さて、いよいよ最終回。表ではハッピーエンドの流れでしたが、裏ではノーマルエンドでした。流石にバッドエンドではありませんでしたが、23話レビューで書いたフラグ、
「主人公が挫折したままで最終回を迎えることになりますね」
「究極のバッドエンドだな」
例えばこのりーちゃん(今井みどり)とナベPの会話などが回収されてしまいましたw
(正確には、挫折したまま→挫折を乗り越える途中で、といった感じですが)
でも、どうして1話のサブタイ「明日に向かって、えくそだすっ!」から
"クリエイターになる夢に挫折し、制作にえくそだすっ!したあおい"
なんてネガティブなものを描き続けてきたのでしょう?・・・・それは、
『それでもアニメを作りたい!』
という主題をより強烈に描くためです。
だから一周まわって裏の裏、トゥルールートはハッピーエンドでしたw
今はまだその途中、経過点にすぎません。そして仮にあおいがずっと「どうして制作をしているのか?」の答えを見つけられなかったとしても、きっとあおいは制作をし続けます。理由を言葉にできなくても、あおいの胸には
『それでもアニメを作りたい!』
という答え、輝く思いが最初から刻み込まれているのだから・・・・。
そんな訳で、以降は気楽に今回のノーマルエンドっぷりを追っていきたいと思いますw
●前回までの補考その一
なのですが、今回あおいがほとんど落ち込んでないので、まずは前回ラストで泣き崩れたあおいの解釈を修正しておきます。
今まで僕は、あおいは未だに「私だって本気でクリエイターを目指せばもしかしたら・・・・」って未練が残っているのだと思っていました。覚悟を決められず短大に流され、まだクリエイターになりたいという夢に本気でぶつかっていないのだと。
でも、絵麻との差に自分の才能のなさを痛感したからなのか、それとも別の理由なのか、詳細はわかりませんが、とにかくあおいの中に"クリエイターになれるかも"なんて希望は一切残っていません。
そうでないなら、まだクリエイターを諦めきれていなかったら、流石にアニメ同好会であおいだけがクリエイターになれず取り残された前回のラストで、心が折れないはずがないからです。
だからあおいは、僕が思っていたよりひとステップ先に進んでいました。
『あおいは、なりたかったクリエイターへの道が完全に絶たれたという絶望の上で、それでもアニメの仕事がしたい!とムサニに制作として入社していたのです』
よって、前回のラストで泣いたあおいは、自分だけ取り残された絶望八割、しずかを祝う気持ち二割くらいだと思っていたのですが、絶望三割、祝い七割くらいな感じだったと思います。
●前回までの補考その二
では「あおいはクリエイターになりたかった」という前提が間違っているのではないか?とも思ったのですが・・・・
あおいが「何がやりたいのかわからないだけ」なら、もう20話のラストで
「私にはやりたいことなんてない。これから見つけられるかどうかもわからない。でも、みんながやりたいことがあるなら・・・・それを、援護することはできる」
ありあのこの台詞が答えになっていたはずです。
「アニメを作ることが好きだし、アニメを作る人が好きだから・・・・私、これからもずっとアニメを作り続けたい」
これは今回のあおいの台詞ですが、クリエイターにこだわらずとにかくアニメを作るのが好きなだけなら、この台詞に裏がないなら、今更再確認するまでもなく、20話で答えが出ていました。
夢がなく適性があるってだけでパイロットをしていたありあが、みんなを援護するという意義を見つけた。
夢がわからないまま制作になったら適性があってデスクになったあおいが、みんなを援護するという制作の意義を見つけた。
あおいが「何がやりたいのかわからないだけ」なら、この時点であおいとありあは完全に重なっています。
なのにあの台本は没になりました。作中のキャラが台詞で否定するなんてレベルではなく、物語の流れで台本が否定され、それが(あおいの)答えではなかったと明示されているのです。
●前回までの補考その三
更に前回、本田が監督を奮起させ野亀とアポを取りつけました。制作デスクならそこで自分の不甲斐なさと本田のファインプレーに号泣すべきだった箇所で、あおいは全然反応しませんでした。なのにあおいは、クリエイターとして報われたしずかを見て号泣してしまいます。
