【<物語>シリーズ セカンドシーズン23話 恋物語3話】OP考察。ひたぎが泣いた3つの理由【感想】


恋物語 第恋話『ひたぎエンド 其ノ參』

●ひたぎのためなら

 冒頭は前回の続き、貝木がはじめて撫子に会った日の夜。静かに雪が降り積もる夜。そんな夜、ベットのスタンドライトを点けただけの薄暗いホテルの1室で、貝木は大の字でベットに身を投げ出していた。電気を点ける気にならないほど沈んだ気持ちで、ベットに身を投げ出したくなるほど疲れて・・・・。

 前回レビューで書いたように、撫子を騙すと、見捨てると決めたから・・・・。

 それでもひたぎに電話をかける貝木。前回(昼間)は非通知だったのに非通知でなくなっている。昼間電話したのでひたぎは貝木からの電話をずっと待っている筈。だから周りに暦がいて不意に表示名を見られる事もない、貝木はそう考えた・・・・?だとすると、ホントに縒りを戻しそうな勢いだな(笑)。

「ねぇ貝木。1つ教えて欲しいのだけれど。女子高生を好き勝手にできるというのは、中年男性としてはどういう気分なのかしら?」

 そしてひたぎがこう言うと、貝木は気だるそうに上半身を起こし、それでも窓から入り出した眩い照明を受け立ち上がる。撫子を見捨てる気の重い仕事でも、"眩い光=ひたぎ"のためにやり遂げる、そんな気持ちが伺える。

●OP考察

 そして80年代っぽいOPがはじまる。

 まず、赤いスポーツカーに乗って走る貝木。でも道沿いの柱で見えなくなったり、窓から出した肘や、テールランプなどのアップで、その一部しか映されなかったり。ここだけでなく、全体を通して貝木の全身が映る事はなく、常にどこかが隠れている。貝木が本心を隠している演出。

 80年代の絵柄は蟹の時のひたぎと貝木、今の絵柄は今のひたぎと貝木・・・・ではなくて、80年代は蟹が憑く前の2人、今の絵柄は蟹が憑いた後の2人。

 前者だと、ひたぎが暦を捨てて貝木に走る事になりそうなので、流石にそれはない筈(笑)。

 80年代で描かれるのは、海でデートするような2人。やっぱり貝木が初恋の相手、恋とまでいかなくても、ひたぎが慕っていたのは間違いなさそう。そしてところどころそのデートに今の絵柄も混ざって、貝木が去った後もひたぎはずっと・・・・。

「云えない言葉は」

 この歌詞の時、1度ジュースが零れかける。でも"貝木の車"のシーンを挟んで、そのジュースが巻き戻すように元に戻る。これはおそらく壊れかけたひたぎを貝木が助けた暗示。ジュースが零れてしまう前に、貝木がひたぎを助けた(ここがあるから80年代=蟹の時、今の絵柄=現在、にすると貝木とひたぎの縒りが戻ってしまう事になる(笑))。

 撫子のように神(蟹)になる前に、蟹に重さを取られるだけでよくしたとか?

「幼いまま」

 そしてこの歌詞の時、ひたぎと貝木の車は90度向きが違っている。ひたぎの絵柄は今風。車は80年代。すれ違った貝木に手を伸ばしかけて我慢するひたぎ。本当は助けてくれた事をわかっていて、貝木の事が忘れられないひたぎ。でもその思いを押し込めようとしていた?そして、貝木もひたぎを完全には助けられず、それ以上どうする事もできなくて、それを悔やみながら去っていった?

「悴んだ記憶 もう一度 もう二度と」

 この歌詞の時、今風のひたぎが80年代の貝木を思いながら、今風の貝木が80年代のひたぎを思いながら、どんどん焼けて触手のようなもに変わっていく。よって触手は、母親絡みのひたぎの心の闇。2人は互いに相手の事を思いながらも、その心の闇を止められなかった(貝木的には蟹を完全に祓えなかった)。

「ぬくもりだけ」

 そしてこの歌詞の時、遂にひたぎは飛び散って大量の触手と蟹に変わってしまう。OPはそんな2人の過去の物語・・・・。

●本心を隠すツンデレ2人

 OP明けて、待ち合わせの駅に現れたひたぎは制服にコートや帽子やマフラーと凄い格好だった。貝木も髪を下ろしコートを着ている。これらは2人とも本心を隠している、偽っている事を示す演出。

