●向きと距離
2人の人間が話す時、互いの向きが相手に対する向き合い方を表している。真正面から向き合えば真剣に相手の事を考えているし、正反対を向いていれば互いに無関心。
そして互いの距離は、相手との心の距離を表している。好きな相手とは一緒にいたいし、嫌いな相手からは離れたい。実際これらの姿を思い浮かべて貰えば、その演出意図に納得して貰えると思います。
今回、これを元に色んなシーンを見ていくと・・・・
●春希と冬馬
OP明けて、かずさの家でおかゆを作る春希。朝、冬馬が学校にきておらず、電話しても出ないので直接冬馬の家にきた春希。すると冬馬が倒れていて、春希が看病をする事に。そして色々あって、そのまま冬馬の家でギターの練習をする春希と、それを見守る冬馬。
これらの時の2人の向きと距離は普通・適正(笑)。互いに惹かれあっている(事についての詳細は後述)のに、2人は目の前のライブを優先し、その思いを押し込めている。なので「結果的に」普通の関係に見える。そのせいで雪菜が・・・・。
●春希と雪菜
翌日、学校で武也から雪菜がリハーサルで全然歌えなかった事を聞かされる春希。すると春希はクラスで文化祭の準備をしていた雪菜(とクラスの生徒達)に
「こっちこそご免。先に謝っとく・・・・てな訳でいくぞ、雪菜貰っていきます!」
こう言って雪菜を冬馬の家に連れていってしまう。
春希が上の台詞を言う時、2人は密着寸前の距離で真正面から向かい合っていて、真面目に相手の事を考えている。
但し春希は本当に「バンド仲間として」。
冬馬の事が好きなのに、雪菜にこんな思わせぶりな態度取るとか・・・・。
●電車と体勢
場面が変わって、通り過ぎる電車を横から見るシーンが入る。電車は駅から駅に人を運ぶもの。転じて人から人に伝わった思いの暗示。春希の思いが雪菜に伝わった事が示されている。
こんな風に雪菜は「春希の思いを真正面から受け止めてくれた」のに!電車の中で春希はずっと雪菜に背を向けたまま・・・・春希の言葉が嬉しくて背中に密着してすがり付いているのに、春希が雪菜の方を見る事は最後までなかった。
自分の希望は雪菜に伝えても、雪菜からの思いには応えないとか・・・・。
そしてこれは1話で流れた鬱展開を思わせる一連のシーンの最後と同じ体勢。(おそらく冬馬の乗った)飛行機を未練がましく見続ける春希と、その背中にすがり付く雪菜と同じ体勢。
「もうちょっと他の体勢はなかったのかと・・・・」
「ないね、全然」
しかも、その体勢についてこう言った雪菜。自分の方を見てくれなくても、密着するほど恋しい春希の背中にすがり付く以外の向き合い方はないと・・・・。
そして、そんな2人を後ろから見た画が電車の窓に映り、最後は電車が手前から奥に走り抜けていく画で電車のシーンは終わる。
いくら後ろから見続けても相手にその思いは伝わらない。いくら思い(=電車)を投げかけても、その思いはどんどん離れて遠くなる。そんな雪菜の報われない思いが演出されている。
最初の横から見た電車と比べると、奥に向かって小さくなっていく電車は、全然印象が違うのがわかると思います。
更に冬馬の家でも、春希の背中を見ながら廊下を進む雪菜。そして、最後まで雪菜と春希が正面から向き合う事はなかった・・・・。
・・・・なんて言うか、戦う前から負けている、負けオーラが凄まじい雪菜。もう冬馬に、っていうか依緒やモブにすらこの子が勝てる気が全くしない・・・・。
●冬馬の勘違い
「北原が詞を書いて、私が曲をつけて、小木曽が歌う、3人のためだけの歌だ」
地下室で雪菜に楽譜を渡し、その曲をこう説明する冬馬・・・・おそらく冬馬は春希の歌が雪菜を思って書かれていると勘違いしている。雪菜が高校に入ってからずっとボッチだったのを知ってるし・・・・冬馬が勘違いしても仕方ない・・・・。
「小木曽と、付き合うのか?」
だから前のシーンで冬馬は春希にこう聞いた。そしてこれは冬馬が春希の事を好きな裏返し。好きじゃない相手なら、誰と付き合うのかなんて聞いたりしないから・・・・。
なので「やめたげてよぉ!」と言いたい気持ちで一杯だけど冬馬は仕方ない・・・・うん、仕方ない・・・・。
●不可避・・・・
問題は春希。歌詞が書いてあったノートの表紙には「2007年10月」と書かれていた。また、1話では実行委員の会議室(?)の前に「学園祭まであと30日!!」と書かれていた。そして今回最後に映された時計より学園祭は「11月24日」。
