【<物語>シリーズ セカンドシーズン10話 傾物語4話】傾物語は暦と忍の絆を描く物語【感想】


傾物語 第閑話『まよいキョンシー其ノ肆』

●漢字の演出

 花火で生存者に接触を試みたけど、招かれざる客・ゾンビの大群に取り囲まれてしまう暦と忍。その時、米粒がゾンビ達に降り注ぎ、ゾンビ達は散り散りに退散する。

 しかし、米が降ってきた時、それは絵ではなく漢字の"雨"で演出された。絵ではなく漢字で表現されたのは、暦達が実感ではなく、頭で知識・概念・記号として認識していた演出。

 最初に音だけ聞いて雨と錯覚した暦と忍を上手く演出している。

●空模様は暦と忍の心

 前回、忍が"この歴史の忍が世界を滅ぼした"と気付いた時から、雨や曇りのシーンが続いていた。それは暦と忍、2人の気持ちが暗く沈んでいたから。しかし、大人になった真宵と再会し

「僕は・・・・僕の名前は、阿良々木暦と言います。貴方の名前を教えて貰っても、構わないでしょうか?」
「八九寺真宵さんだけど?」

こう会話して真宵の生存を知る2人。

 この時、空を覆っていた雲がまばらになり、雲間から幾筋もの光が明るく伸びる。
同様に、暗く沈んでいた暦と忍の心にも真宵という光が差し込んでいた。

●忍野は敗れたけど・・・・

 そして真宵から忍野の手紙を受け取る暦。手紙の途中

「僕はそれを探している最中だ。知り合いの暴力陰陽師や詐欺師とタッグを組んで、これから最後の特攻をするつもりだけれど、多分無駄に終わるだろう(後略)世界を救ってくれというのは僕の勝手なお願いだ。聞く耳を持つ必要なんて全然ない」

この部分から忍野が垂直の崖を登るシーンが映される。そしてこう言い終るとその崖を登るルート=糸はぷつりと切れてしまう。これよりルートXの忍野は忍と戦い命を落としている。

 しかし、その直後眩い光が迫ってきて画面が真っ白になった後、登頂に成功し、太陽を従えた忍野が映る。忍との直接対決には敗れたが、その前に打っておいた手、その手紙がルートAの暦と忍に届いた。その事で登頂に成功する=事件が解決する事が暗示されていた。


 奥に従える太陽と、不敵に笑う口元が暦達の成功を約束していた。

●OP考察

 また忍野の手紙で、この世界のタイムスリップは並列世界に分岐するタイプだとわかった。なので今回は流れなかったけどOP考察を何点か。

 OPの冒頭は、右から左に歩いていく真宵を真横から映している。真横から見ると1人の女の子に見えるが、手前(胸から上)、真ん中(胴体)、奥(足)に分かれていた。真宵の真横から左側に90度視点をずらし、真正面から見るとそれが一目瞭然だった。

 その後、また右から左に歩く真宵を上から映した後、真宵の上半身を背後から見るシーンで、奥行き方向に何重にも分割されたパーツを合わせて真宵が作られる。
数多の並列世界に分かれて存在していても、それらは全て真宵だという演出。

「ところで、このルートXの阿良々木君は、意外な事に戦場ヶ原さんと付き合っていたんだけれど、そっちの世界では誰と恋人同士になっているのかな?」

 忍野が手紙の最後に書いていた事。このルートでも暦はひたぎを選んでいた。またルートXの忍も暦を求めていた。どのルートでも、辿り着く結果は違っても中身は同じ。それがOPにも繋がっている・・・・。

 ・・・・・・・・だとすると、真宵は暦に助けられてから人に親切にするようになったという。その存在は決して小さくない。それどころかルートAを見る限り暦が大好き。だからルートXの真宵も一緒に暮らさないかと2人を引き止めた。

