【WHITE ALBUM2 12話】揺れないブランコが示すかずさの決意!でも…【感想】


WHITE ALBUM2 #12「卒業」

●今年のフラグは今年の内に!

 今年も残り1週間を切り、年の瀬も押し迫る時期ですね。やり残しがないよう頑張っていきたいです。例えば、ハッピーエンドフラグを立て忘れるとか・・・・別に他意はないんですけどね、ええ・・・・という訳で、今回も見ていきましょう!

●逸れる視線

 多分、前回冬馬に振られたせいで風邪をひいてしまった春希。冒頭は、春希の部屋で春希の看病をする雪菜。

 まずベットの上で壁の方を向いて、雪菜から視線を逸らしながら、「ごめん」と謝る春希に「何が?」と聞き返す雪菜。パーティにいけなかった事、わざわざ看病にきてくれた事を挙げる春希だけど、もっと謝るべき事があるよね・・・・。

「ううん、(春希が本当に好きなのはかずさなのに)連絡くれた事、頼ってくれた事、嬉しかったよ」

 更にそう言われた雪菜も、春希から視線を逸らし、何処か白々しい言葉を口にする。それはきっと、()の中に書いたような意味が含まれているから・・・・。

 でも春希は、雪菜の隠した思いに気づかず、この言葉を聞くと、冬馬にキスした事を思い出し罪悪感に苛まれる。そして、そんな春希が隠している思いを知っていても、素知らぬ顔で明るく振る舞う雪菜。

「じゃあ、ね・・・・」

 だから、別れ際にキスして、雪菜が優しくこんな事を囁いても、甘いというより、胃薬が欲しい・・・・(泣笑)。

●かずさと雪菜

 翌日、雪菜が下校しようと校門を出ると、かずさが雪菜を待っていた。そしてファーストフード店に一緒に入る2人。そこでかずさは、パリから拠点を移す母親と一緒にウィーンにいく事にしたと雪菜に告げる。

「それでどうして、どうしてかずさまでヨーロッパにいく事になるの?」
「本場でピアノを練習しながら、母さんと一緒に暮らすから。これじゃあ理由にならないか?」

 かずさがいかない方が良い理由を必死に探すようにこんな事を言う雪菜だけど、かずさは静かにこう答える。そう言われ、雪菜は両手でコーヒーカップを包み込んで、温もりを求めて俯いて黙ってしまう。そしてそんな雪菜から視線を逸らすかずさ。

 コーヒーカップを弄りながらしばらく言葉を探した雪菜は、

「春希君には、話したの・・・・?」

と、空々しくこう問いかける。鈍い夕日が消えゆく物悲しい空を映しながら、答えがわかりきっている問いが投げかけられる。

「話したよ・・・・私の決断を尊重してくれるってっさ。笑って送ってくれるって、言ってたよ・・・・」
「・・・・ウソダヨ ソンナノ・・・・」

 すると、横に逸らしていた視線を今度はコーヒーカップに落とし、かずさは明るくこううそぶく。それを聞いた雪菜は、深く俯いたまま、非難の声をかずさに向ける。春希を横取りした、2人の関係を壊してしまった罪悪感にかき消されそうな、小さくか細い声で。

「私・・・・私・・・・友達になれなかったかな?・・・・やっぱりかずさ、まだ・・・・」

 そして雪菜はこう言うけど、これに続く言葉は

1.私の事友達と認めてくれてないのかな
2.春希君の事が好きだから

のどちらか・・・・ちょっと悩ましいんだけど、多分これは1。

・2は確認するまでもない。雪菜はそれを知っている
・2人にとって友情も非常に大事なもの
・雪菜を見つめて言った告白「好きだ」が2を誤魔化すためだとは思いたくない
・ここで友情を確信できたから、後の屋上の依緒との会話や、かずさの手紙の事を春希に教える事になる


理由はだいたいこんな感じ。

●武也、お前もか!

 その後、ギターで「POWDER SNOW」を弾く春希と、そんな春希に説教する武也。「POWDER SNOW」も良い曲だよね!こんな状況で聞くんじゃなければ・・・・。

 また、1話でこれからデートと春希にメールしてたし、依緒とやたら一緒にいるし、武也と依緒は恋人だと思ってたんだけど・・・・本命に失恋して妥協で付き合ってる的な感じで、なんか依緒が可哀想・・・・。

●屋上で

 しかも、屋上では春希が冬馬を思って弾いている「POWDER SNOW」を雪菜がしっかり聞いてるし。この曲を聞いたせいもあって、雪菜は自分が春希とかずさの間に割り込んだと、依緒に話してしまった・・・・そして武也が失敗した結果付き合う事になった依緒が、それを聞いている・・・・救いはないんですか・・・・?(涙)。

