【境界の彼方5話】小さくか弱い灯りでも、寄り集まればこんなにも…【感想】


境界の彼方 #05 「萌黄の灯」

●芽生えた親愛の気持ち

 サブタイトルの「萌黄」は鮮やかな黄緑色系の色。春に萌え出る草の芽の色。それが転じて5話では、新たに芽生えた親愛の気持ちを表している。

●博臣は良い奴

 冒頭は文芸部室で話す秋人、博臣、未来。

 まず、洋風の容器を上下に動かす紅茶の入れ方で「萌黄色の緑茶」をコップに注ぐ博臣が映る。器用だけどなんかズレてて、でも温かい博臣の親愛の気持ちが上手く表されている。

 それは不幸な過去を吹っ切って、それを乗り越えようと歩き出した未来への同情や応援だけでなく・・・・同じく妖夢に戻るとわかっていても未来を、仲間を求めた秋人への同情や応援の気持ち。

 前回秋人にフルボッコにされたのに、この後、未来に対するセクハラを一緒にしてくれた博臣は結構良い奴かもしれない。・・・・ドM、もしくは重度のシスコンという線も残ってるけど(笑)。

●秋人も頑張る

 そして新入部員の未来を博臣に紹介する秋人。この時、秋人は萌黄色のセーターを着ていた。秋の服にしては浮いている色(笑)だけど、未来と仲良くなる事ができて、博臣も普通に接してくれていて・・・・2人(や美月)との心の距離を縮めようと頑張っている秋人の心が伝わってくる。

 本当は博臣達をフルボッコにした事を後悔して沈んでいるのに、無理矢理明るく振る舞っている秋人。そんな秋人の気持ちを、季節外れの浮かれた色だけど、秋でも温かい萌黄色のセーターが上手く表していた。

●未来はこれから

 ・・・・胸が、ではなく(笑)、人付き合いが。色々あって、部室にあった"園芸大全"が見られるという事で入部する事にした未来。

 未来も秋人や美月、博臣達と仲良くなろうと頑張るけど、心にはまだ固さや冷たさが残っている。それが萌黄色の固い本"園芸大全"や、後に美月と入った喫茶店で飲んだ萌黄色の冷たいジュースに表れていた。

 でも、一生懸命に仲良くなろうとする姿はとても可愛くて、今回の最後には・・・・。

●だいたい泉のせい

 そんな感じで3人が部室で話していた頃、美月は学校の外れに1人佇んでいた。前回、泉の凍結界により、秋人達のところへ近付けなかった、蚊帳の外だった事を思い返す美月。おそらくそれは今までも同じで・・・・疎外感や寂しさが目から溢れそうになる。

「美月・・・・良く覚えておきなさい。異界士は異界士でいる限り、ずーっと1人なの」

 また後の回想で、子供の美月にこう言っていた泉。美月がボッチなのはだいたい泉のせいなんじゃ・・・・まあ、妹を危険な事に巻き込みたくないと思っての事なら良いんだけど、跡継ぎ争いとかで美月を蹴落とそうとしてる気がするのは何故だろう・・・・。

●お金に困ったら・・・・

「ゆるふわ系の髪質、あどけない顔立ち、幼さを残した胸元、汚れを知らない太もも、小柄で華奢な体躯、まさに理想の妹!」

 再び部室に戻って、こんな事を言って未来に変態行為を働く秋人と博臣。未来はお金に困ったら「セクハラで訴えますよ?」とこの2人に迫れば良いんじゃないかな!ただ、非常に不本意だけど、変態達の見る目が確かな事だけは認めざるを得ない(笑)。

●もう弥勒が黒幕って事で・・・・

 そして美月も部室にきて、4人で名瀬家にいく事になる。すると4人は名瀬家の玄関で、丁度帰るところだった弥勒に会う。

 そこで弥勒は美月と博臣にだけ挨拶し、視線も2人の方にしか向けていない。まるでここには秋人と未来がいないかのように振る舞う弥勒。秋人も未来も気にしてないようだけど、普通は「ご学友ですか?」とか一言くらい何か言うだろう。未来(と秋人)を無視した理由が、化物と思っているからとかだったら・・・・。

 でも秋人と未来をガン無視しておいて、すれ違いざまに2人を一瞥した弥勒。その様子から何かに気付いた秋人は、ずっと弥勒に不信の眼差しを向け続けていた。

 秋人が何に気付いたのか気になる・・・・あとこの時、車に乗る弥勒の背景に常緑樹が映っているけど、常緑であって萌黄じゃない。よって弥勒に親愛の感情は一切ない。おっさんキャラの癖に未来を無視したし、もうこいつが黒幕で良いんじゃないかな!(笑)。

●泉はやっぱり・・・・

 そして泉がいる部屋に場面が変わり、水槽が大写しになり、川藻(?)の緑が目に入る・・・・これも常緑の緑で萌黄じゃないけど・・・・美月が「ハルカ泉姉さま」と慕ってるし、泉は極度のツンデレで本当は親愛の情を抱いている・・・・と良いなぁ・・・・。

「だから気をつけてね。あなたはあくまで呪われた血の一族なのだから」
「あなたもよ秋人君。虚ろな影のいるところにわざわざ出向くなんて。もう少し自分の事を理解していると思ったけど」

 でも、こんな風に腹黒い台詞を連発する泉・・・・。

●美月はボッチ気質・・・・

 そして泉から異界士免許(?)停止1ヶ月を宣告された未来。お金に困った未来は美月にバイトを紹介して貰う事になり、2人は喫茶店に移動する。

「あの、他には・・・・?」
「これで終わりだけど」

 美月が本当に簡単に説明して、2人がこう言ったところで会話が途切れる。この時、美月は未来のジュースと、未来の後ろの発光オブジェクトを連続で見る。それらから灯篭が頭に浮かんだ美月は、1瞬未来を誘おうか迷う。でも結局それを言い出せなくて・・・・。

