ここは22話レビュー後半なので、前半を見られてない方は、宜しければこちらからご覧下さい。
●貝木は詐欺師
ひたぎの依頼でひたぎ達の町にやってきた貝木。貝木はまず"本丸"として撫子の家にいこうとする。怪異を呼ぶのは人の心の闇。神になるほど強大な撫子の闇とは何か?まず、それを探るつもりのようだ。
ここで気になるのは貝木が髪型を変え、コートを着込んでいる事。本心を偽ってないなら、コートをかけても前をあけてもっと喪服を見せる筈、演出的には(笑)。
よって、また貝木の台詞は嘘だらけという事になる・・・・。
●ひたぎは嘘吐き
貝木が撫子の住所を聞くためにひたぎに電話すると、ひたぎは父と家族ぐるみで阿良々木家を訪れていた。貝木の電話に出たひたぎが、夫といるところに間男から電話がかかってきた妻みたいでちょっと笑った(笑)。
「そもそも阿良々木君は受験生だから、冬休みだろうと元旦だろうと勉強漬けよ」
前回、恋人は正月を一緒に過ごすものだろう?という貝木に、ひたぎが言ったこの台詞が真っ赤な嘘だった事がわかる。
「貴方に傷つけられた分は阿良々木君にちゃんと埋めて貰った(意味深)もの」
一方でひたぎはこんな事も言っていて、何を考えているのかイマイチわからない。でもひたぎが嘘を吐いた事だけは確かで、なら、それには理由がある筈で・・・・。
●撫子が怯えるもの
その後、撫子の同級生の父親を騙り、両親と会話し、撫子の部屋を見て情報を集める貝木。
「子供っぽくて、可愛らしくて、気持ち悪い」
そして撫子のアルバム・写真を見てこう言う貝木・・・・いや、仮にそうだとしても、それを直して良い子に戻してあげるのが貝木の役目だし!これだから巨乳好きは!・・・・コホン、ちょっと取り乱しました。
「前髪を下ろして人と目を合わさないようにしている。と言うか、もっと言えば、オドオドしているようにも見える。彼女は何に怯えているのだろう?何に・・・・」
更に撫子の写真を見てこんな事を考える貝木。15話レビューで書いたように撫子は、表に出している自分「撫子」は、本当の自分「私」ではないと思っている。だから撫子が恐れているのはみんなの期待とは違う、駄目な本当の自分「私」を見られる事・・・・?
また、貝木がクローゼットを開けようとすると、撫子の両親が"撫子に開けないように言われている"からとそれを止める。行方不明の娘の手掛かりを探す事より、そんな事を優先している撫子の両親。この辺りも撫子の闇に繋がりそうだけど・・・・。
●撫子の情報
その後、撫子の家を出た貝木はトンネル下でひたぎに電話をかける。トンネルは暗く視界が狭い、まだ撫子に関する答えが見えない貝木の状態を暗示している。
そして撫子の写真が欲しいと言う貝木。
「何よ、顔も知らなかったの?」
「会った事もない女なんでなあ。俺の間接的な被害者だなんて、お前が言っているだけだ。良く考えたらそれがホントかどうかもわからん」
その時2人がこんな会話をするけど、これは貝木が、撫子が神になってしまったのは"間接的に"でも自分のせい"かもしれない"と気にしている証拠。直接詐欺に遭わせた訳でもなく、"間接的に"、"かもしれない"なんて事を気にする貝木は、やはり悪人とは思えなくて・・・・。
そして話が進み、ひたぎから見た撫子はどんな感じだったか尋ねる貝木。
「それが、私は直接千石撫子に会った事はないのよ」
それにひたぎがこう答えるところから、風景がトンネルから開けた川沿いとかに変わる。面識もない相手に殺されそうなひたぎと、面識もない相手を殺そうとしている撫子。
開けた場所で視界が広がった=ひたぎの話を聞いて撫子の異常さを認識した、事件の全体像が見えてきた事が演出されている。
●面倒臭すぎる(笑)
「よく正気を保っていられるな、お前・・・・まあ、俺に助けを求めるくらいだから、お前は案外、既に正気じゃないのかもしれないがな」
「貝木、だから私は・・・・」
そこで貝木はひたぎにこんな事を言う。明らかに助けを求めていてもそれを否定するひたぎ。そして、明らかに助けようとしていてもそれを否定しているのに、ひたぎが助けを求めてきたから、みたいな事を臭わせる貝木・・・・何この面倒臭い人達(笑)。
●雪が示すもの
その後、貝木はひとまず撫子と会ってみると、北白蛇神社に向かう。町には30cmくらい雪が積もっていて、雪景色の中神社に向かう貝木が映される。
沖縄にはなくて、この町にきてからずっと映されている雪。雪はきっと、貝木がこの町で起こした詐欺事件に対する、貝木の後悔、後ろめたさ。
そう言えるのは、上で書いたように、トンネルのところで撫子を詐欺の間接的被害者だと気にしていたから。
「この娘は、自分をこんな状態に追い込んだ諸悪の根源を、今となっては忘れている」
そして、この後神社で撫子と会った時に、貝木はこんな事を思っているから。だから貝木は本当に撫子の事を気にしている。そして、そんな雪を踏みしめて北白蛇神社に向かう貝木。
だから、前回の自問自答のイエス、ノーは逆転してるんじゃないかと疑いたくなる(笑)。なら、月火や火憐の事も本当は・・・・?
