【冴えない彼女の育てかた 6話】倫也が詩羽をサークルに誘った理由、倫也が恵一筋だと言える理由【感想・考察】


冴えない彼女の育てかた #6「二人の夜の選択肢」

今までどうして倫也が喧嘩別れをしたっぽい詩羽を敢えてサークルに誘ったのか、その意図がわかりませんでした。でも、今回やっとその意図がわかったので、本編を追いながらそこら辺を話していきたいと思います。

●詩羽と町田の関係は?

OP明けて、(倫也からの)着信を知らせるスマホを無視する詩羽に、担当編集の町田苑子が絡みます。

この時、線路からフェンス越しに、夕暮れの薄暗い沿道を歩く二人が映されます。二人はほとんど黒いシルエットになっていて、電柱やバス停の標識柱を通り過ぎる度、その影に隠れます。

まず、フェンスや電柱や標識柱は「視線を遮るもの=心の壁」の演出です。更に二人は黒いシルエットになっていて、本心を隠していることが演出されていました。

まあ、詩羽が倫也への思いを偽って、心の壁で心を閉ざしている演出なのは良いのですが、問題は町田にもこの演出がかかっていることです。

4話で、詩羽のデビュー作・恋するメトロノームがヒットしたのは倫也のせい、って話がありました。不死川書店はほとんど何もしてくれなかったとも。

だから上記の演出は、町田のその負い目と二人のわだかまりの演出に見えてしまいます。微妙にそこら辺のトラブルフラグが立っていたり・・・・?

●詩羽が可愛い!

そのシーンの最後で、側の線路を電車が通り過ぎていきます。その騒音が詩羽のざわめく心に連動しているかのようでした。

更に「電車=詩羽のざわめく心」が巻き起こした風に連れ去られ、詩羽の漆黒の髪が宙で震えていました。揺れるその心を映し出すかのように。

「別に話すことなんてありませんから・・・・興味ないし」

詩羽はこんな風にうそぶいたけれど・・・・。

同じ頃、倫也は詩羽と待ち合わせをしたファミレスで、前もそこで詩羽と話したことを思い出していました。

机の向かいで、眠そうに机に突っ伏している詩羽に、

「三巻の引きが鬼畜すぎるんだよ。どうなるの四巻!?」

倫也がこう言う時、側に寄せられた二人のコーヒーカップが横から大写しになります。中の熱く苦いコーヒーが見えない、展示食器と間違えそうなアングルで。

そしてその奥で、詩羽の右手がぶるぶると震えていました。倫也に否定されたらどうしようという熱く苦いコーヒーのような気持ちを必死に隠そうとしながら、手を振るわせる詩羽。

更に顔を伏せながらも呼吸が速くなっていたり、詩羽がいじらしくて可愛かったですw

●秘めた熱く苦い思い

ただ、問題はこのコーヒーカップの演出が倫也にもかかってるんですよね。そしてこれは倫也の回想です。つまり、倫也はそんな詩羽の仕草に気づいていました。

更に、倫也が自分の思いをまくし立てるように話し、平静を装う詩羽がそれを聞いていた奥で、店の窓越しに電車が行き交っていました。

詩羽から倫也に向かう電車が一番奥で、倫也から詩羽に向かう電車がその前で、その更に前に店の窓がありました・・・・。

電車は「人を運ぶもの=思いを運ぶ」演出で、その騒音はさざめく心の演出です。そして窓は「透明でも確かに店の内と外を区切るもの=心の壁」の演出でした。

まあ、詩羽のは倫也に惹かれその意見を聞きたいという本心を隠している演出、それで良いんです。

問題は、倫也も心をさざめかせ、熱く苦い思いを隠しながら、こんなハイテンションを『装っている』ことです。

だから、この時点でもう倫也は気づいていました。詩羽の作品なのに倫也に展開を決めて欲しいと思う、詩羽の淡い恋心に隠れた弱い心に。作家としての矜持を投げ出しかけているその弱さに・・・・。

●心が雪に閉ざされた日

そして倫也が回想から戻ると、同じファミレスの同じアングルで倫也から詩羽に向かう電車だけが通りすぎていきました。もうその先に詩羽は座ってなかったけれど・・・・。

夜になり詩羽と町田がホテルに向かおうとすると雨が降り出します。でも詩羽は側の建物に入ることもなく「雨に濡れながら=涙に濡れながら」かつて倫也に恋するメトロノームの最終巻の草稿を見せようとした日のことを思い返します。

冷たい雪が降っていた冬の日、草稿を見て欲しいと言う詩羽の申し出を倫也は断りました。二人の奥を行き交う電車がそれに合わせて交差し通りすぎていきます。二人の思いがすれ違っていることを演出していました。