 上で書いたように、だいたい泉のせいなんだけど、美月のボッチレベルが高過ぎて、この後も会話が弾まない(笑)。

●ここテストに出ます

 そんな時、喫茶店の前を妖夢に憑かれた男が通りかかり・・・・色々あって、ビルの屋上で妖夢に止めを刺す未来。

「躊躇いがなくなったわね」
「いつまでも迷ってたら、何も変わりませんから」

そこで美月にこう言われ、このように答えた未来。このシーンが後でもう1度出てくるので、詳細はその時に。

●桜もボッチ・・・・

 そこに萌黄色の上着を着た二ノ宮雫がやってきて、結局3人で焼肉を食べにいくことになる。そこで未来は雫ともちょっと親交を深める事ができた。

 シーンが変わって、1人で妖夢を倒す伊波桜。おそらく桜の武器は科学ではなく異能の力で動いていて、動力となる妖夢石を集めているようだ。

 でもOPより桜を扇動しているのは弥勒。なら、妖夢石くらい・・・・。


●落ち込む秋人

 次の日、学校を休み1人公園で落ち込む秋人。だいたい弥勒と泉のせい。そして秋人は萌黄色のセーターを脱いでいた。この後の祭りでも、暗い色の作務衣を着ていた秋人。黒幕2人のせいで心が折れているのがわかる。

●みんなを見守る彩華

 シーンが変わって、美月に連れられて未来が訪れたのは新堂写真店だった。そこで祭りの間店番をするのがバイトの内容。

 2人がくると、彩華は萌黄色のアロマオイル(?)で萌黄色に光るランプを点ける。

「せやったらええねんけど・・・・ああ見えて気にしいやさかいね神原君は。妖夢化して自分が自分やのーなった時は、いつも結構引きずらはるんよ」
「毎年、頑なやなぁ。別にいったかてかめへん思うけど?」

更に店でのこれらの会話にも、秋人や美月への配慮が滲んでいた。そんな彩華のみんなへの思いやり・親愛の心が、優しいランプの光に灯っているようだった。

 また、愛の帯も萌黄色でちょっとだけ距離が縮まった事がわかる。愛はスタート地点が相当近いって事なのかな、多分(笑)。

●落としの未来

 そして店番をする未来と美月。そこで

「毎年なんですから?・・・・彩華さんが言ってたじゃないですか、毎年頑なにいこうとしないって」

未来が美月にこう言う時、彩華が点けたランプが映っていて、未来と彩華の光が美月の心も照らしているのがわかる。

「結局1人なのよ、みんな」

でも、素直になれない美月は口ではこう言うけど、ここでもランプの萌黄色の光に照らされたオブジェが映される。口とは裏腹に、美月にも親愛の情が芽生えている事がわかる。

 更に店仕舞いをするために外に出た美月が思い浮かべたのは、

・子供の頃、部屋中に飾った萌黄色の灯篭
・喫茶店で未来が飲んでいた萌黄色のジュース
・屋上で未来が言った台詞。
 「いつまでも迷ってたら、何も変わりませんから」


完全に未来に落とされていた美月(笑)。

「あ、先輩。見て下さい、ここでお祭り・・・・」

 更に美月が店に戻ると、店中のランプを灯してこう話しかけてくる未来。そして・・・・。

●続・落としの未来

 浴衣を着て祭りに出かけた未来と美月。辺りは黄色い灯篭で一杯だった。黄色は楽しい、温かい気持ち。

「綺麗ですね!」

 そして未来がこう言った後、1瞬映る萌黄色の灯篭は、美月に芽吹いた親愛の気持ち。それが後の「あんたねぇ」という美月の言葉にも表れていた。

 更に文句を言いつつも博臣に連れられて秋人もやってくる。

「便所飯でお馴染みの、秋人を慰めるために決まってるでしょ」
「だから何度も言うが僕は誰の世話にも」

美月の軽口に、強がり素直にならない秋人に

「先輩・・・・みんな1人だからです。みんな、1人だから・・・・」

こう訴えた未来。1つだけだと小さくか弱い光だけれど・・・・寄り集まれば、1つの光になれなくても、こんなにも明るくて温かい。

 その言葉に、美月の萌黄色の気持ちは、更に暖かい黄色に光に変わっていき美月を明るく照らし出す。

 灯篭だけでなく夜空を飾る花火でもそれは同じで・・・・
それを遠くから眺めた桜もきっと・・・・。

「ねえ、アニキ・・・・りんご飴、食べたい」
「!?」

 そして花火を見ながら博臣にこう言う美月。異界士は1人と今まで他人を拒絶していた美月が、精一杯の力で踏み出した一歩。今できる最大級のデレ・・・・。

 秋人にフルボッコにされても秋人を祭りに引っ張り出したり、未来を文芸部に迎え入れたり、実はかなり良い働きをしてる博臣。そんな変態シスコンお兄ちゃんが報われても良いよね(笑)。

●なのに長女ときたら・・・・

 ED明けてCパート。ここにいるなら、泉も一緒に花火を見てる筈・・・・なのにどうしてこう悪役オーラしか出せないのかな、この長女は(笑)。

 最後に、次回予告ではまた萌黄色のセーターを着ていた秋人。祭りにきて、未来達と一緒に灯篭や花火を見て、気持ちを立て直したようだ。まあ、未来と美月と一緒にお祭り回れたらもう悩みなんて吹き飛ぶよね!(笑)・・・・といったところで次回に続く!
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2013年11月04日 22:59 by 元会長
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