●道満 VS.美代
冒頭は、陰陽塾の入り口で道満と対峙する塾長・美代(の式神)。美代は、陰陽塾に鴉羽織はないと言うけど、道満は聞く耳を持たず塾の結界を破ろうとする。
美代は後ろに飛び退きながら、塾の入り口を守る式神・アルファ、オメガに防戦を命じる。そして2体を見た道満は
「もしや夜光の作か?これは初手から楽しめそうじゃな」
と言って不敵に笑うのだった。
●鈴鹿がツンデレ可愛い!
一方、陰陽塾のビルの側面に取り付き、塾の結界を破ろうとしていた土蜘蛛を通して、春虎達を見つけた道満。美代と戦いながら、離れた場所の春虎達にも話しかけるという舐めプレイをはじめる(笑)。
そして道満は、前回天馬に仕込んでおいた札を発動させ、内側から陰陽塾の結界を破壊し、大量の土蜘蛛が陰陽塾に押し入ってくる。
自分のせいで塾の結界が破られてしまったと、呆然となる天馬。そんな天馬を見て鈴鹿は、
「はぁ、あんた何様のつもりな訳?内部に仕掛けを忍ばせて結界を破るなんて超古典的なやり口だし。その駒にあんたが選ばれたのなんか単なる偶然だっつーの。はっきり言って自意識過剰。相手はDよ。あんた如きにどうこうできる訳ないでしょ、この眼鏡!」
天馬をこう激励する。更に春虎達も口々に天馬を励まし、天馬はなんとか気持ちを立て直す事ができた。ツンツンしつつも優しい鈴鹿がツンデレ可愛い!(笑)。
そんなところに美代の式神の猫がやってきて、屋上に逃げるよう春虎達を誘導する。(おそらく)予め大友陣と決めていた作戦通りに、(春虎達を使って)道満を屋上に誘き出すために・・・・。
そして鬼の封印を限定的に解除した冬児を先頭に、春虎達は道満の土蜘蛛を強行突破していく。
その途中で迫りくる土蜘蛛達をまとめて吹き飛ばした鈴鹿に
「流石だな、惚れちまいそうだ」
「ほ、ほほ、ほほほほーっ!?ば、ばばば、バカじゃにゃいの!いきなし何言ってんにょ、このバカー!」
春虎がこんな軽口を叩き、鈴鹿は真っ赤になってこう取り乱すのだった。そして据わった目で春虎を睨みつける夏目とコン・・・・今回の貴重なラブコメ要素ご馳走様でした(笑)。
●策士・大友
その後、春虎達は、屋上の祭壇で待っていた美代と合流する。そして美代が結界を張り守りを固めたすぐ後に、道満が屋上に辿り着くのだった。
「ふーん、土御門の天壇か。じゃが封印が緩いのぉ」
そして道満がこう言いながら杖を地面に一打ちすると、美代の結界が砕け散る。夏目の命令で迎撃しようとした北斗も逆に捕縛され、乗っ取られそうになってしまう。追い詰められ、絶体絶命の一行。
「ええ年した爺様が、子供のもん欲しがってどないします?・・・・やれやれ、エレベーターのない屋上なんて勘弁してくれへんかな。片っぽ義足やっちゅーねん」
しかし、そこに陰陽師の正装に身を包んだ大友が現れ、こんな事をボヤきながら道満と一行の間に割って入る。
でも、後にスワローウィップを合図に、対霊災用の大規模結界(?)を発動させた事から、大友(と美代)は予め屋上に道満を誘き出すつもりだった。なのにそれを隠すため、しれっと想定外の事態で屋上にきたようにうそぶく大友が策士すぎる(笑)。
「こらまた見晴らしのええ、晴れてりゃー富士山なんかも見えたりしそうやな」
更にこんな事を言って、わざわざ道満の目を周囲に向けさせようとする。道満が、周辺ビルの屋上に隠した結界の仕掛けに気づいてない事を確認するために・・・・本当に大友が策士すぎる(笑)。
たまには世界遺産に登録され、更に観光名所になった富士山に周遊・国内旅行にでもいきないな〜と美代にプレッシャーをかけている訳ではない・・・・とも言い切れないけど(笑)。
●悲報!時間外手当なし!(笑)
「塾長、時間外手当、付きますよね?」
「考えときましょう」
「あんじょうよろしゅう」
そして満面の笑顔でこんな会話を交わす大友と美代。でも大人語では、考えとく=前向きに検討する=却下・・・・ホント大人って・・・・(笑)。
●サブタイトル回収
「うむ、良く覚えておるぞ。あの時、お主はひたすら逃げに徹した。それこそロクに手合わせもせぬ内から、己の片足を投げ出してまでのぅ。ただの恐怖からではあのような判断はできぬ。氷の如く冷徹で、しかも高度な状況判断が下せておらねばあの選択はなかった筈じゃ」
そして自分の事を覚えているかと問う大友に、こう答える道満。大友の事を高く買っているようだ。更にそれは道満との再戦を考えて手の内を隠すためだった筈だと言い、
「この世に目覚めて数百年。胸の躍る事も少のうなった。じゃが三つ子の魂と言う奴か、術比(じゅつくらべ)だけは未だに良い!いや、もはやそこにしか残っておらぬのだろうな、我が魂(たま)は」
こう続けると道満は大友に術比を仕掛けてくる!
