「モテないし、二学期が始まる」
●新学期が、はじまる!
ネクタイをサッと締め、スカートのファスナーを上げ、カッターシャツをスタイリッシュに羽織る智子。
家の門を開けて外に踏み出していく。しかし、智子が開けたのは家の門じゃない。開けたのは新たな世界、新学期からはじまるリア充への扉。生まれたばかりの真っ白な朝日が、そんな智子を力強く祝福していた。
「新学期。新たなフェイズ、新たなステージ。今まではただのウォーミングアップ。ゲームで言えばチュートリアル。これからが本番!」
そして不敵にこう言い放ち、ドヤ顔での静止画も決まりラスボスでも瞬殺できそうな智子。そんな智子に贈るならこの言葉しかないだろう。
「まるで死亡フラグのバーゲンセールだな・・・・」
●クラスメイトなのに名前しか知らない
そして一瞬でフラグを回収する智子(笑)。席替えで前から2列目のど真ん中になってしまった。「黒木」がぐにゃぐにゃしてたり、「席替え!」が2〜3重に見えブレまくっているのは、動転し途方に暮れ崩れ落ちそうな智子の演出。
また、ぐにゃぐにゃの「黒木」は名前しか知らない、むしろそれも怪しい、周りから見た智子の演出でもある。そしてモブ同士は色付きの絵で会話しているのに、智子は灰色1色、安定のモブ主役(涙)。
そして名前だけが書かれた教室の座席票が度々映るのも、智子がクラスメイト達の名前しか知らない事を表している。もう2学期なのに互いに名前しか知らない関係・・・・それを
「私が何をした?なんでこんな仕打ちを受けるんだ?前世で5、6人殺したの?」
こう嘆く智子だけど、今世で智貴やゆうちゃんにした事だけで十分お釣りがくるから(笑)。
●水に流したけど・・・・
色々あって、トイレの洗面台で
「弁当の時間か・・・・教室のど真ん中で落ち着いて飯なんか・・・・いや、これこそ新たなステージに向かう最初の難関・・・・ふん、チョロイぜ」
みんなと弁当を食べ、新たなステージに進もうと決意する智子。洗面台から流れ落ちた水は、智子が席替えのわだかまりを水に流した事の表れ。ついに智子のリア充への道がはじま・・・・らなかった。
教室に帰るとクラスの女子が智子の席を使っていて、弁当を食べる場所を探しに教室を出る智子。
●友達は椅子
そして見つけたのは屋上に繋がる扉前の踊り場。そこには使わない机や椅子が積み重ねられていた。椅子は上下が逆にされ机の上に置かれている。それによって机の上に伸びる4本の椅子の足。周囲にいくつかあるそれら机と椅子のセットが智子と弁当を共にする仲間のよう・・・・。
後に弁当を食べられず貧血になった智子は、放課後に教室で弁当を食べる。その時、この踊り場と同じく教室の机の上に椅子を乗せる。それはこの踊り場で弁当を共にした友達・椅子達を偲んでの事。
何故そんな事をしたかと言うと、その時にはもう踊り場の机と椅子は撤去され、智子の居場所はなくなっていたから。夕日の茜色に染まった教室が、智子の物悲しさを代弁していた。
●お行儀が良く見える智子
そしてこれらの弁当を食べるシーンを見て気が付いた事がある。今回に限らず、今までの食事シーンでも智子はそうしており、ずっと気になっていた。
無表情で、少しずつ、単調に箸で食べ物を口に運ぶ智子。
他の動作の駄目さと比べて、お行儀が良い、むしろ良過ぎる。そんな演出に違和感を覚えていたけど、その演出意図がやっとわかった。それは
ボッチ飯の不味さの演出。
無表情で、少しずつ、単調に箸で食べ物を口に運ぶその様はむしろ作業・・・・智子は平然と食べているけど余りに寂しい(涙)。
●王蟲(笑)