詩羽はそれでも「どうして?」と食い下がります。悲しげに倫也を見上げる画に、倫也に依存しそうになっている弱い思いが演出されていました。

「そんなの、大ファンだからに決まってんだろ!」

でも倫也は、歯を食いしばり搾り出すようにそれを拒絶したのでした。

そして倫也は、詩羽を見る目に吹きつける雪が、その視界を覆って、狭まる視界の中で詩羽が離れていくような錯覚に捕われます。詩羽との間に冷たい雪の壁(=心の壁)ができてしまった=詩羽の心が離れていってしまったと感じた倫也の心が演出されていました。

そんなことを思い返し、夜の公園で雨(=涙)に濡れながら

「もう半年も前のことなのに・・・・」

倫也はこう呟くのでした。

●倫也が詩羽をサークルに誘った理由

よって倫也はかつて詩羽の「一緒に小説を書いて欲しい」という願いを断っていました。倫也は単なるいちファンで、詩羽はクリエイターで、オタクの矜持がそれを許さなかったから。

でも倫也がクリエイターになれば、同じクリエイターとして詩羽とゲームを作ることができます。かつて断ってしまった詩羽の願いを叶えることができます。本当は詩羽の力になってあげたかった倫也の後悔を塗り替えることができます。

だから『倫也は詩羽と二人で望みながら潰えてしまった創作をやり直すために、詩羽をサークルに誘った』のです。

「また、なんだ。また答えをくれないのね・・・・倫理君」

なのに5話で詩羽にこの台詞を言わせてしまい、倫也は今度こそ答えを出したいと強く思いました。

だからこそ、オタクやクリエイターなどのしがらみのない、いつも自然体でいる(ように見えた)恵とすごせばその答えがわかるかもしれないと、倫也はデートに出かけたのです。

よって、出かける前にもう恵には負け犬フラグ立っていました・・・・まあ、ヒロイン全員に負け犬フラグが立ってるんですけどw

●復縁フラグ!

話を戻して、でも駅のホームで電車を待ちながら、倫也は俯きもう諦めかけていました。今度こそ一緒にゲームを作ろうと思っていたのに・・・・。

なのに電車を待つ人々の喧騒が、急行の到着を告げるアナウンスが、ホームに入ってくる急行の駆動音が、何故だか耳から離れません。電車に乗って別の場所に踏み出そうとする人々の鼓動=新たな一歩を踏み出しかけている倫也の心、を演出していました。

更に入ってきた急行の乗車口の両脇で、扉が開くのを待つ人々の列の奥で、その扉が開きます。人々の列が両脇を固める道の先が拓けた=問題解決への道が拓けた、演出でした。

そして倫也は思い出します、詩羽の最終巻を読むのを断ったあの日、

「最終巻楽しみにしててね・・・・さよなら、倫理君」

と言い残し詩羽が入っていったホテルの名前を。

倫也は気づいてないでしょうが、詩羽は「倫也君」とは言いませんでした。詩羽よりオタクの矜持を選んだ面だけは恨んでしまったけど、サイン会で心から詩羽を褒めてくれて、折れかけていた心を元気づけてくれた、夢を再び追いかけさせてくれた、そんな倫也への思いに別れを告げるなんてできる訳がなかったから・・・・。

0話レビューでは「倫理君」は負け犬フラグかも?と書きましたが、実は復縁(の可能性を示す)フラグでしたw

●無駄な抵抗w

そんな風に倫也と喧嘩別れをしてしまった日のことを思い返しながら、詩羽はホテルの一室で町田の話を聞き流していました。

溶けかけた氷が浮かぶジュースをストローでかき混ぜながら=わだかまりが溶けかけている心をかき混ぜながら=本当は倫也と仲直りしたいと思いながら。

そんな時、詩羽はホテルの玄関で雨でずぶ濡れになりながら息を切らせる倫也を見つけてしまいます。詩羽は慌てて倫也を自室に連れてきてシャワーを浴びさせます。

詩羽の心の中=ホテルの中、あの日閉ざした心の暗示を持つホテルの中に。

でも詩羽は倫也をバスルームに放り込むと、部屋から出てそっとドア=心の扉を閉ざします。必死に意地を張ろうとしますが、倫也はもう部屋の中=心の奥に入ってしまっていて、無駄な抵抗をする可愛い詩羽が演出されていましたw

