●儚い春希の思い
「バカか俺。あり得ないだろ。目立ちたくないからって、ミス付属でさえ辞退したんだぞ」
冒頭は屋上で話す雪菜と春希。春希がこう言う時、右(春希の)側から左(雪菜の)側に虹が伸びる。でもその虹は1瞬2人を繋いだだけで、すぐ右端から消えはじめる。
「軽音楽同好会入らないか?・・・・(なのに、なんで言っちゃうんだよ俺のバカ)」
更に春希がこう言う時も、右(春希の)側から左(雪菜の)側に飛行機が飛んで、その後に飛行機雲が伸びる。飛行機雲はすぐに消える儚い雲。
すぐに消えはじめた虹も、儚い飛行機雲も、春希から雪菜に伸びた心の繋がり。春希の雪菜に対する思いが、脆く弱い、儚いものだという暗示。
●強い雪菜の思い
「バカか俺。あり得ないだろ。目立ちたくないからって」
一方、春希がこう言う時、夕日が奥に輝いている。1話レビューで書いたように、夕日は雪菜の恋心の暗示。その輝きは雪菜の強い思いの表れ。
そしてこの時、左(雪菜の)側から右(春希の)側にも虹が伸びる。それは雪菜の春希に対する思い。そしてそれは春希の虹よりずっと鮮明で確かな光を宿していた。
「またね」
また、戻ろうとする春希にこう言う雪菜。本当は一緒に歌いたい、また会いたいという気持ちが滲んでいる。
●OP考察その1
「気付けば いつの間にか」
更にOPのこの歌詞のところで「飛行機雲=一旦は雪菜に近付いたのに、薄れていく春希の気持ち」を厳しい顔で見上げる雪菜が映る。自分より上にあるものを見上げる視点は、憧れ、遠くて届かない気持ちの表れ。
思いを寄せる春希は遠くて、春希の自分に対する思いは飛行機雲のように儚いけど、春希を諦めないという雪菜の気持ちが伝わってくる。
そしてOP曲の題名は「届かない恋’13」。
・・・・多分これらが1話で垣間見えた鬱展開に繋がっていく・・・・。
●春希とかずさの恋の行方は?
今回のラスト付近で、柔道部員に帯を借り、それを命綱にして隣の第2音楽室に移動しようとする春希。窓の外には凄く細い足場しかなく、第2音楽室の窓に至る道は危険極まりない。
春希からかずさへ至る恋路は細く、春希自身の身の破滅に繋がりかねないほど危険な道。でも、捨て身でその道を進む春希に、かずさは手を差し伸べてくれた。
・・・・ように見えるけど、かずさは春希の手を掴んで
「バカ野郎。大事な手をこんな無駄な事に使わせやがって」
こう言った。更にその手に掴まれ春希は
(はじめて触れたそいつの手は、想像してたのとは全然違ってて、大きくて、固くて、そして、"豆だらけ"だった)
と言っている。これらより、かずさの手は春希に伸ばす為の手ではなく"ピアノを弾く為の手"。
更に女の子が一人で人を引き上げるなんて無理だろうし、柔道部員を退場させなかったのはみんなで春希を引き上げる為・・・・かもしれない。だから次回春希をみんなで引き上げるなら、かずさは一時的に春希と繋がったけど、それはあくまで一時的なものという事になる。
●OP考察その2
そして落ちそうになっている春希は、かずさを見上げている。それはOPの
「孤独なふりをしてるの」
のところの春希も同じ。上で書いたように、見上げる視点は、届かない遠いものへの憧れ。それを(その後の雪菜と同じように)厳しい顔で見上げる春希。更にその後映されるのはピアノ=かずさ。でも、そこにかずさの姿はない。
春希の思いはかずさに届かず、雪菜の思いは春希に届かない。そんな曲のタイトルが「届かない恋’13」。
どう見ても失恋フラグです、本当にありがとうございました・・・・。
●前回のフラグが更に・・・・
そしてこれが、かずさと春希の恋の行方の暗示だとすると、前回春希と雪菜が角材を運んだ事が、ますます2人の恋を暗示したものである可能性が高まる。両方とも、籠められた意味が意味深過ぎる・・・・久しぶりにまともな意味で意味深を使った気がする(笑)。
