【幸腹グラフィティ11話】遂に改札から踏み出したリョウ!きりんの嫉妬?【感想・考察】


幸腹グラフィティ じゅうひとしなめ 「ジャキジャキ、ずるるっ。」『シャクッ、テリツヤー〜。』

さて、1話ではご飯の美味しさすらわからなくなっていたリョウが、きりんや椎名達に出会い、夜の闇の中で眠っていた心をちょっとずつ揺り起こしてきました。

そして5話レビューで書いたように、流し素麺のあの日から本格的にリョウの心が目覚めはじめます。

更に前回は、リョウから動いて内木ユキと友達にまでなれました。ずっと作りたかった友達を作れた喜びや自信がリョウの心に芽吹き、夕日=きりん達の温かい心を浴び、静かにリョウの心で脈打ちはじめます。その鼓動が小鳥達のさえずりに重なっているようでした。リョウの表層意識はまだそれを認識できてはいなかったけれど・・・・前回のラストはこんな意味が篭められていました。

そして今回、リョウの心を覆っていた長い夜が朝の薄日に溶けて、遂に目覚めの時を迎えます。

今回はそんな幸せの兆しが詰まったはじまりの回でしたw

●サブタイの意味

だから今回のサブタイが「じゅう『ひと』しなめ」で、次回が「じゅう『に』しなめ」なのです。

1話「ひとしなめ」
2話「ふたしなめ」
・・・・

と続いてきた、夜に眠るリョウの心のラストエピソードだから"じゅういちしなめ"ではなく、

「じゅう『ひと』しなめ」

で、次回が"じゅうふたしなめ"ではなく

「じゅう『に』しなめ」

なのです。

サブタイのナンバリングにはそんな意味が篭められていました。

●怪物の正体

だから冒頭、リョウは吸血鬼の姿をしていました。夜明けを待ちきれず、寂しさが怪物となってリョウの心の中で暴れはじめていたから。

OP明けて、リョウの夢の中に現れた怪物も吸血鬼と同様の暗示です。本の山を崩して現れたのは、(受験)勉強しなければという言い訳ではもう押さえ込めなくなっている、リョウの寂しさの演出です。

きりん達のおかげで、やっとリョウの心にも感情が戻りかけ、それが溢れそうになっていました。

夢から覚めたリョウは空腹に腹を鳴らし、その音が夢に現れた怪物の声だったんだと苦笑します。

でも本当は、"腹の音=飢え≒愛に飢えた心"がリョウの心で暴れはじめていたのです。

●小ネタ

目を覚ましたリョウがテレビを点けると、受験生の娘に母親が夜食を持ってくるドラマをしていました。「娘=きりん母」、「母親=椎名」の中の人の兼ね役です、多分w

●心を偽るリョウ

(良いな〜お母さんに夜食作って貰えるの。私の両親は海外にいますし、無理ですかね〜。
(腹の音)
・・・・うーん、心と体が別々に反応してます)

そのドラマを見ながらリョウはこんな独白をして、その後おにぎりを作ります。寂しくないと必死に自分に言い聞かせながら。

寂しいと自覚しているのに、懸命にその思いを押さえ込もうとしているリョウが演出されていました。

●リョウの心の変化

だから、そんなところに宅配便がやってくると、リョウは「お母さんかも!?」と玄関に駆け出します。

そしてその週末、リョウはやってきたきりんに、ニコニコ顔で得意げに、両親から送られてきたダンボールを見せました。

そこできりんがダンボールを開けてみると、中には日本のインスタントラーメンが詰め込まれていて、

「(前略)って、単なる天然?・・・・そういえば、前も日本のお米、送ってくれたんだっけ?」

きりんは、外国からわざわざ日本にそんな物を送ってきたリョウの両親にこう突っ込みます。

また、続く台詞より、3話で両親からリョウに送られてきた米は、きりんに得意げに見せていないことがわかります。3話でもそんなシーンはありませんでしたし。

更に、3話で宅配便がきた時、リョウは特に何も思わずゆっくり歩いて玄関に向かいました。3話ではまだ寂しさの夜に心が眠ってしまい、自分が寂しいことすら認識できていなかったから。