シーンを戻して、智子が弁当を食べていると近くを生徒のグループが通りかかる。びっくりする智子。その目の色が赤になっている。赤は警戒色、智子が見つからないよう思いっきり警戒した事が良くわかる。
●周りが羨ましくて仕方のない智子
翌日、また屋上に通じる扉前の踊り場に向かう智子。その時、背景は星の少ない夜空となり、線画の智子の中に色付きのモブ達が映される。
夜空は闇、智子が周りなんて見ていないように振る舞っている事の表れ。しかし、智子の中には色付きの、鮮明なモブ達の絵が入ってきている。耳から入ってくるモブ達の会話に智子がどれだけ聞き入っているかがわかる。
ポーカーフェイスを保っていても、楽しげな周りの会話が頭に流れ込んでくる、聞き入ってしまう。
「はぁ、ここはホントに落ち着くな。あそこは私の居場所じゃない。ここが私の居場所だ」
なんて言っているが「あそこは私の居場所じゃない」と独白する時、クラスの様子が映される=脳内に様子が蘇っている。思い出せるほどクラスの様子が頭に残っている証拠。楽しそうな周りが羨ましくて仕方のない智子の演出。
「ここを私の新しい席にするんだ」
そしてはじめて踊り場に来た時もこんな事を言っていたし、ゲームやネットをしながらボッチを満喫しているように見える智子。
しかし、椅子や弁当の食べ方や周りを羨む演出が本心を浮かび上がらせる。本心を偽り空元気を出しているのか、智子も認識してない深層意識とのズレなのかはわからないけど、見ているこっちが切なくなってしまう(涙)。
●落ち葉は色褪せ朽ちた部活への思い
色々あって、落ち葉を踏みながら文化部の集まる文化棟に向かう智子。
「そういや入学前はSOS団や隣人部みたいなのがあって、放課後はいつもそこに集まる妄想をしてたなー(後略)」
「まあ、そんなもの幻想だったけどねー!憂鬱で友が少ないのは・・・・」
足で踏んだり、風に飛ばされていく落ち葉は智子がかつて抱いていた部活への期待・憧れ。しかし、それらは"風=現実"に吹き飛ばされたり、地面に転がり色褪せ朽ちてしまっている。そんな智子の演出。
●部員が2人の理由
「色々あったけど・・・・部を作って良かった。作ってすぐ"2人"も入ってくれたし」
色々あって、こう妄想する智子。入った部員が2人なのには理由がある。それは智子の部屋にあるぬいぐるみが2体だったから。しょぼーんクッションと残飯プレイで取った巨大ぬいぐるみ。
母親が晩御飯に呼ぶ声で現実に戻った智子は、自室のテーブルでお茶を飲んでいた。そのテーブルの傍には、2体のぬいぐるみとそれに対応した2つのコップが並んでいた・・・・こんな智子にぴったりな台詞を智子が言っているので声を大にして言いたい。
「・・・・・・・・むしろ寂しいー!」
そんな感じで新しい友達・椅子とぬいぐるみも増え、次回も明るく楽しい学園生活がエガカレルダロウ(棒)。そんな素敵な次回を夢見ながら(笑)最後は元ネタで〆。
●元ネタ
文化棟を見ながら智子が言う台詞にある
SOS団は「涼宮ハルヒの憂鬱」内の部活モドキ。
隣人部は「僕は友達が少ない」内の部活。
風早君は「君に届け」の登場人物。
智子が文化棟から生徒会室に走っていく時流れるBGMは「名探偵コナン」のBGMっぽい。
智子が長々と妄想する部室は「涼宮ハルヒの憂鬱」のSOS団の部室にそっくり。
生徒会の掲示板にあった奉仕部は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」内の部活。否承認の理由が「ボランティア部と活動内容が類似」ってなってるけど、これを申請した奴はオタクで違う事を考えて申請してそう(笑)。
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