冒頭、原作者・野亀からの三女最終話のリテイクに頭を抱えるナベP達。
一方、まだそれを知らない木下監督はご機嫌でアフレコ終了の打ち上げを満喫してました。(多分)あおいからの着信でスマホが鳴り続けているとわかっていたのに。
10話でも木下監督は本田からの電話に気づかないまま飲み続けていました。
「あれ、本田君から着信が十二件入ってる。何かあったのかな?」
「いつまで経っても戻ってこないからです」
そしてあおいとこんな会話を交わし寝てしまいますが、もしあおいが何も言わなかったら監督は本田に電話していたでしょうか?
僕はしていたと思います。1〜5話レビューで書いたように、監督と本田の間には確かな絆があったので。
でも今回、あおいからの着信だとわかって監督はスマホに出ませんでした。もう、監督との絆すらほころびはじめていたことが演出されていました。
だから、あおいは女性スタッフに監督をだまして連れ出させ、監督を強引にムサニに連れて帰ったのです。
翌日、ナベPと葛城Pが夜鷹書房に掛け合いにいきますが原作者に会わせてすら貰えず話になりませんでした。
●16話再び
ムサニに帰り、ナベPはあおいと監督に最終回リテイクのことを伝え、あおいのストレスが一気に膨らみます。そして、あおいのストレスの暗示であるミムジー&ロロが墜落する演出が入るのでした。。
だからこの時点で16話レビューで書いたような状況になり、あおいは投げやりに仕事し、こんな状況なのに全く危機感を抱かず、以降全く活躍しません。
(今回あおいが映されるシーンの視点が引き気味で、周りに雑多な物が少なく、広々として圧迫感がない=危機感を抱いていない、ことが演出されていました)
そして監督や舞茸、りーちゃん(今井みどり)達と会議をしても良い案は出ず、監督は屋上でどう終わらせるか苦悩します。
一方、制作室に戻ったあおいは、平岡から三女原作者・野亀の前作が酷いアニメ化だったことを聞かされます。
その後、2回目の会議を開いても良い案は出ず、行き詰っているところに丸川社長がやってきて、監督を激励するのでした。
●フラグ・・・・?
「書いてきて貰って申し訳ないけど、やっぱり希望を持った終わり方にしたい」
あと、2回目の会議で監督がこんなことを言ってたり、今回とにかく三女の最終回をハッピーエンドに!って強調されてるんですよね・・・・。
お前を守る→守れない
お前を殺す→殺せない
なんか微妙にこんなフラグに見えるんですけど・・・・まさか次回、本編24話をバッドエンドにする気じゃないですよね・・・・?
●救世主登場?
話を戻して、そんなところに本田が差し入れのケーキを持ってやってきます。そして本田が監督室を訪れると、
「俺は見た目はこんなだけど、心はげっそりだよ・・・・」
監督はこんな弱音を吐き出します。相手が本田だったから監督も心を開いて話したのです・・・・。
「こういう時のことを何て言うんだっけ?そうだ、万策ー」
「尽きてません!」
でも本田は、更に弱音を吐こうとした監督を遮り、きっぱりこう言い切ります。
更に"木下監督様へ"と書かれた特大のモンブランを監督に差し出し、監督のテンションを一気に上げます。
でも、それでも解決策が見つからず、
「でも万策・・・・」
「尽きてません!あれだけ万策尽きた僕が断言するんです!間違いありません!」
と、心が折れそうになる監督を、本田は力の限り励ましました。
更に監督のメール資料の中から原作者・野亀のメールアドレスを見つけ、監督は野亀に直接アポイントを取ることができたのでした。
・・・・本当はこれって全部あおいの仕事で、全部あおいでもできていたはずのことだったのに・・・・。
●本田復帰フラグ?
さて、ここでちょっと気になることがあります。まず、本田がムサニにきすぎじゃないでしょうか?
もし本当にケーキ屋が思ってた通りの職場だったら、転職一年目のこの時期、もっとケーキ屋に専念しないでしょうか?
