●寒い冬は・・・・
リアルでも12月、厳しい寒さが骨身に染みて。こんな季節は心温まる話でほっこりしたいね!という訳で今回もhurtfulな話を観ていきましょう・・・・。
●春希と冬馬の心
冒頭は、冬馬の家のチャイムを鳴らし続ける春希。差し入れを持ってきたけど冬馬が出てこなくて、チャイムと携帯を鳴らし続けている。
昼が短く、学校帰りでも日はすっかり落ちていて、暗く寒い冬の夜。3学期がはじまってからずっと冬馬に避けられている春希の心が良く表れている・・・・なんでこの男は彼女の雪菜がいるのに、こんなに黄昏てるんですかね?(震え声)。
一方冬馬は、携帯をピアノの上に置いていて、そこには春希からの着信画面が映っている。でも本当に春希を拒絶しているなら、すぐ携帯を閉じれば良いし、なんだったら携帯は自室に置いておけば良い。
更に、春希からの着信がある間は冬馬の弾くシーン(曲?)は明るく軽やか。でも、呼び出しが切れると暗くゆっくりなシーン(曲?)に変わる。そして最後には・・・・。
これらより、明らかに冬馬は春希に未練を持っている。春希から着信があると嬉しくて心が弾むけど、無理にそれを押し込めて、着信が切れると寂しく心が沈んでしまう。そんな冬馬の気持ちが携帯とピアノに表れていた。
●雪菜がいるのに・・・・
OP明けて、校庭の冬枯れの木が映される。7話の学園祭では、多くの紅葉した葉をつけていた木も、すっかり枝だけになっていた。冬だからね、きっと・・・・。
シーンは教室に移り、学校にきていない冬馬の席を見る春希。窓から射す陽が、冬馬の席を眩しく照らしていて、冬馬の事を眩しく思う春希の思いを代弁しているようだった。
そして雪菜がいるのにそんな素振りを見せる春希に、早坂が疑惑の目を向けていた。
●雪菜の心は?
学校帰りにファミレスで会う春希と雪菜。冬の弱々しい陽が室内を淡く照らしている。教室のシーンと打って変わって、陽射しが衰えたのは・・・・時間経過の演出だから(震え声)。
更に雪菜が頼んでいたのは、冬なのに氷の沢山入ったアイスコーヒー(ジュース?)。3話で冬馬と喫茶店に入った時はホットコーヒー(ティー?)を頼んでいたし、その後の合宿でも雪菜はホットを飲んでいた。よって、アイスを飲みだしたのは春希と付き合いだしてから・・・・。
ではアイスコーヒーの意味は?考えられる可能性は2つ。
1.3人でいるために敢えて春希に告白した痛み
2.春希を取った事に対する罪悪感
雪菜の最終目的が"3人でいる事"なら1、最終目的は"春希"だけど冬馬も可能な限り失いたくないなら2。
でも2は雪菜株が相当下がる。春希を横取りした上に、ラブラブっぷりを見せ付けながら一緒にいようとかちょっと鬼だよね(笑)。
じゃあ1?でも1だとすると、春希と冬馬をくっつけてその恩人として2人の友達になれば良いのでは?幾ら冬馬に確認して口では良いと言っていても、雪菜はその本心を知っている筈。
こんな感じで悩んでたんだけど、もし2ならここでアイスコーヒーを頼むのはどう考えてもおかしい。もう"春希"という最終目標はゲットしているんだから、幾らなんでも氷たっぷりのアイスコーヒーはない。ここではホットコーヒーで、後に冬馬と3人で喫茶店に入った時だけアイスコーヒーを頼むべきだろう、演出的には。
つまり、雪菜は春希と恋人になり、更に2人きりになっても、春希に心を開いていない。冬馬への罪悪感なんてものとは違うレベルで心を閉ざしている。
よって雪菜の最終目標は"3人でいる事"。つまり雪菜は春希と冬馬をくっつけようとしている。本心では本当の恋人になりたいのに、心を凍てつかせ自制して、耐えられなくなった冬馬が本心を口にするのを待っている。
負けフラグだらけだとか、負けオーラが滲み出てるとか以前に、雪菜の目指すゴール自体が負けルートで、勝つルートが存在しなかった・・・・(涙)。
雪菜は6話の最後で相思相愛の春希と冬馬の思いに気付き、唇を噛んでもすぐ笑顔を作り、そんな2人の恋の曲を歌った(本番で歌えたかはわからないけど)。
更に7話のライブでは、春希に告白すると冬馬をけしかる。でも冬馬は素直にならず、雪菜は押しても駄目だと思った。だから、雪菜は春希に告白して、冬馬に本心を言わせようとした。