 でも、ルートXの暦はもういない。そう考えると切な過ぎる・・・・。

●次は冬コミ

「なんだかんだでほら、私も1人じゃ寂しいし」

 でもこれに(意味深)を付けて薄い本キター!と言ってしまった人が沢山いると思うので、僕と一緒に反省しましょう(笑)。

●共に歩く2人の絆と未来

 そして忍と共に戦いに赴く暦。2人で川に架かった大きな橋を、横断歩道を
渡っていく。どちらもその両端を結ぶもの、繋がり、絆の証。
そして固く結ばれた2人が道路を線路を共に歩いていく。時にはトンネルに入り目の前が真っ暗になった事もあった。このルートの忍はそれで道を誤ってしまったけど、暦と歩く忍はそれも2人で潜り抜けてきた。

 そして最後の草原では、大量の綿毛が飛ぶ中を2人で歩く。綿毛は未来に繋がる新しい命を運ぶもの。共に未来を切り開こうと決意を固めた2人を飾るのに相応しい。

●竹は2人の心

 場面は変わり、着替えて竹林の中の道を進む2人。竹は真っ直ぐな、たわまぬ心の暗示。

「八九寺が生きているせいで、世界が滅んだなんて理屈は、絶対に認めない!例えそれが運命であろうと」

この台詞に端的に表れている暦の、そしてそんな暦と共に戦うと決めた忍の強い思いを演出している。

●忍の台詞からわかる事

「それなのにワシは、己がくだらぬ嫉妬で全てを台無しにしてしまった。ワシの家出が原因でお前様を失い、片翼を、半身をもがれた気分じゃったが、しかし、ここまで切なくはなかったな。そんな可能性を見せ付けられてしまっては・・・・」

 忍が家出した原因はやはり嫉妬。

 暦をはじめて呼んだ時は"ウヌ"、この台詞以降は"従僕"。お前様と言ったのはここだけ。でもその"お前様"はルートAの暦ではなく、ルートXの暦。ルートAの暦はルートAの忍のもの=ルートAの忍の従僕。そう呼び分けている。どれだけ忍が暦の事を思っているかがうかがえる。

 またルートXの忍が頭を撫でて欲しいと言った時、すぐ顔を背けたルートAの忍。落ちぶれた自分が最後に望んだのが暦。頭を撫でられ救われた自分を直視するのはやはり切な過ぎるのだろう。

●暦と忍の物語

 ルートXの忍の血を吸い、その霊力でルートAの現代に戻った2人。今回の事を2人で振り返る。

「死ぬ時は一緒って決めてたからな。一緒と言うには、2ヶ月ほどタイムラグがあったけれど、お前と共に死ねて、あのルートの阿良々木君も本望だったろうぜ」
「・・・・無論、ワシもの・・・・」

暦の思いも忍に告げられ、2人の絆はより深まった。傾物語はそんな2人の信頼・絆が描かれた物語だった。

●忍に渡した時計の意味

 その後、始業式である事に気付いた暦。忍に渡した腕時計ではなく携帯の時計で時間を確かめる。

 忍の告げる時間は怪異の力によって本来流れる筈のない時間。今まではそのあり得ない時間が流れていた。忍が時間を告げていたのはその演出。

 それが本来の、普通の時間軸に戻った。暦自身が時間を確認したのもその演出。


●つばさタイガーと合わせて

 しかし「まよいキョンシー」と言いつつほとんど忍の話だった今回。でもこの後も暦は真宵関連で奔走する筈。今度こそ真宵の話になる・・・・?対忍戦で伊豆湖やエピソードや余接が出るのかと思ったけど、それは次回になるっぽい。

 そんな戦力で戦わないといけない相手とは誰なのか?色々気になるけど、最後は暦とひたぎの熱愛っぷり(意味深)を見ながら終わりたいと思います(笑)。

「やべぇ、始業式はじまっちまってるわ。どうしよう、羽川や戦場ヶ原に怒られる、殺される、亡き者にされる!」

「えっ、始業式の列の中にいなかったっけ、彼?いない事に気付かれないとは、いる事に気付かれない以上の存在感のなさね」

ト笑フ彼女 ゾクツトスル。
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2013年09月13日 22:01 by 元会長
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