あおいが「何をしたいかわからないだけ」なら、23話の本田を見て流石に制作の意義を実感できたはずです。万策尽きたと思われたあの絶望的な状況を覆したのは、間違いなく本田の、制作の力なのだから。
更に更に、今回平岡が自発的に佐藤の仕事をフォローしました。これも間違いなく21話で平岡とぶつかったあおいの、人の輪を作る制作の力です。
なのにあおいは、これらのことを踏まえてなお、制作の意義を実感できませんでした。本田よりしずかの方に目がいってしまい、平岡を変えられたことに意義を見い出せないのです。
また、21話レビューなどで書いたように、これら以外にも「あおいの制作への無関心とクリエイターへの羨望」が繰り返し描かれています。
いくらなんでも「何がやりたいのかわからないだけ」では無理があります。
『あおいは明確に"なりたい何か"があって、それはクリエイターへの憧れとなって表れていて、だから"なりたい何か"ではない制作に意義を感じられないのです』
"なりたい何か=クリエイター"かどうかは、最終回を迎えてなお明示されないなんて意地悪をされてますがw
といったところで、今度こそ今回のノーマルエンドっぷりを追っていきたいと思いますw
●あおいと社長の信頼感
「(前略)あと三週間。みなさんの力を、どうか貸して下さい!」
冒頭、あおいは朝礼で集まった社員をこう鼓吹します。
でも、この時あおいを見る社員の中に眼鏡をかけているキャラが何人もいましたが、木下監督の眼鏡だけ光を反射し目が見えません。
これは木下監督のあおいに対する心の壁の演出です。前回、デスクの役割を果たしてくれたのは本田で、あおいは全く動いてません。その他にも、あおいは監督を騙すように車で連行したりしていて、それらに対する監督の不信感が演出されていました。だから、あおいの呼びかけに監督は応えてないと思います。
それは監督だけでなく、あおいの呼びかけに応えた時の社員達の声と、このあと丸川社長の激励に応える社員達の声の大きさや勢いを比べれば、あおいへの信頼感がどの程度なのかは押して知るべしです。
でも、21話レビューで書いた21話のラストと比べると、それでもあおいは自分への返事、信頼を受け止めることができました。
21話ラストではあおいの激励に応えた佐藤と安藤の二人の返事すらあおいは受け止められていなかったから・・・・。
なので、前進といえば前進ですが、23話レビューで書いたように、仕事を完全に放り投げていたあおいが、ルーシーを演じたしずかを見て、祝いたいと思いながらも凹んで、一時的に気合が入っただけ、って感じだと思います。
前回で答えが出ていれば、今回ロロに殴られることもなかったし、後述するその他諸々の演出がああはなってなかったはずなので。
●人形の意味
サブタイキャッチが明けて、あおいが佐藤と安藤と打ち合わせをするシーンで、あおいと一緒にまどかっぽい人形(笑)が映されます。
ミムジー&ロロと同じく、人形は(スケジュールに)操られている、動かされているストレスの暗示です。あおいが仕事を放り投げるのを止め、緊張感=ストレスを取り戻したことが演出されていました。
●絵麻の追い討ち
その後、着々と作業を進める各部署が映されます。
そんな中、制作のあおい達と原画達で担当カットを決めていると、絵麻がルーシーのカットをやりたいと申し出ます。
あおいは、そんな絵麻をただ呆然と見詰めることしかできませんでした。21話であおいはザ・ボーン社長の伊波にしずかを紹介しようとしましたが、しずかにそれを止められていました。
人の輪を作るはずのあおいがなんの力にもなれなかったのに、絵麻はしずかのために渾身のカットを描いてあげられるんです。
それ以前に、あおいは7〜8話で猫のリテイクに悩む絵麻を助けられませんでした。絵麻にあおいの「最終目標」は何かと聞かれて答えることができなかったから。
だから22話で絵麻に作監補佐の話を持っていった次のシーンで、あおいが一番に気にしたのは絵麻のことではなく、
「もし絵麻が断ったら小笠原さんにもう少し・・・・」
というスケジュールのことでした。7話で一度絵麻に拒絶されているので仕方ないといえばそうなのですが、あおいは絵麻のためではなく、スケジュール、目先のことを考えて話してました。もう絵麻の力にはなれないと諦めていたから。だから、絵麻の心も動かなかったのです。
でも、なんとか力になろうとした7話のあおいを拒絶したのに、しずかが絵麻のために演じた訳でもないのに、絵麻は自発的にルーシーのカットを描こうとしているのです。
