#07「ベイン・オブ・サーペント/ザゼン・アンド・ニンジャ」
さて、今回遂にナンシー・リーが登場しましたが、かなり際どい人生を送っていました。もし、ナンシーがヒロイン枠じゃなければ、ホゼのようにすぐサヨナラしていたでしょうw
●ハイライトの演出
まず、ナンシーはハイライトが青色で強調されています。そして1〜3話レビューで書いたように「ハイライト=血」の暗示です。
よって、ナンシーは血生臭い事件を求めてその周辺を嗅ぎ回る、記者かマスコミ関係者だと思われます。
●ホゼは不憫
そんな訳で、ナンシーは「モブも緑も描かれないコンクリートの街=生物の温もりを感じない死の街」を、バイクで独り進んでいきます。
「(前略)スパイごっこじゃ済まない。何度でも言うが君がヘマしたら」
「感謝してるのよ、本当に」
そしてその道すがら、ナンシーは仲間のホゼとこんな会話を交わします。でも、"目は口ほどにものを言う"との言葉から、この時ナンシーの「目=口=心」が隠され、ホゼを体よくあしらっていることが演出されています。
更に、ナンシーは後にコッカトリスから
「ホゼ=サンは、先ほどソウカイヤが確保した」
と言われたのに、ホゼのことを全く気にしません。
仲間(と思っているかどうかも怪しいですが)のことなど省みず、ナンシーが好奇心のまま血生臭い事件を追っていることが演出されていました。
●頭から離れなくて・・・・
また、冒頭では街にちゃんと色がついていますが、Aパートの最後でナンシーがバイクを走らせる街は、セピア調に色褪せています。
これは、血生臭い事件があるかもしれないと思っていた街から、ナンシーの興味が失せている演出です。
一方で、ナンシーはバイクを走らせながら、色鮮やかな赤と黒の装束に身を包んだニンジャスレイヤーの姿を思い浮かべます。
ホゼを犠牲にしてでも追おうとしていた事件より(遥かに危険で血生臭い臭いを感じ?)、ニンジャスレイヤーの姿が頭から離れなくなっていることが演出されていました。
●サブタイトルの意味
更に、聖書の中では、サタンが蛇の姿でエヴァを誑かし、エヴァは好奇心に負けサタンの甘言を聞いてしまいます。
(僕の中二知識からすると、そんな話だったはずですw)
よって、サブタイトルの「ベイン・オブ・サーペント=蛇の猛毒、蛇による破滅」は、そんなナンシーの身を滅ぼしかねない危険な好奇心を指していると思われます。
●ナンシーは・・・・
また、ナンシーはコッカトリスの蛇に容易く噛みつかれ動けなくなりました。更に、ナラクがナンシーを殺すようフジキドに呼びかけることもありません。
よって、ナンシーはニンジャではなく一般人です。だから、ハイライトの演出は、やっぱりニンジャソウルの暗示ではない・・・・気がします。
あと、動けなくなったナンシーに蛇を這わせて、コッカトリス=サンが良い仕事をしてましたw
●試験放送
次に、AパートとBパートの間に、試験放送のような画面と音が挟まれます。試験放送を挟まないといけないくらい、テレビ局や放送形式がガラっと変わる=AパートとBパートが全く別物であることが強調されていました。
●マフラーの意味
そして、Bパートの冒頭、ビルの屋上で瞑想するフジキドのマフラーが何処までも長く伸びています。
これは、「マフラー=迷い、自己嫌悪、心の疲労」の暗示だと思います。
よって、戦いに明け暮れる生活で、フジキドの心は疲弊し切っていました。
「何故貴方はこうも穏やかで、殺気の欠片もないのか・・・・もしや、チャドーを実践しているのでは?」
でも、フジキドがこんな風に感じたスガワラノ・トミヒデと話すことで、少しだけフジキドの心が癒されたのだと思います。
だから、二人が自販機の横で話す時は、フジキドのマフラーが見切れていました。切れてなくなったりはしないけれど、スガワラノと話している間だけ、フジキドはその長さを忘れることができたのです。
「では、オタッシャデー」
また、フジキドが最後にこう言う時、マフラーがほとんど見切れているのも同様の演出です。
なので、EDの最後に長々とマフラーをうねらせるフジキドを見ると、ちょっと切なくなってしまいます・・・・。
●先行きが不穏・・・・?
あと、Bパートの最後が、遠くに雷鳴を聞きいた後、雨が降りしきる真っ暗な画面で〆られます。
雷鳴とか画面をここまで暗くする必要がない気がしますが・・・・ここから歌詞のない大人しめなEDに繋がるので、束の間の休息ができたフジキドの演出と信じたところで、8話レビューに続きますw
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まあ、7話というよりは、9〜10話のおさらいみたいなコメントになってますが・・・・w
という訳で、日本語版の「ワン・ミニット〜」を観た時からずっと英語では「タヌキ」をどう訳すのかな〜と気になっていましたが、普通に「TANUKI」でしたw
なので英語版は
「タヌキとは『タ』を『抜く』という恐るべき暗号を秘めたエンシエント日本語で、古事記にも記されていない極秘中の極秘インシデントである」
なんてナレーションでも入れるのかな〜と思ってみたりw
あと、それに関連して「ワン・ミニット〜」(10話)の最後も観直しましたが、そこでもナンシーがホゼ=サンのことを思い出す時、緑色がかった演出が入っていました。
更に、ナンシーがお茶を飲んだ庵の外には『緑色』の文字列の雨が降っていて、ナンシーの後悔、ホゼへのしがらみが演出されていました。
また、9話でダイダロスに侵入された密室の外も緑色の文字列の雨が降っていたし、コトダマ空間自体がそんな暗示を秘めているのかな〜と思ってみたり・・・・。
悪く解釈すれば人の怨嗟が集まった空間、良く解釈すれば人の思いが宿った空間・・・・みたいな?
次に、後半の「ザゼン・アンド・ニンジャ」の冒頭で、スガワラノ・トミヒデが「HEY」とかではなく「Doomo(ドーモ)」と挨拶していました。
よって、好々爺のモータルっぽく見えて、トミヒデはニンジャソウル(ハイライト)を完全に押さえ込めるほど心の修練を積んだ、禅僧めいたニンジャなのでは? って疑惑が出てきました。
・・・・まあ、疑惑って言うか英語版を観る限りそうとしか思えないというか・・・・w
ラオモトに苦戦するフジキドに助太刀・・・・ってイメージでもないし、トミヒデは二部とかに繋がる重要キャラ・・・・とか?
因みに、「Doomo(ドーモ)」って英語の「Doom(破滅、死)」に似ていて、(ニンスレの世界では)「ドーモ(Doomo)」が訛って「Doom」って単語が出来た・・・・なんて裏設定を妄想してみたりw
あと、1〜3話レビューのコメントで書き忘れてましたが、1話からずっとニンジャの断末魔が「Goodby!」じゃなくて「SA・YO・NA・RA!」なのも面白かったですw
(日本語の発音と違うとかではなく、他が全部英語な中にそこだけ日本語が混じっているという意味で)明らかに胡散臭くて、日本語版よりニンジャの色ものさが際立っていましたw
といったところで、ひとまず英語版の感想を終わりたいと思いますw