【SHIROBAKO 16話】ちゃぶだいを返したのは…あおい?【感想】


SHIROBAKO 16話「ちゃぶだい返し」

まず、今回最初に引っかかったのはサブタイトルです。

『ちゃぶだい返し』の意味を辞書で調べると、以下のように書いてありました。

1.(腹を立てた者が、食事の途中で)ちゃぶ台をひっくり返すこと。
2.(1から)準備の整った、また、順調に進行している物事に介入して、振り出しに戻してしまうこと。

だとすると、もし『ちゃぶだい返し』が2の意味、『第三飛行少女隊』の原作者・野亀が今更になってリテイクを出してきたことを指すなら、15話のサブタイにした方が断然しっくりくると思うのです。

15話の最後でそのことが発覚し、非常にインパクトのある引きになっていましたし、サブタイもそれに合わせていたら野亀(っていうか無能編集・茶沢)の『ちゃぶだい返し』がより印象づけられたでしょう。

逆に今回は、ちゃぶだい返しというより、むしろその対応、解決がメインとなっています。

では、1の意味で考えたら・・・・実は、怒ってちゃぶだいを返すように仕事を放り投げたキャラがいるのです。それが主人公の宮森あおいです。

なので、今回は野亀とあおいの『ちゃぶだい返し』のダブルミーニングになっている・・・・と思います。

●ミムジー&ロロの演出

まず、15話レビューで書いたように、ミムジー&ロロはあおいの不満、ストレスの代弁者です。ナベPに全ての作業を中止するように言われ、普段はなだめ役のロロですら

「敵は目の前であります!」

と不満を零しています。そして妄想の中でミムジー&ロロと共にあおいも撃墜されたところでサブタイキャッチが入ります。

そしてそれは、このタイミングでおいちゃんが『ちゃぶだい返し』をした暗示にもなっていたのです。

折角15話でデスクの重圧に耐えながらも順調に進行していたのに、余りに理不尽な展開に、あおいは激おこ、(感情的には)ここでもう仕事を投げ出していたのです。
(3Dや美術など原作者≒キャラデザに関係ない仕事は別ですが)

そして投げ出した理由が、冒頭を除けば、今回唯一のミムジー&ロロの登場シーンで語られていました。あおいがそれだけは入れずにはいられなかった、あおいの不満を担う二人のシーンで。

「どんなキャラデザを出しても、どうせ理不尽に原作者が全て落とすんでしょ」

それがあおいの結論でした。もう原作者(元凶は無能編集だけど)に愛想を尽かしてしまっていたのです。

そして、そう考えられる理由が色々あります。

●その他のあおいに関する演出

まず、15話に比べて今回は視点が引かれており、壁やダンボールも控えめで、圧迫感が薄らいでいます。15話より余程逼迫した状況のはずなのに、あおいは重圧を感じていないのです・・・・感情的には半ば放棄しているようなものなので。

同様の演出は監督やナベPにもかかっており、勿論二人も同罪です。ただ、二人はそんなに深く考えてはなくて、キャラデザに抜擢したんだから井口に頑張って貰おう、って感じでしょうか。

「原作者の方がこだわってる部分を探って、もう少し原作の線を拾ったキャラデにしてみます」

また、今回2回目のキャラデザ会議(?)でキャラデザ・井口祐未がこう言う時、あおいは意外そうな、驚きの表情で井口を見つめます。

どうしてそういう風に考えられるんだろう、何でそんなに頑張れるんだろう?そんな表情でした。そしてそれに続くミムジー&ロロのシーンで、その理由が語られるのです。

更に、近くの公園で気分転換している井口をあおいが励ますシーンがあります。この時、二人はまばらに陽が差し込む薄暗い林の中にいて、先が見えない二人の状況が暗示されていました。

