【凪のあすから14話】一番変わったのはちさき?紡への思いは?それぞれの5年間【感想】


凪のあすから 第14話『約束の日』

●ちさきの思いは?

 冒頭は、薄く積もるぬくみ雪を踏み固めるように、長い坂道を登るちさき。坂道は勇の入院する病院に続いており、ちさきはすっかり通い慣れていた。慣れたといえば、紡が大学にいってから変えた髪型にも随分慣れたな、とちさきは思った。

 そう思うと自然と溜息が零れ、ちさきは延々と登ってきた坂を振り返る。雪に埋もれた米粒の町が遠くまで続き、その向こうの、遥か彼方に真っ白な流氷が広がっている。その下で眠る海村が見えなくなったのは、いつからだっただろう・・・・。

 ぬくみ雪を踏んで歩くのは、ちさきがその試練に抗っている事の暗示。坂道も同様に試練の暗示で、ちさきが自分の意思でそれに抗ってきた事が伺える。でもそれは同時に、ちさきが海から離れているという事。髪型を変えたのもそんな心境の変化の表れ(更に後のシーンでもそんな描写が多数ある。詳細は各々のシーンで)。

 光は勿論、要の事に責任を感じていたけど、冬眠をどうする事もできなくて、5年も経ってしまい、2人の事を忘れようとしている(冬眠だけが問題なら、後のシーンで教授と話した時にもっと調査に興味を示した筈)。

 そこまでは良いとして、問題は紡の事をどう思っているか。紡に惹かれつつも、要への後ろめたさからそれを押し殺しているなら、胃薬が非常に美味しく頂ける展開になりそうで・・・・。

●新OP・・・・

 そして新OPに・・・・まなか(達)が笑ってた昼の教室が、夕闇に染まる美海とさゆが佇む黄昏の教室に変わる。光の話を聞きながら手を握り締める美海、

「いつも見ていた。近いようで遠くて。いつだって・・・・届かない」

と挿入される台詞に合わせて映される、近いようで遠い要とさゆ、届かない紡とちさき。そして届かないを引き継ぎ、届かない空(海)に手を伸ばす光・・・・。

 どんだけストマックブロー連打すれば気が済むのかと・・・・(泣)。

●1番変わったのは・・・?

 OP明けて、病院で勇と話し、帰り道で狭山に会い車でサヤマートまで送ってもらうちさき。狭山の父が経営してるからサヤマートだったんだ、と今更ながらに気づきました(遅)。

「みんな変わったね。たった5年なのに・・・・」
「お前が1番変わったんじゃね?・・・・なんつーか団地妻っぽいって噂だぞお前。妙にエロいって」

 その車内で狭山とこんな会話を交わす。これもギャグに隠した、ちさきが変わっている伏線・・・・もともとけしからんバディだったけど、妙にエロいのは紡に恋をしてるから・・・・?

●5年後の世界

 また、このちさきの台詞より、今回から舞台は5年後の世界。12話レビューで書いた予想が当たってて良かった(笑)。根拠は勿論美海とさゆが光達と同い年になるからなんだけど・・・・それはつまり2人も恋愛の泥沼に入ってくるという事で、実は当たらなかった方が良かったような・・・・?

 あと秋クールなのに夏の話とはちょっと季節外れだな〜と思ってたら、2クール目で冬になるからこっちに合わせてたんですね・・・・なんか冬って時点でもう胃薬が飲みたくなってきた(笑)。

