さて、今回のサブタイトルですが、表の意味ではアイラと若苗ソウタにかかっています。でも、裏というか本当の意味でかかっているのは、ツカサとミチルとザックだったと思います。
●ツカサと家庭環境
「これ、ソウタ君のご両親ですか?」
まず、ツカサがソウタの部屋を訪れ、マーシャにこう言う前後で、ツカサはソウタの家族写真を沈んだ表情で見ています。
また、今回の最後の方でソウタがマーシャに泣きながら抱きつくのをツカサ達が見守るシーンがあります。そこでミチルとザックは「うまく笑えなくて」ではありますが、とりあえず笑顔を作れていました。
でも、ツカサはうまくどころか「笑えなくて」といった固い表情になってしまっています。
そしてツカサは父親のコネで「窓際部署」のターミナルサービスに就職しました。よって、父親がツカサを心配したから手を回したのではなく、半ば厄介払いをする感じで就職させていると思われます。
4話になってもツカサの部屋(実家)が一回も映されない=ツカサの部屋にアイラがやってくるのではなく、アイラの社員寮にツカサが引っ越したのは、そんなツカサの事情を隠すためなのかなと思ってみたり・・・・野郎の部屋なんて誰も興味ないって話もありますがw
だから、ツカサはまだ誰かに愛されたことがなくて、なりたい職業や人生の目標なんてことを考える以前の精神段階なんだと思います。そのため、それらの欲求がごちゃ混ぜになって、
『誰かに愛されたい(仲良くなりたい)』
がただ一つの欲求となっているから、3話ではアイラと打ち解けようとあそこまで無私の
「自分が何者なのかわからなくなっている」
よって、ミチルのこの台詞がそんなツカサの伏線になっていて、芯がなくて無私の道具のように振る舞ってでも他者の愛を求める
『ロボットのような人間』
としてツカサが描かれているのです。
なので、1話レビューがあんな感じになっていた=ニアピンですね!・・・・みたいなw
・・・・まあ、1話レビューのような可能性もまだ残ってるとは思ってますが・・・・ただ、3話であそこまで大っぴらにツカサの性格描写をしたのなら、そんな含みを隠しているというよりは、素直にツカサはそんな性格だと演出していると受け取った方が良いのかなとw
●ミチルとザック
また、1話レビューでミチルとザックには心の壁があると書きましたが、その理由が違っていました。
今回、ミチルはギフティアなどのアンドロイドに育てられた「アンドロイドチルドレン」で、ギフティアの回収に同意しなかったせいで、親代わりだったギフティアを「ワンダラー(人格が破綻したまま徘徊するギフティア)」にしてしまったことが明かされました。
だから、ミチルはギフティアを特別に思うと同時に、常に別れのことを意識して、近づきすぎないよう心に壁を作っています。
そしてザックもそれを察していて、茶化すようにミチルと接しているのです。だから、ザックはミチルがツカサを意識していると思っていて、ミチルが素直になれるよう「ラブラブ新婚生活マニュアル」などのネタで茶化しながらけしかけている、のだと思います。
よって、ミチルとザックが事務所で話す時、いつもつい立てで隔たれた席にいるのも、二人が正面から向き合うシーンがないのもその演出です。
今回の最後の方でミチルとザックが、ソウタがマーシャに泣きながら抱きつくのを見守る時、「うまく笑えなくて」困り顔のような笑顔だったのも同様の演出です。
●OP/ED考察
「動き出した時計の針」
また、OPのこの歌詞のところで、ミチルが(おそらく)父親代わりだったギフティアの形見に手を当てながら、輝くその思い出を噛み締めているのも、同時に厚い石壁がその光の多くを遮っているのも同様です。
あと、OPを見るとアイラが既に一回記憶をなくしているように見えるんですよね、やっぱり・・・・。
まず、OPのはじめで、アイラはニーナ達回収されたギフティアの奥に立っています。だから一度回収されたあと、その先を歩んでいるように見えます。
でも、アイラはその先で未来を見るのではなく、振り返って過去の回収されたギフティア達の方を見ています。そしてニーナ達が消えた後もずっとそっちの方を見続けていて、過去に向かって歩き出します。
だからアイラはずっと、「回収実績ナンバーワン」だったSAI社回収課のギフティアであろうとし続けています。OPの社員証をかけた制服姿のアイラはそんなアイラの表の心の暗示です。
そしてそれがEDの最後の何も入ってない首賭けの社員証に繋がっていて、(今のアイラにとって)SAI社のギフティアだという外側だけが存在意義で、その中に自分(自我)を示すカードは入っていません・・・・。
だから、2話でアイラが自分の社員証を握り締める演出が入っていた訳です・・・・。
一方、OPでマフラーを巻き、厚いコートを着込んだ、凍えている心がアイラの本心です。よって、OP最後でツカサが向き合っていると思っているアイラは上っ面の外面で、アイラも本心を押し込めてSAI社のギフティアであろうとしているのです・・・・。
「寂しさと涙 そっと拭こう」
更に、OPのこの歌詞の直後に真っ暗な部屋の机に放置されたアイラの日記帳が映されます。そして3話ではツカサがそれを借りていて、アイラはもう日記をつけていません。だから、
『日記=闇に沈んでしまった失われた記憶』
に見えてしまいます。
「プラスティックな心が輝きだすよ」
しかも、この歌詞の時には日記帳の側に3話でツカサがアイラにプレゼントしたキーホルダーが追加されていて、どうやってもポジティブな暗示には見えません・・・・。
まあ、OPラストでツカサと向き合うアイラが
2話:ツカサを見ていたのに俯く
3話:俯いたまま
4話:再び顔を上げる
と、どんどん変わっているので、キーホルダーのところもそのうち夜明けの朝日が差し込んできたりすると信じたいところです・・・・。
・・・・逆に、最悪ここのアイラが三人目(二人目?)に変わってしまうなんて可能性もある訳ですが・・・・。
●寿命と耐用年数
「アイラの『寿命』が残り二千時間ってこと」
ただ、2話でヤスタカが"耐用年数"ではなく、こう言ってるのが気になるんですよね。あと1話のエドワードが凄くゆっくり歩いているように演出されていたことと、エドワードの機能を停止させたのがアイラではなくザックだったことも。
「忘れないで覚えていて いつかまた巡り遭える日まで」
つまり、アイラがニーナ達に囁いていたのはこんな感じの言葉で、それはアイラが既に一度回収されているから言えた言葉で・・・・。
でも、エドワードは既に回収されていてアイラと同じく記憶などのソフト面だけでなく、運動能力などのハード面にまで障害が出ていて、OS入れ替えの二度目はない、なんて伏線だったとしたら・・・・
「光が溶けてくその前に 心から願うんだ この瞬間を永遠に忘れないようにと」
EDのラストの夜明けが、眩しすぎて何も見えなくなりそうです(白目)。
●現実逃避・・・・
なので、もういっそ偽回収業者にでも希望を託して・・・・
謎の天才科学者が独自にギフティアの延命技術を確立して、でも商標とかの関係で表立ってはそれができなくて、闇業者として暗躍していた・・・・
なんてハッピーエンドにでもならないかな〜と現実逃避したところで、5話レビューに続きますw
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