第8話「I wnat you to know my hidden heart.」
今回はサブタイトルの通り「私の秘めたる想いに気づいて欲しい」という罪を抱きし堕天使・神崎蘭子の贖罪に至る物語です(熊本弁)。
●蘭子の思い
さて冒頭は、346プロのビル前から、照りつける真夏の太陽を見上げる画が映されます。
『照りつける真夏の太陽=自分を理解して貰いたくて過剰に力んでいる蘭子の心』
の暗示です。
そんな日に、蘭子とアナスタシアがいるミーティングルームに未央がやってきます。更に卯月と凛もやってきて、みんなでお喋りするうちに、未央がみんなで私物を持ち寄らない?と言い出します。
それを聞いて、(おそらく)自分を知って貰える切っ掛けになると思った蘭子は「おお〜!」と大きな歓声を上げます。
『蘭子はみんなに自分のことを知って貰いたいと強く思っていたから』
OP明けて、武内P含めた全員のミーティングで未央がその話をしますが、みくと李衣菜に反対され、
「う〜ん・・・・みんなの個性が見えて、面白いかな〜、って思ったんだけど・・・・」
こんな呟きを漏らすのはその伏線です。
●中二会話は好意の証
その後の話し合いで「私物の持ち込みは一人一品限定」ということに落ち着きます。
そしてアイドル達が何を持ってくるか盛り上がっていると、部長がやってくるのですが、そこで蘭子は(多分)普通に「おはようございます」と挨拶しました。
「煩わしい太陽ね」
未央や卯月、凛にはこう挨拶していたし、武内Pの手帳にもこの挨拶のことが書かれてたので、武内Pにもこう挨拶しているはずです。
これより、蘭子が中二調に喋るのは、一定以上の好意を持つ相手だけということになります。
よって、蘭子は本心を伝えたいと思う相手ほど、中二調に話してしまい、その気持ちを伝えられないのです。
●ニートの鑑w
その後、武内Pがシンデレラプロジェクトの第二弾として、誰が選ばれたか発表しようとします。この時、みく達が思い思いのことを言うのですが、何と珍しく杏も手を挙げました。
「あ〜、みんなやりたそうだし、今回杏は譲るよ」
でも、手を挙げてまでわざわざこんなことを言い、全くブレない安定の杏でしたw
そして、第二弾は蘭子のソロデビューだということが発表され、早速蘭子と武内Pが打ち合わせをするのですが・・・・。
●通じない想い・・・・
みく達のダンスレッスンのシーンを挟み、
「神崎さんのイメージに合わせてダークな内容でと、考えています。できれば本格的なホラーを前面に・・・・」
会議室で、こんなことを言いながら武内Pが出してきた企画書には、目から血を流すゴシックドールの写真とかが載っていました。
・・・・どうしてそうなった?w
勿論、ホラーが苦手な蘭子は反対し、
「企画の内容に、何か問題が?」
「うむ!」
「・・・・具体的に言うと?」
武内Pにこう促されると、その気持ちを中二調に熱く語りだすのですが・・・・
(その時アップになる蘭子の唇がエロくて堪りませんw)
中二語を理解できない武内Pは、その意図を汲み取ることができず、
「イメージに相違があることはわかりました。が、済みません。差が、良くわかりません・・・・それが、重要なことなのでしょうか?」
こんなことを言ってしまいます。それを聞いた蘭子は頬をぷく〜っと膨らませ・・・・そんな蘭子がとても可愛いかったですw
●言葉が通じなくても・・・・
その後、蘭子がアーニャと寮に帰る時、赤信号、渋滞で止まる車のテールランプの行列、消火栓の赤い標識、並ぶ赤い三角コーン、並ぶ送水口の赤い蓋、が映されます。
これは武内Pに気持ちが伝えられず、蘭子を知って貰いたい気持ちが渋滞を起こしている、そんな蘭子の心の閉塞感を演出しています。
また消火栓などは、蘭子のことを理解してくれない武内Pに対する不満の火を必死に消そうとしている蘭子の心の演出です。
そして歩道を歩く蘭子とアーニャの側を通り過ぎる車(の音)は、そんな想いが行き交う蘭子の心を演出していました。
ここでアーニャが蘭子を心配して声をかけますが、アーニャは蘭子の中二語を理解することができません。
「ごめんなさい、難しい言葉ですね・・・・蘭子、何か力になれること、ありますか?」
「!・・・・優しき同胞よ感謝する。だが心配無用。私は如何なる困難をも越えてみせる!」
でも、言葉がわからなくても、蘭子の力になろうとしてくれたアーニャの優しさに触れ、蘭子も答えを見つけることができたのです。
『言葉が通じなくても、想いを伝えることはできる』と・・・・。
●挨拶の中のヒント
蘭子達が寮に戻り、エントランス(?)に入ると星輝子と白坂小梅がくつろいでいました。蘭子達は、
「こんばんわ、小梅、輝子」
「心地の良い夜ね」
と挨拶しますが、蘭子の挨拶には「太陽=蘭子の過剰な想い」が消えた夜は心地良いという演出のヒントが入っていました。
●蘭子の自室にて
その後、自室に戻った蘭子は、窓から夜の街を見詰めます。
「部屋=蘭子の心」、「窓=心の壁」、「夜の街=(他人≒)武内Pの心」で、(暗くて)よくわからない武内Pの心だけど、それでもそれに向き合おうとする蘭子の心が演出されていました。
また、窓に映った蘭子の写像が外から中を見詰めていて、蘭子が客観的に自分を見詰めている演出も入っていました。
アーニャが教えてくれたように、言葉が通じなくても想いを伝える方法はある。蘭子にだってそれができるはずだ、と・・・・。
