【<物語>シリーズ セカンドシーズン15話 囮物語4話】考察!撫子はどれだけ駄目な子なのか【感想】


囮物語 第乱話『なでこメドゥーサ其ノ肆』

●現実世界でなく妄想世界に生きる撫子

 今回まず気になるのは、撫子の二人称。暦だけ"暦お兄ちゃん"で、他はみんな"さん"付け。

「なんで?なんで"忍さん"は助けるの、暦お兄ちゃん?・・・・撫子の事は助けてくれなかったのに!」
「もしも・・・・もしも違う形で出会っていれば、撫子と"戦場ヶ原さん"は友達になれたかもしれないね」

 片思いの相手・暦と一心同体で常にその隣にいる忍や、その恋人・ひたぎ。暦との恋を阻む憎い相手、殺そうとまでしている相手に"さん"付けは異様。12話レビューで書いた"クチナワさん"という呼び名と同じ違和感。

「仕方ないよ、撫子は怪異なんだから。だけど、それは撫子であって・・・・『私』じゃない!」

 そんな"さん"付けの理由に至るヒントは撫子のこの台詞。暦や忍(やひたぎ)を殺そうとしている狂った怪異は"撫子という他人"であって『私』じゃない。撫子は自分自身すら現実の存在として受け止められていない。だから他人の存在なんて更に受け止められる訳がない。

 『私』にとっては、暦も忍もひたぎも、撫子でさえも、物語の中の遠い存在。だから撫子にとっては憎い恋敵でも、良い子の『私』はちゃんと"さん"付けで呼んでいる・・・・"さん"は相手を尊重しているんじゃなくて、『私』にとって相手の存在が余りにもどうでも良い事の裏返し。

 だから、『私』は暦や忍を串刺しにして瀕死の重傷を負わせても何も感じない。だから、そんな目に遭わせるほど憎くて仕方ない筈の相手を"さん"付けで呼べる。だから、最後の予告で手を繋ぐ暦とひたぎなんて画を想像しても、それに何も感じない。

「いやいや、撫子ちゃんはちゃんと俺様を復活させてくれたんだから、向いているぜ・・・・神様に」

 『私』は1人で信仰を復活させるほど"妄想の世界に生きている=現実の世界に生きていない"。それが神の資質。現実を"母親との思い出"を限定的に捨て神(蟹)に出遭ったひたぎと、現実を丸ごと捨て神になった『私』。

「いや、それはない。悪いけれど、私は貴方のような可愛いガキが、昔の自分より嫌いなのよ、千石撫子さん」

ひたぎのこの台詞より、そんな2人の近そうで遠い関係が頭に浮かぶ。

「千石撫子は神様になりました。以上です!」
「目でものを見るのもこの日が最後。ええ、ええ、少なくともそれくらいの強い決意を持って撫子には待ち構えていて欲しいものです、彼らを」

 そしてどこまでも他人事な『私』。流石にちょっとくz・・・・駄目な子過ぎる・・・・。

●『私』が好きなのは暦に恋をする自分

 でも、そんな『私』でも暦に対する思いは本物だったのでは?本物だからこそ狂ってしまった?・・・・答えはノー。"本当に好き"なら神の力を手に入れた後、暦だけは殺さない。邪魔な忍とひたぎだけを殺し暦を自分のものにすれば良い。

 それも自分本意の酷い話なんだけど、『私』は更にひど・・・・特殊(オブラート)。実は『私』にとっては暦も簡単に殺せるくらいどうでも良い存在。『私』にとって重要なのは『私』が安心して恋する自分でいられる「高嶺の花」。自分は勿論、世界中の誰のものにもならない、そんな存在。

 だから『私』にとって現実の暦には何の意味もない。『私』が「高嶺の花」だと決めた脳内設定が大切だっただけ。

好きな暦とごっこ遊びがしたいから、暦と仲の良いひたぎを殺した。

ではなく

1人でしてるごっこ遊びで暦を高嶺の花と決めたから、それに反した暦を殺して脳内設定に沿った暦を捏造し、1人で快適にごっこ遊びを続ける。

「絶対に叶わない恋をし続けるって意味なら、暦お兄ちゃんに死んでて貰う方が、ずっとロマンチックじゃない?」
「もう、そのレベルで狂ってんだな、お前は・・・・」

 まさかクチナワと意見が一致する日がくるとは思わなかった(笑)。

●『私』はドM?

 でも『私』は撫子の駄目さを自覚している。14話レビューでも書いたように、忍や月火に駄目な点を指摘され『私』はそれを喜んでいる。今回もひたぎに"撫子とは"友達になれないと言われて、『私』の顔は張り付いた笑みを浮かべていた。更に12話でも以下のように言っていた『私』。

追ヒカケテキテ欲シカッタ 助ケテモラヒタカツタ
ソシテ、退治サレタカツタ

 撫子は『私』じゃないから、悪い撫子を退治して良い子の『私』にして欲しい。多分そんな事を思っているのだろう。

 それは誰かに叱られても、それを自分の事として受け止められないという事。悪いのは撫子であって『私』じゃない。撫子をなんとかしてくれたら『私』はこんなに良い子なのに・・・・という思考。

 でも完全に自分を騙す事もできなくて、撫子を否定されると『私』も悲しくなってしまう。今回ひたぎに友達になれないと言われて、笑いながら雨に濡れるシーンがそんな『私』の駄目さを上手く演出している。

●天気は心

 また大雨だったのに、ひたぎからの電話に興味が湧くと、途端に空が晴れる。そしてひたぎに拒絶されると途端にまた雨になる。そんな異様な空は、異様な『私』の心の演出。

 ひたぎの事をなんにも知らないのに殺すと言える、殺すつもりだったのにちょっと表面上優しくされたら友達になれたかもと言い出す。相手の事を本当になんとも思っていない事が良くわかる。

 ひたぎに言い包められて半年待つなんて約束をしてしまう辺り馬鹿は馬鹿なんだけど・・・・ただ頭が悪いだけじゃなく、そもそも相手の立場に立って考えようと思うほど他人に興味が全くない。

暦はどうでも良いけど"『私』が決めた設定"は暦を殺してでも守りたい。
撫子は忍やひたぎが憎いはずだけど、良い子の『私』は"さん"付けで呼ぶ。


全ては自分本位、『私』の世界に他人が入り込む余地はない・・・・。

 本当にどうしようもない駄目な子だった撫子。これはもう誰かがお仕置きしてあげないと駄目ですね、エロ同人みたいに!(笑)

 まあ、僕は撫子ほど駄目さを極められていないので、大人しくて可愛い撫子って思い込みを押し付けたりはしないですよ、ええ・・・・撫子が更生するまでは、病んでない最後の砦である真宵に萌えたいと思います!(笑)・・・・と駄目な事を言ったところで次回に続く。
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2013年10月18日 21:41 by 元会長
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