襲い掛かる土蜘蛛を吹き飛ばし、道満の呪文攻撃をかわし、まず鈴鹿の封印を解く大友。そして鈴鹿にみんなを結界で守るよう指示を出す。更に大友は、北斗を取り戻すと夏目に小声で告げる。
●五行相生
そして今度は大友から道満に術をしかける。その『五行変転富士の舞い(?)』は、大友の台詞にもあった『五行相生』を利用したもの。
陰陽術には5つの属性『金、水、木、火、土』がある。そして、水は木を育て、木は火を燃やす、みたいに、他の属性の威力を高める組み合わせがあり、それを『五行相生』と呼ぶ。
金→水→木→火→土→金
その関係がこれで、左隣の属性を元に術を発動すればその威力を高められる。大友は"金→水→木→火"と4段階増幅して最終的に火の術を道満に放った。
一方、道満はその台詞より"金→水"の2段増幅しただけの水の術で大友の火を打ち消しそのまま大友も攻撃する。霊力の大きさだけなら道満が圧倒している事が伺える。
●五行相克
「五行相克。土克水!黒き水魔を堰き止めよ!」
大友はその水をこう言って土の術で防ぐ。『五行相克』は相生とは逆に他の属性を打ち消す組み合わせの事。
木>土>水>火>金>木
その組み合わせがこれで、左隣にある属性を使えば、右隣の属性を効率的に打ち消せる。だから、大友は水に一番有効な土の術で応戦した。
でも水の術を防ぎきれず押し流されてしまう大友。しかし、大友の狙いは最初から北斗の解放で、やられたフリをして虚を突いた大友は北斗の解放に成功するのだった。
●道満の舐めプレイ
それを見て「小癪な」と言いつつも楽しそうな道満。更にわざわざ大友の次の術が発動するのを待つ有様。そして大友の次の術を見て「帝式の百鬼夜行避けか」とか、その次に取り出した術の触媒(?)を見て嬉しそうに解説をし続ける。相手の技を敢えて受け止めるプロレスのノリだよね(笑)。
そんな舐めプが道満の大きな敗因なのは間違いない・・・・でも数百年生きて、もうそんな事でもしないと楽しみがないと言うのもなんだか寂しい話・・・・。
しかし、そんな舐めプをした上に、術返しをされないよう細工しまくった大友の術を、道満は霊力にものを言わせて、力技で正面から打ち破ってしまう。
●主人公が・・・・
「ゾクゾクする・・・・これが呪術なのか・・・・」
そんな最強クラスの戦いを見て、驚愕しながらこう独白する春虎・・・・この後、大友は道満からされた魔道の誘いをきっぱり断るのに、主人公が魔道に堕ちそうな件(笑)。まあ、幾らなんでもそれはないと思うけど・・・・。
●道満は霊体?
