【ワタモテ11話】ゆうちゃんと恵美が天使過ぎて最終回が怖い!【感想レビュー】


私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪11
「モテないし、文化祭に参加する」

●本気さえ出せば(良い意味で)

 冒頭は、文化祭の準備に忙しそうなクラスの中で、安定の灰色モブ色になり窓際に独り佇む智子。だから窓ガラス越しに映った智子の実像も灰色だった。でも、
「・・・・帰りたい」
空を見つつこう言った時の、窓ガラスに映る智子の写像には色が付いていた。それはこの呟きが本心だというのと同時に、本気で取り組めばモブ色から抜けられるという事の表れ。

 窓に映った写像ですら、本心から動いてる時の智子は灰色なんかじゃない。智子がそれに気付き自信を持てさえすれば・・・・。

 また、見上げる空は遥か遠い・理想の場所。今回はそんな意味が込められた空が繰り返し映される。

●はじめて行動を起こした智子

 そして11話目にしてはじめて智子が自分から動く!クラスでの居場所を手に入れる為に、仕事を引き受けようとする。更に1度断られそうになっても

(無理なんかしてねーよ!紙切るの無理だったらもう死んでるだろ!ここで引き下がったら、多分もう何もない!)

と奮い立ち、チラシを切る仕事を引き受ける事ができた。はじめて自分の意思で、灰色モブキャラから色付きキャラに変わる事ができた。

●本当はコスプレしてみたい智子

 その後、そのチラシ作りの作業を10倍に水増ししようと、いつも通りのセコい作戦を考える智子。まあ人間すぐには変われないし、大目に見てあげないとね(笑)。

 でも、作業中にコスプレ衣装が運び込まれ、コスプレをしてチヤホヤされる妄想をしながら作業する智子。そのせいでカッターで手を切ってしまう。

 また後に自腹でコスプレ衣装を買い、その写真を優に送った智子。
本当はコスプレ姿をみんなに見て(できれば褒めて)貰いたかった気持ちが伝わってくる・・・・自演画像でもゆうちゃんに褒められ

「えっ、カワイイ・・・・いやないし、そんな事ないし・・・・」

とテレるもこっちを見ると、ゆうちゃんがいて良かったと思う反面、ちょっと切ない・・・・。

●恵美との出会い

 話を戻して、カッターで切った傷の手当ての為に保健室に走る智子。その途中で文化祭実行委員長・今江恵美にぶつかってしまう。そのせいで散らかった書類を集めようとする智子だけど、手の傷や口に含んでいた血が書類に滴り落ちてしまう。それを見た恵美は智子の手を引いて保健室まで走ってくれた。

 手当てが終わり互いの自己紹介を交わす恵美と智子。そして

「じゃあ私仕事あるから」

と言って恵美が去っていく時、窓の外から廊下の2人を見る視点に変わる。間に窓ガラスを挟んだその視点は、文化祭実行委員長で仕事の沢山ある恵みは、自分から遠い存在だと感じた智子の気持ちを表している。

 しかし恵美が立ち去った後なのに

「あ、ありがとうございま・・・・した」

と言って恥ずかしそうに目を伏せる智子。そしてしばらく智子の実像と、床に映った写像が共にそうして廊下に佇んでいる。それは"実像=本心"も"写像=建前"も同じ=本心からそう思っている事を強調している。恵美が一緒に保健室に来てくれた事が嬉しかった智子の気持ちが良くわかる。

●恵美との繋がり

 何も言わず飛び出して来たせいでクラスに戻り辛い智子。

「無理しなくて良いと、保険の先生に言われたし・・・・」

そう言い訳し校内をブラつく事にする。後に体育館で椅子の設置を手伝ったしこれが言い訳なのは確実。

 でも結局やる事がなくて窓枠に乗りかかって黄昏る智子。その時、文化祭実行委員会から体育館の椅子設置の協力者を募る放送が流れる。

 そこで映るのは雲が多目で少し霞んだ白い空。空は遥か遠い・理想の場所。智子とは全然違う、仕事があり充実してるのに智子を助けてくれた恵美。そんな恵美の手伝いをしたら理想の場所にいけるかもしれない。そんな事をぼんやりと、もしかしたら無意識下で考えたのだろう。

 そして椅子の設置が終わり、生徒達が解散したところで、恵美が智子に気付く。怪我をしているのに椅子設置を手伝ってくれた智子を、恵美がここで強く認識し、これ以降何かと智子を気にかけてくれるようになる。

 クラスの居場所を作る為に、はじめて智子から動いたチラシ作りは途中で投げ出す事になってしまった。でも、その行動は無駄にはならなかった、恵美との繋がりになってくれた。以下はそんな2人の繋がりがわかる会話。

「楽しい文化祭にしようね!」
「は、はい・・・・」
「うん。それじゃあお疲れ様!」
「楽しい文化祭、か・・・・教室に戻ろ」

 また優が文化祭にくる事になり智子が
「頑張って楽しもう・・・・」
と呟いたのも恵美との会話を受けてのもの。

●でも智子はそれ以上親しくなれなくて・・・・

 そしていよいよ文化祭1日目。しかし色々あって、階段で黄昏る智子。
「黒木さん。休憩?」
「わ、私は、当番明日なんで暇だったから。そ、それじゃ・・・・」
そこに恵美が通りかかりこう声をかけてくれるけど、そそくさと立ち去ってしまう智子。