あおいがクリエイターではなくて、しずかがクリエイターだから?その切なさ、寂しさを思えばあんな顔になってしまうのも当然でしょう。
まあ、あおいに芯がないから、絵麻の悩みを解決できなかったといえばそれまでなんですが・・・・。
だから逆に、レジェンド杉江や井口は絵麻を助けられたし、あおいの支えにもなることができたのですが・・・・これについてはまたあとで。
しかし、ネガティブな演出があればあるほど、それでも折れなかったあおいの「それでもアニメが作りたい!」って思いが引き立つとわかってるから気楽に書けますけど、そうでなかったら僕の豆腐メンタルが砕け散ってますよ、ホントw
・・・・15話くらいでこの主題をはっきり臭わせてくれていれば、レビュー書くのが楽だったのになぁ・・・・w
●それなのにミムジー&ロロ
その後色々あって、制作室で佐藤が原画・田之倉に電話しますが連絡がつきません。でも、それを聞いた平岡が
「(前略)知り合いに原画アップいつか聞いてみようか?」
と言ってくれました。
21話であおいが真剣にぶつかったから平岡が応えてくれているのです。あおいのやってきた仕事の成果、制作の意義を実感できる場面のはずです。
なのにあおいと一緒に映されたのは、まどかの人形ですらなく、ミムジー&ロロでした。あおいは田之倉=クリエイターが逃げたという、クリエイターとの溝を感じるばかりで、平岡が応えてくれたことに、制作の意義に全く目が向きませんでした・・・・。
「あ・・・・ありがとうございます」
だからあおいは、言葉を詰まらせ意外そうにこう言うのがやっとだったのです。
●動き出す流れ
その頃、みーちゃん(藤堂 美沙)はスマホでりーちゃんに"引き込み脚"の資料について話していました。
一方、電話を受けたりーちゃんは、絵麻、杉江、久乃木と牛を描く参考にと牧場にきていました。
頼れる大先輩、慕ってくれる後輩、高校の同好会からの後輩と仕事をしながら、絵麻は新しい時が流れ出したことを感じていました。絵麻の髪を揺らす"風=新しい空気の到来"はその演出です。
そして絵麻はムサニに戻り、そよ風の吹く坂を駆け登り、ありあに話しかけるルーシーの線画カットをイメージし描きはじめます。
線画は着色やエフェクトを入れる前、一番最初の工程、動きはじめた新しい流れの演出です。更にその中でルーシーとありあが、"風=新しい空気の到来"を受け髪を宙になびかせます。そしてルーシーが"坂=困難"に屈せず、それを駆け登っていくのです。
五人でアニメを作るという同好会の頃からの夢が動き出したと感じている、絵麻の期待に揺れ走り出さずにはいられない心が演出されていました。
ただ、坂の上にいるのは、無表情なありあ=あおいで、その挫折を友達にも話せない不器用な子なのです。
だからこれは、線画の中だけでなく、絵麻が、ルーシー=ずかちゃんが(そしてりーちゃんやみーちゃんが)、あおいに駆け寄り手を差し伸べる暗示・・・・だと信じたいです。
いやホント、二期ではあおいにもう少し優しくしてあげて下さいw
●井口と杉江だけが・・・・
それから色々あって、遂に三女最終話が完成し、あおいがスマホでそれをムサニに知らせます。それを聞いて制作室は歓声に包まれます。
そんな中、井口が安藤から電話を受け取って、
「みゃーもり〜、お疲れ様〜。色々支えてくれてありがとね〜」
「いえ、こちらこそ。ご迷惑かけて済みませんでした」
と言ってくれたのです。
だから、あおいは顔を赤らめ、少しだけ上を向いてこう言うことができました。あおいの制作の仕事に関する中で、一番の笑顔だったと思います。
井口のこの言葉のおかげで、あおいは
『はじめて制作の意義を実感することができました』
そして、きっと、これがロロのパンチに繋がったのです。
ただ、本当は遥か前に、12話でレジェンド杉江が、
「それより、ありがとう宮森さん。宮森さんが仕事を振ってくれなければ、僕はムサニのお荷物で終わるところだった。
・・・・今風の絵が描けないだなんて言って、孤高の職人を気取ってたんだね。自分にもまだやれることがあるんだとわかって、とても嬉しいんだよ・・・・ありがとう」
と言ってくれていました。
やっと"えくそだすっ!"の山を越え、杉江のことは菅野の助言のおかげで、アンデスチャッキーのことも入り混じって、あおいはそれを自分の成果だとは、その喜びが制作の意義なのだとは、気づくことができなかったけれど・・・・。