まあ、それは別に良いのですが、そのシーンであおいは次のように井口を応援します。

「私もはじめてデスクで至らないことだらけですけど・・・・頑張るにゃ〜・・・・」

井口を助けたいのは本心ですが、一方で原作者に愛想を尽かしている=解決方法を探すのを諦めているので、こんな少しおどけた言い方しかできませんでした。

井口を励ましたり気にかけたりはしてるけど、実際の解決は井口に丸投げという、ゴスロリ様(小笠原)が指摘した通りの状況になっていました。

だから、上の台詞は『あおい=猫』の暗示で、猫の手も借りたい=でも実際借りたところで役に立たない、といった暗示になっています。

最後は小笠原が、あおい、監督、ナベPを呼び出して話し合うシーンです。

「(前略)井口さんに負担のかからない、作業に集中できる環境を作ってあげて下さい。そして、最後までしっかり井口さんを支えて差し上げて下さい」
「「はい」」

小笠原にこう言われ、監督とナベPは素直にこう答えるのですが、あおいは素直に答えられません。

「そんなこと言われても、どうせ何やっても原作者が却下するのにどうすれば良いかわからないです」

と思っていたから・・・・ではないでしょうか。

●ゴスロリ様の服

因みに、前回に引き続き赤色だった小笠原の服が、時間の経過につれ

赤→青→黒

に変わります。

最初は一旦作監を降りて原画の腕を磨き直そうと、情熱の赤の服を着ていました。

しかし、苦悩する井口を見て、このままで良いのか、自分が助けるべき場面なのではないか?と自問し、内に向かう、自己を見つめる青色の服にかわります。

そして最後は、何ものにも染まらない=自信、完成形、信念の暗示を持つ黒色の服に戻り、あおい達に苦言を呈するのです。

服の色はそんな心境の変化を演出していました。

●折れない井口

あと、視点が引いていたり、壁やダンボールとかの圧迫感が薄くなっている演出は井口に(厳密にはほとんどのキャラに)もかかっていて、ヘコんではいても井口の心が折れてない、まだまだ情熱を持ってキャラデザに挑んでいる演出にもなっています。

勿論、後ろ頭のアップが映されたり、壁が迫っていたり、井口が一番圧迫感のある描写で映ることが多いですが・・・・。

また、あおいと監督が夜、階段を降りながら話すシーンで、監督の

「冬にコンテが上がらなくて、外の階段から夜空を見上げた時のオリオン座。作品が叩かれて泣きそうになった帰り道、ふと見上げた赤い夕日。奥さんが実家に帰ったあとの一人身には広すぎるリビングの間接照明」

この台詞に合わせて各々の場面が映されます。あおいは「全部悲しいですけどね」と言いますが、これらは

『悲しみの中にある希望、情熱』

を表している・・・・と思います。

寒いけど、澄んだ冬の夜空で輝くオリオン座を見て、またコンテに向かう英気を養う。
遠くぼやけているけど、温かく眩しい大きな太陽に、次の作品こそは絶賛されるという夢を見る。
一人で佇むリビングだからこそ、逆に最愛の妻の影をそこに見てしまう・・・・最後のは、その希望の光が再び灯ることはありませんでしたがw
(しかし、進行が本当に自分のしたい仕事なのかわからないあおいには、その中にある希望や情熱を汲み取ることができませんでした・・・・とするのは考えすぎでしょうか・・・・)

そしてこれが次のキャラデザで苦悩する井口のシーンに繋がっていくので、これも苦しみながら希望、情熱を持ち続けている、心が折れてない井口の演出だと思います。

そして、バッティングセンターで息抜きしたり、小笠原の意見に従い監督やナベPが本腰になり、無能編集・茶沢に仕事させるために車を走らせたりして(あおいといい、ムサニの車両保険料はすごく高そうw)、キャラデザにOKが出たところで、

SHIROBAKO 17話「私どこにいるんでしょうか…」

に続きます。


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2015年02月02日 20:44 by 元会長
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SHIROBAKO TokyoMX(1/29)#16
Excerpt: 第16話 ちゃぶだい返し 原作者からキャラデに可愛さが足りないとメールが届く。何か、何かと具体的な指示がない。一度全てのスケジュールを止めるあおい。途中入社の平岡は制作を続行して作監が修正する進行を ..
Weblog: ぬる〜くまったりと
Tracked: 2015-02-02 21:04


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