ところが冬馬はそれでも動かなくて、雪菜は8話冒頭で更に冬馬にプレッシャーをかける。でも逆に冬馬に落とされて胸で泣く雪菜・・・・。
ますます冬馬への友情が膨らんだ雪菜は、更に3人で泊りがけの温泉旅行にいく。そして、彼氏・春希と相思相愛とわかってる冬馬を春希の入る風呂へと無理矢理連れていくのだった。
それでも駄目だったから今回遂に・・・・。
そしてそんな事をすればするほど、冬馬の雪菜への友情が深まって、ますます春希と距離を取ろうとする冬馬・・・・どうしてこうなった?(涙)。
●コーヒーからも
一方春希は春希でコーヒーにスティックシュガーを3本も入れている。4話では冬馬の淹れたコーヒーを「甘っ!?」と言っていたのに、甘い、冬馬のコーヒーが恋しくて・・・・。
「絶対に雪菜を1人にしないから」
そんなコーヒーを映しながら、こんな事を言われても・・・・。
●ファミレスで長話したから・・・・
そしてすっかり暗くなった夜道でキスをする春希と雪菜。ファミレスをすぐ出て、夕日に照らされながらって方が幸せな感じが出るのに・・・・まあ、これもただの時間経過の演出だから(震え声)。
「私の気持ちが昂ぶり過ぎちゃっただけ・・・・貴方の事が好きで好きで、そのせいで(我慢しなくちゃ駄目なのに)爆発しちゃっただけ」
これも()は行間を勝手に読んだだけで、こんな事は言ってないし、雪菜が顔を俯けてるのも照れてるだけで、甘々のラブシーンだね!
・・・・春希に振られる事前提の雪菜にこんな事を言われ、結局冬馬とも雪菜とも上手くいかなくなると思うと、ちょっと春希も可哀想。こんなに可愛い雪菜に誘惑されて抵抗できる方がどうかしてるし・・・・まあ、それでも主人公なら抵抗できて当然という風潮だからね!(笑)。
●細かい演出
一方ピアノの練習を続ける冬馬。春希の差し入れをちゃんと食べている・・・・春希への未練じゃなくて、食べ物を粗末にしないだけだから!
そして夜に電気も点けず暗い自室に佇む春希。冬馬へメールを送ろうとしても文面が思いつかなくて。そんなところに雪菜のおやすみのメールが届く。帰ってからそんな時間になるまでずっと冬馬へのメールを考えていたようだ。
「(ずっと冬馬の事が頭から離れないなんて)バカだな・・・・俺には雪菜がいるのに・・・・いや、(冬馬には嫌われてしまって)雪菜しかいないのに」
()は別に春希が言った訳じゃないし・・・・。
●回想
そしていよいよ冬馬のピアノコンクールの日。冬馬が舞台に出てくるまで、
「ここで優勝したら、大学から推薦こないかな〜かずさ」
こんな話をする雪菜。冬馬と一緒にいたいと思う雪菜。でもそう思って雪菜が動くほど、春希と冬馬の溝は深くなっていて、冷めた春希の反応にムクれる雪菜・・・・。
そんな話をしていると冬馬が出てきて、会場に一礼した冬馬は肩を寄せ合う2人を目にする・・・・。
そして冬馬の演奏がはじまる。それを聞いて春希の回想がはじまる。ライブ本番の、練習中の、窓から落ちそうになった春希を助けてくれた時の、(はじめて?)ギターを教えてくれた時の"カッコ良い"冬馬の姿が次々と頭に浮かぶ。
でもそこで1回フェードアウトし、桜が舞い散る校門や中庭、(そんな時期にはじめて)冬馬に声をかけてくれた春希、舞い散る桜が映る。
カッコ良いというにはかなり違和感がある。よってフェードアウト後は冬馬の回想。そして"桜=美しい思い出"で、"舞い散る桜=春希の事を忘れようとしている"冬馬の表れ。
春希の事を頭から捨て去って、曲に集中するつもりだったのに、どんどん春希の事が浮かんできて、必死に頭からそれを追い出そうとしている冬馬の心が良く表されていた。
そして冒頭の校庭や、この後の喫茶店の窓から見える冬枯れの木と、この演出が繋がって・・・・。
冬馬の演奏が終わり感動して拍手する雪菜。その気持ちを分かち合おうと春希の方を見るけど、そこに春希の姿はなかった。
「バカヤロウ・・・・なんでそんなに"カッコ良い"んだよ、お前は」
その頃春希はトイレで顔を洗っていて、こう言って歯を食いしばる。フェードアウトを挟んで、春希の回想から冬馬の回想に変わっているというのは、春希のこの台詞から。また、春希の顔を濡らしているのはきっと水だけではなくて・・・・。
●完全勝利とは・・・・
大会後、喫茶店で話す春希と雪菜と冬馬。春希と雪菜のオーダーはファミレスの時と同じで、その意味は上で書いた通り。
