●心の風邪をひきそうだった2人
一人暮らしの中学2年生・町子 リョウの所に、はとこの森野 きりんがやって来ることで物語が動きはじめます。
しかし、2人とも各々の家庭の事情で心が冷えて、心の風邪をひきそうになっていました。
1話ではそれが丁寧に描写されています。
●昼の服装は表層心理
まず、昼の服装は表層心理の表れです。
なので、リョウが叔母・町子 明と電話で話す前後の、ネクタイを緩めているのは、ほとんど無意識、深層心理に近いですが心の冷え、寒さを感じている暗示です。
そう言えるのは、その後リョウがきりんと会うために外出するのに、ネクタイ(襟元)を締め直してなかったからです。
・・・・とも言い切れないんですよね・・・・。
リョウのブラウス(?)の首元は3話までずっと開いたままなので、きりんがいてもやっぱり祖母を亡くした寂しさを感じ続けている、とも取れますし、ファッションでそうしてるだけ、とも取れます・・・・うーん・・・・。
しかし、リョウがきりんに会いにいった時、リョウのコートの胸から下しかボタンがかけられておらず、首元が開いていたのは確実にリョウの心が冷えていることを示す演出です。
そう言えるのはED前、きりんを見送る時、リョウのコートは首の所まで全てボタンがかけられていた=より温かい服装になっていたからです。
また、きりんがリョウを見つけた時そのマフラーを引っ張り、リョウは驚いてあたふたします。これは、きりんがトラブルメーカー気質でリョウを振り回すことの暗示です。
しかし、そのことでリョウは首筋の隙間が塞がれ、あたふたすることで若干体温も上昇し、温かくなる=『きりんがリョウの心を温めることになる』暗示でもあります。
そして勿論、きりんの服装は母親と喧嘩して心が寒さに震えているきりんの表層心理を暗示しています。
●夜の服装(布団)は深層心理
しかし、夜寝る時、きりんはずっと温かい布団に包まれていました。一時的に母親と喧嘩していますが、両親の愛に包まれ温もりに包まれていることがわかります。
なので、きりんは布団の中心で真っ直ぐ寝られました。
一方、リョウは表層心理ではほとんど気付いてませんが、祖母を亡くしその心は徐々に寒さに凍えつつありました。
夜中に、きりんがトイレにいきたくなって目を覚ました時、リョウの布団がずれていたのはその暗示です。
そしてリョウが寝返りをうち、きりんの布団の方にすり寄っていたのも、親しい、家族のような誰かを求めていた(意味深)暗示です・・・・いや別に意味深はついてないと思いますけどねw
しかし、(布団がずれ)寒さに凍えていたリョウの心に、きりんが布団をかけたことで、リョウの心は再び温もりに包まれました。
だから、上で書いたように、この後きりんを見送る時、リョウのコートは首の所まですべてのボタンがかかっていたのです。
●きりんが薄着だった理由
幸腹グラフィティ ふたしなめ 「ふんわり、ゴガガガッ。」
きりんが薄着なのは、母親との喧嘩が原因だと1話の時は思ってたのですが・・・・。
2話冒頭のサブタイキャッチまでに、1話の後、冬の間に再びきりんがやって来た時の様子が映されます。そこでもきりんは薄着のままでした。
よって、受験勉強のために見知らぬ土地に1人でやって来てる心細さが、きりんの薄着の原因だったと解釈する方が良さそうです。
●ハイレベルぼっち
だとすると、この時点まできりんは予備校で友達を作れていないことになります。
更に、青色の制服はきりんが心を閉ざしている、内向きになっている暗示でもありました。
そう言えるのは、花見の後、リョウときりんが
「きりん、少し元気ないですか?」
「えェ〜、そんなコトナイヨ〜」
と会話する前後だけ、きりんの服が青色の制服になっていたからです。
リョウは家族で花見に出かけていたとか、きりんの知らないリョウが沢山いることに、きりんはヘコんでいました。心が内向きになっていたのに、わざと明るく振舞ってそれを隠そうとしました。そんなきりんの心を暗示していたのが、青色の制服です。
青は内向き、自己を見つめる色ですからね。そして、これが上で書いた、予備校でぼっち疑惑にも繋がる訳です。
明に会う前の挙動不審な感じといい、きりんは結構ハイレベルぼっちである疑惑が浮かんで来ましたw
●緑色の服
しかし、サブタイキャチのあとは、きりんは緑色の制服を着ています。また、1話できりんが
「私が今日から、リョウさんの・・・・リョウの家族になってあげる!」
と言った時なども、きりんは緑色のパジャマを着ていました。
緑は癒し、リラックスなどを暗示する色です。
予備校ではまだぼっちかもしれませんが、リョウとは会った日に打ち解けることができていました。
今回も、予備校ではなく、リョウとの花見なら緑色の制服で出かけられましたし。
●きりんと椎名
さて、椎名と別れた後、きりんは
「椎名のこと、追いかけなくて良いの?」
とリョウに問いかけます。嫉妬でつい椎名と張り合い、追っ払ってしまったみたいな形になって、きりんが罪悪感を感じているのがわかります。
「甘い・・・・甘酸っぱい・・・・」
だから、椎名から貰ったりんご飴の表面を舐めただけなのに、甘い水飴のはずなのに、きりんは甘酸っぱく感じてしまうのでした・・・・。
●制服と私服
幸腹グラフィティ さんしなめ 「ショクショク、トロッ。」
2話がそんな状況だったので、3話前半、きりんと椎名は2人とも気まずい感じがしています。また、リョウも恐らく椎名とそれほど親しい訳ではなかったので、やはり少し戸惑っていたのでしょう。
なので、3話前半では3人とも制服を着ています。制服は他所向きの顔、そんな暗示になっています。
しかし、話をするうちに、リョウ達が打ち解けて、晩御飯を食べ終えると3人とも私服=素顔、本心に替わります。
●きりんはアホの子?
