【デス・パレード9話】辰巳は誰も殺してない!非情を貫き天国にいった刑事【感想・考察】


デス・パレード #9「デス・カウンター」

今回、辰巳と島田の両方が地獄いきかに思えましたが、多分辰巳は『直接的には』人を殺していません。よって、辰巳が天国いき、島田が地獄いきです。

なので、どうしてそう言えるのかを細かく見ていきたいと思います。

●島田の死因が明かされない

まず、これまでと確実に異なるイレギュラーがありました。それは島田の死ぬ瞬間の記憶が蘇らなかったことです。

今回の二人が二人とも地獄いきだったのか?など、曖昧に誤魔化された部分と違い、ここだけは明確に確定しています。

確かに島田は妹の仇に反撃され、脇腹を刺されています。でも島田は、辰巳=鍛え上げられた刑事を殺せるくらい元気で、その後も包丁をタオルで包み、バッグに入れていずこかに立ち去っているはずです。

これらより、『島田の業の深さが意図的に隠されている』のです。

●辰巳の目的は殺人ではない

次に、デキムは島田の心を執拗に暴こうとしましたが、辰巳の方は放置に等しい状態に『見えた』と思います。

エアホッケーの勝負がつき、辰巳は全てを思い出します。そこで辰巳は、島田の包丁を手に取りながらデキムに、

「なぁ、俺はこれで殺されたってことか?」

なんて問いを投げかけます。

島田は辰巳を殺した張本人です。しかも、まだ全ての記憶を取り戻しておらず辰巳を信用したままでした。私怨を晴らすなら千載一遇のチャンスだったはずです。

なのに辰巳は殺意すら抱かず、躊躇いなく包丁を手放しました。よって、

『少なくとも辰巳は、妻の復習を果たしたことで、犯罪者を裁くという殺人衝動に取り憑かれていた訳ではありません。』

●辰巳の目的

では、辰巳の目的は何なのでしょう?それは辰巳の台詞、

「そうだな、あんたと同じだ。気に入ったよ、裁定者、とか言ったな・・・・疑わしい人間をマークして裁定しているんだ・・・・だから観察していた」

の通りです。敢えて犯行を見逃すことで確実な証拠を集め、犯人を『検挙』することでした。

独善的な私刑ではなく、あくまで正式な手続きを踏んで犯罪者を裁きの場に引きずり出すことだったのです。

●辰巳はホントにセーフ?

なので、辰巳の目的は歪んでませんが・・・・そのための手段が歪んでしまっていました・・・・。

「これの、何処が裁定なのよ?あんたがやってるのは、あの男と同じ!・・・・誰だって罪を背負って生きてる。誰だって憎しみを持ってる。それを『煽って』、何が裁定なの!?」

特に黒髪の女のこの台詞より、辰巳は意図的に潜在犯を煽って犯行に及ばせていた・・・・可能性が高いです。

できれば、黒髪の女のこの台詞が、死後の辰巳、クイーンデキムにきてからの辰巳にのみかかっていると思いたいところです。

でも、今回の冒頭で、まだ記憶を取り戻していないのに、

「ここを出たら・・・・人を・・・・殺す!」

辰巳はこう島田を『煽りました』。辰巳は全く人を殺す気がないのに、島田を炊きつけるためだけに・・・・。

だから、辰巳は確かに『直接的には人を殺してません』。でも、これ限りなくアウトに近いアウトなんじゃないかな〜・・・・みたいな・・・・。

よって、デキムは辰巳を放置していたのではありません。この状況こそが辰巳の極限状態だったのです。自分が虚無に落ちるとしても、その信念を貫けるかどうかの・・・・。

●今回は意地悪回w

すると、辰巳が妻を殺した相手を『殺したかのように見える』シーンは、ミスリードを誘う非常に意地悪なシーンってことになりますw

まず、辰巳が相手を刺した(ように見える)瞬間、視点が部屋の壁のアップになり、本当に辰巳の犯行かわからないようになっています。

またその後、へたり込み復讐が為ったことを喜ぶ辰巳ですが、その手や顔、衣服に全く返り血がついていません。

まあ、島田が辰巳達二人を殺したシーンでも、返り血はほとんどないのですが・・・・あっちはミスリードのために敢えてそんな意地悪をしてる・・・・はずですw

でも一方で、島田が辰巳を刺して二人で倒れこんだシーンでは、確かに島田の腕に返り血がついていました。

なので、まず『辰巳は直接的には人を殺していません』。更に、生前は島田のケースほど潜在犯を煽ることもなかった・・・・と信じたいところです。

よって、辰巳が誰かを刺したように見えるシーンは、既に殺されていた被害者を更に刺して真犯人の物証を確実なものにした、証拠捏造とかそんな感じのものだった・・・・と思います。