 それに、夕焼けや虹などに誤魔化されてたけど、良く考えたら屋上は"孤独"の暗示。人の暮らす地上から離れた孤独な場所。

「こんな筈じゃなかったんだ・・・・」

と後悔を口にする雪菜にぴったりの場所・・・・。

「告白したのが私からだとしたら?・・・・そしたら春希君、私を振るかな?自分の気持ちと私の気持ち、どっちを優先するかな?」

 でも、雪菜が言ったこれは違う。もし本当に春希にその気がなかったら、ウザい説教の1つでもしてちゃんと断っただろう。冬馬に、勉強嫌いの片思いの相手に英語の参考書をプレゼントしたように、本当に相手のためになる事をした・・・・と思いたい。

 "ずっと勝手に親しみを抱いていた高嶺の花"の雪菜だから、断れなかった。まあ、告白もしないで勝手に冬馬を諦めて、雪菜に逃げたのも事実だけど。春希が雪菜の告白をちゃんと断って、せめて返事を保留して、冬馬に告白していれば・・・・。

●答えが見えた・・・・

 更に雪菜は、文化祭の後もしばらく3人でいるつもりだった事、でも音楽室でかずさが春希にキスしたのを見て突発的に告白してしまった事、そのせいで3人の関係を壊してしまったと思っている事が明かされる。

 9話レビューでは、

春希を横取りした上に、ラブラブっぷりを見せつけてるのに、それでも一緒にいようなんて鬼だから、雪菜はかずさと春希をくっつけるために敢えて告白した

と考えてた。ダブルヒロインの負け担当とは言え(笑)、ヒロインがそんな悪い子な訳が・・・・と思ったんだけど、かずさが抜け駆けでキスしてて、それを見て突発的に告白したなら仕方ないよね!ヒロイン2人がどっちも悪い、溢れる思いを抑えられなかった、そんな泥沼を目指せば良かったんだ・・・・。

 ずっと傷が浅くなる方を探してきたけど、どんどん傷が深くなる方向で考えれば良かったんだね!!そう考えていれば、9話の氷だらけのアイスコーヒーも、罪悪感に潰されそうになりながら、笑顔を繕っていた雪菜の暗示だと簡単にわかるし!

 ずっとハッピーエンドへのフラグを立ててたんじゃなく、そのフラグ・逃げ道を潰すために回を重ねてたんだ!謎が解けてすっきりです!

 ・・・・心が折れたとも言うけど・・・・流石にもうハッピーエンドを想像できない・・・・母親とヨーロッパ旅行にいっただけでやっぱり帰ってきました的な、ハッピーエンドの可能性が1%くらいは残ってるんでしょうか・・・・?

●春希の選択・・・・

 そんな訳で、後は卒業式の日に、春希が雪菜の目の前で雪菜より冬馬を選んで、その後ずっと冬馬を探し回る。そのシーンの最初で、空に伸びる飛行機雲が映される。2話レビューで書いたように、空に架かってもすぐ消えてしまう儚い架け橋。一瞬繋がってもすぐ消えるその繋がりの暗示・・・・だって次回かずさは1人で・・・・。

 一方、そんな春希に自室から電話をかける雪菜。その時、5話レビューで書いた、ピンクと白の人形が映される。やっぱりこれも春希と雪菜の暗示じゃなかった。"ピンク=春希への恋心"と"白=かずさへの友情"、雪菜が抱いている相反する2つの思い・・・・悪い意味で解釈してた演出はどんどん当たるよ!(白目)。

 そして電話をかけ続けても春希は出なくて、膝を抱えて顔を埋める雪菜・・・・。

 まあ、最終的に2期とかでハッピーエンドフラグに変わるかもしれない・・・・きっと変わると信じてるけど、少なくとも1期ではもう・・・・。

●抑え切れない思い

 そして夜、自室のベットに沈み込むように横たわる春希。雪菜からの着信は無視してるのに、冬馬から電話がかかると飛び出る春希・・・・。

 この時、冬馬は公園のブランコに座って電話している。揺れるブランコは揺れる心の暗示。でも冬馬はブランコを漕いでいない、もう迷っていない、もう春希への思いを抑えられず、会って思いを告げるために電話している事が伺える。

 だから「雪だ・・・・」もきっと傍にいる事を春希に気づいて欲しくて・・・・。

 そして春希は近くの公園にいた冬馬を見つけ、2人は遂に互いの素直な気持ちを伝え合い、涙に濡れながら熱いキスを交わすのだった・・・・。

 ・・・・といったところで、最終回に続く!
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2013年12月26日 16:36 by 元会長
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