●熱い再会
冒頭は前回に続き、低く暗い空と舞い上がる雪に押し潰された、白く冷たい雪の世界。そんな世界の底で仰向けになり、秋人は息を荒らげていた。そしてその上で寄り添うように、ぼんやりと秋人を見る未来。
ほんの少し前、未来はこの雪の世界で最後の温もりを奪われ、力尽きようとしていた。なのに今、未来の下には秋人がいる。朦朧としている筈なのに、数ヶ月ぶりに感じる秋人の温もりが熱いくらいに脳裏を焼いて、未来の意識は火が点いたように覚醒する。
そして秋人がきた事を本気で非難する未来。秋人も負けずに言い返し、2人はしばらく喧嘩するけど、
「栗山さんの犠牲の上に成り立つ人生なんて、未来なんて、なんの意味もない。そんな事もわからないのか!?そんな事も、わかってなかったのかよ・・・・」
秋人にこう言われ、未来は耳の先を真っ赤に染める。冷え切っていた未来の心に再び熱い火が灯った事が伺える。
また、この台詞の途中で、顔だけ見えないように2人の頭を横から映すシーンが含まれる。秋人は10話で未来に、未来はここで秋人に、「そんな事もわかってなかった」事を気づかされた(4話で虚ろな影と戦った時は、秋人もそれがわかっていなかった)。
だから顔が映らないのは、そんな駄目な時の2人を連想させる演出。でも逆に、今の2人ならきっと・・・・とその表情を想像させる事で、その事に気づいた2人を印象的に演出している。
●部室で
一方その頃、文芸部部室では泉が、秋人の正体はなんなのかと弥生に詰め寄っていた。でも弥生はそれをはぐらかし
「博臣君、美月ちゃん。秋人と未来ちゃんは、ただの妖夢と異界士ではない。特別な存在なの・・・・よろしく頼みます!」
と思わせぶりな事を言い残して窓から去っていくのだった。
弥生を追おうとする泉だけど、博臣が「あの光が先じゃないのか」とそれを止める。博臣が示した先には、弥勒が"境界の彼方"に向けて放っている紫の光が不気味に輝いていた。
●みんなで・・・・
その頃、未来と秋人は共に"境界の彼方"の中心に向かい走っていた。そこでコントを挟みつつ(笑)"境界の彼方"の弱点を探す2人。そして秋人が"境界の彼方"の攻撃を無効化できた事から、詳しい方法はわからないけど、"境界の彼方"の妖夢石を取り込み、対等の力を得た秋人なら・・・・と再び中心部を目指すのだった。
一方、"境界の彼方"に力を送る弥勒のところにやってきて、軽口を叩きながら弥勒を挑発する雫。弥勒は「お前じゃない」と冷たく言うと同時に触手で雫を攻撃し、
「・・・・今日は遅いですね、待ってたんですよ」
その隙に攻撃してきた泉の攻撃を捌きながら、嬉しそうに泉にこう語りかけるのだった。雫がちょっと可哀想・・・・。
そして、その隙に今度は雫が弥勒を攻撃する。弥勒の腕を掴み、その腕に直接力を流し込む雫。でも弥勒は、肩の辺りから自分の腕ごと爆発させ雫を吹き飛ばす。しかし間一髪、博臣が檻で雫を守るのだった。そんな博臣にときめいてちょっと俯く雫。教え子との禁断の恋フラグが立った?(笑)。
「悪いが俺は妹にちょっかいを出した奴は潰すまでストーキングする主義でな」
でも、博臣は弥勒を睨みながらこんな変態アピールをする(笑)。
更に美月と桜も加わって5対1で弥勒を囲む一同。あとはフルボッコにするだけ・・・・と思ったら、弥勒は自分と泉だけを触手の結界で覆い、他の4人を遮断するのだった。
●2人が希望の光
同じ頃、"境界の彼方"の中心部を目指していた秋人と未来は、秋人が見つけたスクーターで移動する事になる。でも未来は、妖夢を攻撃しながら移動できるように、秋人の後ろではなくフロントカバーの上に立つ。どう考えてもスカートの中が見え・・・・。
そんな絶景に見蕩れた秋人が事故を起こしかけ(違)、2人は巨大な地面の裂け目に落ちそうになる。でも、その直前で未来が血の剣を地面に突き刺し、つんのめったスクーターはそこを起点に放物線状に宙を舞う。
境界の彼方
秋人
太陽(?)