よって春希と雪菜が出会ったのは10月25日。
「はぁ・・・・ほとんどできてたのにな・・・・」
またその日(=1話)に、雪菜がいる実行委員の会議室に向かうために音楽室を出たところで、春希はこう呟いた。おそらくこれは歌詞の事で、雪菜と出会う前にもう歌詞はできていた。これらより、
あの歌詞は冬馬を思って書いたもの。
余談だけど、歌詞が女性言葉なのは多分バンドのボーカルは女子だと決めていたからだと思われる。
「何、どこか変だった?できれば、駄目出ししてくれると助かるんだけど・・・・何しろ冬馬の奴が1行も直さなかったから不安でさ・・・・」
そんな歌詞の事を、雪菜に背を向けて、恥ずかしそうに話す春希。自分に片思いしてる子の前で、自分が好きな子のために作った歌詞をノロけながら話すとか・・・・もう腹パン不可避ですよ不可避・・・・視聴者の胃の痛みを思い知らせてやんよ!(笑)。
●雪菜とかずさ
そして歌詞からそんな状況を察した雪菜。一瞬下唇を噛み締めるけど、すぐ作り笑いをして
「夢は大事だよね。冬馬さん、1回だけ弾いてみてくれない?私楽譜読めない」
こう言って冬馬のピアノのすぐ傍に立ち、冬馬のピアノの端をずっと掴み続ける。春希と恋人にはなれなかったけど、冬馬という友達まで失いたくない。雪菜の手には、そんな気持ちが込められていた・・・・もう雪菜が幸せになれる姿が全然想像できない・・・・(涙)。
という訳で6話を見てきたけど、毛布に包まってフードを被ったような冬馬や、風邪でちょっと弱気になって
「聞かせてよ、北原のギター」
と言う冬馬が凄く可愛かった!
また、電車で春希の背中に抱きつきながらイチャイチャする雪菜が可愛過ぎてレビューを書くのが辛い!本当に辛い・・・・。
って事で、前回レビューのコメントで書いた"幸せの兆し"も書けたところで(白目)・・・・次回に続く!(笑)
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「最新アニメレビュー日記」というサイトを運営しているnagasemasakoと申します。
この度、こちらのサイト「会長のおすすめアニメレビュー」を拝見させて頂き
ぜひ相互リンク・相互RSSをお願いしたくご連絡させていただきました。
誠に勝手ながら、先に以下サイトの右サイドバーにリンクを貼らせていただきました。
http://blog.livedoor.jp/nagasemasako/
お手数ですが、ご確認の程よろしくお願い申し上げます。
よろしければ、当サイトと相互リンクを結んで頂けないでしょうか?
ご検討の程、よろしくお願いいたします。
相互リンク・RSSのお誘いありがとうございます。
こちらからも相互リンク・RSSを貼らせて頂きましたので、
リンク先などもし何か問題がありましたら、
お手数ですがお知らせ下さい。
これからもお付き合いのほど、宜しくお願いします。
OP曲の歌詞の件、一気に色々と繋がりましたね。
前回の元会長さんの考察を事前に読んでいたお蔭で、オリジナル曲の歌詞を巡る三人の想いの交錯が見ていてよく解りました(^^)
負けフラグ(悲劇フラグ)が随所でちらついてるのは肌で感じられましたが、電車での二人の体勢にそんな意味が込められていたとは…
別のアニメで似たような演出があったことも思い出し、とても腑に落ちました。し、幸せの兆しが…(ry
幸せの青い鳥を探してたら、カラスばっかり見つけてしまった感じで・・・・。
なんか、探せば探すほど幸せが遠くなる気がします(笑)。
まあ、次回は学園祭だし、
1話のエロ可愛いライブ衣装が見られる筈だし、
きっと胃薬は要らないと信じてます(笑)。
こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
時計は15:15で23日
セリフは「のこり24時間」
学園祭は24日ね
たぶん(ぉ
最後の構図は雪菜が春希からどころか画面からも背を向けてて切なかった
記事のご指摘頂いた箇所を修正しました。
雪菜は全身から負けオーラが出てて、
見てるだけで切ないですね・・・・。
ご指摘ありがとうございました、
また何かありましたらお気軽にコメントして下さい。