【ノラガミ1話】尻尾はひよりの恋心!五円(ご縁)を求めそれを掴んだ夜ト!【感想】


ノラガミ 第1話「家猫と野良神と尻尾」

●モブの子が可愛い(笑)

 冒頭は中学校の教室。受験シーズンでストレスが溜まり、不満、鬱憤、焦燥、そしり、そんな負の感情が渦巻いている。不幸にもそれが聞こえてしまい、自分の席で恐怖に顔を引きつらせ縮こまる金髪ツインテールの女子生徒。

 クラスのあちこちから聞こえる誹謗中傷だけでも泣きそうだった。なのに、教室の窓のすぐ外にナマズ顔の巨大なアヤカシまでが現れ、

「「「「マジうざい」」」」

と口を揃えて悪意を叩きつけてくる。女子生徒にしか聞こえない声で、女子生徒にしか見えない姿で。

 そのアヤカシの禍々しさに、愛らしい目を一杯に見開く女子生徒。でも、どうする事もできず、両手を握り締め、震えながら頑なに目を閉ざす。

「助けて、助けて神様!」

そして一心にこう祈るのだった・・・・モブ(?)なのにこの子が可愛すぎる件(笑)。

 またモブ生徒達の顔が描かれてないのは、裏ではこんな悪意を持っているのに表面的な体裁を取り繕っている事、本心が聞こえてしまう女子生徒がそれを見抜いている事の演出。

●夜ト様の全盛期(笑)

「その願い・・・・この夜トが確かに聞き届けた」

 そんな女子生徒に答えるように、校舎の屋上のそのまた上の貯水タンクの上でこう言い放つ、八百万の神が1柱・デリバリーゴットの夜ト神様。

 夜ト様が胸の前で弾き上げた5円玉が、夕日を受けて黄金色(こがねいろ)に輝く。そして太陽の光を宿しながら再び夜ト様の胸の前に落ちていく5円玉。その一足先に沈もうとする小さな太陽を、女生徒が託した希望の光を、夜ト様は再び胸の前で掴み取る。

 そんな夜ト様の隣には、艶やかな黒髪を短く切り揃えた和服の美女・伴音(ともね)が従っていた。伴音はその透き通る声で、こんな不安を口にする。

「って、なんか大きくないですかこのアヤカシ?」

 妖怪の蛇のような巨大な体は、複数の校舎に跨り学校全体を取り囲んでいるようだった。

「受験前だしな〜ピリピリしてんだろ。お前がいれば大丈夫だ。いくぞ伴音」

 でも夜ト様は自信たっぷりにこう言うと、屋上から飛び降りてアヤカシに突っ込んでいく。そして伴音も「はい」と答え、それに従うのだった。

 高速で落下する夜ト様が「こい伴器!」と唱えると、伴音の体が伴器の短刀に変わり夜ト様の下に飛んでいく。

 一方夜ト様は、屋上から飛び降りた勢いのままに、ナマズのようなアヤカシの顔に強烈な飛び蹴りを食らわせる。更に続けて、足踏みのように連続蹴りを浴びせかける。

 アヤカシは怒り、夜ト様に噛み付こうとするけど、その悉くを軽やかに避ける夜ト様。そこへ伴器となった伴音が飛んできて、それを掴んだ夜ト様は、

「豊葦原中津国(とよあしはらのなかつくに)、荒びたらせむ禍のものよ。伴器を以って砕き伏せる。草々(くさぐさ)の障り穢れを打ち払わん!」

と唱えながら力を流し込む。

 そしてすれ違い様に、巨大なアヤカシの頭から尻尾までを駆け抜けるように斬る夜ト様。舞うように滑らかな、しかし稲妻のように疾る剣閃で、アヤカシを斬り刻んでいく。

 尻尾まで斬り終えた夜ト様が、おもむろに「斬」と唱えると、アヤカシは四散し跡形もなく消え去るのだった・・・・。

 凄い動くし、キレがあるし、戦闘シーンの作画が良い感じ!