未来
地表
そこで宙を舞う2人が、こんな画で映される。"境界の彼方=妖夢"、"地表=人間"の暗示で、秋人と未来がその中間の存在である事が伺える。
更に2人は上下逆、つまり"境界の彼方"が地面であるみたいに、"境界の彼方"を基準にして立っている。だから秋人はもうほとんど妖夢、未来も秋人よりは人間寄りだけど、その本質は妖夢側だと考えられる。
また、そんな2人が同じスクーターに乗っている。2人が同じ道を歩む暗示。更にそんな2人に太陽が重なって、2人が希望の光である事が示されていた。
弥生が部室で言っていた台詞もこの辺を指しているのだろう。
そして2人は地面の裂け目を飛び越え、なんとか"境界の彼方"の真下にまで辿り着く。
「栗山未来は今、不愉快なほどポジティブなんです!」
そこで秋人とコントを交えつつ、未来はこう言って走り出し、必死に抵抗する"境界の彼方"の攻撃を掻い潜り、遂にその本体に血の剣を突き立てるのだった。
●見せない演出 その2
一方、弥勒が結界(?)の中からこれ以上"境界の彼方"に力を送れないよう、結果ごと檻で囲む美月と博臣。
「アニキいって。ここで泉姉様に任せていたら今までと一緒よ。何も変わらないわ」
「わかったよ・・・・お兄ちゃんに、任せとけ!」
しかし、そこで美月とこんな会話を交わし、博臣は勢い良く飛び上がる。"境界の彼方"に力を送るために開いている、弥勒の結界の上部目指して・・・・。
その頃、弥勒の結界の中では、泉が弥勒と戦っていた。
「フハハハ・・・・何故そんなに焦ってるんです?フフ、その顔。貴方のそんな顔が見たかった。恐怖に怯え、焦り、何か取り繕いながら僕を倒そうとする姿」
「黙れ!」
そして楽しそうにこう話す弥勒を攻撃し続ける泉だけど、2人の姿は映されない。更にこう言い切った弥勒を否定しようと声を張り上げる泉。でも、その時も俯いていて泉の顔は映されない。
懸命に否定しようと攻撃し続け、表情を押し殺そうとしても、弥勒が言うような顔しかできない。違う証拠を見せられない。ここもそんな泉の顔を敢えて映さない事で、その表情を想像させ、弥勒が言った通りになっているのを印象づける演出。
「それとも自分の過去を兄弟に知られたくないとか?」
「!?黙れ!妖夢に屈した異界士が!」
「何を言ってるんですか。元々は同じ穴のムジナ。妖夢を体に飼う者同士じゃないですか・・・・知ってました、弟さん?」
「・・・・泉姉さん・・・・?」
でも、弥勒の挑発に、ついに表情を取り繕う事もできなくなって、怒りを露に弥勒を罵る泉。
それを聞いて呆然とこう呟く博臣に合わせて、泉の姿が映されるけど、その表情は映されない。ここも表情を敢えて映さない事で、それを強調する演出。
「黙れ!・・・・黙れ黙れ黙れ!」
博臣に秘密を聞かれた事で、更に逆上した泉は、こう叫びながら猛烈に弥勒を攻撃し、遂にその脇腹を槍で貫く。
「確かに同じかもしれない。でも、私はまだ人間としての誇りを捨ててはいない。貴方と一緒にしないで・・・・」
「フンッ、下らない事言わないで下さいよ」
そこで搾り出すようにこんな思いを口にする泉だけど、ここでも表情が映される事はなかった・・・・そしてそれを聞いた弥勒は自分の体ごと大爆発を起こし、おそらくそれに乗じて逃げたのだろう。
後には、無表情を装おうとするも、いつもより陰りのある泉と、そんな泉を呆然と見守る博臣達だけが残されたのだった・・・・。
3話では泉と弥勒は初対面っぽかったけど、今回の会話だと2人は旧知の仲っぽい。弥勒が名前と外見を変えていて、最初はわからなかった、とかなのかな?
