【凪のあすから7話】ちさきに加えて光まで…いけずでも、うろこ様は良い人?【感想】


凪のあすから 第7話『おふねひきゆれて』

●まなかと紡の思いは・・・・

 冒頭は、おじょし様の完成を喜ぶ光達の様子が映される。

「できたー!」

とみんなで歓声を上げるけど、その時まなかと紡だけ映っていない。ここに映っている生徒は、みんな学園祭のノリで学校行事を楽しんでいるだけ。よって、光もおふねひきにそこまで強い思いは持っていない。

「おふねひきしたいね」
「おふねひきしたいな」

 一方、他の生徒達から少し離れ、おじょし様を近くから見つめていたまなかと紡が、ハモるようにこう呟く。

 今までは紡にばかり気を取られていたけど、1話レビューで書いたように、まなかは紡と出会う前から地上に憧れていた。勿論、これまで何度も紡が語っているように、紡も海に憧れている。だからこの2人は、おふねひきを通して、地上と海がもっと歩み寄って欲しいと強く思っている。この2人だけ他の生徒達と分けて描かれたのはそういった理由から。

 紡がまなかを好きになっているなら別だけど、今のところそんな様子は窺えない。「紡を思うまなかと、海を思う紡」そんなチグハグな組み合わせなら、「地上を思うまなかと、まなかを思う光」とかも成立してしまう。これらより、ここでは、まなかは地上の事を思っていると考えるのが一番しっくりくる。

●まなかの思いは・・・・

 でも、言葉がハモった2人を見て、さゆや狭山達が2人を囃し立てる。そのせいもあって、光は2人まなかの思いを取り違えてしまう。まなかの地上に対する思いと、紡に対する思いを混同してしまう。

 まなかが紡に惹かれているのは確かだけど、おふねひきと紡は無関係。後にあかりが灯に「あかりと至」の事を「海と地上」の事に置き換えないでと言うが、光はその逆をやってしまっている。

 そして光は、おふねひきに強い思いを持っていないのに、自分達で大人達を説得しようと言い出して、地上の生徒達も巻き込んで署名活動をする事になる。そんな光を見て、嬉しそうに話しかけるまなか。

(絶対叶えてやるよ、おふねひき・・・・お前と紡の願いを)

 でも、まなかと話す光は、心の中でこんな事を呟いて・・・・こんな光の、本心でない後ろ向きな思いからはじまった署名活動は結局・・・・。

 ・・・・子供らしく不器用で無神経でも、裏表のなさから安心して見ていられたのに、光までちさきみたいな事をはじめるのは勘弁して欲しいんだけど・・・・主に僕の胃のために(笑)。

●背景の意味

「わかった僕も協力しよう」
「みんな頑張ろうぜ!」
「「「「「おー!」」」」」

 少し戻って、光の提案を聞いて、みんなでおふねひきをするよう大人達に呼びかける事になり、先生や生徒達がこう言うシーンがある。

 その時映されるのは、窓のすぐ外の学校のグラウンド越しに見える町のまた先に広がる"遠い"海。そしてその海に建てられた作りかけの橋桁。

 光達がこう意気込んでも、海(の大人達の気持ち)は遥か遠く、地上との架け橋も橋桁だけ。遠い海と地上の関係が暗示されていた・・・・。

●上手くいかない原因は・・・・

 そしてサヤマートの前で、おふねひき実現を求める署名を集める光達。まなかにちさき、美海にさゆと、これだけ可愛い子が揃ってたら署名なんて余裕だね!・・・・マダムキラー要もいるし(笑)。

 でも、沢山の署名を集め、灯に地上との話し合いを頼む光だけど、灯は地上の者に話は通じないと取り合おうとしない。

「俺達は魚じゃねーし、あいつらも豚じゃねー!同じ言葉、通じる人間だ。俺達本気なんだ!いっぺんだけで良い、みんな集めて話聞いてくれよ!」

 そんな灯に対しこんな主人公らしい台詞をぶつける光。しかし、それでも灯は取り合わなくて、結局喧嘩別れに終わってしまう。

 一見良い事を言ってる光だけど、それはまなかと紡に対する後ろ向きな思いからはじまった行動。まなかが好きだという思いと真剣に向き合う事から逃げた先の行動。

 現実的に考えれば、おふねひきの話が決裂した事に対する光の落ち度は全くない。でも、物語的に考えると、動機の時点でもう失敗フラグが立ってたよね・・・・。

●背景の意味2

 翌日、大人達への働きかけの成果を報告しあう光達。そのシーンの前に、山がある方向にグラウンドから校舎を見る絵が映される。

 これは上で書いた、遠い海の背景を受けたもの。この後、光が取り付けたと話す"海村の青年会のおっさん達の心=海"はもう視界にすら入らないほど遠く、"巨大な橋桁=光達の架け橋"は全然繋がっていない。そんな事が暗示されていた。

