●イチャイチャタイム
式の部屋にバラの花束と缶コーヒーを持って来る黒桐。バラは黒桐が式に重ねる花。式の病室にもいつも飾られていた。黒桐は、橙子の個展が終わったので貰って来たと言っていたが、バラだから貰って来たのだろう。そしてバラの花言葉は「情熱」。黒桐の、そしておそらくは式の互いを好きだと思う気持ちの暗示。
「そこの自販機で買ったの忘れてた。飲む?温まるよ」
「甘いのは、いい」
「そう・・・・これが良いのにな・・・・」
また、黒桐が式に缶コーヒーを勧めた時のやり取り。長い付き合いなので式がそう言うと黒桐にはわかっていた筈。なのに敢えて甘いコーヒーを買って来た意味。それは、甘さ=戦闘や殺人から離れた甘いもの好きな普通の女の子、式が殺人者でないと信じる黒桐の願い。
「気が変わった。少し飲む」
「温かい・・・・」
そしてそれを
その後、横になる式とそれを見つめる黒桐。おそらくこの時点で何人も通り魔の被害者が出ており、式が通り魔でないとないと信じつつも不安な黒桐の演出。もっと言えば黒桐は竹林で張り込みをしたように、式を見張りに来たのだと思われる。
「例えば雪。はじめて会った白い夜と黒い傘」
そして横になりながらの式の独白。白は全ての光を反射し、雪は冷たく凍っている。全ての他人を拒絶していた式の心の表れ。そこに黒傘の黒桐が表れた。黒は全ての光を吸収する色、自分を受け入れてくれた、自分が受け入れる事ができた。そんな2人の暗喩。
●7+7=13?
「三船市の連続通り魔事件の被害者数は7人。4年前の事件と合わせて13人となりました」
8話で黒桐は、大輔に6人目の被害者の話を聞いてから、式の家の前で7人目の返り血を浴びている式に会った。大輔の台詞
「3年前、両儀の屋敷の前で死体を発見しただろ。あの犯人がまた暴れだしたの知ってるよな」
より、警察もそれを同一事件と認識していた筈。でも4年前の事件にそれがカウントされていない・・・・。
両儀家がその1件だけはもみ消した?
●殺人と殺戮
「殺人鬼には理由なんていらない。犠牲者は単に右を向いたか左を向いたかの違いで襲われただけだ。だからこいつは人を殺してないんだよ」
「殺人と殺戮は違うんだ。覚えてる黒桐?人は1生に1度しか人間を殺せないって」
通り魔のニュースをテレビで見ながらこう言う式。通り魔の犯人は殺人犯ではなく殺戮犯、殺人鬼。仮に式が殺人者だとしても、殺戮はしない。よって少なくとも連続通り魔の犯人ではないというヒント(断言)。
●待ちに待った証拠
「死後2日から3日というところですね。引き千切られた断面を見る限りでは、今回も食い残しの仕業かと・・・・ただ、前にも話したように、死体の状態からはとても人の仕業とは考えられないですね。私にはワニか何かにしか」
やっと式でない証拠キターーー!!!!
直死の魔眼の切り口は完全に均一化された断面、磨き上げられた鏡のようなイメージ。幾ら式が強くても引き千切るなんて無理だろうし、"食い残し"より噛み切ったような跡なのだろう。つまり
犯人は式ではない!!!!
