●電車の意味
今回、雪菜達が話している時に電車が通るシーンが多く描かれている。電車は駅と駅を結び人を運ぶもの。それが転じて、誰かと誰かの気持ちが繋がり、その思いが運ばれた=伝わった事を暗示している。
●雪菜が冬馬を誘った理由
下校時、川縁を並んで歩く春希と雪菜。春希の話を聞いて、春希がかずさに淡い好意を抱いている事を感じ取る雪菜。春希の言葉が途切れても、春希の思いがジワジワと雪菜に伝わっているのを、その後遅れて通り過ぎる電車が上手く表現している。また、電車は春希→雪菜の向きに走っているので伝わったのは春希の思い。
この時、雪菜が春希を好きだと明確に認識していたら、恋敵になる冬馬をバンドに誘ったりしないだろう。だから、この時点で雪菜は春希が気になっているけど、まだそれが恋心にまではなっていない(もしくは恋心だとは気付いていない)。春希とも友達になれれば良いなといった感じだろう。
だから雪菜は、気になる春希が惹かれている冬馬はきっと良い人で、冬馬となら友達になれるかもしれないと思った。
「それにして息ピッタリだったけどなぁ・・・・」
「私も北原君と同じで、どうしても、貴方と一緒にやりたいと思ったって事」
また、これらの雪菜の台詞より、学校の屋上で聞いた春希と冬馬のセッションを気に入っていて、冬馬と一緒に歌いたいと思っている。
「この家にお友達を呼ぶの、実は3年ぶりなんだよね」
そしてこの雪菜の台詞より、雪菜は3年間ずっと友達がいなかった。その寂しさも手伝って、冬馬に声をかけたと考えられる。
●冬馬と友達になろうとする雪菜
そして帰りがけにバーガーショップで話す雪菜とかずさ。ここでコーヒーにスティックシュガーを7本を入れる冬馬。一見ブラックを飲みそう=冷たそうに見える冬馬が、実は甘党=面倒見の良い子だという暗示。
「ブラックって、色だけで決まるんだったっけ?」
それにこう突っ込んだ雪菜。本当の冬馬を垣間見た雪菜、これが更に冬馬の内面を知る事に繋がっていく・・・・。
「逆じゃない。確かにそれまでもバンドを立て直そうとしてたけど、本気で動き出したのは小木曽の歌を聞いてからだ」
「・・・・詳しいね」
話が進んで、2人がこう話す時、冬馬→雪菜の方向に電車が通り過ぎる。春希の事をちゃんと把握していた冬馬=面倒見が良い・春希に好意がある事を感じ取る雪菜。ただ、その感じた好意はあくまで友達レベル。雪菜は3人が良い友達になれると思ったのだと思われる。
「人の事を挑発するのもいい加減に・・・・っ」
「だって、冬馬さん・・・・」
だからこれに続く雪菜の言葉は
「だって、冬馬さん北原君にギターを教えてあげたり一緒に演奏したり、本当は(友達として)一緒にいるのが楽しいんでしょ?」
・・・・駄目シチュエーション好き?恋愛下手?わざわざ三角関係になりそうな2人と友達になろうとする、みたいな。なんとも言えない雰囲気が雪菜から漂ってる・・・・のは1話で見た鬱展開に引きずられてるだけだよね!(震え声)。
●冬馬が雪菜の家にいった理由
「人の事を挑発するのもいい加減に・・・・っ」
「だって、冬馬さん・・・・」
話を戻して、2人がこう会話する時、雪菜→冬馬の方向に大きな音を立てて電車が走る。雪菜のちょっとお節介なくらいの人懐っこい性格と、春希が好きだという思いが、確かに冬馬に伝わった事が上手く表されている。
「うん、やっぱりそうだ」
「ん、何が?」
またその後の2人の会話より、電車で雪菜の言葉が聞こえなかったのではなく、雪菜は上に書いた言葉以外は言っていない。雪菜の口は動いていたけど聞こえなかったのなら冬馬の返しが「何て言ったの?」とかになる筈。
こんな人懐っこくて、そのくせ含みを持たせる雪菜のウザい感じが、春希と同じだと感じた冬馬。そして、そんなウザさに惹かれてしまう。
冬馬は世界的ピアニストの母親の隠し子で、ほぼ確実に1人暮らし。そしてほとんど母親との交流もない。だからお節介なくらい他人に干渉してくる春希や雪菜をウザいと思いながらも、そのウザさ・温もりに惹かれてしまった。これが冬馬が雪菜の家にいった理由。
●冬馬の誤算
「不倶戴天の敵か、生涯の大親友くらいにしかなれそうにない」
後のシーンのこの台詞からも、そんな冬馬の気持ちが良くわかる。
「"お前達"は、私と全然違う。わかり合うことなんか不可能だ・・・・だったら、一緒にいても害はないかなって、そう思ったんだ」
更に続く冬馬の台詞より、そんな春希と雪菜だからきっと2人は上手くいく。そして春希が冬馬とわかり合える=冬馬を好きになる事もないだろう。だから、春希を好きな雪菜と衝突する事もない。冬馬はそう思っていた・・・・。
「潔いな北原。そんなヌルい根性で私を口説こうとしてた訳?ふ、5年早いね」
でも、冬馬がこういった時、冬馬と春希のすぐ側を電車が轟音を立てて通り過ぎていく。憎まれ口を叩きながらも、春希達に付き合って軽音楽同好会に入ると言ってくれた冬馬。その優しさが電車の轟音を伴って、春希の中を猛スピードで通っていった・・・・。
こうして見事な三角関係ができあがったのだった\(^o^)/
「ふ、やっぱウザいな、お前」
そしてこの冬馬の台詞からEDが繋がっていく・・・・。
●おまけ
「何事にも無関心で、怠け者で、乱暴者で、けど良い奴で天才なんだ。それもピアノだけじゃなくてギターだって。俺の師匠だって言っても良いくらいで」
下校時に春希が雪菜に言った台詞。作中で雪菜が指摘した無関心以外にも、豆だらけの手の冬馬は怠け者でもないし、(ウザい春希以外には(笑))乱暴者でもない。春希が冬馬の事を全然わかってないのが良くわかる。
またこの台詞の時に映るのは、2話レビューで書いた、儚い繋がりを暗示する飛行機雲、失恋フラグ・・・・。
こんな感じでとうとう三角関係ができた訳だけど、冬馬は2人を見守るつもりだし、春希が雪菜と両思いになれば一気に解決するし、まだまだ全然大丈夫だね!・・・・と何故か虚勢を張ってみたところで次回に続く(笑)。
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