「何よ、貴方レディーをエスコートするのに店の予約もしていないの?」
「俺はかなり野暮で世間知らずな男だがなぁ、レディーをエスコートする時には当然店の予約をする。だから今はしていない訳だ」

 そしてこんな事を言い合う2人。もう面倒臭すぎてニヤニヤが止まらない(笑)。

●ひたぎの嘘

 結局ひたぎの案内でミスタードーナツに移動する2人。そして2人が注文したのは、水とアイスコーヒー(とドーナツ2個)。幾ら暖房が効いていても真冬の夜なのに、氷の浮かんだ水とコーヒー。2人が本心を凍てつかせて心を頑なに閉ざしている事が伺える。

「お前、なんでその辺の暑そうなのを脱がないんだ?脱げよ、鬱陶しい」
「町を離れているとはいえ、知り合いに見られる可能性も低くはないというか・・・・だから・・・・」
「いっそ、阿良々木に正直に話してしまえば良いんじゃないのか?」

 暑苦しい服を脱げ=本心で話せと貝木は言っている。ひたぎも駅でプライベートでない意味を込めて着ていると言っていたし、互いにその事はわかっている。でも、脱がない=本心を話さない。

 そこで貝木が持ち出したのがこの話。暦に正面から撫子を見捨てろと言ったらどうだという話。でもそれは、蟹の時のように対処できないほど強大な怪異なら逃げるしかない、かつて蟹から逃げた貝木が正しくて、できもしないのに撫子を助けようとしている暦は間違っていると認める事。

 更に貝木の言い方からしたら、暦さえ諦めれば、ひたぎが貝木に依頼して、貝木が撫子を騙す必要もないのでは?

 撫子は、暦達が家族ぐるみで引越ししただけで、引越し先を探せないくらいバk・・・・純真無垢な子。そして数年もすればおそらく自滅する。ひたぎもその事に気づいている(もしくは翼からそう言われている)

 だから貝木は、貝木が命を懸けてまで撫子を騙す必要があるのか?と聞いているのではないだろうか?

 でも、貝木が撫子を騙すにしろ騙さないにしろ、暦に撫子を諦めさせたら、暦より貝木の方が正しい事が証明されてしまう。

 よって、ひたぎの嘘は「暦が貝木をひたぎの初恋の相手だと誤解している」というもの。ひたぎが暦と貝木を会わせたくない本当の理由は、暦に撫子を見捨てろとだけは言いたくないから、暦に貝木の方が正しいとだけはどうしても言えないから・・・・。

 なら、ひたぎは今の恋人(暦)のために、命を懸けて欲しいと貝木に頼んでいる事になる。そしてここまでしているのだから、

「なんとか説得して、阿良々木君には千石撫子の事を諦めて貰うしかない」

後にひたぎはこう言っているけど、おそらくひたぎは暦に撫子を諦めるよう言うつもりはない。どうにかして誤魔化すつもりなのだろう。

●嘘なのにカッコ良い・・・・

「そーりゃ悪かったな。お前は俺に騙されて良いように弄ばれただけなのに」

 なのに、それがひたぎの嘘だとわかっているのに、こんな風に話を合わせる貝木。こう話す時、コップに映った貝木の"写像=偽りの姿=偽りの言葉"が映される。実像=本心でない事が演出されていた。

 そうやってひたぎの嘘に気づかない振りをしてくれる貝木を、ひたぎは真っ直ぐ見る事ができなくて、申し訳なさそうに目を逸らしてしまうのだった・・・・。

●ひたぎの罪悪感

 そして貝木は、撫子が誰も信じられない「同情を誘う環境にあった」と言う。かつてのひたぎと同じように怪異になっても仕方ない環境だったと。

「今は割と楽しそうにやってるみたいだし、どうでも良いだろう・・・・戦場ヶ原とりあえず安心して良い・・・・あの娘を騙すのは容易い」

 でもすぐこうフォローを入れる。遠くない未来、孤独に陥り自滅する、蟹に重さを取られたひたぎのように苦しむだろうという事には敢えて触れないで・・・・つまり貝木は、ひたぎは暦に助けて貰ったのに、撫子の事は見捨てさせようとしている、そんなひたぎの罪悪感に気づいていると思われる。