そんな詩羽の心を見透かして、その部屋に一緒に泊まるはずだった町田は、別の部屋を取り立ち去ってしまいます。最後に親指を立て詩羽を応援して。

●倫也の心に忍び込む

(おそらく)詩羽に会うことができた安堵と体が温もったことで、倫也は風呂から出てソファに座ると眠ってしまいます。

よって表の演出では、詩羽は町田と別れてちょっと迷ったけどすぐに意を決し部屋に入ったように見えました。でも、詩羽はずっと決心がつかず部屋の前で右往左往してました。そして詩羽がやっと意を決し部屋に入った時には、倫也は既に寝ていました。だから詩羽はこっそりシャワーを浴びていて、その物音で倫也が目を覚ましたのです。

この時、倫也を部屋に入れるまでは「部屋=詩羽の心」の暗示でした。でも倫也を部屋に連れ込んで詩羽が部屋を出ただことで「部屋=倫也の心」の暗示に変化しました。

だから油断して寝る倫也の心に、(意図的ではないにしろ)詩羽がこっそり忍び込んでいたのです。

それに気づき、倫也は慌てて部屋を出ようとしますが、バスルームから出てきた詩羽が・・・・

「淡い恋心」の演出であるパステル調の画で倫也を呼び止め、胸元を強調し、甘い吐息を漏らし、その色香に倫也は完全に逃走の機会を失うのでした。

・・・・っていうかこの時点で理性を保っている倫也がマジで倫理君ですよw

●バスローブの意味

あと、このシーンで二人は「バスローブ姿=制服でない=特別な暗示の篭った姿」になっています。

よって、詩羽は「バスローブ=プライベート姿=倫也への恋心&クリエイター」で、普段は抑えている、最終巻を見るのを断られた日に閉ざしたはずの恋心が溢れ出しそうになっていることの暗示です。

だから倫也も「バスローブ=恵への恋心&クリエイター」です。

まず、翌朝、倫也は(おそらく詩羽に)上半身を裸にされていて、その後詩羽に

「(前略)(クリエイターとして)一緒に血反吐を吐きましょう」

と言われバスローブを着直すことができました。

よって「バスローブ=クリエイター」の暗示です。

だからやっぱり倫也はクリエイターではありません。詩羽達に支えられてやっとその真似事ができているだけなのです。

しかし、バスローブの意味はそれだけではありませんでした!

詩羽は倫也の「バスローブ=恵への恋心」を脱がせて、既成事実の写メを撮りました。今は寝ている間のだまし討ちでしかそれができませんが、でも確かに

『詩羽は写メの瞬間だけ倫也から恵への思いを剥ぎ取ることができました』

詩羽は6話にしてはじめて勝利フラグを掴むことができたのです。バスローブにはそんな重大な意味が篭められていました。

●詩羽の家庭環境

そしてどうしてきたのか問う詩羽に、倫也は詩羽の母に居場所を聞いたと答え、詩羽は

「信頼あるもの私」

と返します。

でもその時の二人は「鏡に映った虚像=偽りの姿=心を偽っている姿」で映され、嘘を吐いているか裏に含みがあることが演出されていました。

ここで倫也が本当に電話していたら、上で書いた駅の演出と矛盾します。では、倫也はどうしてそんな嘘を吐いたのでしょう?

その答えは「信頼あるもの私」という詩羽の嘘に詰まっている・・・・気がします。

よって、詩羽は親に信頼されていませんし、してもいません。だから親子仲が良くなくて、信頼ではなく放置されています。

そして倫也はそのことを知っていて、詩羽がホテルにいた=まだ家に帰ってなかったことから、遠回りに気を回し、詩羽もそれがわかった上で敢えてしらを切ったのです。

・・・・多分w

「学年トップだし、問題起こしたことないし、親に逆らったことないし」
「良くも悪くも友達いそうにないし?」

だからこの会話の時、倫也はずっと浮かない顔で俯いていました。

「そうね。だから今のこんな状況を見たら、卒倒するかも」

そして詩羽もこう言いながら倫也の肩にもたれ掛かりますが、恋心だけでなく、家族関係も友達関係も乏しい寂しさから倫也に救いを求めているのだと思います。

そんな状況に居た堪れず、倫也は詩羽の次回作に話を逸らそうとします。鏡に映る虚像が偽りの言葉をまくしたてる画で。

「今は私のことはいいから」
「・・・・あぃ」

でもそんな気持ちを見透かし微妙に圧が篭った詩羽の言葉に、倫也は弱々しく観念するしかありませんでした。

●すがりたい気持ち

そして終電を逃してまでここにきたのは詩羽と話をするためだと言う倫也に、

「ホント、バカなんだから」

詩羽がこう言う時、少しだけ視線と顔を上げている詩羽の横顔が映されます。地味で弱い演出のはずなのですが、今回何箇所かあるこの画が印象に残ります。隠そうとしてるのに漏れ出してしまっている倫也にすがりたい気持ちが伝わってきて・・・・。