でも、クリエイターの中ではじめて、杉江だけがあおいの仕事に感謝の言葉を述べ、その意義を教えてくれていたのです。
だから、あおいが気づいてなくても、今まで頑張ってこられたのは、この言葉によるところが大きかったのだと思います。流石レジェンド、しっかりとキーポイントを押さえていましたw
●まさかのナベP
一方、あおい、矢野、興津、ナベP、葛城P、代理店(EDクレジットよりw)は、各テレビ局に三女最終話のオンエアテープを持っていくことになります。
・・・・中の人からEDクレジットを逆引きしたので合ってるとは思いますが、キャラ名に笑ってしまいましたw
あと、一人だけ息を切らせて遅れる葛城Pのキャラが無駄に立っていて面白かったですw
でも、それだけじゃなくて、この配送シーンには各キャラの性格描写が詰まっていました。
まず葛城Pは、電車、暗雲の中の飛行機、渡り廊下で転ぶ、と、あまり良い暗示ではありません。でも転びながらも「渡り廊下=人を繋ぐ架け橋」を自力で渡りきっているので、Pの仕事は一応果たしていると言えます。
一方、自分でバイクや車を運転し、自分で道を選択しているナベPと興津は明確な目的を持って、自分の意思で働き方を選んでいました。
まさかのナベPですよ・・・・まあ、仕事を取ってくることだけに注力して、あとは丸投げの道を選んでるのはむしろマイナス評価な気もしますがw
●矢野の道
次に矢野は、決められたレールの上を走る電車、新幹線、小刻みな波に心を揺らすフェリーを経て、最後は自分の足で"きつい階段=困難"を駆け登ります。
だから、最後だけはかなりポジティブなんですが、二期っていうか、三女が終わった段階で、デスクを受けるかどうかって言われると・・・・
最後の階段の演出を信じて、今度はお父さんの病気に立ち向かっていくと信じたいです・・・・。
●あおいの道
問題はあおいなんですよね・・・・電車、雪で遅れる新幹線、渋滞するタクシー、最後は走ってテレビ局に。
制作の意義を見つけられないせいで、その道は雪に阻まれ、渋滞しなかなか前に進めません。おそらく定刻通りに発着した矢野の新幹線に比べると、かなりネガティブな演出です。
でも、普通に乗り物で移動できるところは乗り物で移動した他の面々と違い、あおいは乗り物が進めなくても、それでも自分で長い距離を走ってテレビ局にまで辿り着きました。
だから、あおいの道のりは誰よりも厳しいのですが、逆にそれでも走って間に合わせるくらい『それでもアニメを作りたい!』という強い思いが、あおいの胸には秘められていました。
また長距離を走ったことで、テレビ局を探す時、その看板、高いテレビ塔の中腹辺りを見ることができました=制作の仕事の意義を見い出せないままだったけど、これまで一生懸命走り続けたから(このあと)少し目線を上げることができたのです。
まだてっぺんを見ることはできないけれど・・・・。
●一応決意はしたけれど・・・・
テープを送り届け、帰りの新幹線の中で一息つこうとするあおいに、ロロが「これからどうしたいのか決まった?」と問いかけます。
でも、表層意識では全然答えが出ておらず、あおいは「これからゆっくり考える」と先延ばしにしようとします。
ロロはそんなあおいを殴りつけ、
「目先のことばかり考えてる時期はもう終わりだよ・・・・そろそろ、少し高いところから遠くを見る時がきたんだよ」
こんな風に諭します。
井口に制作の意義、役に立てたという実感をもう教えて貰ってしまったから・・・・。
今までミムジーの不満を抑える役だった、波風立てないようひよるだけだったロロが、やっと少しだけ前に進む決意を固められたのです。
答えがわからなくても、一生懸命走り続けて、少し目線を上げることができたから。
だから、あおいは
「アニメを作ることが好きだし」
俯いて困り顔でこう言って(裏ありレベル2)
「アニメを作る人が好きだから・・・・」
目線を上げたものの困り顔でこう続け(裏ありレベル1)
「私、これからもずっとアニメを作り続けたい」
最後に意を決して本当の思いを吐き出したのです・・・・あおいのストレスの象徴であるロロに向かって。
現実の自分に対しては勿論、ミムジーとセットにしてすら言うことはできなかったけれど・・・・。