「(前略)そして来月くらいか。お前と阿良々木が交通事故にでも遭って死んだと伝える。それで解決だ」

 そしてこんな風に具体的手順を説明し、本当に上手くいくか不安がるひたぎに根拠を説明する貝木。

●青色

「(悪意に鈍いからこそ、だからこそ、ちょっとした悪意や、普通ならば看過できるような害悪を、)きっとあいつはスルーできない」

 でも貝木がこう話すところから、2人の周りの椅子などが青色に変わる。

「案外あいつは良い神様になるんじゃないか?勿論神様としての威厳を出すためには、もう少し落ち着きが必要だろうが」

 貝木はこんな事を言ってフォローするけど、きっと撫子は近い将来孤独に苦しみだす。そうわかっている2人の気持ちが青い、冷たい色に表れていた・・・・。

●降り積もる雪

「春からは華の大学生という訳だ。好きなだけ阿良々木とイチャつけるぞ。ただれた生活を送れるぞ」

 更に貝木がこう言う時、町に降りしきる"白くて冷たい"雪が映される。白は"純白"、"潔白"など混じり気のない純粋な思い、親愛の心。暦に撫子を諦めるよう言わずに済んで安堵したひたぎの、思いを寄せるひたぎが助かって良かったと思う貝木の思い。

 一方体温が維持できなければ生物は死んでしまう。だからそれに反する冷たさは死の暗示=負の心。貝木は、恋敵の暦のために命をかける事になり、嫉妬、ひたぎを巻き込んで身のほど知らずに撫子を救おうとしている暦への怒りなど様々な思いがあるだろう。そしてひたぎは暦のために、貝木に無理をさせている罪悪感を感じている。更に2人共に撫子を見捨てる罪悪感も感じている筈。

 そんな雪が静かに町に降り積もっていく・・・・。

●やっぱり暦には・・・・

「まあ問題は阿良々木に、事が解決したというのをどういう風に伝えるかだよな。あいつがしているという誤解を思うと、まさか正直に俺が千石撫子を騙したとは言えないだろうし」

 上で書いた、ひたぎが暦に撫子を諦めるよう言わないと考えられるもう1つの根拠が、貝木のこの台詞。貝木も、素直には言えない、言ったら貝木が命を張ってまで撫子を騙す意味がなくなる、そう考えている。

●我に策あり?

 でも、貝木にこう言われると、ひたぎは貝木のドーナツを強奪して食べてしまう。そしてそのシーンから、店内の椅子などの色が黄色に戻る。

「阿良々木君の事は、私がなんとかするわ。貴方を煩わせる事はない。なんとか説得して、阿良々木君には千石撫子の事を諦めて貰うしかない」

 だから上で書いたように、続いてひたぎが言ったこれらの台詞は嘘だけど、暦を誤魔化すなんらかの策があるのだろう。

●ひたぎが泣いた理由

 しばらく暦に諦めさせる方法について話す2人だけど「失礼」とひたぎはトイレにいって席を外す。その間、貝木のコップの表面を幾筋もの水滴が流れ落ちる。ひたぎがトイレで泣いている事が暗示されていた。

 そしてトイレから戻ってくると、泣き腫らしひたぎの目の下は真っ赤になっていた。

「貝木・・・・ありがとう、感謝するわ」

そしてひたぎは、まだ潤んだ目と震える声でこう言うのだった・・・・そんなひたぎが可愛すぎる!

・暦に撫子を諦めさせる事なく事件を解決する目処が立った。暦を救う方法をずっと探していた緊張の糸が切れた。
・そのために貝木を危険に晒してしまった罪悪感。
・かつて似た経験をしているのに撫子を見捨てる罪悪感。


 また、上で書いたような事から、ひたぎが泣いてしまった原因はこの3つだと思われる。

●だったら貝木は・・・・

「戦場ヶ原ひたぎはようやく気を緩める事ができたのだろう。無論、それでも自分の事だけだったのなら、意地を張ってあの女は泣かなかったかもしれない。だが、恋人の命まで助かったとなれば泣かずにはいられなかったのだろう。そういう女だ。そういうバカだ・・・・」

 その後、バーでロックを飲みながらこう独白する貝木。真冬なのにまた氷の浮かんだロックを飲んでいる。氷は凍てついた心、頑なに閉ざしている心の暗示。上で書いたように、ひたぎが泣いたのは、撫子を見捨てる罪悪感からでもある事を知っているのに、それから目を背ける貝木。

「詐欺の被害に遭い酷い目に遭った人間が、同じように人を騙そうなどと思うものなのか、興味深い。(後略)」
「(前略)つまり、彼氏に秘密を作ってまで、お前は"詐欺の共犯者"になろうと言うのか?」