でも今は、きりんや椎名達のおかげで寂しさを自覚できるほど心の夜明けに近づいている、両親の贈り物にここまで喜ぶのはその裏返しだと、そんなリョウの変化が演出されていました。

●夜食の意味

そんなダンボールの中のラーメンの山を見て、きりんは夕飯に食べようと言いますが、

「いえ、夕飯じゃダメです。受験生足すラーメンと言えば、夜食と相場が決まっているんです!」

リョウはこう言ってラーメンの入ったダンボールを抱え上げました。

夜の闇に覆われたリョウの心の中で、怪物=寂しさが(愛に)飢えて暴れていたから。

だからその後、リョウときりんがこたつで一緒に受験勉強をはじめても、リョウは食べ物のことで頭が一杯でしたw

そんな様子のおかしいリョウを見て、きりんは寂しい?と問いかけますが、

「ちょっとだけ・・・・でも今はもう、前より寂しいとか感じませんし」

リョウはこんな嘘を重ねるのでした。

●ご馳走に震える瞳

そんなことを話しながら勉強を続ける二人ですが、深夜0時を回ったところで夜食を作ろうという話になります。

でもリョウのテンションがおかしいままで、きりんは一人で二人の夜食を作ると言い出します。

それを聞いてリョウは、きりんを見ながらも顔をのけ反らせ瞳を震わせます。天を仰ぎ恍惚となっているような気持ちが漏れ出していました。

寂しさの夜が作り出した愛に飢えた怪物にとって、愛の篭った夜食は最高のご馳走だったから。

●料理に篭めたきりんの思い

だからリョウは、きりんに夜食を任せると、こたつに戻り鼻歌を歌いご機嫌で勉強をはじめます。

「リョウ、本当にご両親のこと、大好きなんだよな〜」

でも、きりんがそんなリョウを見ながらこう呟く時、立ち並ぶ柱越しにきりんが映されます。視線を遮る柱は心を遮る心の壁の演出です。きりんではリョウの寂しさを埋めてあげられない、そんな寂しさと嫉妬が演出されていました。

「よ〜し、今日は頑張って母の味、再現しちゃうぞ!って、ああ〜、私のお母さん野菜炒めくらいしか美味しくないや」

だからきりんは自分を奮い立たせようとこう言って、その直後に瞳を潤ませます。そんなことを言っても、リョウと違って母親の愛に包まれている自分を再確認できたから。

だから自分の幸せとリョウの不憫さが両方際だって、きりんは調理中や、完成したラーメンを持って

「リョウにとっての母の味、壊さないように頑張ろ」
「できた〜!(中略)私にしては会心のでき!」

こう言う時、食材を見てなかったり、カメラ目線で宙を見上げたりします。

これは1〜3話レビューでも書いたように、別のところを見ている=きりんは本来の目的、栄養補給のための食事を作っていない=リョウに少しでも寂しさを忘れて貰いたくて、でもリョウの知ってる母の味ではなく、きりんの(母の)味で忘れて貰いたいと思いながら作っていたことの演出です。

●抑えきれない思い

でも、きりんが呼びにいくと、リョウはこたつで寝ていました。更にきりんが起こそうとすると、寝惚けたリョウは、きりんを母親と間違え泣きながら抱きついてしまいます。

ただ、もし10話までに同じような状況になっていてもリョウは寝惚けなかったと思います。寂しすぎて心が眠ってしまっていたから。

でも、今までは寂しすぎて眠っていた怪物が、きりん達の優しさに触れ、その眠りが浅くなり、寂しさを自覚し暴れだして、リョウはもうそれを抑えられなくなっているのです。

●洗われる心

そして慌てて言い訳をするリョウの話を聞き流し、きりんはやっぱり自分ではリョウの寂しさを埋められないんだ、とちょっと沈んでしまいます。

でも、二人でラーメンを食べ、

「ん〜、美味しすぎて、話す内容忘れちゃいそうです」
(・・・・凄い威力!?)

