●立ち位置
前回に引き続き会議室で話す一宮、三好、千早、長谷部。この時、一宮と三好は長谷部の正面に立ち、長谷部の悩みに正面から向き合っている。一方、千早は長谷部の横に立ち、「ざまあ」など茶々を入れる事が多い。立ち位置(物理)がそのまま長谷部に対する立ち位置(心理)になっている。
●風景からわかる長谷部の気持ち
どうして父がルーシーの名前を受理した公務員だとわかったのか、経緯を説明する長谷部。その時の回想で、ルーシーとの別れ際は、澄んだ青空の下、深い緑が鮮やかな公園で、どれだけ長谷部がデートを楽しんでいたかが良くわかる。
一方、実家に着いたのは夕方で、黄昏の闇が混じった鈍い琥珀色が辺りを染めていた。これらが互いに"デートの楽しさ"、"せっかくのデートを邪魔され沈んでいる気持ち"を対照的に強調している。
●天賦の才
「あ、いや、でもそれは長谷部さんのお父さんが問題なだけで、長谷部さん自身が原因じゃないですから、そんなにヘコまなくても」
色々あって、落ち込む長谷部を励まそうとこう言う三好。三好にしては珍しく良いフォローなのに更に落ち込む長谷部。実は長谷部の父が適当に受理したのは、その日高熱で入院していた長谷部が心配で気もそぞろだった為。
一見良さそうでも、より深い穴がある場所を無意識に選んでいく・・・・もはや三好は天才的会話下手と言えるだろう(笑)。そして駄目なフォローはとことん酷い。
「俺、何回も名前を理由に振られてるし」
「そ、それはあくまで建前で、長谷部さん自体が嫌いなだけかもしれないじゃないですか」
どうしてこれがフォローになると思ったんだよ?(笑)。
●自販機の意味
色々あって、大きな2台の自販機の前で長谷部の事について悩むルーシー。長谷部が自分を避ける理由を色々挙げてみても、そのどれにも根拠がなく何が原因かわからない。
ここの自販機は10種類*3列*2台=60種類くらいがあり、どれを買おうかだいぶ悩みそうだ。よって、自販機は悩み困惑しているルーシーの演出。
「多分こう、デートと職場でノリが違うのは当たり前の筈。私の思い込みだけで、あれはいつも通りの長谷部さん」
そして悩んでもわからないので、こう思い込もうとするルーシー。
●トイレと玄関
長谷部がルーシーを呼び止めて、自分の父親がルーシーの名前を受理した役人だと告げようとするのはトイレの前。ルーシーに対する後ろめたい秘密を外に出して水に流す。この場所にはそんな演出意図があり
「そうだったんですか。でも、長谷部さんのせいじゃないですよね。名前の件の整理は、すぐつきませんけど、長谷部さんに責任がないくらいはわかります」
「長谷部さんのせいでルーシーって呼ばれるの、結構好きかなって思っちゃうようになってしまったので・・・・責任取ってずっとルーシーって呼んで下さいね」
こんな風に問題を流す事ができた。
その後バタバタがあって、区役所の玄関を出たところで話す長谷部とルーシー。玄関は出入り口。それを外から映すと入り口。つまりこの場所は、新しい物語(展開)に突入する入り口の暗示。
「俺と付き合って」
「嫌です・・・・ふふ・・・・今は、まだ」
そんな場所でこんな会話をする2人。もう口から砂糖が出てきそうな甘々な展開が約束されたも同然だった・・・・長谷部爆発しろ!(笑)。
●自分を棚に上げて・・・・
そしてOP曲に合わせて色々はじまる。いよいよ塔子に千早との交際を打ち明けようとして、何も言えないまま日が暮れた一宮。そしてそんなヘタレを睨む千早。
(「言わないと駄目?」)
「えっ、言わないと駄目だろ、普通に」
(「いや、だって・・・・嫌われるの、嫌だ」)
「そこでヘタレたら不味いだろ」
「なあ、やっぱりすぐ言った方が良いんじゃないか?秘密は、隠してる期間が長ければ長いだけ、言い出し辛くなるぞ。いって来い」
(「やっぱり、明日言おう、かな・・・・」)
「駄目だ〜」
ヘタレな自分を棚に上げて、これだけ言う度胸があるんだから、塔子にも余裕で言える筈でしょ?(笑)。
●尻に敷かれる田中
羨ま・・・・ではなくて、完全に主導権を握られているようだ(笑)。
「良いですか田中さん。人が大事な話をしている時は邪魔をしない。これは当たり前の事ですよね?」
「え、いや、でも長谷部が・・・・」
「口答えしないで下さい」
「はい・・・・スミマセン」
こんな感じで色々続き、最後はイチャ付く長谷部とルーシーに
「リア充爆発しろ!」
と千早が言って終幕。
長谷部×ルーシーは一段落し事実上付き合っているようなもんだけど、名目上は保留中。千早×一宮は一宮がヘタレを脱する日はまだまだ遠そう。三好×譲二はカカア天下という事以外は不透明。
そしてお役所の話と言うよりは、この3組の恋の行方を見てきた訳だけど、どのカップルもまだまだ話が続きそう。また、サブタイは"明日につなぐ=2期"と取る事もできる。なので、いつか2期がくると信じつつ、ひとまず「サーバント×サービス」のレビューを終わりたいと思います。
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