 冬って言えば、スキーにスノボツアーや、温泉旅行などの国内旅行で恋人達がキャッキャウフフしても良さそうなのに・・・・。

 でも!でも、最終回は春!ハッピーエンドは約束されてますよ!きっと、多分・・・・それまで僕の胃がもってくれるか非常に不安だけど(笑)。

●2話の伏線

 話を戻して、サヤマートに着くとあかりと息子の晃が待っていた。その時の回想で、美海にお腹の子供は弟だと言われ「ぉ、男、か・・・・」と残念そうに言うあかり。

「可愛いー。女の子可愛いなー。私も子供生むなら女の子が良い」

それは2話でこう言っていたように、あかりは女の子が欲しかったから。

「嬉しい。私ね嬉しい。弟ができるの嬉しい。ありがとう、お母さん」

でも美海にこう言われ、おふねひきの大惨事の後でも無事に晃を生む事ができたのだった。

●現在の美海とさゆ

 その後、美海が授業中に居眠りしてたり、それを見た担任が「おじさん(光)と似てるな」とちょっとデリカシーのない事を言ったり、巴日の説明がされたり、今晩の巴日に合わせた炊き出しに思いを馳せクラスが騒がしくなったり、その最中(さなか)友達に囃し立てられる男子生徒・峰岸淳を見てさゆが顔を顰めたり。

 その後、シーンはゴミ焼き場に。美海とさゆがゴミを捨てにきている。でもゴミを置いていくだけで燃やさない。ゴミ=心のわだかまりを整理し燃やそうとしたけど、棚上げしたままで燃やせていない2人の暗示。2人が今でも光と要の事を引きずっている事が伺える。それがこの後の会話にも表れていた・・・・。

「要注意だよ美海。知っちゃったんだ、私。峰岸、巴日の時、美海に告白する気らしい」
「告白・・・・」
「みんなくっだらない!学校は勉強するとこだっていうのにさ〜」
「さゆ、前は勉強大嫌いだったのに」
「女1人で生きていくって決めてるからね、私。汐鹿生じゃ就職できるようなところないし、ちゃんと都会出て、自立した女になる」

 まず、思いっきり要の事を引きずってるさゆ。まあ、現実逃避で勉強が進むなら、しばらくはそれでも良いとは思うけど・・・・要が帰ってきた時の手の平返しが楽しみです(笑)。

 ・・・・いやホント、変に意地張って自己嫌悪に陥ったりしないで、イジれるくらい素直になって下さいね、マジで・・・・要に負い目を感じ紡に惹かれる自分を否定するちさき。光は帰ってきたのに要は戻らなくて、どうしても美海に暗い感情を抱いてしまうさゆ。なんて未来が見えてしまうので、要も早く帰ってきて下さい、大マジで・・・・嘘OPとかだったら泣いちゃいますよ?

「まだわかんないけど、ここから出ていくつもりはないな〜」

 一方さゆに美海はどうするのかと聞かれ、こう答える美海。光(達)の眠る海から離れる気がない事がわかる。そして美海が髪をほどくと一陣の風が吹き、長い髪が風に揺れる。5年前から伸ばし出した光への思いが今でも美海の心の中で揺れ続けていた・・・・。

 そこにクラスの女子がやってきて先生が呼んでると2人に声をかける。そして2人は教室に戻るけど、ゴミ焼き場に続く階段を降りる途中で、『光達がいた』校舎を見て5年前の事を回想する美海。

「あの時、私は泣かないって決めた。だって海の中に、光達がいる事はわかってる。無事だって事を信じてる。光達はまた、私の入れない場所で笑ってる・・・・」

海のすぐ傍の道路から海を見つめながらこう呟いた5年前の美海。更に現実に戻っても、(光達の使っていた水浴び場や)学校のすぐ下に広がる海を見てこう独白するのだった。

「私は今でもここから見てる・・・・光達のいる、海を見てる」

 回想の中であかりが口を滑らし、光がまなかの事を好きだと知っていても、ずっと・・・・。

●さゆと美海とあかりと・・・・ちさき

 上記が現在の美海とさゆ。また美海の回想の中、あかりが海に潜って海村に近づこうとしていた事がわかる。そこで考えるのは勿論ちさきの事。

 シーンが変わり海沿いの道路を歩くちさきは、氷河の上で教授と調査を続ける紡を見つける。でも、もし紡がいなければそのまま通りすぎていた気がする。海に目をやる事もなく・・・・。

 更にその後も紡の家に教授を招き、夕飯を共にするちさきと紡。ここで教授(と紡)は海村調査の事を熱く語るけど、

「比良平さん、僕はね、地上と海には密接な関係があると思っています。異常気象を解明するためにも、海村の調査は必須なんですよ」
「そうなんですか・・・・あっ、お代わり持ってきますね」