雪菜がどうして角材を運んでいる春希を見かけたのか?とか、1話で
「君がこういう仕事を投げ出さない人間だって知ってるから」
と春希が雪菜に言った理由にも繋がってたけど、それだけとは考えにくい・・・・。
●顔を見せない意味
今回顔を見せないカットが非常に多い。顔を見せないのは、迷いなどで進むべき道が見えない、そんな気持ちの演出。
まず、朝の学校で雪菜が依緒に春希を呼び出して貰った時、雪菜の胸から下しか映されないカットが多い。それは、本当は一緒に歌いたいけど、目立ちたくない、自信がないという気持ちもあり、迷って悩んでいる雪菜の気持ちを表している。
春希とカラオケにいく為に一旦家に帰る雪菜が着替える時も、顔が映されないカットが多い。カラオケの秘密も打ち明けて軽音楽同好会に入る決意をした雪菜。でも、春希が雪菜を受け入れてくれるか不安な気持ちも捨てきれない。
「大丈夫だよ、今度こそ」
そんな雪菜の気持ちがこの台詞からも伺える。
春希とカラオケ店で話す時も、雪菜の顔が映されないカットが多いけど、それも同じ演出意図によるもの。
次は、雪菜が軽音楽同好会に入ったけど、ボーカルとギターしかいない現実に気付く春希と武也。そして2人でその事について話すシーンでも、顔が映されないカットが多い。折角雪菜が入ってくれてもメンバー不足で先が見えず諦めようとした武也の気持ちが演出されている。
そして鞄を取りにいった教室で、かずさと会い話しかける春希。この時もかずさの顔が映されない。どうして自分が怒っているのかわからない、もしくは春希にその不満をぶつけたくてもぶつけられない葛藤の演出。その理由は次回に持ち越し・・・・。
またこれは、ずっとかずさの顔を見せないで、最後にかずさの顔が見られた時のインパクトを強調する為でもある。これにより、かずさの美しさと、「かずさの顔=ライブへの道筋」が見えいよいよ物語が動きはじめたという期待感が盛り上げられ、次回への良い引きになっている。
以下は時系列順に見ていきます。
●影の演出
「歌好きなんだ?」
「うん、結構ね」
冒頭の屋上で、雪菜と春希がこう話す時、2人の影が映される。実体でない影は、本心でない偽りの心の演出。後にカラオケ店で雪菜が言った以下の台詞への伏線。
「ごめん、あれ実は嘘でね・・・・私歌う事がものすっごく大好きで、1日中歌ってても平気なくらいなの」
●窓越しの演出
「大丈夫なんだよな?メンバーちゃんと揃ったんだよな、軽音楽同好会」
「さあ?」
OP明けて、早坂と春希の会話。この時、校舎の外から窓越しに教室を覗く視点になる。窓ガラスに阻まれ、教室内が遠く感じる。本当は当事者なのに、それを棚上げして、まるで他人事のようにうそぶく春希の演出。
●揺れるブランコは揺れる心
バイト中の雪菜に声をかけ、公園で話をする春希。公園は人々の交流の場所。2人が交流し、お互いをもっと知る事の暗示。そして雪菜はバイトしていた理由などを春希に話す。
また、この時雪菜はブランコを漕いでいる。揺れるブランコは揺れる心の表れ。軽音楽同好会に入って歌いたいという思いと、目立ちたくない、自信がないという思いの間で揺れる雪菜の気持ちの表れ。
でも、その迷い経て、雪菜は軽音楽同好会に入る事を決意し、春希をカラオケに誘う。
●不可避・・・・
「だから、貴方のギターで歌わせて(意味深)」
これに(意味深)を付けるのは健全な男子なら仕方ない事ではないでしょうか・・・・まあ、付けてしまった人は僕と一緒に反省しましょう(笑)。
そんな訳で微妙に不穏な解釈になってしまった2話・・・・1話の鬱展開シーンを見てるとこう見えてしまうけど・・・・学園祭までは3人仲良く練習する筈だし、次回はもう少し疑心暗鬼にならないようポジティブに・・・・書けると良いな(笑)。
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