さて、今回はサブタイトルをどう解釈するか、ちょっと悩みました。
でも、最終的にサブタイは、カヅキによってツカサと引き離されたアイラが
「もう、パートナーじゃない」
↓
「想像、してみたの・・・・将来、ツカサはどんな風に私のことを思い出すだろう、って。
きっと、冷たくて、寂しくて、悲しい。そんな私だけ。良い思い出なんて、一つも、残ってない気がする。
・・・・そんなの、そんなの、私、嫌だ」
こんな風に本当の気持ちと向き合うことができた、その核になった思いを指しているのだと思います。
●サブタイの意味その二
そしてそれは、三年前にアイラとコンビを解消したカヅキが、
「もう、パートナーじゃない」
↓
「三年前・・・・私は、良かれと思ってコンビを解消した。それが、お前のためだと思ってた。
でも違う。違ったんだよ。そんなの、誰のためにもならねぇんだ。ここでお前がツカサから離れたら、あいつの中には、お前との辛い思い出しか残らねぇ。人ってのはそういうもんだ。後悔して、自分を責め続けるばっかりだ。
・・・・お前はそれで良いのか?」
こんな風にずっと悩み続けて、答えに辿り着くことができた出発点、そして後悔の核となっていた思いでもありました。
でも、カヅキが(アイラと同じように)大切な人から身を引こうとして失敗していたからこそ、その思いを打ち明けたことで、アイラは正解を、自分の本当の願いを選ぶことができたのです。
●カヅキは逃げていただけ
よって、6話レビューで書いた、カヅキがアイラに社員証(カード)を渡した演出は、カヅキが社員証下げ(=アイラの表の思い)ではなく、社員証(=本心)までわかった上で、その背中を押そうとしていた暗示でした。
しかし、7話ではカヅキが「仕事を疎かにするな」とツカサに言っていて、アイラとツカサが深い仲にならないよう牽制しています。
だから、今までカヅキはアイラの「お荷物になりたくない=ギフティアの仕事を全うしたい」という表の思いしかわかっていないと解釈していました。
でも、今回のことを考えると、カヅキはアイラの気持ちがわかっていながら、アイラへの思いから逃げていただけだと解釈する方が自然です。
よって、ツカサがアイラに向き合い告白したことと、9話でヤスタカに"ずっとアイラから逃げている"と指摘されたことで、やっとカヅキもアイラに向き合う覚悟を決めることができたのです。
あとは細かいところを幾つか・・・・。
●シェリーとヤスタカ
カヅキにアイラとのコンビを解消された翌日、ツカサは一課の面々にそのことを相談します。
その流れで、カヅキもかつて社内恋愛をしていたという話になり、ツカサはその詳細をシェリーに尋ねますが、
「言えません、カヅキの名誉のためにも」
シェリーはこう言って固く口を閉ざします・・・・どう考えても「ヤスタカを好きになった=名誉を損なう黒歴史」で、盛大なヤスタカディスになっていましたw
●カフェにて(前半)
その後色々あって、ツカサとコンスタンスがカフェで昼食を共にします。
そこでコンスタンスは、一課のやり方は元々アイラがはじめたもので、カヅキですら最初はついていけなかったと話します。
「ですが、アイラとのコンビを解消した後になって、カヅキは逆にみんなを説得して回ったんです。(中略)それくらいカヅキはアイラのことが大好きなんですよ」
でも、コンスタンスがこう続けるとき、優しく吹き抜ける風に揺られ、木漏れ日が騒ぐ木陰の様子が映されます。
まず、木陰=ツカサの"どうしてアイラとのコンビを解消させたのかわからないカヅキへの不審"の暗示です。そんな不審が"風=コンスタンスの話"によって薄められ、"木漏れ日=カヅキを信じようとする気持ち"がツカサの心を騒がせていることが演出されていました。
●カフェにて(後半)
そしてアイラとカヅキの回収シーンを挟んで、カフェの後半シーンがはじまります。
ここでコンスタンスは、ツカサのおかげでアイラが表情を取り戻していると言い、
「アイラは三年間、誰も寄せつけようとしなかったんです。私達の方から声をかけても、必要最低限のことしか答えてくれませんでしたから。
・・・・カヅキは貴方のことを買っているんです。アイラを任せて良いとも言っていました」
こう続けながら、丁度砂が落ちきった砂時計をひっくり返します。
砂時計の上部分はツカサの心、下部分はアイラ(とカヅキ)の心、流れる砂はツカサがアイラに注いだ思いの暗示です。
だから、それがひっくり返って再び流れはじめるのは、今度はその思いがアイラからツカサに流れはじめる、
『アイラがツカサの思いに応えてくれる』
暗示です。
また、そんなツカサを見てカヅキの心も動き、この後アイラに自分の後悔を打ち明ける(=アイラがツカサへの本当の気持ちに向き合う助けになる)ことの暗示にもなっていました。
だから、アイラは遂に今回のラストで
「貴方のことが、好きです」
とツカサへの本当の思いを告白することができたのです。
といったところで、11話レビューに続きますw
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