●世界征服、その後
冒頭は、コンクリートの墓標が並ぶ廃墟の町。一面に瓦礫の献花が敷き詰められている。動くもの1つない、征服者達(つわものども)が夢の跡・・・・。
そんな町の大通り跡を、1人の男が歩いていた。大通りには、等間隔で巨大な何かの記号が描かれていたが、損傷が激しくもはや原型を留めていなかった。しかし男は知っていた。それが偉大なるヴィニエイラ様の、ズヴィズダーの紋章であるという事を。
そして大通りの終点、一段高い広場に立つヴィニエイラ様の像の前にくると、おもむろに歩いてきた方を振り返る。そしてヴィニエイラ様の像と同じズヴィズダー式の敬礼をしながら、
「我らがズヴィズダーの光を、あまねく世界に!」
と言い放つのだった。
そんな夢の痕跡さえ押し潰すように、暗く厚い雨雲が町に圧し掛かっていた・・・・そして男の見つめる先には、廃墟の町を越えた遥か向こうには、白で塗り潰された町が、雲間から射す光で蜃気楼のように淡く輝いていた。
ケイトが世界を征服し、ズヴィズダーの紋章が刻まれた町が造られた。でも、最後の近未来的な白い町から、ケイトの死後(?)結局別勢力が取って代った、分裂して元に戻った、そんな雰囲気。微妙に胃薬が要りそうな予感がするような、しないような・・・・。
星宮ケイトの、ヴィニエイラ様の像が破壊されてないのがせめてもの救いだけど、成長したケイトがモデルになっててちょっと残念(笑)。
さて、ケイト達の世界征服はどんな結末を迎えるのか・・・・といったところで、エピローグは終わり。
●主人公は家出少年
シーンが変わり、道端に立ち止まり、携帯で祖父と言い争う中学2年生の地紋明日汰(じもん あすた)。
「俺はですね、人に恨まれて当然、それが仕事だーみたいなね、そんな腐った家業に関わるのはまっぴらなんですよ」
その時のこの台詞や、中学生なのにゴールドカードを持っていた事から、ヤクザの組長の孫とか、そんな感じっぽい。でもそれが嫌で家出したようで、電話で話していた祖父とも喧嘩別れしてしまう。
この後、カードも止められてたし、スマホもインターネット接続は勿論、電話回線も止められそうだね・・・・。
●クラスメイトは正義の味方!
そして明日汰がトボトボ歩いていると、コンビニの前でクラスメイトの駒鳥蓮華(こまどり れんげ)と鉢合わせする。
「なんか大変そうだな、駒鳥さんとこも」
「これも任務だから」
その時の会話でこう口を滑らす蓮華。また、蓮華は大量の荷物を軽々と持っていた(パワーキャラの伏線?)。更に、本編の最後に映った
その時、もう1人の子が敬語を使ってたので、蓮華の方が上役っぽいけど、その子が自衛隊に出向いてたから雑用が回ってきたのかな?まあ、どっち道、下っ端っぽいけど、正義の組織の構成員が長官とその2人だけという可能性も・・・・。
話を戻して、それを聞いた明日汰が「任務?」と聞き返すと、蓮華は大慌てでそれを誤魔化す。なのにそれに続けて、
「あ、そうだ。今夜ね、第2種戒厳令が出ているから、早くお家に帰った方が良いよ」
こんな事を言う蓮華・・・・第2種戒厳令とか普通の女子中学生は言わないよね(笑)。
っていうか、一応あるんだろうけど、そんなのリアルじゃ聞いた事ないし・・・・なんか日本の治安が素敵な事になってそう(笑)。
「えっ、だったら俺、送ろうか?」
「あっはははは。そういうの彼女になる人とかに言ってあげてよね、全く〜」
また、それを聞いてこう言う明日汰に、照れ隠しで手にもった大荷物を振り回しながらこう答える蓮華。そんな蓮華がアホの子可愛かった(笑)。
●パトカー?