そして蘭子は、意を決し机の本立てから「DARK PREDICTION(闇の預言)」と書かれたノートを取り出します。言葉が通じないなら、絵で武内Pに想いを伝えるために。
ただこの時、机の本立てに並んでる「中2英語」とか中2の教材が別の意味に見えて仕方ありません。「中二英語」とか凄い心惹かれるものがあるんですが・・・・w
あと蘭子って高校生くらいかと思ってたら、十四歳の中学二年生でびっくりでしたw
●飛行船の分だけ・・・・
翌日、また冒頭と同じ346プロのビル前から真夏の太陽を見上げる画が映されます。ただ、冒頭では太陽の側を飛んでいた飛行船が、太陽に重なり、ちょっとだけ光を遮っています。
蘭子の自分を知って欲しいと過剰に力んでいる気持ちが少しだけ抑えられていることが暗示されていました。
●馬の蹄鉄に篭った想い
その後、ミーティングルームで武内Pを含めたアイドルみんなで雑談をしていると、蘭子が持ってきた「馬の蹄鉄」のドアノブ飾りの話になります。
ドアは「他の部屋=他の人の心」に繋がるものです。蘭子はそのドアノブに幸運のお守りである馬の蹄鉄を飾りました。みんなに蘭子のことを知ってもらえますように、みんなの心の扉を開けますように、そんな蘭子の想いを密かに篭めて・・・・。
だから、馬の蹄鉄の話をしていくうちに、武内Pに蘭子がホラー系の話が苦手だということを知って貰うことができたのです。
●突き出した手は・・・・
そこで武内Pは、蘭子ともう一度ソロCDについて話をしようとします。
一方、蘭子も武内Pを「プロデューサー」と呼ぼうと、想いを伝えるために描いた絵を見せようとするのですが、右手を前に突き出しながら、
「プロ、プロ、プロ、プロ・・・・プロヴァンスの風!・・・・なーはっはっはー!」
と逆にすれ違いを大きくしたまま立ち去ってしまいます。でも、突き出した手は武内Pを拒絶するためではなく、
『武内Pに掴んでもらうために差し出した手なのです』
しかし、武内Pはそれがわからず、蘭子に何度も話しかけますが、その度に蘭子は
プロレタリア文学、プロローグ、プロポーズ、プロフェッショナル
とすれ違いを繰り返し、
「プロ、プロ・・・・プリン・・・・」
遂にはこう言うと、高笑いをすることもできず、トボトボと歩いていくのでした。
●凛達が開いた扉
そんな二人を見かねて、凛が武内Pの部屋にやってきます。そして蘭子に避けられていると言う武内Pに、
「蘭子、別に避けてないよ。言葉とかの前に、もっと、蘭子に近づいてみたら?・・・・その方が、良いと思う・・・・」
と解決への道を示します。
部屋に入った時に、凛が開け放した扉が、武内Pの心を「外=蘭子や他のアイドル達」に繋げたことを演出していました。
●ハンバーグの意味
そして武内Pが蘭子についてアイドル達に聞いていると、
「あ!みくと同じでハンバーグが大好きで・・・・」
みくがこんなことを話します。
ハンバーグの語源は、ドイツの(城塞)都市ハンブルクで「ブルク=城(塞都市)」です。
蘭子のユニット名「ROSEN『BURG』 ENGEL(薔薇の城の天使)」にもその言葉が入っています。
「うわ〜何か私達のお城って感じする〜」
そしてCパートの未央のこの台詞のように、これまでも繰り返し言われているように「城=346プロ」のことです。
よって、みくと蘭子(と武内P)が大好きなハンバーグには、346プロが大好きって意味も篭められている・・・・と思いますw
●今こそ覚醒の刻!
そして日も西に陰る頃、蘭子と武内Pは敷地内の噴水の傍でもう一度話をします。
何度も話しかけてくれた武内Pや、アドバイスをくれたかな子達のおかげで、蘭子の心の力みも大分弱くなっていることが演出されていました。
「日差しが少し強すぎま」
でも、それでも強い夏の太陽を受け、武内Pがこう漏らすと、蘭子は持っていた日傘をそっと差し出します。
「素敵な傘ですね。こういった物にも、神崎さんの拘りが感じられます」
それを受け取った武内Pは、こう言いながら、自分と蘭子にその日傘を差し掛けます。そして、穏やかな影が二人を優しく覆ったのでした=蘭子の心の力みが更に解けたのでした。
その後、蘭子がかな子に貰ったマーブルチョコを武内Pに渡したり、武内Pが休日のすごし方や好きな音楽を聞いてきて、まるでお見合いのようだったり、ハンバーグの話をしたりw
更に、そんな二人を凛達が見守り・・・・遂に蘭子は「プロデューサー!」と武内Pにノートを差し出すことができたのです。
そして、心地よい闇が世界を閉じようとした刹那、光と闇が交差する彼方の地平に、純白の翼がはばたきます。その福音が約束の刻を刻む中、
「今こそ魂を共鳴させる刻。魔力は満ち、闇の眷属たる刻は終わりを告げ、かつて無垢なる翼は黒く染まり、封じられし十二の翼は、ひとたび道を誤れば、やがて真の魔王への覚醒が・・・・っ!」
蘭子は溢れ出る想いを瞳に注ぎ、満ちる魔力に覚醒の刻を迎えます。
「・・・・翼・・・・堕天使のような、元は聖なる存在、ということでしょうか・・・・でしたら」
そして復活したその黒き翼が、武内Pを捕らえていた幾千万の神結界を破り、遂に武内Pの封印されし魔王の記憶を呼び醒ますのでした!(熊本弁)
といったところで、
アイドルマスター シンデレラガールズ
第9話「"Sweet" is a magical word to make you happy!」
に続きますw
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