●甲斐性>戦闘力(笑)

「ふっ、神器の遊び草にもなりゃしねー」

 そしてこうカッコつける夜ト様。でも伴音は、伴器から元に戻ると、自分の体を嗅ぎながら「手汗最悪」と顔を顰めるのだった・・・・はい、夜ト様の全盛期終了です(笑)。

 更に声高に夜トへの不満を叫ぶと、その場にしゃがみ込んで大泣きする伴音。そして、夜トは渋々伴音との契約(?)を解く事になる・・・・やっぱり神様でも甲斐性がないと駄目なんですね・・・・世知辛い(涙)。

 辞める時は1ヶ月前に申請するのが常識と愚痴る夜トに、こう言って去っていく伴音。

「ご親切にどうも。住所不定無職の自分は神だーと言うジャージの人〜。へへーんだ」
「てめーそれが本心か!?くそー俺が売れてから泣きついても知らねーからなー!今に1億2千万の信者を引き連れて、あらゆる神のテッペンに立ってやる!ボケがーー!!」

それを聞いて、どんどん暗くなる夕闇の中、悔しそうにこう叫び散らす夜ト。それを聞いたカラス達が、夜に変わりつつある夕暮れの空に飛び立っていく。神器を失った夜トの暗い前途を演出していた。

 全然テッペンに立てそうにない夜ト様の大望を、応援してあげたくなるね(笑)。

●神様は甲斐性なし

 OP明けて、"らくがき禁止"の札がかけられている公園の倉庫(?)の壁に、カラースプレーで自分の携帯番号と"どんな悩みも解決いたします"と宣伝を書く夜ト。

 そして捨てた時の音より、中身の残ってるカラースプレーをゴミ箱に捨てる夜ト。金欠なのにまだ使いそうなスプレーを捨てる、そんないい加減さが演出されている。

 あと、みんなが読めるとは限らない「春夏冬中=秋ない中=商い中」を宣伝文に入れている事からも、商才のなさが伺える。

「はい、ご指名ありがとうございます!早くて安くて安心、デリバリーゴットの夜トでございます!」

 更に、依頼の電話がかかってくると即取って、営業スマイルでスラスラとこう言う夜ト。別に威厳とか言わないし、フレンドリーな神様で売るのもありだと思うけど・・・・伴音に愛想尽かされたのもわかる気がする(笑)。

●サブタイトルの意味

 そして夜トが『ウエサマ』という猫探しの依頼を受けたところで、サブタイトル「家猫と野良神と尻尾」が映される。

「家猫と野良犬と私」

 さて、そのサブタイをこう言い換えると、その意味がわかり易くなる。家猫はもう大事にしてくれる家があって、私との関係は薄い。よってこのサブタイの本質は「野良犬と私」。

 そこに「家猫と」を付ける事で、野良の孤独さ、寂しさを対照的に強調している。


つまりこの作品は、壱岐ひよりが夜トを拾ってあげる話。

 夜トは神様で、多分しばらくはひよりの体質を治すために動いてくれて、可哀想な野良ってイメージはわかないかもしれない。でも、夜トは孤独で寂しい、誰かに必要とされたい、そう思っている。

「壱岐ひより、貴方にご縁があらん事を」

本編の最後で夜トが言ったこの台詞も、夜トがそれだけ誰かとの繋がりを欲している裏返し。それこそが、夜トが『五円』を求める本当の理由。

 一方で、尻尾は「尻尾を出す、尻尾を掴む」などの言葉があるように、本性、正体の暗示。友人2人に好きな男はいないのか聞かれ、思い当たる節がなさそうな顔をして歩いていたひより。でも、夜トとすれ違った直後、バスにぶつかり尻尾を出す事になる。夜トがひよりの尻尾を掴む事になる。

 なので、この解釈が合っていれば、2人のロマンスに期待ができるような、当分そんな話は見られないような・・・・(笑)。

 その後、父の経営する病院で精密検査を受けたり、夜の病室に夜トが現れ警察に通報したり(笑)、夜トに5円を渡して体質の治療を依頼したり。

 といったところで、次回「雪のような」に続く!
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2014年01月17日 12:51 by 元会長
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