満面の笑顔になったリョウを見て、きりんは少し報われた気がしました。

だから、ラーメンを食べ終わり、寝惚けたことを謝るリョウに、きりんは

「だって私・・・・リョウの本音が聞けてちょっと嬉しかったもん」

こう言うことができたのです。リョウと正面から向き合えず少し斜めに向いて「・・・・」の間が空いてしまったけれど・・・・。

「全然寂しくない訳じゃないんですが、でも、凄く寂しい訳でもないんです。お母さん達の贈り物を、更にきりんの手で料理して貰えて、今は幸せ一杯なんですよ。これも本音です」

でもリョウにこう言って貰えて、きりんは洗剤が洗い流されるように、心が洗われたと感じた演出が入っていました。

更に、そのあとずっとリョウは洗い物をしていて、水道の音が流れ続けて、きりんとの会話でリョウが自分を見詰め直し、自分で心を洗っていたことが演出されていました。

●険しい道

「いよいよいよいよ、あと一週間で受験本番」

Bパート、リョウのナレーションに合わせて、神社に続く長い階段が映されます。リョウときりんが合格への道のりをそれだけ厳しく感じていることが演出されていました。

でも階段の両脇にはずらっと灯篭が並び、互いに勉強するきりんやリョウが心の支えになっていることも演出されています。

ただ、ここからずっと神社のシーンにはモブがおらず、受験で孤独、心細さを感じているリョウ達の心が演出されていました。
(受験が終わっている椎名もそんな受験気分が抜けていませんでした)

●遂に自分から動き出したリョウ

そしてリョウ、きりん、椎名の三人は一緒に神社にお参りしますが、そこで椎名が推薦入試に合格したとリョウ達に報告します。

それを聞いてリョウは椎名に抱きついて

「おめでとうございます!良かったですね、ずっとひた向きに頑張ってましたもんね、ホントにホントにお疲れ様です!」

と祝福の言葉で椎名を労います。

一方きりんは水臭いと椎名に不満の声を上げますが、

「きりん、こういう時は素直に気持ちを伝えるものですよ」

リョウがこう言ってその場を収めます。

それから、三人はお守りなどの合格グッズを買いにいき、きりんとリョウは大量にそれらを買い込みます。

そこでリョウはお守りの一つを「合格祝いにどうぞ」と椎名に渡しました。

でも、今までのリョウだったら椎名に抱きつかなかったし、こんなことも言わず、お守りも(椎名から欲しいと言われない限り)あげなかったはずです。

「おめでとうございます。ずっとひた向きに頑張ってましたもんね」
「きりん、おめでたい日なんだから細かいことはいいじゃないですか」

だから上記の台詞も多分こんな感じだったと思います。

7話レビューで少し書きましたが、リョウは自分からは決して人に近づいていかない(祖母を亡くし臆病になった)野良猫だったから。

でも、きりんや椎名のおかげで少しずつ心の夜が明けていき、遂にリョウも自分から深く相手に踏み込めるようになった、そんな心の変化が演出されていました。

●きりんの友達は・・・・

なので、リョウが大丈夫になると、今度はきりんが気になるんですよね。

最近は身軽になりましたが、きりんは「大荷物=心の重荷」を背負ってリョウに会いにきていたように見えました。

ネガティブなことばかり書きたくないので、抱えきれない(美術への)夢を持ってきていたと、都合良くスルーしてましたけどw

更に前回、きりんは予備校で友達ができないと嘆いていました。でも、地元に友達がいればそんなに悩むことでもないでしょう。むしろ毎週末予備校にきてたら、地元の友達と疎遠になることの方が問題にならないでしょうか?