「由美、仇は取ったぞ・・・・」
(ありがとう・・・・)

だから、辰巳がこんな言葉を聞いた気がしたのは、妻・由美を殺した犯人を私刑で殺したのではなく、決定的証拠を掴んで検挙できる、そんな意味だったはずです。

そして、由美を殺した犯人が誰かを殺したのは、辰巳が煽ったからではなく、現場に着いた時は既に犯行後だった・・・・と、今のところは解釈したいと思います。

●煽りすぎ・・・・

「助けたら・・・・殺せないだろ」
「罰を与える。はは、違う違う。裁定だった。裁定するには被害者が必要だろ」
「(前略)例え君が妹を助けたところで別の女性が襲われるだけだ。君の妹は生きているだろう。それに復習も終えている。大体俺は君に殺されたんだぞ。これ以上、失望させないでくれ」
「やれよ。何かを為すには必ず犠牲が必要なんだ。俺が身をもって教えてやるよ」
「甘いんだよ、お前。自分で守れないなら相手を殺すしかないだろう。世界が残酷なのは当たり前なんだ。世界を変えられないなら、お前が変われー!」

だから、クイーンデキムでの辰巳は島田を煽りすぎじゃないですかね・・・・w

でも、これらは由美と違い紗英がまだ生きているのに、道を踏み外した島田への妬ましさ混じりの怒りと、かつて由美を殺された時、辰巳自身の頭に浮かんだ甘い誘惑だったはずです。

それを島田を煽るために、しかも虚無に落ちると知った上で、ここまで言い切ることができた辰巳の信念、その強さと切なさには言葉を失うしかありません・・・・。

それに、今回は島田の凶行の被害者が出るとしても辰巳だけです。だから、8話レビューで書いたようにこれは

『誰かのため(犯罪者である島田を地獄に送るため)に自殺』

となり、ギリギリセーフと言えば、ギリギリセーフです・・・・ギリギリアウトと言えばギリギリアウトですけどw

●辰巳と島田の違い

因みに、ここまで辰巳の天国いきを主張するのは、島田は何処をどうやっても地獄いき確定だからです^^;

島田は生前も私怨で簡単に相手を殺しましたし、クイーンデキムでも耐えがたい痛みを与える、そんなことをして何になるのか?なんてことを全く考えられませんでした。よって、島田には自分の行動規範、信念なんてものが全くありません。

「由美、仇は取ったぞ・・・・」

だから、辰巳は『上を向いて』こう言うことができましたが、

「紗英、今度こそ・・・・守る」

島田は『俯き顔を影に沈めながら』こんな思いを滲ませたのです。

ただ、感情的に島田を擁護したくなる方もいらっしゃるかと思います。そんな方は7話レビューで書いたように「天国=虚無」、「地獄=転生」となる二人の行き先も込みで考えられたら、少し見方が変わってくるのではないでしょうか?

●今回のメタ読みw

あと、ここまで表の演出、流れに逆らうのは、それを受け入れると物語がかなり安っぽくなってしまう、なんてメタ読みがあるからだったりもしますw

辰巳と島田の二人ともが虚無いきで、クイーンデキムを訪れた二人を虚無と転生に振り分けるという設定は破綻した、なんて展開でも全然普通に今までの解釈を続けることはできました。

つまり、本来の正しい姿はこれまでレビューで書いた通りですが、裁定システム自体がそれに反する穴だらけの欠陥品だった。だから、デキム達の裁定もデタラメでこんなおかしなことになっていただけです。そのせいで地上では大量に人が死に、裁定が追いつかなくなっている、と。

でも、これは「夢オチ」級のかなり酷い着地点です。それまで描いてきた、積み重ねてきた描写は何だったのか?ってことになるので。

それに、傾向として、殺人など人間の負の要素を全面に押し出した作品ほど、そのモラル水準は高かったりします。8話レビューで「天 天和通りの快男児」を挙げたのはそんな考えがあったからです。