●恋人繋ぎ!
一方その頃、秋人と未来は、博臣や唯、過去に2人が傷つけたり、負の感情を抱いてしまった者達の幻影に囲まれていた。そこで秋人は、未来に目を瞑るよう言って自らも目を瞑る。そして指と指を絡める恋人繋ぎ!で手を繋ぎながら
「惑わされるな。妖夢って、人の心の歪みや憎しみが形になったものだって言うだろ。僕達の心の弱さが、形となって現れてるんだよ。最初会った時に、言ったろ、僕も同じだ、って。栗山さんの傍には僕がいる。僕達は出会った。世界は変わった。自分の過去の後悔に囚われるな。栗山さんはもう1人じゃない。栗山さんには僕がいる・・・・目を開けて・・・・」
こう未来に語りかける秋人。これは秋人には未来がいるという事でもあって、目を開けた2人の瞳にもう幻影は映らなかった。
●2人だから・・・・
でも、目を開けた2人の周りにはおびただしい数の妖夢がひしめいていた。意を決し、それらを片っ端から倒していく秋人と未来。もう1人じゃない、そう思えた2人には、もはや妖夢の数など問題ではなかったから・・・・。
秋人の拳が不慣れながらも妖夢達を吹き飛ばし、流れるように舞い踊る未来の剣が妖夢達を切り裂いていく。そこに前回"境界の彼方"に吸い込まれた彩華と愛も加わって、妖夢を薙ぎ倒していく3に・・・・4人。うん、愛ちゃんも十分頑張った!(笑)。
そして見える敵を殲滅し、数え切れない妖夢石の輝きに包まれた周囲を見回して、
「綺麗ですね」
「・・・・あ、あぁ」
こう呟く未来と、そんな未来から視線を逸らせつつ、どもりながら相槌を返す秋人。
勿論秋人がこんなになったのは"未来の方が綺麗だったから"ですよね!遂にイチャイチャモード突入か!?とニヤニヤしかけたのも束の間、地面から巨大な腕が現れ秋人に襲い掛かる。
●封印強化!?
「何を怯えてるんだよ?安心しろ、お前は全部僕だ。全部、僕の中にあったものだ。そのドス黒い嫉妬も・・・・決して人にはなれないという絶望も!見捨てられた悲しみも!誰かを傷つけた後悔も!」
「先輩・・・・」
「我が儘も!猜疑心も!憎悪も諦めも!狡猾も保身も!何一つ外になんか出さない!それは全部、僕のものだ!全て僕が持っていく!・・・・僕は不死身の半妖だ」
でも秋人はその巨大な腕を片手で受け止めると、こう言いながら連続で拳を叩きつける。そして最後に、崩れ落ち巨大な手から秋人の姿になったそれに、目に涙を浮かべながら、渾身の力を込めたボディブローを叩き込むと"境界の彼方"は再び秋人の体内に吸い込まれていった・・・・。
今まではそんな妖夢を宿した半妖の自分を否定していた秋人。だから人と妖夢が完全に分離し、人の時は妖夢の力が使えなかったのだろう。そして逆に妖夢の意識が上回ると、もう完全に制御を奪われていた。
でも、未来と出会えて、秋人はそんな自分を受け入れられた。それでも前に進もうと思う事ができた。"境界の彼方"の封印は遥かに堅牢になったと言って良いだろう。だから今の秋人なら、人間モードでもある程度"境界の彼方"の力を引き出せる・・・・かもしれない。ここら辺が当たってるかどうかは、2期でわかる筈・・・・なので是非2期もお願いします!(笑)。
●ここまできて・・・・
そして今度こそ甘いイチャイチャ展開だね!と思ったのに、未来が秋人に近寄ろうとしたところで「パキッ」と未来の左くるぶしに亀裂が走る・・・・。
それに気づいた未来は、そっと自分の左足を確認する。視線が震えて、良く見えない筈なのに、何故か亀裂だけはっきり見えて・・・・。