●ご褒美

「先輩、俺を、俺を男に・・・・じゃなかった、クリエイターにして下さい!」

そして良い雰囲気になったところで、倫也がこんな言い間違いをしてご褒美を貰ったりw

恵には「俺を男にしてくれ」と言い切れたのに・・・・。

倫理君の倫理が崩壊しかけたのを理性で捻じ伏せたのか、単なるいい間違いなのか、非常に悩ましいところです・・・・。

●前世と日常

そして倫也が待ったをかけていた詩羽のプロットの問題点について話し出すのですが・・・・最初はほとんど恵とののろけ話でしたw

また、詩羽のプロットの「前世の因縁ルート=詩羽ルート」、「日常を取り戻すルート=恵ルート」です。だから詩羽は倫也が恵より詩羽を選ぶという自分の願望をプロットに投影していました。

でも話を進めるうちに、それを見透かしていた倫也は、

「生まれる前の記憶に縛られて、過去の自分だけを救うのが本当に巡璃の求めた未来なのかよ!今まで生きてきた楽しい思い出捨てちまって、ホントにユーザーみんなが喜ぶと思ってるのかよ!」

こう言って詩羽に厳しく自分の思いをぶつけます。

「俺、加藤と、『なんのしがらみもない普通の女の子』と、『普通に遊ぶ』のが楽しかった」

更に、倫也が言ったこの台詞が詩羽に追い討ちをかけます。上で書いたように、二人はクリエイターといちファンというしがらみに捕われ一度破局していたから。

「じゃあ今までのお話はなかったことにするの?過去に拘るなんて下らないって、貴方はそう言うの?」

でも、悲しそうにこう言う詩羽に、倫也はどっちも取る!なんて二股宣言をするのでしたw

・・・・いや「バスローブの暗示=倫也は一途に恵を思っているから、それを脱がさないと写メが撮れない」がなければ、ちょっとマッスルな兄貴達に裏路地に連れ込んで貰うところでしたよw

●愛人タイプ?

そんな訳で、和解した二人は深夜までプロットを練り直して、翌日倫也が寝ている間に詩羽が写メを撮って、起きた倫也に

「やっぱり貴方とものを作るのは楽しい」

なんてことを言ったり。お菓"子作り"とかですかね?ちょっとダブルクォーテの場所を間違えちゃった気もしますがw

「クリエイターの世界へようこそ」

更に詩羽はこんなことを言いながら手を差し出します。倫也から遠く離れた場所で。クリエイターの世界が倫也からどれだけ遠い世界かが演出されていました。

そしてこっそり撮った「二人の朝なう(ハート)」の写メを倫也に送り、詩羽はご機嫌で出かけていくのでしたw

因みに、これって多分倫也にしか送ってない気がします。いちいち自分が一番にならないと気がすまない英梨々と違って、詩羽は密かに掘りを埋めていく愛人タイプだからw

4話の会話にはそんな伏線が篭められていた・・・・かもw

●恵が感情を表せた理由

また、Cパートで、倫也がモールから立ち去ったあと、恵達を尾行していた英梨々が、偶然を装い恵に話しかけていました。恵はすぐ英梨々が何をしてたのか察していましたがw

そして英梨々は、倫也に置き去りにされた恵を見てにやけながら表情スケッチを進めます。恵の怒りがその表情にしっかり出ていたから。

でも、もし倫也に置き去りにされただけなら、恵は中途半端な表情しかできなかったと思います。倫也に置き去りにされ、そんなところを英梨々に笑われたから、やっと恵も表情を作ることができたのです。

だって4〜5話レビューで書いたように、恵にとって英梨々達も大切な友達だったから。はじめてできた、怒りを覚えるほど親密になれた友達だったから・・・・。

だから恵は怒りながらもどこか嬉しい気持ちを感じていたのだと思います。

といったところで、

冴えない彼女の育てかた #7「敵か味方か新キャラか」

に続くと良いな・・・・w


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2015年03月23日 19:34 by 元会長
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Excerpt: 第10話 思い出とテコ入れのメロディ 公式サイトから倫也、英梨々、詩羽、恵の4人がゲームでのお風呂遭遇イベントについて、ビデオ通話をしていた夜。 夏コミでの出来事からモチベーションの上がっている英梨々..
Weblog: ぬる〜くまったりと
Tracked: 2015-03-23 23:08


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