
更に赤玉は矢三郎に会いたくて、矢四郎が助けを求めるよう仕向けた嫌いがある。矢二郎も回想では人間の姿で表に出て酒まで飲んでいた。なら生来の引き篭もりではなく父を死なせてしまった負い目から隠棲をはじめた可能性が高い。つまり「矢二郎の隠棲=赤玉の香水」、周囲(矢三郎)に助けを求めるSOS。
赤玉の風呂嫌いという設定はこれらの演出をする為のものだと考えられる。
●矢三郎は変われるか?
「遥か平安時代から、我々の血脈が続いているのは、明白である。(中略)血は水よりも濃いとは・・・・私の手に余る言葉だ」
冒頭の矢三郎の独白。夷川との諍い以外にも、父を鍋にして食べた弁天に対するわだかまり。更に、上で述べた矢二郎の問題まで出てきて、途方に暮れる矢三郎に繋がっていく。
5話レビューで書いたように矢三郎は「面白く生きる事はできても、真剣に相手の思いに応える事はできない、"可哀想な狸"」。阿呆な事をしたと言いつつ赤玉を救った父のようになれるか、ここからが正念場になるだろう。
●海星は・・・・
「そう言えば、嵐山の紅葉を1晩で落としてしまったそうじゃないか。昨日、海星が来て喋っていったよ」
また、後の矢二郎の台詞より、冒頭は嵐山で、そこに来た矢三郎と弁天を海星は見ていた。矢三郎が弁天に食べられてしまわないか、矢三郎の思い気付いているなら弁天に取られてしまわないか心配で
●意外と鋭い矢四郎
「先生はあんな事仰るけど、本当は兄ちゃんが好きなんだ」
「兄ちゃんだって先生が好きだね」
色々あって、風呂から上がりコーヒー牛乳を飲みながらの矢四郎の台詞。5話で
「俺はもう(赤玉)先生に頭を下げるのは嫌だ」
と母に愚痴っていた事が明かされた矢一郎よりは、鋭い観察眼を持っているようだ。
そんな事より・・・・せっかくのお風呂回なのに、野郎の肌しか見えないとか、どういう事なの?(涙)。
●矢二郎の涙
「父上は、東大路まで送ってきて、俺がバスに乗り込むのを見送ってくれた。その姿を俺は今でも思い出す。何故ならそれが、俺が見た父上の最後の姿だったからだ」
「俺は父上の最後の言葉がどうしても思い出せない。それが今でも悔しくてな・・・・」
色々あって、矢二郎と話す矢一郎。下は2話の矢二郎の台詞。父が死ぬとは思ってなくて、適当に聞き流した?しかし、何か引っかかると思ってた台詞が繋がった。
そして話を進めると、夜露が矢二郎の顔を濡らす。それは矢二郎がずっと「父を死なせてしまった」と泣いている演出。6話最後で弁天の涙に濡れた矢二郎。その涙も弁天だけでなく矢二郎の涙の演出だった。
下鴨家にとって致命的な問題が出た今回。実は矢二郎の後に早雲が総一郎と会っていたなどの真実が隠れているのか、矢二郎を立ち直らせ家族全員で挽回していくのか?話が大きく動き出したところで次回に続く。
スポンサード リンク
スポンサード リンク