だから、きりんは地元に友達がいなくて、友達を作りたくて予備校に通いだした、そんな気がするのです。

1〜3話レビューでちょっとだけ「きりんのハイレベルぼっち」疑惑を書いて放置してましたけど、予備校できりんがリョウ達以外に話しかけるシーンが一回もないし、ずっと(自省を暗示する)青色の制服だし、ぼっちの演出が色々あったんですよね・・・・。

でも、きりんから歩み寄ったからリョウはここまで回復することができた訳だし、今回椎名に露子に支えられていたことを気づかせたのもきりんです。

だから三人が互いに良い影響を及ぼし合って、少しずつ前進している・・・・と良いなw

●信じるのは己の力のみ

あと、椎名は神社で「大金持ちになれますように」と祈りました。

「大金持ちという言葉の裏には(中略)うんぬんかんぬん」

そしてリョウ達にその理由を投げやりにこう話します。

また、お守りなどを大量に買い込んだきりん達を見て、少し呆れ顔になり「森野さんも十分強欲だよね」と漏らします。

「椎名はもう高校受かってるんだから、代わりに祈ったり、応援とかしてくれたって」
「私、そういうの良くないと思う。
(中略)
ただ、受験って自分一人の力で戦うものでしょ。神様にもそうだけど、他人に頼る前に自分で頑張らないと」

更に、椎名はこう言うきりんに淡々とこう返しました。

よって椎名はかなりの現実主義者です。お守りなど神のご利益を全く信じていません。今回神社にきたのも完全にリョウ達につき合ってのことでした。

・・・・でも逆に言えばそんな椎名が、意味ないと思いながらも、リョウ達のお参りにつき合っているんですよねw

●カツサンドの思い

そして色々言いつつ、三人で椎名が持ってきた露子のカツサンドを一緒に食べることになります。

ここで幸せ一杯に食べる三人のリアクションに驚くモブが二人現れます。これは露子の応援の篭ったカツサンドを三人一緒に食べたことで、入試試験は一人で戦うしかないという三人の孤独が和らいだことの演出です。

だから椎名も、露子のカツサンドのおかげで入試の時、一人で戦うプレッシャーが薄れていたんだと、自分も支えて貰っていたんだと、気づくことができました。

「二人とも・・・・私、受験から抜け切れてなくて、頭固くなってた。試験前に嫌なこと言って、ごめん」

だからカツサンドを食べ終わると、椎名はリョウときりんにこう謝ったのです。

試験当日、リョウときりんがリョウのアパートの階段を下りるところが、立ち並ぶ柱越しに映されます。

視線を遮るもの≒障害≒試験は互いに助けられないし助けても貰えないという心の壁が、どうしても心に居座っていることが演出されていました。

でも、駅で待っていた椎名がカツサンドを渡してくれたことで、(椎名らしからぬ行動に震えた二人が抱き合って)リョウ達は互いに寄り添い、一緒に受験するんだと思うことができました。

そして「応援なんて意味なくない?」と言っていた椎名も、二人が歩いていった方を向きながら、ずっと「がんばれ」と念じ続けたのです。きりんや露子、リョウにその力を教えて貰ったから・・・・。

●はじめて一歩を踏み出したリョウ

何より、今まできりん達を出迎えたり見送るだけで、一度も改札から踏み出さなかったリョウが、遂に改札を通り、新たな世界に踏み出したのです!

1話からずっと温め続けられていた演出が、遂に日の目を見たのです!

・・・・なのですが、いつかこの演出を入れるとは思ってましたが、随分とあっさり終わってしまいましたw

もう少し派手にカタルシスのある感じになると思ってたのですが・・・・次回が高校入学なら、それが凄いことになるから敢えて抑えたとか?なんて12話のハードルを上げたところでw、

幸腹グラフィティ じゅうにしなめ 「しみしみ、むぎゅ。」

に続きますw


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2015年03月26日 22:02 by 元会長
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幸腹グラフィティ TBS(3/19)#11
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Tracked: 2015-03-26 22:51


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