道満に術を返されながらも、大友も反撃を諦めず、相打ちのような形で大ダメージを受けてしまう大友。そのせいで大友は髪が真っ白になってしまう。でも、引き換えに道満の首を折る事に成功し、それでも平気な道満を見て、
「やはり、これで確信できた。貴方は人間ではない、荒御霊だ」
こう言い切る大友。荒御霊・・・・祟り神のような霊的存在になってる感じなのかな。
そんな大友をすっかり気に入り、一緒に魔道に堕ちないかと誘う道満。
「呪術とは奥深く美しく愛おしきもの。主ならそれをわかっておろう。のう、呪術の深遠を覗くに留まらずその身を投げだし堕ちるは、それはもう愉悦ぞ。何にも勝る法悦ぞ」
「謹んでお断り申し上げる。干からびたジジイの甘言に乗るほどこの大友、枯れてはおりませぬ!」
しかし、大友はそれをきっぱり断るのだった。
●全ては策略
そして再び戦いはじめる2人。しかし、ここで大友は大量のスワローウィップを展開させる。
「貴様ー!出来合いの式を打つとは無礼千万!大言壮語を吐きながらこの術比を愚弄するか!?」
「何もかも自分で賄わねば気が済まぬのは、単なる独りよがりというもの。なるほど法師の如き至上の天才は別として、凡人には凡人なりのやりようがあるのです。メーカー品に頼るのもその1つ。そもそも、僕は別に術比に付き合うなんて言うた覚えはありませんよって」
それを見た道満は激昂しこう言うけど、大友は長話をして時間を稼ぐ。スワローウィップの合図で発動させる手筈になっている、霊災用大規模結界が発動するまで、道満の目を自分に引き付けるために。
だからきっと、別にスワローウィップをここで使う必要はなかった。でも敢えて使ったのは、道満が激昂し大友に意識を集中させるだろうと見越していたから。
「お主!?」
「はい。不届きながら、謀らせて頂きました」
流石に道満も発動直前に大規模結界に気づくけど、時既に遅く、大友は不敵に、でも静かにこう言い放つのだった。
そしてスワローウィップが照準器の役割を果たし、大規模結界の威力が道満に集中していき、
「ぐああああ、この道満不覚を取ったー!」
道満はこう苦悶の叫び声を上げる事になる。
これらより、上で書いたように、スワローウィップを大規模結界発動の合図にしていた筈なので、屋上で戦ったのは偶然じゃない。合図が確実に見えるよう、道満に照準を付け易いよう(、霊的攻撃がビルに阻まれるならそれで威力が落ちないよう)、最初から道満を屋上に誘き出すつもりだったと考えられる。ホント大友は、最初から最後まで食えない策士だった(笑)。
●箱から出てくるのは・・・・?
でも、その攻撃にもまだ耐える道満に突っ込んで、自分ごと屋上から地面に叩き落す大友。それを見て北斗に大友だけ助けさせる夏目。
それでも、地上に停めていた自分の車に激突しても、まだ生きていた道満。しかし、そこに駆けつけた木暮が渾身の一撃を放ち、遂に道満は自らの負けを認めるのだった。
その台詞を聞いて、達成感、感慨を少し顔に出してしまった大友。はじめて大友の隙が見られた気がする(笑)。
しかし、そこで比良多が道満を車ごと爆破し立ち去っていく。道満は死んでしまったかに見えたけど、前回の道満の隠れ家で待機していたのは幼女好きの幼女先輩!?なんとすずが道満の式神だったようだ。
12話レビューで書いたように、微妙に只者じゃないとは思っていたけど・・・・。
「せめて、幼女が出てきますように・・・・」
しかも、こう言いながら、大量にお札の張られた箱を開けるすず。これより多分道満は死んでなくて、体を乗り換えただけっぽい・・・・でも、中身が爺さんの幼女なんて全然嬉しくないので、幼女は幼女で別に出して下さい!(笑)といったところで、次回「DARKNESS EMERGE -邂逅-」に続く!