「(クリエイターとして)アニメを作ることが好きだし(そうでなくても制作もアニメを作ってるはずだし)、(どうしても羨んで疎外感を感じてしまうけど)アニメを作る人が好きだから・・・・私、これからもずっとアニメを作り続けたい」
なので本当はこんな感じでしょうか・・・・だから小さな一歩といえばそうなのかもしれませんが、ほとんど踏み出せてないというか、ありあと違って全然挫折を乗り越えられていないというか・・・・。
●お先真っ暗だし、転ぶし・・・・
一方あおいが到着する前に、三女の打ち上げ会場では監督の挨拶がはじまっていました。
照明が消え、監督にだけスポットライトがあたっています。
木下監督は、"えくそだすっ!"で少し評価を戻し、三女も無事作りきったけど、まだ自信が戻らず、
「自分で言うのもなんだけど、三女は凄く良い作品になったと思います・・・・思うよね!?」
周囲にこんなことを問いかけます。更に続く台詞に離婚のショックも滲ませて、お先真っ暗な監督の心が演出されていました。
でも、監督の周りだけは、その心の中だけは「良いアニメを作って褒められたい!」という輝く思いに溢れていました。
そんなところにあおいが到着しますが、
「済みません、遅れまし・・・・」
と言いながら会場に入ろうとして転んでしまいます。
まだ自力ではこの場所に立てない、答えを探して迷っているあおいの心が演出されていました。
更にあおいは監督と同じお先真っ暗な、でも心の中に『それでもアニメを作りたい!』って思いだけは輝いている演出を受け、乾杯の音頭を取ることになるのです・・・・。
「(前略)ほらいけエース」
せめてもの救いは、ナベPが渋るあおいにこう言ってくれたことでしょうか・・・・でも、あおいはクリエイターからの言葉でないと満足できないのがアレなんですよね・・・・。
まあナベPやタローに軽薄に感謝されても、ってのもありますがw
●あおいのスピーチと、その後
ED明けてCパート、あおい達元アニメ同好会の五人はテラスに出ていました。
五席あるテーブルに、絵麻、りーちゃん、みーちゃんの三人が着き、その側の壁にずかちゃんがもたれかかっています。ずかちゃんが席に座るのも遠い話ではないでしょう。
そんな中、あおいは一人だけ離れてホールとの出入り口の段差に腰掛けていました。テーブルはクリエイター席だと思い込み、自分の席はないからと、仕方なくそんなところに座っているのです。本当はテーブルにも制作の、五つ目の席が用意されているのに・・・・。
それに、五人では七福陣のアニメなんてとても作れません。あおいは仕方なく座っていると思ってますが「中のホール=業界の人達」と五人を「繋ぐ出入り口=あおい」はアニメ作りに欠かせないポジションなのです。
「当たり前のことなんですけど、三女に関わってくれた人がこんなに大勢なんだと知って、びっくりしています」
「(前略)そしてその直接的な繋がりだけじゃなくて間接的なこと・・・・過去からとか、別の作品や、会社から受け継がれてきたこともある訳で、それを含めたら何十万人という人、何年、何十年という時間が注ぎ込まれて、見てくれる人の感想や思いも全部合わさって、アニメはできあがっているんだな〜と」
それはあおいのスピーチにも含まれていて、あおいがそれに気づいてない、重要性を実感できてないだけなのです。
あおい達の七福陣のような夢が、沢山の人達のそれぞれの夢が、全部合わさってアニメはできているのだから・・・・。
「私達は」「これからも精一杯」「アニメを作り続けることを」「誓いま」「っす」
だから、あおい達がテラスでこう言うと、手にしたドーナツから伸びた「光=夢」が夜空に輝く無数の星となり「ドーナツ=人の輪」を形作ります。
そして、あおい達の七福陣の宝船が静かに、でも眩い輝きを放ちながら夜空に漕ぎ出していきました。
まだ先が見えなくて夜空だけど、あおいは(それでも)がついてしまうけど、『(それでも)アニメを作りたい!』という五人の思いが、確かに一つになって夜の海に漕ぎ出していったのです・・・・。
といったところで、ノーマルエンドの最終回でしたが、あおいの宝船『それでもアニメを作りたい!』という輝く思いに希望を込めて、SHIROBAKOのレビューを終わりたいと思いますw
スポンサード リンク
スポンサード リンク
。
バッドエンドは回避し、かといってまだ大団円にまでは達せずに続編への含みを十分に残した、素晴らしい「ノーマルエンド」でした(^^)