でも、そう言って蓮華が立ち去ると同時に、明るい商店街に警報が鳴り響く。そして周囲の明かりが一瞬で消え、店のシャッターが次々に下ろされる。
大慌てで近くのコンビニのシャッターを叩き、有り金をはたいてなんとか肉まんとあんまんを手に入れた明日汰。
その後、明日汰は僅かに外灯が灯るだけの、薄暗い町を彷徨い歩く。そして、パトカーに出くわし、慌てて路地裏に隠れる明日汰。でも、その後通りすぎていったのは、どう見ても装甲車、っていうか戦車だった・・・・日本の治安が良すぎて夜歩きが恐い!(笑)。
●視○じゃないよ!(笑)
パトカーをやりすごし、ほっとする明日汰。でもそれも束の間、真後ろの闇の中から放たれた、幼女の悲鳴のような甲高い金属音が、明日汰の耳に突き刺さる。驚きに飛び上がり、緊張に体を強張らせながら振り向く明日汰。
まず目に入ったのは、補助輪付きの可愛らしいピンクの自転車。地面に横たわる真っ赤な靴から伸びる、真っ白なふくらはぎ。こんな時間に出会った未知の者への恐怖、怪我をさせたかもしれない不安。様々な思いが渦巻き混乱する頭で、躊躇いながらもゆっくりその先に視線を移す。
黒いスパッツに、愛らしいフリフリの付いた赤いスカート。そして、その赤い生地が胸の大平原にまで伸びている。その体の両脇では、銀色の髪の房が緩やかに波打っていた。
そこまで見た明日汰が、一気に顔にまで視線を移すと、愛らしい幼女が路地裏の闇の中に投げ出されていた。
ピンボケしながらゆっくりケイトを見ていったのはこの演出。明日汰が○姦してた訳じゃないよ!(笑)。
●幼女・星宮ケイトとの出会い
「う、う〜・・・・お腹が減って動けない」
「死ぬのか、私は。こんな場所で。志半ばのまま・・・・」
そう呟くのは、世界征服を目論む悪の秘密結社ズヴィズダーの総帥・星宮ケイト。
後の台詞より、ケイトは、このまま世界征服をはじめて良いのか迷っていた。そのせいで部下達と喧嘩して(?)一人で出てきた挙句、大事なぬいぐるみ(?)のガラクーチカを失くしてしまった。だからこの時、もう心が折れそうだった。
「どっちだよ?」
そんなケイトに貴重な食料・肉まんとあんまんを差し出しこう聞く明日汰。でも、どっちか片方をあげるつもりだったのに、ケイトは両方を掴み取り1人で食べてしまう。
「そうだ、誰に許されずとも、私が立っているこの場所が、私の居場所だ。それが征服の第一歩だ。そんな事も見失っていたとは・・・・」
今のところ、これは後にケイトが言ったこんなスタンスを暗示したイベントと解釈してるけど・・・・違う解釈を思いついたら、またその時に(笑)。
「そういうお前は・・・・単なる迷子か」
「迷ってはいない、極秘の偵察中だ。(後略)」
そしてこんな会話を交わす2人。でも、この時ケイトは迷っていた。人生の迷い道に。だから必要以上に反応してしまった。
「我が名は星宮ケイト!またの名を悪の秘密結社ズヴィズダーの総帥ヴィニエイラ様だ!」
その後、サドルとハンドルに足を置き、自転車の上に立ちながらこう名乗りを上げるケイト。本当は世界征服を迷っているのに、ズヴィズダーの総帥として威厳を保つために無理に偉ぶっているケイトを暗示する演出。
でも、そんな無理な体勢を続けたため、バランスを崩し転びそうになるケイト。そこで明日汰は、落下するケイト受け止める。世界征服に迷いを持ち、転んでしまいそうだったケイトを明日汰が助ける暗示。これが後のシーンの補助輪が取れるイベントに繋がっていく(詳細はその時に)。
「無礼者!!この少女の穢れなき肉体に手を触れるとはなんという破廉恥!なんという変態行為!お前のような異常性愛者がいるから余計な法律ができるのだ。反省しろ!」
なのにケイトは明日汰にアッパーを叩き込むと、理不尽にもこう言い放つ(笑)。そしてケイトは、明日汰の抗議を聞き流し、
「まあ良い、許してやろう。若さ故のリビドーの迸り、私も理解できん訳ではない・・・・私についてこい地紋明日汰。お前に夢を見せてやる。誰よりも大きな夢をな」
こう言って自転車を漕ぎはじめるのだった。
●世界征服!(大マジ)