なので、予備校から家に帰ってすぐ、リョウ達がたけのこを料理してる横で、きりんがたけのこを食べてましたが、あれはきりんがアホの子だと言う描写ではない・・・・気がします。
きりんが椎名を誘ったのは、リョウの友達だと思ってたから、だけはなく、恐らくリョウの部屋で話してたら仲直りできるかも、そんな思いもあったはずです。
しかし、いざ3人でいると気まずくて、敢えておどけてみせて、雰囲気を盛り上げようとしたのではないでしょうか。
●仲直り
一方の椎名も、きりんに嫌われてると思っています。
だから、きのこご飯を食べ終えたあと、リョウに泊まるよう勧められると、リョウではなく、きりんに
「え、良いの?」
「良いんじゃない、別に・・・・」
と確認し、きりんも少しバツが悪そうにこう答えるのです。
「泊まっていって良かったの?」
更に後のシーンでも、椎名は再びこうきりんに尋ねています。しかし、そこの会話できりんが椎名を嫌っている訳ではないことがわかり、2人のわだかまりは解けたのでした。
●カメラ目線の演出
あとは、3話では非常に気になる演出があります。
それは、リョウが作ったオムライスの説明をする時、
「まずは王道からですよ。昔ながらのオムライス!」
などの台詞を言う時、きりんや椎名にではなく、全てカメラ目線で誰とも知れない相手に喋るんですよ。
まあ、これは自分だけ途中で寝てしまったために、折角できたと思った友達が離れてしまったのではないかと不安になり、必死に繋ぎとめようとしている、その演出だと思います。
だから、きりんと椎名のために作っていない、ただ2人を繋ぎ止めたいという思いだけが先走っている演出でしょう。
次回はダイエット回になるんじゃないか?wと思うほど、オムライスを作りまくった(食べまくった)のも、ギャグに隠してそんなリョウの焦りを演出するためです。
●不吉・・・・?
それだけ、なのですが・・・・そのはず、なんですが・・・・。
これに気づいたら、もしかしてリョウは凄まじい
まず、シリーズ構成の方が微妙に気になります・・・・ええ、ちょっとだけ・・・・。
そんなことを思いだしたら、2話で椎名がリョウのことを言った
「なんか呪われそうだから、みんな気軽に近づけないんだよね」
が意味深に聞こえてきだします。
すると3話で、成功した最後のオムライスを食べたあとのきりんの
「ホント?ホントに幸せ?」
が気になります。きりんにはリョウが幸せそうに見えてなかったんですよ、こんなに本気で心配するくらい。
だから、徹夜明けにもかかわらず、リョウが寝る前に言っていた
「オムライスって、柔らかくて優しくて、確かに、『幸せ』の味がしますもん」
の言葉に、オムライスを食べたらリョウが幸せになってくるかもしれないなんて可能性にすがって卵を買いにいった・・・・なんて気がしてきます。
すると、母親の手紙を読んで
「『いつか』、お父さんやお母さんに会った時は(後略)」
こう独白したリョウの真意が気になります。なんで「次に」とか「次に帰って来た時に」じゃなくて、遠い未来、もしかしたらそんな未来は来ないかもしれない含みすら感じる『いつか』なんて言うんですかね(白目)。
なんてことを思ってると、最初の方に米の配達を受け取ったあと、
「そうです、受験生なんですもん」
と言う時の画が、(両親に)牢屋に閉じ込められている、もしくは(自分から)閉じ篭っているようにしか見えなくなってしまいます・・・・だったら、その直前のシーンも・・・・。
「これって『飯エロ』とか『メシの顔』とか言いなが楽しく幸せに見られるアニメなんじゃなかったでしたっけ?(ガクブル)」
あっ!そう言えば(唐突)、
2話最後の3話の予告の食レポが全く美味しくなさそうなのは、ニコ生での中の人達の食レポがかなりアレなのをネタにしてるのかもしれません・・・・芸人的な意味では、中の人達の食レポも非常にオイシイんですけどねw
といったところで、
幸腹グラフィティ よんしなめ 「じんわり、バリリッ。」
に続く。
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