やっと待ち望んだ証拠が出て来たよ!(喜)。
●黒桐がヘタレだと丸く収まる
色々あって、式の部屋で寝る式と黒桐。夜中目を開け黒桐の寝顔を睨む式・・・・殺人鬼や、殺人と殺戮の差などの話は、自分が異常者だというアピール、黒桐への脅し。高級料亭に連れていかせたのも、黒桐を引き離す為の経済攻撃。そして、夜中睨んだのはそんな自分を警戒せず無防備に寝た黒桐への憤り・・・・。
ではなくて、無防備な据え膳を出したのに襲わないヘタレに対する怒り・・・・もしくはこれら全部を含んだ甘めな解釈が良いな・・・・。
●悩む黒桐
「4年前の事件と、今回の殺人鬼・・・・黒桐は式の仕業と思っているのか?」
「(前略)わかるのは大まかな日時だけ・・・・そしてその時間帯、式のアリバイはありません。事実だけを並べるなら、反論証拠は足りませんね」
橙子の問いにこう答えた黒桐。そして色々あって、竹林を歩きながら
「4年前、自らを人殺しだと、式は僕に告げた。でもそれは嘘だ。彼女は決して人を殺せない。殺したくても殺せない。僕はずっと、そう信じて来たじゃないか。信じて・・・・」
こう独白し竹林の中を走りはじめる。しかし、空は雲が厚く立ち込め暗く先の見えない気持ちを表す。更に息が切れるまで走っても竹林の中。竹は真っ直ぐな、式を信じる黒桐の思いだけど、それが無数に生える竹林は普通の林と同じ。木立が、竹が視界を塞ぎ何も見えない、先が見えない、迷いの演出。式を信じつつも迷っている黒桐の気持ちが非常に良く表れている。
●式は人を殺せない
「"私は"お前を殺したい」
回想の中そう言ったのは式。式にも殺人衝動がある。しかし、その後おそらく自殺しようと、自分を刺そうとする。式は黒桐を殺してしまうより先に、自分を殺そうとした。
それを荒耶宗蓮が止めさせる。そして荒耶と戦う式だが、おそらくわざと無防備でいる荒耶を斬る事もできなかった。
「私が相手でも殺せぬか。生存の為の殺人ならば、良しとしよう。だがそれは、逃走の為の殺人だ。自らの価値を下げるな」
襲って来た荒耶を生きる為に殺すのなら良い。でも黒桐を守る為に自殺するのは逃走だと荒耶は言う。
「お前はただ1人の者だ。1つのまま生き、1つのまま完結しろ。相克する螺旋こそがお前に相応しい終幕だ」
そしておそらく荒耶は式を通して?式を使って?何かを狙っている。「相克する螺旋=式と織」。なら殺人衝動の織と相反するのが式だという事になる。これも式が人殺しでない理由の1つ。
黒桐を殺せず、荒耶を殺せず、逃げ出した式は車に身を投げた。これらより式は人を殺せないと考える事ができる。
●オタなら最初は声で認識するよね(笑)
ここで気になるのは荒耶の描かれ方。最後まで目は描かれず、非常に視覚で認識し辛い。2話の最後の予告でもほとんどシルエットで風貌が良くわからない。
じゃあなんで荒耶とわかるのかというと声。中田さんだから(笑)。その後式のシャワーシーンでも玄霧皐月の台詞だけが流れる。なんでキャラ名がわかるかというとグレジットより置鮎さんだから(笑)。
中の人を知ってたら識別できるけど、知らなかったら大変そうだなと思ったところで1つ気になる事が。2話最後でも男キャラがなんか喋ってた気がする・・・・!
ちょっと病的だけど田中さんのキャラ綺麗!能登さん女子高生だよヒャッホー!!最後は・・・・野郎かよ、どうでも良いや・・・・と気にしてなかったけど、過去編終わって次はそいつの話の筈。なので声を確認してみたら保志さんでした・・・・8話レビューで書いた一番怪しい奴だったよ!(笑)。
路地裏で返り血を浴びて荒耶と話してた奴・・・・もうこいつが犯人で良いよね、あんなに可愛い式が殺人者の訳がないし(笑)。そんな訳で犯人も決め付けられて、すっきりしたところで次回に続く!
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これは原作中でも幹也の叔父さんの刑事が言ってましたねw
見た目は厳ついけど、意外と話がわかる人だったんですね。
次に出てきた時は、レビューでの扱いが良くなってるかもしれません(笑)。