更に、仕事が終わってから夕方〜夜にくるならまだしも、いつも昼にやってきています。でも、あおい達が昼を食べてないので、昼休みとも考えにくいです。
「何かアニメの仕事って不思議だよね。離れてる時間が長くなるほど戻りたくなっちゃう」
「戻ってきた奴はみんな同じこと言うな」
また、19話では矢野と平岡がこんな会話をしていました。
何より、気になるのは本田の激痩せです。17話レビューでは「本田の差し入れたケーキ=アニメに対する夢・情熱」と書きました。
そして本田は新しい夢を見つけたから、アニメへの夢を捨てたのだと思っていました。でも、なら超ロンゲになるとか(笑)、とにかく何かが増えてないと辻褄が合いません。現状の本田はアニメへの夢を失いしぼんだだけです・・・・。
何より、太ったキャラはそれだけで「幸せ、ゆるい、夢」みたいな演出効果を持つのです。「貧乏、神経質、不安」の演出効果を持つガリガリのキャラと比べれば良くわかると思います。
しかも、今回のモンブランを食べる監督や、これまでのから揚げを食べる監督とかが「食べ物≒体重≒太さ」を更にポジティブな演出に押し上げています。
これらより、そんなものを失った本田の演出意図を総合的に考えると・・・・本田がムサニに復帰するんじゃないかな〜って気がするんですよね。次回もう最終回なのに・・・・。
じゃあ何でそんなことになるのか?というと勿論今回のラストシーンがあんな感じだったからで・・・・。
●ナベPですら・・・・
話を戻して、野亀とのアポの日、監督は丸川社長から渡された勝負服を着て、あおいが運転してきた車から夜鷹書房の前に颯爽と降り立ちます。
でも、そこであおいは監督に声援を送るだけでした。
三女の最終話作業が止まっていても、12話までの作業があるだろうし、制作だって暇じゃないはずです。なのにわざわざきているなら、もっとできることがあったはずです・・・・ナベPですら(一発で偽物とわかる)入館証を用意していたのに・・・・。
●監督と野亀
そして監督は夜鷹の編集達を吹き飛ばし、野亀との約束の会議室に辿り着きます。
そこで監督は野亀と、長い会議机の長辺の方の両端に座って向き合います。心の距離の遠さが演出されていました。また部屋の薄暗さが二人の疑心暗鬼、不信感を演出していました。
でも話し合ううちに、二人は席を立ち、机の脇を互いに歩み寄り、机の真ん中で向き合う頃には、窓から眩い光が差し込んでいました。二人の心の距離が縮まり、不信感が晴れたことが演出されていました。
そして二人の話し合いで、ありあが再び飛べるようになるための新キャラ・ルーシーが生まれるのです。
●あおいとありあ
「ありあが自分自身で飛ぶ意味を見つけられないと駄目なんですね」
「その通りです」
「夢や希望と無縁で、孤高なありあが飛ぶ意味・・・・」
「その何もないところがありあの抱える問題でもある訳で・・・・」
「ありあに、夢や希望が生まれれば良いのかもしれませんね」
「もしくはそれを与えられる存在」
そして監督と野亀がルーシーを生み出す切っ掛けになった会話がこれです。
一方、21話レビューで書いたように、
『あおいはクリエイターになるのが夢でしたが、才能がなくその夢を諦め制作になりました』
だから、"夢がないから適性のあるパイロットをしている"ありあとは根本的に立場が違うのです。
『適性がないから夢を諦めて制作をしているあおいが、ありあに自分を重ねられる訳がないんです』
だから、ルーシーにリンクすることになるずかちゃん(坂木しずか)も、あおいにとっては全く別の意味を持っていました・・・・。
よって、21話レビューで書いたように、あおいがありあに自分を重ねたかのように見えた20話ラストが、あんな不穏な演出だったのです。
●あおいの本当の気持ち
話を戻して、原作者・野亀と和解したことで、三女の制作が順調に進んでいきます。
そんな中、あおいも立ち会っていた三女最終回のリテイクアフレコで、しずかがルーシー役としてやってきます。
22話レビューで書いたように、やっぱり前回の酒飲みシーンは飲んでる当人達にとってはポジティブな演出でした・・・・そしてあおいにとってはやっぱりネガティブな演出でした・・・・。
話を戻して、初仕事を終え晴れ晴れと笑うしずかを見て、あおいは涙が止まらなくなり、台本で顔を隠しながら、縮こまって一人で泣き続けてしまいます。
「顔≒表情≒心」の暗示で、あおいは涙ではなく心を隠していたから・・・・しずかには絶対そんな心を知られたくなかったから・・・・。
18話で、ありあの初アフレコをやりとげた鈴木を見て涙ぐんだあおいと比べれば、この演出意図は一目瞭然です。
こっちを真っ直ぐ向いて笑いかけてくれる人の何と晴れがましいことでしょう。仮にその顔が涙でぐちゃぐちゃだったとしてもそのポジティブな印象は全く揺らがないでしょう。
一方、今回のあおいをしずか視点で見たときの画を想像してみて下さい。うずくまるように縮こまり、顔を台本で隠し、その表情が一切見えないのです。感極まってしずかを祝福してくれているようになんてとても見えません。
今回そのシーンを斜め下から映した顔も、感極まってというより、悲しくて泣いているように見えました。だって、これで
『アニメ同好会の五人の中で、夢を叶えられていないのは、あおい一人になってしまったから』
よって、このシーンこそが今回のサブタイ「続・ちゃぶだい返し」を受けているシーンなのです。
●あおいのルーシーは誰?