それを避けるようにこう言ってそそくさと席を立つちさき。

 冒頭、海から遥かに離れた坂の上で海を見ていたちさき。美海の海との距離と比べると余りにも遠い。さゆは要を忘れようと積極的に動いているけど、それはそれだけ強く要の事を思っている裏返し。なのに要(や光)の発見、冬眠解除に繋がるかもしれない調査の事を聞いても、むしろそれを避けたちさき。強く興味を示す事も、拒絶する事もなく・・・・。

 また、あかりは実際に海に潜り海村にまでいっていた。でも、ちさきがおふねひきの後、海村に潜ったシーンは1回もない。更にこの後も紡に巴日に誘われるけど、ちさきはそれも断った。


 表面的には、ちさきが光や要達の事を忘れようと、避けようとしているのは間違いない。その理由がまだはっきりしないけど、次回光と会った時の反応を見れば、何か見えてくる・・・・かも?

●紡が思いを告げていれば・・・・

「いい子じゃないか、お前本当に何もないの?」
「ある訳ないですよ」
「年頃の男女が一つ屋根の下ってさー。しかもあんな美人で普通は・・・・」
「あいつにはずっと前から好きな男がいるんで」

 少し戻って、お代わりをつけにいったちさきを見てこう言う教授に、いつも通りの素っ気なさでこう答える紡。汚れた大人としては教授の意見に賛同せざるを得ない(笑)。

 それにあれからもう5年、もしちさきが紡に惹かれながらも、光や要の事で苦しんでいるなら、ちーちゃんを抱き締めてあげてこそのイケメンなのに・・・・。

●紡が海村の研究をしている理由

 その後、教授の布団を敷きながら5年間の回想をするちさき。上で書いたようにここでも、ちさきが海村にいく事はなかった。

「いかないで!私から、もう誰も奪っていかないで!」

 また勇が倒れ手術室に入っていく時、こう取り乱し、紡の胸で涙き崩れるちさき。元々海村に強い興味を持っていた紡だけど、きっとこの時その思いを更に強くした筈。ちさきのために光達を見つけ出し冬眠から覚まそうと決意して・・・・。

●ちさきの思いは・・・・

「紡が都会で大学生か。海洋学研究家なんて凄いよ、ホント自慢!」
「悪いな。爺さんの事、お前に頼む形になって」
「そんなの、私のもう1つの家族だもん。大切な」

 その後、紡が大学にいく事になって、荷造りをした時、こんな会話を交わしていたちさきと紡。これもちさきが地上での生活をはじめようと頑張っている伏線・・・・に見える。

「あいつらはきっと無事だ。(研究が進み)全てが良い方に変わっていけば、きっと、また会える」

 でも、紡がこう言うと目を細めて窓から海を見たちさき。勿論会いたくない訳じゃないだろうけど、光と、何より要と再会した時どう転ぶかが非常に・・・・心配・・・・。

●普通『凪』って言えば・・・・

 そして夜、巴日を待ちながら海岸で炊き出しをする美海達。そんな輪から離れ、1人海を見ながらこう独白する美海。

「あの日から海はずっと凪いでいる。静かに静かに、その下で何が起こっているのか、私には知らせてくれずに」

 美海の5年前の回想でも言ってたけど、凪ぐって言うと、穏やかな海、いい暗示だと思ってたら、いつも波打つ海が動かなくなる=異変、停滞の暗示の方だった・・・・。

●いきなり失恋フラグ(笑)

