【響け!ユーフォニアム3話】久美子がユーフォを持ち帰った理由。緑と滝の共通点【感想・考察】


響け!ユーフォニアム #03「はじめてアンサンブル」

さて、今回は希望の持てる良いことも描かれましたが、悪いことの方が大きくて、物語の序盤らしい前途多難な状況が浮かび上がっていました。

●麗奈との問題は・・・・

OP明けて、麗奈が久美子に気楽に声をかけていて、特に中学のことを気にしてないか、逆に根が深すぎて物語終盤でラスボスになるか・・・・とにかく当分は問題なくやっていけそうです。

・・・・未だに久美子の演奏を客観的に評価するキャラが現れなくて、その腕前が明かされない訳ですが・・・・今まで何回も他の部員達を下手だと言ってるし、それに見合う腕は持っている・・・・はずです。

だから麗奈も、久美子の腕=どれだけ練習していたかがわかっているはずで、言葉ですれ違っても演奏でその心は伝わってるよ的な展開を期待したいところですw

●実は体育会系?

でも、その後、久美子はもう必要がないはずなのに、初心者のための腹式呼吸の練習を受けました。どうして麗奈のようにスルーしなかったのでしょう?

色々可能性はありますが、多分

『上級生と衝突したくないから』です。

おそらく久美子も、麗奈のように経験者として本気を出したら、上級生の大半を越える演奏をすることになってしまいます。そして、そんなことをすれば上級生の不興を買ってしまうことを、おそらく中学の時に経験していたのでしょう。

実際、腹式呼吸の練習に(久美子と秀一を除く)十五人もの一年生が参加していました。久美子、麗奈、緑、秀一が経験者なのは確定なので、残り三人。打楽器パートに赤いスカーフの初心者っぽい一年が二人いたので、残り一人。

2話で滝が新入部員二十二人と言っていたので、残り一人が初心者〜経験者と仮定すると、

初心者率=4/22〜5/22=77%〜82%

いくら弱小校とは言えもう少しは経験者がいても良さそうな気がします。だから、久美子達以外にもう何人かは経験者がいて、その何人かも敢えて腹式呼吸の練習に出ていた・・・・はず?

・・・・とすると、勝手なイメージとして吹奏楽部って文化系かと思ってたら、意外と体育会系な部活なような?w

●緑とガチャガチャ

その後、久美子達との下校途中に、緑はコンビニ前に置かれたガチャガチャをしますが、目当ての楽器(コントラバス?)が当たりません。

「ダブってるから一個あげるって子がクラスにいたよ」
「ダメです!自らの手で巡り遭わなければ意味がありません!」

そして葉月の親切もバッサリ切って、緑はこう力説します。

・・・・まあ、緑が目当ての楽器を出した時に真面目にガチャガチャに込められた暗示が何か考えようとは思ってますが・・・・

今のところあまり良い暗示な気がしません。射的とかなら「自らの手で」って言えますけど、ガチャガチャに腕なんて関係ないので・・・・残り僅かでかつその中に当たりがある台を探すとかなら別ですけど、緑はそんなことしてないですし。