●嬉しそうに見えるけど・・・・
そして神社にいき、1万円をお賽銭箱に入れると
「撫子だよーー!」
と本堂から撫子が飛び出してくる。それと同時に本堂には煌々と灯が灯り周囲を明るく照らし出す。神様になって撫子は一見嬉しそうだけど・・・・。
「来客、というか参拝客にはしゃぎ、楽しんで貰おうと面白い話をしようとする、中学生のような神様が滑稽で哀れでしょうがなかった。同情せざるを得なかった」
そんな撫子をこう分析する貝木。よって、貝木は久しぶりに会えた人間だから、撫子は無理に明るく話しかけている。本堂の灯りは、そんな撫子の空元気の表れ。撫子が「私」と向き合わない限り、どんなになっても、例え神や化物になっても、撫子は違う自分を演じ続けるしかない・・・・。
そしてこの時、貝木の後ろの参道や本堂前の灯篭に灯りはついていない。つまり、貝木は自分を演じていない(まあ既に髪型とかアレなんだけど・・・・)。
「そうだな、約束を守るのはとても大切な事だ。崇高と言っても良いかもしれない」
よって、少し前のこの台詞は意外に本心なのかも・・・・。
●お巡りさんこっちです!
そして撫子は、誰もお参りにきてくれないと嘆く。
「サービスが足りないとか?」
「サービス?サービスってエッチなサービス?」
「暦おにいちゃんはね、撫子が上半身裸になってブルマを穿いたら、すっごく喜んでくれたよ」
(何をやっているのだ、あの男は・・・・)
そこで2人はこんな会話を交わす・・・・暦の悪事がまた1つ白日の下に晒されたね!(笑)。
「あと、この神社でスクール水着で撫子が悶えてたのも、すっごく嬉しそうに見てたんだよ」
そして更なる証言も・・・・(笑)。
●今度は貝木の演技
「なあ神様。お前人間に戻れるとしたら、戻りたいか?」
そして貝木がこう言ったところから、本堂の灯りが消える。撫子が空元気に振る舞うのをやめた事がわかる。そして代わりに、貝木の後ろの参道や本堂前の灯篭に灯りが灯る。
貝木が情報を引き出すために、演技をはじめた事が示されていた。
色々話していく内に、貝木に親しみを感じた撫子が「ありがとうー!」と貝木に手を伸ばす。
「みんながお前を見て逃げるのは、お前の姿が不気味だからだろう。その髪は怖すぎるぞ」
「不気味だとか、怖すぎるとか、そんな事言われたのはじめてだな〜みんな撫子の事可愛い可愛いってしか言わないんだもん」
でも、そんな撫子にこう言う貝木・・・・ただ、今は貝木が演技している側。よって、貝木は撫子の家の写真から、おそらく撫子がこう言えば喜ぶだろうとわかってこう言ったのだと思われる。
よってその後の、撫子にとって「可愛い」はもう褒め言葉ではなく、一周回って侮辱のような言葉が嬉しかったりするのだ、という独白は分析ではなく、予想通りだったという確認。
でもそんな事言われても、ホントに撫子は可愛いし・・・・・・・・。
●ひたぎを助けなかった理由
「確かに、確かにそれならば人間に戻らず、このまま神様を続けている方が、この子のためではあるのだろう。それを思うと気が重くなりかけたが、しかし例えそうでも」
そして貝木は、今の撫子の状況をこんな風に評価した。この時、貝木は髪をかきあげ、一瞬髪型が戻る。つまり、これが本来の貝木の考え方。神、化物になっても、その方が撫子のためなら、貝木は何もしないのだろう。
たまの来客にはしゃぐくらい孤独な撫子。時が経つほどそれはより深刻になっていくだろう。でも、「私」と向き合えないまま人間をやるよりは、孤独な化物でいる方がマシだと、貝木は思った・・・・。
だとすると、ひたぎも蟹になっていた方が良いと思ったから、貝木は助けなかった・・・・?
●フラグ・・・・
「遅くなってきたから、俺はそろそろ帰るぞ」
一通り話し、貝木がこう言って帰ろうとしたところで雪が降りはじめる。上で書いたように、おそらく雪は貝木の後悔、後ろめたさの暗示。
なら、貝木はまた撫子を騙すと決めたのだろう。間接的にではあるけど、撫子を神にしてしまった貝木。その貝木が、ひたぎのために自分の本心に逆らって、再び撫子を騙すと決めた。降りはじめた雪はそんな貝木の気持ちの表れ。
(そして白々しく、或いは腹黒く続けた)
「何せ俺は、お前の信者第一号だからな」
そんな雪を背に撫子にこう宣言する貝木・・・・なんか微妙に死亡フラグの香りがするんだけど・・・・今のところ、意外にも、貝木は面白くて、良いおっさんだし、別に責任を感じて死亡フラグまで立てなくても良いんじゃないかな・・・・(笑)。
と、ちょっと不穏な感じになったところで、次回に続く!
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