だから未来は秋人に声をかけ、傍に招き寄せる。そして目を泳がせ、何度も言い淀みながら、秋人の手を自分の頭に乗せる未来。
「撫でて、下さい・・・・撫でて欲しいんです」
そして潤んだ目を隠すように俯いて、秋人にその願いを伝える。すると傀儡のように手がずり落ちる事もなく、秋人は未来の頭を優しく撫でてくれた。"境界の彼方"の中でずっと夢見ていた事を叶えてくれた・・・・。
「ふひひ・・・・ふふふふ・・・・ありがとうって、言って下さい」
更にこう言って、心が篭ってないと駄目出ししたりして、秋人に「ありがとう」をせがむ未来。
「嬉しいなぁ・・・・嬉しいなぁ・・・・ふふ」
「栗山さん?」
そして秋人の言葉を聞き、未来は顔中涙で濡らしながらも、笑顔でその思いを口にする。ここにきて、やっと秋人も未来が消えかかっている事に気づく。
「先輩の中に、境界の彼方は戻ったんです。ここはもうすぐ崩壊します。私も多分、消えます・・・・境界の彼方が先輩の中に戻った今、私は存在できない筈です。本当の私はもうとっくにいませんから。私、先輩に出会えて本当に良かったです」
「よせ!」
「本当に先輩の事、好きになって良かったです」
「止めろ!言うな!」
「・・・・本当に、ありがとうございました」
でも秋人がいくら叫んでも未来の崩壊は止まらなくて、こう言い残すと未来は妖夢石のような輝く結晶になり宙に溶けていった・・・・。
そんな中、消えずに落下していく未来の金の指輪を見つけ、自身も飛び降り、落下しながらそれを手に掴む秋人。そして指輪を固く胸に抱き締め、涙と共に地上に落下していくのだった。
汚い大人は即残り時間を確認して望みを繋いだけど、ここで残り1分とかだったら発狂してましたよ、ええ・・・・(笑)。
●無罪!
その後、降りしきる白く冷たい雪、心が"空白"で冷めた秋人の思いを映しながら後日談が語られる。
ここで博臣が名瀬家の統括になった事がわかるけど、これは多分泉が自分の意思で去っていったから。もし泉が残る事を望めば、今までより多く口出しするようにはなるだろうけど、博臣達も追い出しはしなかった筈。祖父は泉の事を知ってそうだし、もし知らなくても博臣達が黙っていれば良い話。また、精神汚染とかも見られず、彩華や愛がいるから妖夢に一定の理解もあるだろう。
つまり、泉姉様は無罪でした!って事です(笑)。
●メタ台詞
「結局、最後は悪が滅びるのはわかっているのに読み進めるのは、全く時間の無駄じゃない?」
そして相変わらず部室に引き篭もっている美月が言ったこの台詞は、この作品では(少なくともここまででは)悪が滅びないというメタの意味を含ませたもの。
「(バラバラ殺人などの派手さで目を引くのではなく)読者にとって大切なのは、行動と意味だと思うけどね」
1話でも秋人がこんなメタ台詞を言っていたし、最初と最後でそれを受けているのだと思われる。
●貯金箱
美月や博臣とコントをやりつつ部室にいても、つい未来の痕跡を探し、未来がいない事を再確認してしまう秋人。未来の誕生祝いに眼鏡を買うために「目標5万円」と書いた貯金箱も、そのまま秋人の部屋に残されている。未来が消えてしまった後、それでも未来のための眼鏡を買って、もう貯金する理由は完全になくなっているのに・・・・。
未来的には5万あるなら、素敵な夜景の見える高級レストランのディナーとかの方が・・・・それとも日々の食事を豊かにする方が・・・・いや、秋人がくれるならなんでも良いのかな、ごちそうさまでした!(笑)。
●未来が消えなかった5つの理由
