「モテないし、将来を考える」
遂にきた最終回!文化祭も終わり、普段の
●理想も太陽と共に沈んでいき・・・・
「高校に入る前は、もっと楽しい事が・・・・」
家に帰り、夕方の暗がりの中、部屋のベットに寝転んでこう呟く智子。以前に想像していた課外授業(?)の遊園地は、明るく煌いて光に満ちていた。でも、欠席して1人別撮りとなった、暗い部屋の壁でセピア色に染まっている写真が非情な現実を突き付けてくる。その落差が、理想が眩しいかったほど、現実の非情さを対照的に浮かび上がらせる・・・・。
それでも無理に良い想像をしようとして、そのイメージはどんどん劣化していく。次第に色が抜けていき、逆にノイズや画面揺れが増えていく。理想とかけ離れた現実を無視して、無理矢理良いイメージをしようともがく智子の
そしてそんなイメージと共に日も暮れていき、智子が耐え切れなくなって絶叫を上げた時には、太陽の微かな痕跡が空の彼方にあるのみだった。智子の心と風景が見事に一致していた。
「今まで何してたんだ、私は・・・・」
そう呟きながら更に今までの事を思い出す智子。ロクな思い出のない現実に、悲しさや切なさが目から溢れそうになる。そんな限界に近付いていく智子の様子を、踏み切りの警報とそれに近付く電車の音が的確に実況していた。
●前回が幸せ過ぎて
・・・・あれ、最終回なのに何このひたすら落下していくような感じ・・・・?盛り上げようと思っても良いところが見付からない(笑)。今までだってこの程度の痛々しさは普通にあった筈なのに・・・・やっぱり前回が余りに幸せだったから・・・・。
しかし、そんなところに今回も希望の天使が降臨ですよ!
●闇のもこっちと光のゆうちゃん
進路指導について優に相談しようと携帯で電話する智子。夜になったのに電気を点けず、闇に沈んだ亡者の国にいるかのような智子。一方ゆうちゃんは明るい、光に満ちた天国のような部屋にいた。その格差が、喪女と天使との差を対照的に浮かび上がらせる。
●黒歴史
更にゆうちゃんは、智子が中学時代に「武器商人になる」と言ってたのを覚えていて、その余りの黒歴史っぷりに早々に電話を切り、涙と鼻水を垂らしながら
「つーかゆうちゃん成績悪かったのに、なんで無駄なところで記憶力良いんだよ、チクショー!」
と窓から絶叫する智子。
・・・・でも、きっとゆうちゃんはそれだけ智子の事を友達だと思って、一緒にいる時間が楽しいと思っててくれてたんだよ・・・・?更に電話を切った後、ぬいぐるみに毛布をかけて心配そうに見守るゆうちゃん。おそらくぬいぐるみを智子に見立てて治るのを祈ってくれている。
マジで今回もゆうちゃんが天使過ぎ・・・・たせいじゃないけど最終回が辛い!ほぼ智子のせいで(笑)・・・・ゆうちゃんが天然過ぎて智子のアホさに気付かないのが、今回はちょっと裏目に出たけど。
●飛んでいく枯葉とイメージ画
窓から外を見る智子の近くを、風に吹かれて木から落ちた何枚もの枯葉が飛んでいく。枯葉は現実の前に朽ちて散った理想や、黒歴史。それらが飛んでいったのは、智子がそれらを追い払い(無理矢理)気分一新した暗示。
「大切なのは過去じゃないよな・・・・現在(いま)と未来(これから)だ」
相変わらず切り替えが早いのは良い事だけど、現在(いま)のイメージ画がハリボテ過ぎる(笑)。
●恵美も天使だけど・・・・
「うん、黒木さんって子。ちょっと可愛いのよね・・・・いつも何かに必死で、目が離せない、みたいな感じで」
色々あって、何も言えず走り去っていく智子を見ながら恵美が言った台詞。(今回クラスメイトとの距離が開いたけど)相変わらず智子の周りは優しい人だらけなのに・・・・。
●OP考察
そして爆走する智子に合わせてOP曲がはじまる。電柱があるシーンはそれが目印になるので智子がどれだけ迷走して蛇行しているかが良くわかる。これは今まで自分の勝手な思い込みで間違ったモテファッションなどを目指してきた智子の暗喩。
また最後に智子がボロボロの上履きを脱ぎ捨てており、間違った道具(無口キャラなど)を使ってボロボロになってきた智子を暗喩している。
あと途中でゆうちゃんが猫を上手く抱き上げたシーンは、2話のEDで智子が猫に逃げられたシーンを受けてのものかな?と思ったり、思わなかったり。
きーちゃんの「冷たい目→天使の目」の順番が逆なら、OPが1話→12話の逆再生となり猫の解釈の説得力も増して、OP後の喪女のところが1話の冒頭に繋がって、「喪女なんてどうでも良い」と強気で2週目フラグ?とか妄想も膨らむんだけど・・・・。
●ワタモテはホラー映画
「喪女・・・・クハハハハハハハハハハ・・・・ホント、どうでも良いわ」
本編最後はパソコンで喪女の定義を見て、こう笑う智子。メタ的に本作はギャグ・コメディなので笑えたら後はどうでも良い=智子の痛々しさを見て共にダメージを受けた視聴者へのケア・・・・?
同じ体験なんて勿論してないけど、もしその場面になったらと思ったらこっちの心が先に擦り切れそうなシーンが幾つかありました(笑)。7話で母親に「SMっぽいのが混ざった自分の声入りエロ会話」を聞かれたところとか、8話で一言きーちゃんに嘘だと言えば良いのに、土下座までどんどん転げ落ちていったところとか・・・・。
だから8話とか特に、そっちにいくな!駄目だ逃げろ!やめて!見てるこっちの心が持たない!と思いながらホラー映画を観る感じに近かったです(笑)。
それでも笑えるシーンが数多くあったし、大小様々な演出を探しながら観るのはとても楽しい作品でした。特に11話は2人の天使達に癒されて、どれだけあそこで立ち止まろうと思った事か(笑)。でも今回でまたリハビリができ、2期への準備ができました。なので、いつでも2期来いやー!と叫んだところで「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」のレビューを終わりたいと思います(笑)。
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「ホラー映画を観る感じ」は言い得て妙ですね。本当に心臓に悪いアニメでしたw
最後に流れたOPの考察に成程と唸らされました。特に電柱のカットの蛇行にこめられたメタファーには説得力がありますね…
過去のレビューも遡って読ませて頂きます(^^)
コメントありがとうございます。
ワタモテは基本的にはギャグ・コメディで笑えるんですが、
智子を見てると胸が痛くなってくるという不思議なアニメでした(笑)。
また、taraさんのサイトを拝見させて頂きました。
投票企画が多くて色々な結果を拝見して楽しませて頂きました。
こんな感じですが、宜しければまた暇な時にでもお越し下さい。
投票企画はまだ規模が小さくてお恥ずかしいですが、楽しんで頂けたとのことで嬉しいです(^^)
こちらの記事(ワタモテ12話感想)にトラックバックもお送りしたのですが、ブログ間の相性の問題か上手く飛ばすことができませんでした。
このコメントを記事リンクの報告に替えさせて頂きます<(_ _)>
これからも通わせて頂きますので、どうぞよろしくお願いします。
トラックバックですが、設定は何も変えておらず、
設定画面で見ても問題になりそうな設定は見当たらなかったので、
仰られるように相性の問題なのかもしれません。
問題がわかれば直したいのですが、今のところ原因不明です(涙)。
こんな感じなのですが、こちらこそ今後ともお付き合いを宜しくお願いします。