 次は2日目の朝にまた校門で会った2人。その時、智子の目が赤色になっている。赤は警戒の色、恵美から手を伸ばしても、智子はどう接すれば良いのかわからない。
「文化祭楽しもうね!」
と言う恵美に何も言えず、礼をしただけで立ち去ってしまう。

 更にその後、1年10組を通りがかった際に智子の事を聞き「1日目の智子の話=当番明日なんで暇だったから」と言うのも嘘だと知った恵美は・・・・。

●相変わらず天使なゆうちゃん

 話を戻して、友達と智子の教室まで来たゆうちゃん。友達2人は楽しげに話しているのに、優だけはきょろきょろと落ち着かない。またこの後その2人とは別々に文化祭を回ってるし、余り友達付き合いが上手くいってないのかも・・・・。

 しかし智子が声をかけると
「あっ、もこっちー!」
満面の笑みで智子に抱きついてくる。ホントゆうちゃんはマジ天使!

「くそう、相変わらずメスのにおいプンプンさせやがって。みんなの前でおっぱい押し付けやがって・・・・ちっくしょう、折角だからケツ触っとくか!?」

 こんな可愛い娘に抱きつかれたら、智子がこう思っても・・・・良い訳あるか!反省しろ!(笑)。

 そして2人で文化祭を回り「文化祭って友達がいるだけでこんなに(楽しい)」という事を思い出せた智子。そしてそれはゆうちゃんもきっと・・・・。

 でも、ゆうちゃんが帰る時、智子は玄関の影から出られない。影に包まれたまま手を振り別れを告げる。ゆうちゃんがいなければボッチで闇に沈んだ生活のまま・・・・。

●恵美もマジ天使!

 そんな沈んだ気持ちのまま灰色モブキャラに戻る智子。そんな智子を見付けた恵美。元気付けたいけど、自分が話しかけても智子は逃げてしまう・・・・。

 そこで恵美は着ぐるみを着て、風船を智子に渡そうとする。好意の押し売りじゃない、自分とわかって貰えなくて良い、ただ少しでも元気になって欲しい。
風船を渡した後、智子を抱きしめた恵美はきっとそんな温もりに溢れていたに違いない。

「もう1度さっきみたいに抱きついてくれないかな・・・・いやエロい意味じゃなく、なんか安心すると言うか、寂しさが紛れると言うか・・・・」

 ゆうちゃんに抱きしめられたのに、まだこんな事を思っていた強欲な智子の願いまで叶えた恵美は、もう女神と呼んでも良いかもしれない(笑)。

●空と風船

 最後はEDに繋がる空と風船の話。2日目の朝、校門で風船を配る着ぐるみ。小学生くらいの女子に風船を渡した後、着ぐるみが抱きついてその子は風船を離してしまう。

 空に飛んでいく風船。空は遥か遠い・理想の場所。そして着ぐるみの風船は、子供は喜ぶけど大人になると誰も欲しがらないもの。(大人になると)見落としがちな日常の些細な幸せ。

 それを取り零すと風船は空=理想の場所へと独りで飛んでいく。何百個と集めれば自分ごと理想の場所に飛んでいけるかもしれないのに・・・・そんな思いが不意に頭をよぎる。

「あ、もこっちの言ってたアニメ観たよ」

 更に後のシーンで、優がこう話を振った時も風船を貰って喜ぶ子供が映される。この話が元で智子は
「文化祭って友達がいるだけでこんなに(楽しい)」
という事を思い出す。ここでも風船はそんな見落としていた・忘れていた幸せを表している。

 そんな意味がEDの風船には詰まっている。最後に映った"蛍輝祭"の門には沢山の風船が取り付けられていた。それだけ多くの幸せがこの文化祭にはあったのだと、風船達が静かに語りかけていた。

 ED中にスマホの外をどんどん通り過ぎていく風船は捻くれたり、素直になれなかったり、人との接し方がわからなかったりで、智子が取り零してしまった幸せ。
それを見ると切ないけど、恵美に貰った風船はしっかり智子の手に握られている。それを家にまで持ち帰った智子。この風船はずっと智子の心に残り続けるだろう・・・・。

●ゆうちゃんと恵美が天使過ぎて最終回が怖い!

 まさかこんな幸せな気持ちでワタモテのレビューを書く日が来るとは思いませんでした(笑)。そして天使なゆうちゃんと恵美に見守られ、両手に華で幸福絶頂の智子。これで幸せになれなかったら嘘でしょう・・・・。

 でも、持ち上げてどん底に叩き落とす展開がある気がしてなりません・・・・もう最終回が怖くて仕方ないです・・・・。

 良い最終回だった!と終わっておきたい気持ちを抑えつつ、
来週は更なるハッピーエンドになる!と信じて次回に続く(笑)。
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2013年09月22日 03:07 by 元会長
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