【<物語>シリーズ セカンドシーズン20話 鬼物語4話】真宵は帰ってくる!伊豆湖が嘘を吐き通した理由【感想】


鬼物語 第忍話『しのぶタイム其の肆』

●久しぶりの出番

 前回の最後で会えた伊豆湖と、早速話をはじめる暦。

「こよみん!?まさかのニックネーム。2人きりの時の戦場ヶ原かよ!?」

伊豆湖に"こよみん"と呼ばれ、こう突っ込みながら暦が思い浮かべたひたぎの絶対領域が眩しすぎる(笑)。

●伊豆湖は余弦が嫌い

「私が第三者を通じて余接に依頼をしていた筈の仕事が、何故か進行していないようだった辺りがとっかかりだよ」

 どうして暦達の居場所がわかったのか尋ねる暦に、こう答えた伊豆湖。でも、余接は式神で、管理者?保護者?は余弦。だから、普通に考えて伊豆湖の言う"第三者=余弦"。猫物語(白)4話で、伊豆湖は余弦が嫌いだと言っていたけど、素直に名前を出すのも嫌なレベルとは(笑)。

●伊豆湖が嘘を吐く理由は?

 余接が暦に関わったせいで仕事が遅れているので、その仕事を暦に手伝って欲しいと言う伊豆湖。でも、19話レビューでも書いたように、伊豆湖は最初から暦を巻き込むつもりだった可能性が非常に高い。

「ボクはお姉ちゃんから、(この仕事のために『暗闇』の事を)軽く聞いていたからね」

 この余接の台詞からもその事が伺える。余接は「暗闇」の事を知らないと嘘を吐いていた。また余接の口ぶりから()で書いたような含みが感じられる。前に全く別件で「暗闇」の事を聞いていた可能性もなくはないけど、そうだとしてもそれを隠す理由がない。

 どうせ神原に紹介して貰うつもりなら、最初から伊豆湖が暦達の町にいき、「暗闇」の説明をした方が遥かに手っ取り早い。だから、こうした事には何かしらの理由がある。

 なら、その理由はただ1つ、真宵を助けるため!
伊豆湖は「暗闇」、扇の目の届かない神殿みたいなここに真宵を連れてきて、何かをしたかった。そして、それが万が一にも「暗闇」に感知されないよう、暦達にはその理由を隠している。よって、実は真宵はまだ向こうに逝ってない!!(断言)。

 ・・・・ここだけはマジで異論を認め認め・・・・たくないな。

●扇の目的

「でも可能性はどちらにもあった。いや、言ってしまえば鬼のお兄ちゃんにもあった」

 そして続くこの余接の台詞も気にかかる。すぐ後で「暗闇」を

「怪異の道を踏み外した怪異を狙うんだよ」

こう説明した伊豆湖。なら暦と忍が狙われてもおかしくない。黒でないかもしれないけど、十分グレー。

 そう考えると、扇が撫子をけしかけた理由が見えてくる。それは暦と忍を消すため。Cパートより扇は「暗闇」の人間形態みたいな存在。だから、今の2人はグレーで「暗闇」を発動させる事はできないけど、何もせず見過ごす事もできなくて、扇は撫子に2人を殺させようとした・・・・。

 いくら女の子の扇でも、撫子に真宵に忍と敵対するとか・・・・まあ、撫子はきっと元に戻るし、真宵もまだ逝ってないから!(震え声)。

●湖底の木とかの演出

「『暗闇』は怪異ではない。怪異以外の存在。非存在。倒す事はできない。殺す事もできない。勿論、食べる事もね。(後略)」

 話を戻して、伊豆湖が「暗闇」の説明をはじめると、湖底に沈んで朽ちた木や、椅子が散乱する塾跡の部屋が映される。これらは、繋がらない、思考を組み立てられない、バラバラに思える情報を聞いて、その意味がわからない暦の状態を演出している。

「ん?良くわからないかい?じゃあ具体的に、忍ちゃんが400年前に何をしたかを考えてご覧」

 でも伊豆湖がこう言う時、塾跡の部屋の椅子が少し整理して積まれていて、部屋の中には巨大な木が現れている。また、この台詞の後、水の底から浮かび上がる気泡が映される。これらは、整理され組み立てられた思考、浮かび上がる閃きを演出している。

●広場の木

 また暦達と伊豆湖が話す広場には大きな木が生えていた。この木も思考に繋がる演出。思考が育ち辿り着いた答えの表れ。どうすれば良いか口には出さなくても、伊豆湖が辿り着いている答えの暗示。そんな木の下で、その答えを元に伊豆湖は話をしている・・・・。

「だから、もう2度とあんな事はしません。あんな事はもう2度と」

 そして真宵がこう言う時も、その木を中心にした、その木が主題のような絵が映される。それは、真宵もその木に、その答えに辿り着いたという暗示で・・・・。

●巨大な木

 伊豆湖が帰ってから、暦達は湖に沈む巨大な木の上に作られた広場で話す。その木は、伊豆湖と話していた時の広場にあった木、真宵が選んだ答え。その上に立って真宵は話している。そして一緒にいる暦も、その答えを受け入れる事になる・・・・。