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今日は、レイヴンズの戦闘を「大友先生と芦屋堂満」のバトルを機会に、他の今までのバトル主体アニメと対比させ、バトルの役割と従来との違いを勝手ながら述べさせていただきます。
○従来の作品から言うと、「殴り合い・派手な技の競り合い」は古くはドラゴンボールやダイの大冒険、最近は進撃の巨人が有名です。
それに対し、技の相性による高度な組み合わせ、相手の心理を計算した駆け引き、仲間との対人間系を含めた上での連携戦は、NARUTOが巧みで凄まじいと思います。
○はっきり言って、主人公が強過ぎると、敵をアッサリ退け過ぎて、見せ所がありません。
日本のアニメ主人公は、憧れで成るべき姿の象徴である(アメコミの)スーパーマンではないので、苦戦・失敗はつきものです。鮮やかな技で敵を華麗に粉砕するのは、悪くはないですが、それは物語終盤であって、通常は極力控えるが原則です。いや苦戦し、状況を打開するための過程の描写こそが、一番の見せ所なのではないでしょうか?
そこで私が考えた持論ですが、、強さを見せつけるよりも、「主人公達が苦労する描写」をより工夫して見せる事こそが、東京レイヴンズの醍醐味なのではないでしょうか?
○敵に苦戦するのは、「相手が強い」か「自分側に不利な条件がある」からです。
「敵の強さ・凄さの強調」だと、具体的に、フリーザ様が強いとか、研鑽されつくした防御・斬撃・魔法攻撃の三段構え技である天地魔闘とか、巧みな格闘で隊員を次々に殺していく女型巨人のシーンです。
レイヴンズでは、今回の大友先生以外で挙げると、覚醒した夜光(=春虎)でも不確実に扱えない泰山府君祭を完璧に使いこなした多軌子(描写は有りませんが)や、それにより式神と化した大連寺 至道(冬児や春虎をボコボコ)や六人部(冬児を殴り倒し、夏目の術を全て軽く無効化した)の鬼神の如きの強さが特徴的です。
もう一つの「自分側に不利な条件やミスが有る」が様々な形態で、主人公側だけでなく敵サイドまで細かく設定されていて、かつレイヴンズの特徴ではないでしょうか。
(ネタバレ有り)主人公側だけでなく、敵サイドや第二章の登場人物まで含めると、
春虎:恋愛等(禁書の上条さん程ではないが)にとにかく鈍感で、かつ告白できない。封印の不完全な解除の為力不足、実戦経験もやや不足。女一人護り幸せにしてやれなくて、どうして世界を護り救えようか。
夏目:一番の彼女の弱点は春虎、春虎のピンチで動揺し無茶し過ぎて死亡してしまう。
呪術のエキスパートではあるが、闘争本能むき出しの戦いはやや苦手、かつ実戦経験も不足。
厳しい修行と、青春を男装し自分を偽って生活してきた辛抱強さはあるが、その為友達が作れず対人関係やコミュニケーション能力は低い。真面目・頑張り過ぎる。しかし「みだりに師に着くな、みだりに弟子を取るな」との言葉通り、転生した夜光の存在を語るには夏目無しには語れない、ただ一人の最高の師ではないか?