 そこに峰岸が現れ、告白しようとするけど、

「だったら先に言っておくね。私好きな人がいる。だから、ごめんなさい」

美海は海を見たまま、可憐な声で、でも冷たくこう言ってそのまま立ち去ろうとする。

「無理だ。ずっと好きだったんだ!小学校の時から。無理だ、諦めるなんて。諦められない!」
「諦めるなんて無理」

 でも峰岸はこう食い下がり、その思いが悲しいまでに美海と重なり、小さくこう呟く美海・・・・でも、光も小さい頃からずっとまなかの事を・・・・。

 まあ、いきなり自分で失恋フラグを立ててしまった美海だけど、この程度ならまだ余裕でへし折れるし!(笑)。

●銀の巴日

「誰なんだよ好きな奴って、教えてくれよ」
「それは・・・・」

 更にこう言う峰岸に振り向く事なく答えようとしたところで、巴日がはじまり海が明るく光りだす。それを見た美海は流氷の上に走り出す。美海を駆り立てたのは、虫の知らせだったのか、だたそうあって欲しいという願いだったのか・・・・。

 一方、観測器に何か巨大なものが浮上してくる影が映り、その場所に走る紡。そして紡と美海がその場所で鉢合わせした時、海が一段と強い光を発する。

 その時、画面いっぱいに銀色の満月が映される。その光は、巴日の光は、銀色に輝く満月の光をぬくみ雪が集めたもの。

 狼男などの伝説より月は"魔"の象徴。そして"昔話や神話の魔物=人間の邪念・欲望"。一方、吸血鬼や狼男は銀の武器でしか倒せないといった感じに、昔から銀には"魔除けの力"があるとされてきた。よって、銀の月は自分の邪念を打ち払う、精神的成長の暗示。太古の昔から、人は月や銀色を見ると自然にそう感じてしまう、それを効果的に使った演出。

 それを今度は3人で見た美海達。6話では、『金色の太陽の巴日=宝物=そうあって欲しい未来』を、光・まなか・ちさき・要の4人で見てしまった。だから6話レビューで予想した通り(の展開ではなかったけど)巴日は失敗フラグだった。

 でも、今回はそれを3人で見る事ができたし、3人の精神的成長を暗示した成功フラグ・・・・だと信じたい。

●5年の月日は残酷で・・・・

 そしてその光が収まると、光が流氷の上に現れ、美海の人工呼吸により息を吹き返す。

 でも、美海の人工呼吸で息を吹き返した光が最初に叫んだのは、まなかの名前だった。更に美海を見て

「お前、誰だ・・・・?」

という光。それを聞いて、俯き悲しそうに眼を伏せる美海。

 巴日の、3つの銀の月の光を受け、暗い世界に、海の見えない流氷の上に佇む3人。


「光のその瞳は悲しげに動きを止めた。凪の海だった」

そして最後に美海がこう言って、EDがはじまる・・・・。

●ED考察

 EDの最初は淡い色彩で描かれた海を見るまなかを横から映している。でも、顔が見えないくらい離れたところから映していて、更にどんどん画面が引いていく。まなかがどんどん儚く遠い存在になっていく・・・・。

 次もセピア調で描かれたまなかの後ろ姿。ここもどんどん引いていき、後ろ姿と相まって届かない感じが強調されている。

 最後は跳ねるまなかを後ろから見上げていく。そして最後には、高い空に飛んでいく髪飛行機だけが映される・・・・
どんだけ不吉な演出を畳み掛ければ気が済むのかと・・・・(笑泣)

 ホントに人が悪いんだから(震え声)、とハッピーエンド信じ現実逃避したところで、次回「笑顔の守り人」に続く!


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2014年01月12日 14:33 by 元会長
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この記事へのコメント
とても良いレビューでした。
1話で切ったのですが、何故か14話から見初めて話を理解するためにネタばれ感想を探してココを見つけました!
考察が丁寧に書かれており私には解らない深いところまで作品を知ることが出来ました。
ありがとうございますm(__)m
Posted by 馬の骨 at 2014年01月17日 14:10
馬の骨さん、コメントありがとうございます。

14話放映後「凪のあすから」のレビューだけ
アクセス数がガクっと増えてますね。
やはり14話の展開は衝撃的だったみたいで、
沢山の方が調べられているようです。

今後もレビューを続けていくつもりなので、
宜しければ、またお越し下さい。
Posted by 元会長 at 2014年01月18日 00:25



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