●寒さに凍えるアイラ
冒頭は、アイラとナイン・バルトの出会い。大きな会議室に2人、アイラは窓の外を向いて、バルトの説明を聞き流していた。
別に見る気はなくても、暖房で曇った窓から降りしきる雪が目に入ってくる。ぼーっとそんな景色を眺めていると、何もかもが面倒になり、小難しいバルトの話など聞く気になれなかった。だからバルトの話が一段落すると、少し苛立ちながらアイラはこう問いかける。
「私に何をさせたいの?」
「ガンプラバトルで勝利する事。我々が君に求めるのは、ただそれだけだ」
その問いに淡々とこう答えるバルト。氷の彫像のような無表情な顔で。そんなバルトに一瞬だけ視線を送ると、アイラは俯き、帽子のツバで顔を隠しながら
「・・・・良いわ、好きにしなさいよ」
と投げやりに答えるのだった。
暖房の効いた部屋で、熱い紅茶を出されても、アイラは寒くて堪らなかった。だから、帽子もマフラーもコートも、部屋に入ってから何一つ脱げなかった。それどころか、アイラはポケットから手を出す事すらできなかった。人の温もりが、欲しかった・・・・。
バルトが有罪すぎてどうしようもないね・・・・だからこそ、レイジに頑張って欲しいところだけど・・・・。
●アイラにとってのガンプラバトル
「あいつが白いガンプラのファイター」
スマホに映ったレイジ(とセイ)のプロフィールを見てこう呟くと、アイラはその身をベットに投げ出した。
「あいつ何が楽しくてガンプラバトルなんてやってんだろ?私と当たったら負けちゃうのに・・・・」
そしてアイラは、窓の外のくすんだ鈍い白色に沈む選手権会場に、こんな問いを投げかけるのだった・・・・。
11話レビューで書いたように、選手権会場は王冠の暗喩。でも11話では綺麗な緑色だった会場も、今回は白くくすんでその輝きを曇らせている。アイラがガンプラバトルに、その勝利に何の価値も見出していない事が演出されていた。
●新OP!
そして新OPに。フェリーニが見る選手権会場が白くくすんでるのが気になる・・・・。
また、微笑むチナが下から溢れ出したプラフスキー粒子に飲まれるようなカットも気になる・・・・。
そしてセイとレイジ、アイラ、マオ、フェリーニ、ニルス、名人カワグチ以外のファイターがホントに一瞬しか映されない。チナは勿論キララやリン子にも負けている・・・・僕的には全然OKだけど・・・・南無(笑)。
●マオはツンデレ
OP明けて、(多分)第4ピリオドの射撃、第5ピリオドの玉入れ、第6ピリオドの3on3のチーム戦がダイジェストな感じで流される。前回のダラーラとの試合で中破したスタービルドストライクの代わりに、セイ達はビルドガンダムMk-Uで戦っている。
チーム戦が終わり、一緒に戦いフォローしてくれたマオにお礼を言うセイとレイジ。そんな2人にマオは、自分が倒す前に他人に2人を倒されたくなかっただけだと答え立ち去っていく。ツンデレ乙、ですね(笑)。
そんなレイジ達を通路の陰から盗み見るアイラ。その様子にバルトが心配して声をかけると、アイラは「いえ、問題ありません」と言ってそそくさと部屋に戻るのだった。
●喫茶店で
その後喫茶店でチナやラルさんと話すレイジ。そこでラルさんは、第6ピリオドまで無敗の選手が12名、1敗の選手が7名だと言い、
「今は連勝していても、第7ピリオドの勝敗いかんによっては順位の入れ替えもあり得る。2人とも気を引き締めて臨まねばならんぞ!」
と締め括るのだった。
●CのCVは・・・・?