 21話(恋物語1話)で、貝木はこんな事を言っていた。貝木に依頼すると言う事は、対象を見捨てるという事。その苦しみを知っているひたぎが本当にそんな依頼をしてくるだろうか?貝木はそう思っていた。だから、貝木ならひたぎがどれだけの罪悪感を背負って依頼しているか予想するのは容易かっただろう。

 なら、貝木はひたぎのためにも、撫子のためにも、騙すのではなく本当に撫子を救おうと思った筈だ。

●詐欺師と呼んでいる理由

 なのに、まだ氷は溶けていない。何故?それは、ひたぎが無茶をしないよう釘を刺していたから。一見、暦を正義の味方と言い、貝木を詐欺師と罵ってきたひたぎだけど、それは貝木への気遣い。暦のように無茶をしないで。暦のせいでひたぎはこんなに苦しんでいる、心を痛めている。貝木までひたぎのために撫子を救おうなんて無茶をしないで。ひたぎはそう言っていたのではないだろうか。だから貝木もここまでは撫子を見捨てるつもりだった・・・・。

●ツンデレだらけ

 でも翌日、臥煙伊豆湖にまで依頼されて、ついに貝木は撫子を救う事を決意する。伊豆湖はなんでも知っている=貝木がひたぎを好きな事も知っている。だから、貝木が手を引く訳がない事も知っている。

 そして伊豆湖が手を引けと言えば、"捻くれものの貝木は逆にやりたくなった"という口実を貝木に与える事ができるのも知っている。そして撫子を助けるためには予算が足りない事も知っていた・・・・。

 だから、あれはどう考えても伊豆湖の依頼・・・・
どこもかしこもツンデレだらけだね!(笑)。

 にしても30分とか考えすぎ、ずっと待ってた余接が優しすぎる(笑)。


●どう考えても今回の戦犯は暦

 さて、ここでちょっと横道に。ひたぎが今回これだけ苦しんだのは誰のせいか?勿論それは暦のせい。囮物語で忍も撫子の事は見捨てれば良いと言っていた。なのに暦は諦めず、結果ひたぎをここまで追い詰めた。

 暦もいい加減その辺を学ばなければいけない。全ての者を救うことなんてできはしないと、本当に大切な者以外は見捨てる事を学ばなくてはならない。でなければ、今回のひたぎのように、いつか大切な者達まで巻き込んで破滅の時を迎えるだろう。

 だから扇はそのためのキャラ。20話レビューでもちょっと書いたけど、暦に忍とひたぎどちらを選ぶのかを迫り、暦を忍・怪異から救うのかなと、今回の話を見てよりそう思ってみたり・・・・。

 言ってみれば自分の弱さから目を背け、怪異の力に溺れている撫子と、今の暦は本質的に変わらないし。だから、本当は暦も心の弱さ・未熟さ=怪異を克服しなければならない・・・・。

 ただ、暦と忍とひたぎの器次第では妥協点があるかもしれない。暦が自分の限界を認識して今回の撫子みたいなケースは諦めると誓った上で、忍については2人の子供的に2人で背負うとひたぎが言って忍も了承すれば、そんな道があるのかもしれない。

●尾行の正体は?

 その後、また撫子に会いにいって色々話し、山から下りてきたところで尾行に気づきタクシーに乗った貝木。

 貝木は第一に伊豆湖の手の者の可能性を挙げるけど、それはない。上で書いたように伊豆湖の本当の目的は貝木の支援だったから。

 次に貝木の挙げた中学生も、貝木が言ったような理由で可能性はかなり低い。


「結局タクシーで送って貰った駅から電車に乗る事もなく、ホテルに戻る事もなく、そのままトンボ返りで俺は元の町へと戻った。尾行を気にしたのではない。それはもう完全に"気にするのを止めた"」

 更に、貝木のこの話し方からタクシーでも振り切れなかったようだし、中学生の可能性はますます低くなる。

 なので残るは・・・・撫子くらいしか思いつかない。そして、本当に撫子なら、撫子の家に侵入するのを見られるのは非常に不味い。貝木が、ひたぎ達が交通事故で死んだと撫子を騙すつもりなら非常に・・・・。

 よって、やはり貝木は騙すのではなく撫子を本当に助けると決めているのだと思われる。そして撫子の部屋のクローゼットで貝木が見たものとは一体・・・・?といったところで、次回に続く!


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2013年12月14日 02:18 by 元会長
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