「気にするな私は負けてない。というか、完全勝利だったよ」
かずさが入賞できず泣き続ける雪菜にこう言うかずさ。春希への思いを捨てきれず、葛藤を抱えたままの演奏で入賞を逃し、聞くに堪えない演奏に春希など席を外してしまった(と冬馬は思っている)。雪菜のために春希を遠ざける事ができて完全勝利だった、それがこの台詞の真意だと思われる。
「だってさ、私のピアノがこんなにも親友を感動させる事ができた・・・・これが勝ちでなくてなんだっていうんだよ、雪菜」
だから、これは口からのでまかせで・・・・でも、雪菜のためになって良かったと思ってるという部分だけは本当で・・・・。
●似た者同士
その後、喫茶店を出て父に迎えにきて貰えるよう電話する雪菜。その間、春希の姿を目に焼き付けようとする冬馬。
「相変わらず冴えない顔してるな。どんだけ見ても・・・・何も感じない」
そして冬馬はこう言って、1人タクシーで帰るのだった。
「覚えた。もう・・・・忘れない」
密かにこう呟いて・・・・。
「北原君って、さ、大してカッコ良くないよね。うん、良く見るとホントに大した事ない。普通、そこそこ、十人並み。悪くないけど良くもない」
5話で春希と冬馬が付き合っていると思った雪菜も、こんな事を言っている。春希は大した事ない男だと自分に言い聞かせて、諦めようとする2人・・・・素直でないところがそっくりだね(涙)。
●川
川はどんどん水が流れていく。流れ込んでくる変化で変わる思いの暗示。冬馬に避けられ、自分には雪菜しかいないと、そう信じ込もうと焦る春希。次の土曜に2人きりで過ごしたいと雪菜を誘う。
「駄目じゃない、けど、どうして急に?」
そしてそんな春希の思いに気づきこう返す雪菜。冬馬が本心を言って春希と付き合う前に、一線を越える訳にはいかないから・・・・。
そこで雪菜は「ちょっと、考えさせて」と言って一旦答えを保留するのだった。
●暗い部屋
そして夜、雪菜はやっぱりみんなでパーティをしたいと春希に電話してくる。真っ暗な部屋でその電話を受ける春希・・・・春希の部屋の電灯は切れてるんだな、うん。ハヤク アタラシイデントウト イレカエテ クダサイ・・・・。
一方の雪菜も、小さい電気スタンドしかつけてない薄暗い部屋で話していた。
「かずさ、3人だけだよ・・・・貴方がこないと、2人きりだよ」
そしてそんな部屋で雪菜は冬馬にメールを送る。冬馬がこないと雪菜と春希が2人きりになると書いたメールを・・・・。
●曜子と春希、どっちを選ぶ?
パーティ当日、雪菜へプレゼントする指輪を買った春希。雪菜への思いがいい加減でない事はわかるけど・・・・そして春希は、電車で雪菜の家に向かう。でもその途中、冬馬の家の最寄り駅にさしかかり
「家族とかずさと春希君と、できればみんなに祝って貰いたいから」
という雪菜の言葉を思い出し、冬馬の家に向かうのだった。
そして冬馬の家で、冬馬の母・曜子と出会う春希。おそらく曜子は審査員として冬馬のコンクールを聞いていて、学園祭のライブも聞いていて、冬馬の春希への思いに気づいている。だから曜子と話せば春希は冬馬の本心を知る事になり・・・・。
そしてその展開は雪菜が望んでいる事でもある。だからこの展開は、ひとまず最悪のものじゃあない。
・・・・冬馬が母より春希を選ぶのなら・・・・。
シーンが変わり、飛行機の中で携帯のメール一覧を見る冬馬。それより、ごく最近曜子からも2通のメールが送られている事がわかる。
また飛行機は成田いきの便だった。最近はきっちりわかれてないけど、一応成田は国際線。なら冬馬は海外から戻ってきた、海外でピアノを習おうとしている。それは曜子がメールで持ちかけた話で、一緒に海外で活動しようというものだとしたら・・・・。
雪菜のためにも、ずっと目標だった母と和解できてピアノの重要性が上がった事からも、冬馬は春希よりピアノを取る。そして冬馬に付いていこうとする春希を、雪菜を裏切るなと冬馬は拒絶する・・・・まさにサブタイに偽りなし・・・・。
予想が外れると勿論悲しいけど、当たってても全然嬉しくない予想をしてしまった今回。実際どうなっていくのか?といったところで、次回に続く・・・・。
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