●まなかの違和感

 話し合いが終わって、下校中の海底を歩く、まなかとちさきが映される。

「光、頑張ってるよね・・・・」
「うん。でもなんかひー君その・・・・違う、気がするよね」

 そこでまなかは、光がいつもと違うと違和感を口にする。それは、光の行動が今までとは違う後ろ向きな気持ちからはじまったから。

 でも、まなかもその違和感の正体がわからなくて・・・・まなかが悪い訳じゃないけど、間接的にまなかがその原因で・・・・。

●沈むちさきと伏線

「望んでなんかないのに、勝手に変わっていっちゃうものもあるのにさ、変わるんだって決めて、ひたすら頑張ってる人を止める事なんか、きっと、海神様だってできないよ」

 また、そのシーンの最後で、ちさきがこう言うのに合わせて、明るく辺りを照らしていた太陽を厚い雲が遮って、辺りは暗い影に覆われる。変わっていく光達を見て沈んでいく、ちさきの心が伝わってくる。

 更にこの台詞は、"海神様→うろこ様"で、後に光とあかりを止めようとするうろこ様に繋がる伏線にもなっていて・・・・。

●話し合い?

 そしていよいよ地上と海、両方の大人達を交えて、おふねひきの話し合いがはじまる。まず、おじょし様を"交互に"見る地上と海の大人達・・・・明らかに溝がある事が見て取れる。

 それにしても、おっさん5人、多分みんな漁師なんだろうけど、なんでこうもガラが悪いのか・・・・ヤ○ザって言っても誰も疑わないよね(笑)。これも譲歩する気のない、喧嘩腰の表れ・・・・かもしれない。

 そして、海村の大人達が地上に謝罪を求めた事でどんどん険悪な雰囲気になっていき

「おいおい、なんか雲行き怪しいんじゃねーか?」

狭山がこう言う時、空もどんどん雲に覆われていく。空も話し合い(?)の行く先を明確に暗示していた。

 そして、遂にそれがつかみ合いの喧嘩に発展する。更にそんなところに、あかりと至が一緒に現れた事で、海村の大人、達の怒りが高まり・・・・最後は大人、達を止めようとした光が吹き飛ばされ、おじょし様にぶつかっておじょし様が壊れてしまい、話し合い(?)は決裂に終わってしまう。

●曇り後、雨

 シーンは変わって、喫茶店で話すあかりと灯。外は曇りを通り越して雨が降りだしていた。海と地上の話し合いが決裂し、あかりと灯もわかり合えない、その悲しみが伝わってくる。

「私、美海ちゃんの母親になります」

 そしてあかりがこう言った後、コーヒーがコーヒーメーカーに貯まっていくのが映される。灯とわかり合えなくて、絶望に満たされるあかりの心が演出されていた。

●うろこ様は良い人・・・・

 シーンが変わって、荷物をまとめ、うろこ様に決心を伝え、家を出ていくあかりと光。そしてそんな2人に何も言わない灯。

「意地っ張りなのは親子ともどもか。やれやれじゃ」

 そんな3人を見てこうボヤくうろこ様。そしてうろこ様は、光とあかりを渦で包み地上にいくのを阻止しようとする。それでも進もうとする光とあかり。

 それを見たうろこ様は、更に光達の周囲を凍てつかせ妨害を強めるけど・・・・そこで動いたのは灯。

「うろこ様!・・・・後生です、どうか・・・・」

灯はこう言ってうろこ様に妨害を止めて貰うのだった。

 4話レビューで書いたように、うろこ様は光達を助けてくれる存在。そして今回うろこ様が助けたのは灯。素直に子供達を送り出せなかった灯に本当の気持ちを自覚させた。

 よって、光達の周囲を包んでいた氷は頑なな灯の心。だから、灯が自分の本心を言った事で、その氷は砕け散り、光とあかりは地上に出ていく事ができた。うろこ様の行動にはそんな意味が込められている・・・・筈、きっと、多分(笑)。

●うろこ様はいけず・・・・

「見てみい、揺らぎが随分大きくなっとる。もう猶予はほとんどないぞ。どうするんだ、灯?」

 そこで気になるのは、うろこ様が言っていたこの台詞。近々何か起きるから今は地上に海の者をいかせる訳にはいかないと、ここ数話思わせぶりな事を言い続けているうろこ様。

 ぬくみ雪が前兆だというその事態とは一体・・・・神話では日照りに困った地上の者がおじょし様を生贄にした事になってるけど、現代では渇水になっても対策は取れるだろうし・・・・うーん、と謎が深まったところで次回に続く!
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2013年11月17日 23:44 by 元会長
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