23話ラストのおいちゃんの涙の解釈について、元会長さんの印象が変化したことは正直嬉しいです。おいちゃんのメンタルに乾杯w
同時に、20話の時点で答えが出ていたのであれば今回のロロのパンチは無かったという指摘はすごく納得です。井口さんの「お疲れ様」と「ありがとう」の言葉は大きかったですよね(^^)
ただ、木下監督がおいちゃんに対して不信感を抱いている…というのはどうなんでしょうか。
本田さんとの黄金コンビと比べればそりゃもう色々と至らない点だらけですし呼吸もピッタリとは行かないのは確かですが、最終話の時点でなお監督に「心の壁」があったとまで考えるのは穿ち過ぎな気がします。
打ち上げ会場でおいちゃんのことを「将来ムサニを背負って立つ」とまで言ってくれた監督の言葉が、ただ挨拶を逃れたいが為だけの適当なおべんちゃらだったということになってしまいますよね…それだと(^^;)
Cパートのおいちゃんの立ち位置に将来へ繋がる暗示が込められていたというのは感動でした♪
クリエイターだけではアニメは作れませんし、大勢の人達の力と才能を結集するにはそれを繋げる役割が必要ということですよね。
続編も(あると信じて)期待したいです(^^)
是非二期もやって欲しいですね〜w
23話のラストはレビューに書いてるような感じで違うな〜と思ったのでちょっと修正しましたw
ただ、木下監督については、一人だけ眼鏡が違うので、何らかの演出意図があるのは確かだと思います。
でも「心の壁」ってのはちょっと書き方が悪かったので、「心の壁(眼鏡)」って感じでしょうかw
あおいが入社二年目にしては頑張ってると監督もわかっていて、文句を言うつもりはないけど、頼りにもならなくて、結局弱音を吐けませんでした。
だからスピーチの時、監督は「それでは『将来』ムサニをしょって立つ」と無意識に言ったんだと思います。今はまだ力不足だと思っていた本心を覗かせながら・・・・。
でも、万策尽きたような状況でなければ、あおいを頼りにもしていて、だから渡りに船と、あおいに助けを求めたんだと思いますw
あと、制作は重要なポジションだと思うのですが、あおいはそれを実感できないんですよね。だから二期では本当の意味でクリエイターの夢と決別して、(それでも)ではなく、
「制作としてアニメを作りたい!」
と言えるようになった、あおいの笑顔が見たいですw
こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
確かに「将来」というフレーズには今後の伸びしろへの期待を含めたニュアンスがありますね。補足ありがとうございます。
改めて、レビューお疲れ様でした!
こちらこそ沢山のコメントを頂きありがとうございます。
ちょっと記事が遅れがちなのですが、春クールになったら「まだ1話だから色々書けなくても仕方ない!」と、えくそだすっ!しつつ頑張ろうとは思っているので、宜しければまたお越し下さいw
「まだ自力ではこの場所に立てない、答えを探して迷っているあおいの心が演出されていました。」というのは、腑に落ちる解釈で良いですね。
表の演出では順調そうなあおいですが、この演出をはじめ裏では色々な問題が演出されているので、あおいが一人で立てるようになる二期を期待したいですw
また、制作会社様繋がりで
【凪のあすから12話】ちさき「言えただけで良いの」は嘘だけど…白い雪が降り積もる【感想】
http://kaityou-osusume.seesaa.net/article/383270285.html
このレビューでも同様の演出について書いているので、宜しければご覧下さい。
こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
(一度ご覧になられていることを前提に)なるべく必要十分な情報をわかり易く書こうとはしてるのですが、ちゃんとできているかと言われるとあまり自信がありません。
()の前提を取って、小説の地の文のように詳細に書いても、今度は視聴済みの方が冗長に感じてしまわれるんじゃないかな〜と言い訳してみたり・・・・。
なので未視聴の方のお役に立てているか怪しいところですが、以前よりご興味をお持ちとのことですし、面白い作品だと思いますので是非ご覧になってみて下さいw
こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。