敢えて運を天に任せて弱小校の吹部に入っても、当たりが出るまで回し続けるなら、狙って強豪校に入るのと変わらない、努力の方向を間違えてる、みたいな・・・・。

まあ、どうして緑が敢えて弱小校にきたのか?素直に考えると最初に浮かんでくる答えですが、そこまで傲慢なことは考えてないだろうと今のところは思ってますけど・・・・。

●久美子がユーフォを持ち帰った理由

話を戻して、久美子が家に帰り、苦労して運んできた重いユーフォニアムを家の玄関に置くと、姉の麻美子が部屋から出てきます。

そこで二人は話をしますが、久美子は靴を履いたままずっと家に上がれないままでした。

麻美子が「部屋=心」から出てきて話しかけてくれたのに、久美子はそこまで足を踏み出すことができません。

それは1話の時も同様で、麻美子がせっかく久美子の「部屋=心」に踏み込んで話しかけてくれたのに、久美子はそれに応えることができませんでした。

よって、会話の内容的には麻美子が突き放してる(音楽から離れた?)っぽいですが、演出的には真逆で久美子が閉じ籠っているんですよね・・・・。

だから久美子はユーフォを持って帰って、それを見た麻美子が久しぶりに一緒に演奏してみる?なんて声をかけてくれることを期待していた・・・・のだと思います。

・・・・久美子の方から一歩を踏み出す勇気がなかったから・・・・。

●顧問もやる気がない

その後色々あって、吹奏楽部の演奏を聞いた滝は、

「(前略)私の時間を無駄にしないで頂きたい」

と言って音楽室を出ていってしまいます。ここまでなら部員達に発破をかけるために敢えて挑発したとも取れるのですが・・・・

後に麗奈のトランペットを聞いた時、意外そうな顔の滝が分厚く曇った窓ガラス越しに映されます=吹部との間に厚い心の壁があることが演出されていました。

だから2話で部の目標を全国大会に誘導したのも、生徒の自主性うんぬん言ったのも、

『吹奏楽部の指導をしなくて良い口実を作るため』

なのです・・・・多分。

1話レビューで書いたように、滝にも「地獄のオルフェ」の演出が強くかかっているのですが、現時点で滝は地獄を受け入れているようです。

「妻が地獄に連れ去られた=過去に吹奏楽部で何らかの失敗をした」けど、それはもう変えられない過去として見限っていて、だから「地獄に下る=吹奏楽部に関わる」のも下らないと思っている・・・・。

もしくは「妻=吹奏楽部」が自力で地獄から戻ってきたらその時はじめて考える、みたいな・・・・。

だとすると、大半の部員に加え顧問までやる気がない上に、顧問は汚い大人という、かなり詰んだ状況なんですよね・・・・。

●運任せ?

その後色々あって、久美子達は秀一から、当時の三年生と今の二年生が衝突して、やる気のあった二年生達がみんな辞めてしまっていたことを知らされます。

すると前任の顧問はそのせいで飛ばされた可能性が出てきます。そして滝もその事情を聞いていて自衛のためにはじめから距離を取ろうとしている・・・・とか?

でも、滝は1話で神社に参っておみくじを引こうとしました(多分、結局引かずに帰りましたが)。自衛のために自分から距離を取るだけは不安で神頼み、という可能性もありますが、その未来をおみくじで確認というのはちょっと違う気がします。

ほぼ見限っているけど、例えば新入生が粒揃いで本当に全国が狙えるような部になるとか、何かしらの希望を持っていたから、一瞬でもおみくじを引く気になったのです。

そしてそれは、滝が過去に吹奏楽部に関する何かでしてしまった失敗を完全に割り切れてない、未練が残っているということでもあって・・・・なら、麗奈の演奏を聞いて久美子達だけでなく滝の心も少しは変えられた可能性がなくもなかったり・・・・?

あと、滝のおみくじと緑のガチャガチャって運任せ的な要素が似てますよね・・・・今のところの解釈では悪い意味でw

何回も引き直すんじゃなくて、例え凶や外れでも自分達の力でそれを吉や当たりに変えていくのが正解なんじゃないかな〜、みたいな・・・・。

●アンサンブル!

話を戻して、滝に対してどうするべきかパートリーダーが話し合いますが、その結論をまとめることができず、それがまとまるまで練習は休みになってしまいます。

晴香や香織(やあすか)が何とか丸く収めようとしますが、結局三人も事なかれ主義なんじゃないのかなって気がします。あすかはそれでもやる気があるっぽいですが、でも部長になってみんなを引っ張るって決心まではできなかった、みたいな。

でも、そんな事態を打破したいとの思いを乗せた麗奈の演奏を聞いて、久美子と緑と葉月(と晴香と香織と滝)は思いを重ねることができ、はじめてアンサンブル(二人以上での合奏)をすることができたのです。

だから翌日、久美子達は自主的に音楽室で練習の準備をはじめるのでした。そこにあすかや長瀬も現れて・・・・ということで、現状をまとめると、

↑(意欲的)
↑麗奈
↑緑、あすか、葉月、久美子、秀一
↑晴香、香織、後藤、長瀬
↓一応練習してた木管、トロンボーン+α
↓滝、遊んでいたホルン+α
↓(娯楽的)