冬児:鬼の生成の状態をまだまだ活用できていない。
京子:(徳川家康風に)他人に厳しく自分には甘い。ようするに「お嬢様育ち」だから。また外見だけでなく、内面も見るべきではないか。失恋で、春虎ではなく夏目をなじるのは、自分にとって都合の良い「夏目君」ではなかったことの不満を、ぶつけただけではないか。夏目の「厳しい修行三昧と春虎へのストーカーの辛く哀れな青春」を何ら理解せず、八つ当たり。当時夏目は精神的に相当ハードなはずで、死なせる一因に。自慢のスタイルや浴衣で着飾り男性の視線を和ませるのもいいが、相手の見えにくい過去や苦労を理解してねぎらことも、必要ではないか。「星読み」の才もまだまだ
倉橋塾長:星読みの才は有っても、嫁ぎ先の倉橋家の腹黒い狸共や不肖の息子の悪事は見抜けなかった。結果的に陰陽庁の暴走の下準備に利用されてしまった。
天馬:言うまでもなく超普通人でしょうがない。良く言えば鏡とは何から何まで正反対。よって作中一番敵が少ないキャラでもある。更に第二章では皮肉にも、一番表の世界を自由に動けるキャラになってしまう。力が無いからこそ、夏目や先生に比べて失敗が一番少ないキャラでもある。
鈴鹿:わがまま。(夏目に共通して)春虎が弱点。自身の生理的欲望に正直過ぎやや下品で過激な言動。
大友先生:片足義足で行動に制約があるため、夏目を助けることに間に合わず。
鏡のゴロツキを始末しとかないから、春虎片目失明。あの状況の鏡だと、天馬君ですら人質にしそう。
多軌子:大友先生の様な「良き目標」かつ「良き師」に恵まれない為、「しつけ」が全くなっていない。
どう弁解しようと、結果的に夏目を死なせたA級戦犯、春虎との間に大きな溝を自ら作成。
夏目の遺骸を素直に明け渡した程度で、とても借りは返したとはいえない。GOSICKのヴィクトリカに風に言わせると「(一方的な思い込み)善意と(無茶に全く気付かない)鈍感が手を繋ぐと一種の悪徳になる、という良い見本」の典型である。
鏡:社会性・協調性の無さから、組織の一員としては、はみ出し者。(特に天馬君と違い)誰も助けてくれる人は存在しない。
倉橋長官:言うまでもなく今の呪術界の癌(更に黒幕は別に存在してそうだが)、政治家気取りの呪術者くずれ。
呪術を使い都合よく表社会にしゃしゃり出たがる誇大妄想狂の呪術者とも言える。
「呪術者の社会的地位の向上という悲願」とは言葉は綺麗だが、裏返すと「呪術の才の無いものは淘汰・冷遇されて当然」と、ファシズム的危険な思想が見られる。
極端に言うと、陰陽庁に忠実であれば、一般人を殺害しようと、大飯を喰らい糞を垂れるだけの極潰しであろうと、社会的生産活動を一切しない怠け者であろうと、許容するのか?
呪術者の地位向上と言うが、表社会に呪術者を出すと、ただでさえ呪捜官以外(小説11巻)では立証が難しい呪術等の犯罪をどう責任とらせるのか。
表に出ることは、権利も向上するが、同時に義務や責任も生ずるはず。都合良い時は権利だけ高らかに主張し、責任は逃げるのでは、随分と虫の良い話ではないか?今までは影の者だから責任を負わず、敵は少なくてすんだが、何かを手に入れると反面リスクが生ずる事を理解しているのだろうか?
また仲間も平然と惨たらしく殺害しようとしたり、実母や娘も駒扱いする性格は危険で信用できない。
故意でないとはいえ、夏目の死を機会に春虎を引き込むなら、土下座と涙は必要ないが、多軌子とともにまず夏目を元に戻して謝罪してから、誠意を示し交渉すべきではなかろうか。
(夜叉丸もそうだが)数々のフザけた行為で、よくも、もう一度対話を望もうとするのか。
山城:実戦経験不足。「敵の弱点を徹底的に突く」等の戦術の甘さ、攻めがとかく単調、「秋乃を人質にする」「一旦夏目から離れ、春虎との接触時の隙を伺い、気の緩みを見て捕らえる」等の策の無さ。
こうして弱点を挙げてみると、味方のみならず敵にも、それぞれ異なる失敗や欠点が必ず設定されています。
更に三話の感想にもありましたが、「登場人物達の僅かなすれ違いや小さな嘘というものが重なった結果、それがやがて自分たちの身に跳ね返ってくるという展開」もそうですが、弱点やミスは残酷な程、消えず重なって追いかけ返ってきますね。
「戦闘力の出し合い」だけでなく、「弱点の克服という苦難の過程」をも一般人にまで広げ描くからこそ、天馬君の様な、通常は省かれてしまう普通キャラまでも掘り下げて、貢献し活躍できるのではないでしょうか。
逆に鏡の様な通常の作品では早々と成敗され消されてしまうキャラも省きません。社会のはみ出し者・ゴロツキにも、「力こそ正義」の限界に行き当たり苦悩し、新たな手段を選ばざるえない過程まで消さずに描かれるのです。
これこそが、バトルシーン一辺倒ではない「東京レイヴンズらしさ」であり、醍醐味なのではないのでしょうか?