「夜にだって光があるように、昼にだって闇があるように、世界から闇が消える事はない。同時に世界が闇で埋め尽くされる事もない。そんな曖昧な色の中で、これからも全てが進み、決められていく。その中で僕は・・・・」
そして未来がいない世界をこう嘆く秋人。でもこれは、数千年に1度"境界の彼方"が必ず現れてしまうのなら、それを倒す"呪われた血"も必ず現れるという伏線が込められている。
ただ、「地球 境界の彼方 謎の星」となんか謎の星まで映されてたので、実は"境界の彼方"がクッションになって"謎の星=妖夢の本星"を防いでいる、とかだと"未来=闇"、"秋人=光"となってどっちが光かは微妙なところなんだけど・・・・。
でも、未来が復活するのにそんな事は関係ないし!とにかく、"境界の彼方"が存在する限り、"呪われた血"も存在する!それが未来が復活できた1つ目の理由。
そして今回スクーターで2人が宙を舞った時の絵でも、未来の本質が人間ではなく妖夢側にある事が示されていた。つまり、強い思い(=境界の彼方?)により生まれた存在である事が補強されていた。それが2つ目の理由。
残り3つは、もしそうだとしても別の異界士に"呪われた血"が発現しなかったのは何故か?という理由。それは未来の思い、妖夢を生む源が秋人の中に多く残っていたから。
まず、前回秋人は未来の強い思いが作り出した傀儡を取り込んだ。秋人は未来の強い思いと融合している。
また、10話で秋人の中に残った未来の血が夢を見せていたけど、それが完全に消えたのではなく秋人と融合している。だから、金の指輪が消滅しなかった。"呪われた血"が消滅したら存在理由がなくなる筈の指輪が残ったのは、秋人の中に"呪われた血"が残っていたから。でも、未来が復活すると指輪はより強い本当の主の下に飛んでいった。これも指輪が自ら"呪われた血"、所有者を探し相応しい主のところにいる証拠。
更に4話レビューで書いたように、金の指輪は唯との輝く思い出が詰まった品でもある。そして今は更に、秋人との思い出までその中に詰まっている。
だから、本質的に妖夢に近い"呪われた血"が再び顕現しようとした時、
「秋人の中に残った未来の血、傀儡、金の指輪」
この3つに残った強い思い、強い妖夢の源が反応し、もう1度未来となって現れた。
「予めそう定められていたのか、それとも栗山さんが頑張ったおかげかはわからない。それとも、僕の栗山さんへの思いが届いたのか・・・・」
後の秋人のこの台詞が、この5つの理由全てを内包して暗示していた・・・・と良いな!(笑)。まあ、個人的にはこれを信じて2期がはじまるまでハッピーエンドを堪能したいと思います・・・・謎の星まで考えるとハッピーでなくなりそうなので、考えない方向で・・・・(笑)。
●ハッピーエンド!
そして消えた金の指輪を追って、秋人があの日の屋上までやってくると、そこにはあの日と同じようで違う未来の姿があって、
「あ、あの・・・・眼鏡が、要するに眼鏡をかけた栗山さんが、大好きです!!」
あの日と同じようで違う言葉を、全力で未来にぶつける秋人。そして優しい夕風が通り過ぎた後、ゆっくり振り返った未来は涙ぐみながらこう言うのだった。
「・・・・不愉快です・・・・」
そして最後に秋人に渡された眼鏡かける未来。その指と瞳には、輝く黄金、大切な宝物がしっかりと収められていた。だから、そんな輝きに包まれた未来の笑顔は、2つ目の夕日が現れたかのように眩しく、幸せで満ち溢れていた・・・・。
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