その夜、マシタ会長が全勝のレイジ達を見てベイカーにダダを捏ね、ベイカーは金次第でどんな事でもやる暗号名(コードネーム)Cと呼ばれる男を呼び寄せる事になる。
ほとんど喋らないし兼ね役なんだろうけど、EDにCのクレジットがないのがちょっとだけ気になる・・・・。
あと闇家業でもちゃんとガンプラバトルしてるこの世界のモデラー層が、相変わらず厚すぎる(笑)。
それにCって名前的に外国人っぽいし、飛行機で国内旅行じゃなくて海外旅行とか交通費だけでも結構高そう。ガンプラバトルするだけで一体どれくらいの料金取ってるんだろうか?(笑)。
●試合内容
翌日、キララが第7ピリオドの内容を説明する。10人ごとのレースが9回に分けて行われ、1位に4ポイント、2位以下は0ポイント。銃火器の使用もOKだとわかる。
それを見た後、レイジはセイに病院にいくよう言われ、しぶしぶ病院にでかける。そんな2人の様子を双眼鏡で窺うC・・・・そんな事するより、過去の試合のビデオをベイカーにでも送って貰った方が・・・・(笑)。
●たまには失敗する事も・・・・
その後、レイジが病院を出ると、アイラが「レイジ」と声をかけてくる。
「お前、なんで俺の名前を?」
「テレビで見た。ガンプラバトルの大会に出てるんでしょ」
そして2人は近くのバス停に移動し、こう尋ねるレイジに、ベンチに座ってこんな嘘を返すアイラ。嘘を吐いたのは、ガンプラバトルをやってる事を他人に知られたくなかったからか、もしレイジと戦う事になって倒してしまったら嫌われると思ったからか・・・・。
「案外子供なんだ。あんな遊びに真剣になっちゃって」
「遊びだから真剣になれるんだよ」
「えっ・・・・?」
「お前もやってみれば?案外楽しいぜ」
そしてレイジをバカにするアイラだけど、レイジの答えはアイラが予想すらしてないものだった。夕日を受けキラキラと輝く海を背に、輝く笑顔で話すレイジ。
アイラは、そんな風にガンプラバトルを本当に楽しんでいるレイジが眩しかった。でも同時にそれが無性に腹立たしかった。だから、無言で立ち上がりアイラはそのまま立ち去っていく。
そんなアイラに何を言えば良いのかわからなくて、呆然と見送るレイジ。そしてアイラは泣きそうな声でこう呟くのだった・・・・。
「楽しくなんかないわよ・・・・苦しいだけよ・・・・」
この作品ではじめてバッドコミュニケーション、失敗イベントを見た気がする(笑)。まあ、たまにはそんな事もあるよね、と言いたいところだけど・・・・朴念仁の王子様には、早くアイラを笑顔にしてあげて欲しいです・・・・。
●元ネタ
翌日、ついにレースがはじまりどんどん優勝者が決まっていく。そんな中、ラルさんが寝坊したり、ラルさんが35歳だとわかったり、ラルさんがCを見つけその後をつけていったり。
そしていよいよセイ達の第9レースがはじまると、湖の底に忍ばせたジオングでセイ達を湖に引きずり込むC。しかし、そんなCの妨害を、尾行していたラルさんが止めようとする。
「させん・・・・邪魔はさせん・・・・あの2人の、いや、真剣にガンプラバトルをする人達の、邪魔はさせんぞー!」
「やられはせんぞ、やられはせんぞ、貴様ごときに。やられはせん!
ジオンの栄光、この俺のプライド、やらせはせん、やらせはせん、やらせはせんぞー!」
その時ラルさんが言った上の台詞は、初代ガンダムでドズル・ザビが死に際に執念を滲ませて言った下の台詞が元ネタ・・・・かも(笑)。
●レイジはマシタがアリアン人だと知っている?
そしてラルさんがCを撃退するけど、タイムロスは大きく、結局セイ達は2位になってしまうのだった。
「負けた・・・・」
「なんなんだよ、あのガンプラ・・・・ッ!」
試合後セイが呆然とこう呟き、レイジが怒りを滲ませたところでEDに。そしてED明け、ご機嫌のマシタの会長室に、レイジが乗り込んでくるのだった・・・・!
●汚い裏工作
さて、試合後にアナウンサーがセイ達の順位が17位に後退したと言っていたけど、それはあり得ない。ちょっとその辺を整理してみます。
まず、喫茶店でのラルさんの説明より、第6ピリオドまでで、
無敗は12人、1敗が7人。
セイ達とレナート兄弟をそれぞれ1人とカウントし、同じ無敗でもセイ達のポイントが最低で12位だったとする。
「4ポイント差で追いかけているファイターの中には、セイ君達が破ったタイ代表のルワン・ダラーラを筆頭に7名」
また、喫茶店でのラルさんのこの台詞から、1敗のダラーラ達はセイ達と4点差が開いている。つまり、この7人が第7ピリオドのレースで優勝しても、セイ達に並ぶだけ。
そして第7ピリオドの全9レース結果は以下の通り。
第1:???
第2:ヤサカ・マオ
第3:リカルド・フェリーニ
第4:名人カワグチ
第5:アイラ・ユルキアイネン
第6:ルワン・ダラーラ
第7:ニルス・ニールセン
第8:???
第9:レナート兄弟
よって???2人が1敗の7人の内の誰かだとしても、セイ達の順位は12位のまま。12位〜15位タイが4人になるだけ。???が無敗の誰かなら、セイ達とダラーラが12位〜13位タイになるだけ。つまり最悪でも15位にしかなり得ない。
しかも、これは勝ち方により獲得点が異なり、セイ達が合格ギリギリの非常に低い点を取っていた事が前提。でも、今まで配点が示された全てのピリオドで勝ち方による獲得点の変動はなかった。
上に書いたラルさんの台詞、1敗のダラーラ達7人が4点差で追っているという事からも、勝ち方で獲得点の変動があったとは考えにくい。
よって普通に考えれば、セイ達は第6ピリオドを終えた時点で1位〜12位タイ。そして4点差で1敗の7人が並んでいた。???2人が無敗の12人の誰かだったとしても、第7ピリオド終了時の無敗は8人。そしてセイ達を含め第6ピリオドまで無敗だった4人とダラーラの5人が並び、セイ達の順位は9位〜14位タイ。
だから17位に後退なんてあり得ない。つまり、・・・・どさくさに紛れてマシタが順位を弄ってる・・・・汚いな流石マシタ汚い!
まあ、マシタに罪を被せて丸く収まるならそれで問題ないよね(笑)。といったところで、次回「戦士のかがやき」に続く!
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