こんな感じでしょうか。

麗奈だけ一ランク上なのは、今回もみんなの気持ちを繋げるトリガーになってるし、1話では緑や葉月や久美子が三人でも音楽室に自分達から入れなかったのに一人で入部していたし、やっぱり頭一つ抜けてるかなとw

といったところで、4話レビューに続きますw


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2015年04月25日 00:35 by 元会長
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この記事へのコメント
吹奏楽部・合唱部などは、意外と体育会系の雰囲気が強いですね。強豪の場合はジャージでの部活もあるみたいですし上下関係も厳しい。特に吹奏楽部は楽器の重さに耐える、肺活量が必要などで、文科系とは名ばかりの体育会系だともよく耳にします。
吹奏楽部を扱った漫画で「青空エール」という作品がありますが、正統派のスポ根ものに仕上がっていますし。この「ユーフォ」の方は、久美子が必ずしも意欲を前面に押し出さないのが変化球ですね。
Posted by Merci at 2015年04月28日 00:01
Merciさんコメントありがとうございます。

どうして久美子がわざわざ腹式呼吸の練習に出ているのか?から出発して、一応この答えに辿り着いたのですが、今まで勝手に吹奏楽部は文化系だと思っていたので、ちょっと不安でした。

でも、実際に体育会系に近いから、それに沿って演出しているっぽくて安心しましたw

久美子は1話レビューで書いたようにサボテンなので、周囲に働きかけることはできません。でも、望まざる周囲の状況に耐えずっと「栄養=全国出場の夢」を保ち続けている、と今のところは解釈しています。

だから内に秘めた意欲は緑や、もしかしたら麗奈にも並ぶかもしれないと思っています。まあ、それを表に出さないと無気力なのと一緒で、中学の時はそうなってしまっていたっぽいですが・・・・。

でも、その反省を元に変わろうとしている久美子が、高校でどう成長するのか、期待しながら見守りたいと思いますw

こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
Posted by 元会長 at 2015年04月29日 00:11
緑が弱小校の吹部に移ってきた理由のひとつは、放課後のはづきのセリフ「皆で同じ方向を向いて(中略)やる気の無い人達にイライラしながら頑張るなんて」を聞いた彼女が、視線を外して下を向いてしまう描写にも込められてる気がします。強豪校の全国を目指せ雰囲気が、肌に合わなかったのかもしれませんね。
Posted by Takuri at 2015年05月09日 16:33
Takuriさんコメントありがとうございます。

3話時点では、緑(や久美子)の一番の目標は「上手くなること=全国大会出場」だと思っていました。でも、二人とも内向的で自分の目標を他人にまで主張することができず、ご提示頂いたシーンがあんな感じになっているのだと解釈していました。

しかし、5話レビューで書いたように、今は緑や久美子が求めているものはちょっと違うんじゃないかなと思っています。

ただ、その解釈で4話以前の話を再解釈していなかったので見落としていましたが、仰る通り、ご提示頂いたシーンはそんな緑の伏線になっていたと解釈するのが一番しっくりくると思います。

まあ、5話レビューで書いたように、5話はかなり曖昧に色んなことを隠してるので、この解釈が本当に合っているかどうかは微妙に怪しい感じですが・・・・勿論、合っている可能生の方が高いとは思っていますけどw

こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
Posted by 元会長 at 2015年05月10日 01:27
ご返信ありがとうございます。5話は忙しくてまだ観ていませんが、ちょっと違うことを描写するのですか。楽しみですね〜。今後もレビューを楽しみにしています。
私は、昔ユーフォニウムとチューバをやっていたので、この番組には特別に感情移入してしまいますw
Posted by Takuri at 2015年05月12日 01:16
Takuriさんコメントありがとうございます。

僕は音楽の授業で楽器に触ったくらいなので、残念ながら深いところはわかりません。なので、演出などのわかる範囲を書いていけたら良いな〜と思っています。

5話レビューでは、ちょっとだけ知ったかしちゃいましたけどw

こんな感じですが、宜しければまたお越し下さい。
Posted by 元会長 at 2015年05月14日 22:04



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