そして何より「デス・ビリヤード」を観て僕は、

『この作品がかなりモラルを大事にしている作品』

だと感じました。そしてそれは「デス・パレード」を九話まで観た今でも全く変わっていません。

なので、この印象が揺らがない限り、表の演出や流れより、そっちを信じてレビューをしたいと思っています。

●細かい話

最後に、細かい話をいくつか。

「人殺しって、二人とも(同じ事件の関係者)・・・・」

まず、冒頭で黒髪の女が呟いた台詞はこんな意味だったと思われます。

「(前略)転生すれば、違った形でまた妹さんに会えるかもしれない。この人は貴方の行動を見て裁定しようとしてる・・・・どうか怒りを抑えて。妹さんの傍にいなくて良いの・・・・虚無に落とされたら可能性がなくなっちゃう」

また、黒髪の女のこの説得で、島田は一旦思い止まろうとします。でも7話レビューで書いたように

『転生できるよう良くあろうとする打算的な人生』

しか送れない者は、結局天国になんていけないのです・・・・。

「誰だって罪を背負って生きてる。誰だって憎しみを持ってる。それを煽って、何が裁定なの!?」
「人は、あんたが思ってるほど複雑なんかじゃない。もっと単純に、簡単なことで悲しんだり怒ったりするの。そういうもんなの。ちょっとしたことにすぐ影響受けて、どう転ぶかもわからないまま生きてる。それが人なの!」

また、この黒髪の女の台詞より、5話レビューで書いたように、やっぱり黒髪の女は転生なのかな〜と思ってみたり・・・・。

こんな思考から自分に害を為す相手が現れた時、それでもこの考えを肯定できれば、虚無いきともいえるのですが・・・・悩ましいですねw

まあ、これに限らず、今回は本当に色んなことがギリギリすぎて、僕もレビュー書くためにギリギリ一杯追い詰められましたw

といったところで、

デス・パレード #10「ストーリー・テラー」

に続きますw


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2015年03月08日 12:46 by 元会長
カテゴリに移動する| デス・パレード |
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この記事へのコメント
いや、色々違うと思うぞw
Posted by おき at 2015年03月09日 06:44
おきさんコメントありがとうございます。

デス・パレードは、僕なんかでは読み切れないほど、奥深く面白い作品だと思います。

ただ、最終回までご覧になられた時、制作様が作られたストーリーと僕の与太話と比べたら、制作様の秀逸さをより際立たせる引き立て役くらいにはなると思うので、そんな感じで使って頂ければと思います。

まあ、できれば書いたことの何割かは当たっててくれると嬉しいですけど・・・・w

こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
Posted by 元会長 at 2015年03月09日 12:54
刑事は妻の敵を取ったと明確に発言している
靴に返り血が付いている
検挙目的なら指紋が残らないようにレ○プ犯の部屋の扉を開けない
などなど色々突っ込みどこがある解釈ですね…
Posted by at 2015年03月12日 09:03
コメントありがとうございます。

まず、僕の解釈が当たっている保障なんてないし、ご自分が正しいと思う解釈でご覧になられるのが一番だと思います。

ご自分の解釈を見つけられる過程で、もし僕の解釈が叩き台にでもなるならそれで十分だと思っています。

また、今の段階では、情報が隠されてるので確定した答えがでるとも思っていません。

一応、ご指摘頂いた点に関して、

必ずしも「仇を取る=殺した」ではありません。

次に、辰巳の靴に返り血がついているでしょうか?もしかすると、椅子に括りつけられて大量の血を流している誰かのシーンのことを言われていないでしょうか?

また、もし辰巳に殺された被害者がいるとして、辰巳が誰を殺したのかわかりません。何故なら、辰巳とその被害者が同時に映るシーンが一つとしてないからです。

島田が金髪ヤンキーを殺したシーンと比べれば、その不自然さは一目瞭然です。

あと、金髪ヤンキー以前に、前回の話で、辰巳は既に妻殺しの相手が誰かわかっていました。殺すつもりならもう殺すだけです。なのに辰巳は同僚が見ていられないと零すほど一体何を調べていたのでしょう?

金髪ヤンキーにしても、殺すつもりならどうして夕方に忍び込んだりしたのでしょう?人目を避けるなら、なんといっても夜が一番のはずです。

こんな感じになりますが、こんな話を続けても今の段階で答えなんて出ないと思います。

辰巳が誰かを殺した瞬間、殺した誰かといるシーンが一つとしてないのですから、殺したのか殺してないのか確定させるなんて不可能です。

なのであまり不毛な話を続けるつもりはありません。最初に書いたように、上のレビューをご覧になられても違うと思われる方はご自分が正しいと思われる解釈でご覧になられるのが一番だと思います。

こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
Posted by 元会長 at 2015年03月12日 21:02
8話の時点で二人共人を殺してるのは明確だと思いますが?

女の人が言ってなかったっけ?
Posted by at 2015年03月20日 22:17



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