だからこれ、次回あおいがムサニに出てこられるのかな〜?みたいな・・・・。
そしてあおいがリタイアなんてことになったら、本田の復帰がいよいよ現実味を帯びてくる訳で・・・・。
更に、そんな本田があおいのルーシーにもなり得る・・・・気がするんです。
だって、本田は本当の夢であるケーキ屋になったはずなのに、制作に戻ってくるのです。
本当になりたいものが別にあると思っていたのに、実際ケーキ屋になってみたら制作こそが自分のやりたい仕事だったとわかって・・・・。
「やりたい夢があるならやってみるしかないよ。僕はそれで本当にやりたいものがわかったからね」
だから本田にこんなことを言われ、あおいが動画とかとして一から出直したり・・・・でもCパートで、何年か後に結局制作に復帰して・・・・みたいな?
といったところで、いよいよ最終回
SHIROBAKO 24話「遠すぎた納品」
に続きますw
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ずかちゃん視点で考えると確かに、あの場面は正面からおいちゃんと笑い合えたら最高だったでしょうね。その前においちゃんの涙腺が決壊しちゃいましたが(^^;)
でも、おいちゃんが涙ぐんで顔を伏せるまでの一連の動きも見た上でずかちゃんは笑顔になっていたので、自分はあのシーンからネガティブな印象は受けませんでした。この印象は改めて観直してみても変わりません。
元会長さんも以前おっしゃられた通り解釈は人それぞれですし、この点はあまり掘り下げるつもりはありません…余計なコメントでしたら申し訳ありません;
(↑の点に全く触れずにコメントをするのは据わりが悪かったので;;前置きだと思って読み流して下さい^^;)
本題ここからです(^^)
確かに今回の23話、起死回生の最終話リテイク回避までの流れの中でおいちゃんが徹底して蚊帳の外だったのは気になりました。
デスクなのに…主人公なのに…(^^;)
監督が(檜山さんの熱血ボイスも相まってw)完全に主人公の活躍でしたし、その後押しをするのも社長だったり本田さんだったりで、おいちゃんに特に役割が与えられなかったのは次回最終話への何らかの布石なんでしょうか。やっぱり…
一体どんな最終話になるのか…全く想像がつきませんが、希望のあるラストに期待したいです(サブタイトル的にはその点ビミョーですが^^;;)
本田さん復帰してくれたら、嬉しいし頼もしいですね〜(^^)
おいちゃんに成長の余地を残したまま終わるのであれば、それはそれで続編フラグにもなりますしw
これまでの傾向からすると、最終回もあおいがちょっと体調を崩し数日休み、本田がその間だけヘルプに入って、表面上はなんとか収まるみたいな展開も十分予想されます。
だからあおいが泣いた演出はもう表の意味で取っておいた方が幸せなのかな〜と思わなくもなかったりw
僕としては表がハッピーエンドなのに、裏がバッドエンドって展開だけは止めて欲しいところです・・・・。
表がバッドエンドなのに裏がハッピーエンドとかだと(個人的には)嬉しいですがw
あおいは16話がああだったので、今回もこんな感じでしょうね。表立って文句を言わず波風立てない替わりに、心の中では仕事を投げ出しているタイプなので・・・・。
最終回がどうなるのかは読めませんね・・・・本田もここまで関わってくるからには単なるお助けキャラじゃないとは思うんですが・・・・w
こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。