「人生を賭しても余りある、大きな夢。どんな偉人も極悪人も為し得なかった究極の理想。それは・・・・世界征服」
そして陸橋の上を通りながら、夢の内容を明日汰に告げるケイト。そこで闇夜に爆炎に包まれる巨大生物が浮かび上がり、驚愕する明日汰。でも、ケイトは気にする事なく、持っていた鞄からマスクと銘菓うどまんじゅうを取り出す。
「私に忠誠を誓うなら私のおやつ、そして世界を分けてやる。
(中略)
さあ、忠誠か死か、どちらを選ぶ!?」
そして明日汰にこう迫るケイト。明日汰は幼女の遊びに付き合うような感じでそれを受け取ってしまう。でも後に明日汰は、それが大マジな話だった事を知る事になる・・・・(笑)。
そしてケイトは、明日汰にズヴィズダーの戦闘員ドヴァーの名を授けるのだった。そして2人で陸橋を渡っていくケイトと明日汰。陸橋は世界征服への架け橋。2人で世界征服に向け歩いていく事が暗示されていた。
●元ネタ
その後、戒厳令が2種から1種に引き上げられたり、ズヴィズダーのウーム教授配下のロボ子がケイトと明日汰を見つけたり、うどまんじゅうが意外に美味くて良いディナーになってたり、
「征服力・・・・5か。ふん、ゴミめ!」
明日汰を見てウーム教授がこう言ったり。これは「ドラゴンボール」のラディッツが地球人のおっさんを見て言った以下の台詞が元ネタ。
「戦闘力・・・・たったの5か・・・・ゴミめ・・・・」
その後、ウーム教授がプラーミャに連絡して、プラーミャが動きはじめたり。
●ケイトの迷いを払ったのは・・・・
Bパートになり、また一緒に移動しながら話すケイトと明日汰。「世界征服ごっこ」と言われ激昂するケイトだけど、
「恐いのだ。一度動き出してしまえば、もう止める事も引き返す事もできん。この私にできる事はたった一つしかない。そう、生まれつきそれだけを夢見てきたのだ。
けれど・・・・もし世界征服を為し遂げてしまったら、そこに私の居場所はあるのか?そう思うと・・・・」
こう胸の内を打ち明ける。
「やりもしない内から取り越し苦労とか、どんだけ自信あるんだよ。居場所って、そんなの立場だろ?天下の回りものだよ。変わりの奴なんか幾らだっているんだ。どうせな。世界征服が聞いて笑うっつーの。チヤホヤされたきゃバカのフリしとけよ。可愛いフリして、幸せなフリして、人生ごっこしてれば良いだろ!?」
「貴様なんぞに私の気持ちがわかるものかー!」
でも、それを聞いた明日汰は、両手を震わせながらこう言ってしまい、ケイトはこう叫ぶと明日汰を殴り飛ばして、猛然と自転車で走り去るのだった。
この時、木や街灯の間を通り抜ける際、木などに当たってケイトの自転車の補助輪が取れてしまう。補助輪付きの子供の遊戯だったケイトの世界征服が、明日汰の言葉によって本格的に走り出した事が暗示されていた。
さて、明日汰の名前はこの世界の歴史に、ケイトに世界征服という史上初の偉業を為し遂げさせた偉人として刻まれるのか、それともケイトを世界征服に導いた最悪の悪魔、極悪人として刻まれるのか・・・・。
●ケイトの世界征服がはじまる!
その後色々あって、自衛隊の戦車に踏み潰されそうになっていたガラクーチカを体を張って助ける明日汰。そのせいで、自衛隊の戦車に取り囲まれてしまう。
でも、そこにケイトやズヴィズダーの幹部達が現れ、
「こんなものはただの玩具だ。放っておけば良かったのだ・・・・お前に変わりはいないのだぞ、地紋明日汰。無論、この私にもな」
明日汰のガラクーチカを手に取りながら、ケイトは明日汰にこう告げる。これは上で書いた変わりは幾らでもいると言った明日汰の台詞を受けてのもの。
「そうだ、誰に許されずとも、私が立っているこの場所が、私の居場所だ。それが征服の第一歩だ。そんな事も見失っていたとは・・・・」
更にこう言いながら、自衛隊の戦車の方に歩いていくケイト。明日汰の言葉に迷いが晴れ、ズヴィズダーの世界征服がはじまった瞬間だった!
そしてケイトは自衛隊の部隊を征服し、最後に正義の味方っぽい2人組が映ったところで、次回「食卓から墓場まで」に続く!
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