 因みに、この"巨大な木=答え"はミスリードを誘う嘘演出。もしくは、更に先の真宵が助かる何かへ繋がる答え・・・・もしくは僕の解釈ミスとか・・・・とにかく真宵が向こうへ逝くのが答えなんてのは認めないから!(涙)。

●余接の本心

「別に。ボクは一緒に迷っている身だからね。もしもボクがここで帰ったら、『暗闇』が発動する可能性もあるかと思って」

 そのシーンの最初で、どうして伊豆湖と一緒に帰らなかったのか聞いた暦にこう答える余接。でも、19話レビューで書いたように、余接は死んだ後も存在し続けている意味を探している。そして自分と同じく、幽霊のような存在になっている真宵に興味を示していた。だから、そんな真宵の選択を見届けたいというのが本心だろう。

●今回は木の演出無双(笑)

「そういう言い方は卑怯だ」

 暦がこう言う時、湖に沈んだ朽ちた木が映される。暦の思考がまとまってない事を演出している。でも、もう暦は巨大な木の上に作られた広場で話していて・・・・。

「後は空の上から阿良々木さんを見守っていますので」
「だからそういう事を言うなって・・・・っ!」

 この暦の台詞の後に映される朽ちた木も同様の演出。続く、湖から伸びる朽ちた木の林は、暦を納得させる方便を思い付いた真宵の演出。そして真宵は、そんな朽ちた林のような誤魔化しを暦に話して・・・・。

●納得した・・・・

「離れていてもずっと一緒だとか、心の中の思い出は消えないとか、いつでも私は傍にいるとか、2人の絆は永遠だとか」

 それでもなんとか食い下がろうと頑張る我らが主人公・暦にこんな感じで納得するよう言い聞かせる真宵。勿論、暦は納得しない。当然視聴者だって・・・・。

「それでもいつか、阿良々木さんが本当に困った時にはきっと帰ってきますとか、そういうので何とか納得して下さい」

 だけど、続いて真宵が言ったこれなら良いかも。扇との戦いで本当に困った時に、実は逝ってなかったとか、夢渡はこのための伏線だ!とかで・・・・真宵はきっと帰ってくる!!(断言)。

●揺れる思い

「阿良々木さんと楽しくお喋りしていたこの3ヶ月は、私が1人で道に迷っていた11年を、十分埋め合わせてくれましたから・・・・」

 でも、真宵にここまで言われ、遂に暦も何も言えなくなってしまい・・・・。

「ああ、そうだ阿良々木さん。最後にアレやりましょうよ、アレ・・・・噛みましたからはじまる一連の流れ」

 こう言った真宵を余接が肩車して、2人は後ろから暦に近付いていく。この時、肩車のせいで真宵が大きく揺れるのは、その動きのように真宵の心が大きく揺れている演出。みんなのために、暦のために向こうに逝くと決めたけど、やはり暦と別れるのは辛いという真宵の心の表れ。

 また、上で書いたように、同じく死んだ後も存在し続けている者同士、真宵の最後の願いに付き合った余接の心の揺らぎでもあった筈。遠くない未来に訪れるであろう自分の最期と重ねて・・・・(自分のような者には即返しが基本と言っていたし、余接が最期を意識したのはまず間違いない)。

「失礼噛みました・・・・大好きでしたよ、阿良々木さん」

 そして、後ろから暦に近付いた真宵は振り向きざまの暦と唇を重ね、こう言って涙を流しながら微笑むのだった・・・・。

●不吉なCパート

 そしてCパート。

「なーんかみんな、僕を置いていなくなっちまう感じだな〜置き去りにされてる気分だぜ」

僕ハ帰ル。
帰リ道ヲ帰ル。
モウ誰トモ会フコトノナイーー帰リ道ヲ。

 暦の台詞や地の文が不吉なんてもんじゃない件・・・・それに普通に考えれば、怪異の中でも更に異端な不死身の吸血鬼モドキになって存在し続けるのは歪な訳で・・・・忍を選んで怪異(眷族)になるか、ひたぎを選んで人に戻るか、扇がそれを迫るならそれは正しい事のような気がする訳で・・・・。

 でも、これは物語だから、普通に考えれば、なんて尺度は現実だけでお腹一杯だし・・・・だから、撫子や真宵や忍みたいな怪異とだって、イチャイチャしても良いじゃない!(笑)。

「そう言えば僕は、4ヶ月前のあの日、八九寺との別れに際して、あの言葉を言っていなかった。今頃そんな事に気付くなんて、僕も随分抜けている・・・・さようなら、八九寺真宵。お前と会えて幸せだった」

 そして今回の最後の暦の台詞。真宵が向こうに逝った事を受け入れるのに4ヶ月かかった暦・・・・。

 主人公でもこうなんだから、僕が受け入れられる訳がないよね!(笑)
・・・・それに、きっと伊豆湖が、夢渡がなんとかしてくれるから!とこの予想だけは当たってて欲しいなと思いつつ・・・・次回に続く!
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2013年11月23日 22:38 by 元会長
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