さて、いよいよ訪れた最終回。今回、何と言っても気になるのは"最後にツカサと握手したのは誰なのか?"です。そして僕は、
『握手したのはアイラじゃない』
と思っています。なので、どうしてそう言えるのかを詳しく見ていきたいと思います。
●ギフティアは人形じゃない!
まず、OSの入れ替えを肯定してしまうと、ギフティアがもう人間ではなく人形になってしまいます。
「あんた達はあの子のことを消耗品としてしか見てないかもしれないけどね、私にとっちゃ唯一の家族なんだ!」
1話ではチヅがニーナのことをこう言ってOSの入れ替えを拒絶しました。
更に、2話ではマックスをユタカが、12話ではサラをマフィアのボスであるアントニオが、名残惜しそうに見送りました。
また、5〜6話ではツカサが雨で心をずぶ濡れにしながらマーシャを停止させます。更に今回は、アイラを見送ったツカサが、カヅキの前で涙と共に崩れ落ちました。
そしてギフティア達も、ニーナは目から思いを溢れさせ、サラは瞳を潤ませて、アイラは頬に零れてしまった愛惜をツカサとのキスで堰き止めて・・・・みんな思いを遺して旅立って逝きました。
それは不幸にも悲しみの雨に濡れながら最期を迎えてしまったマーシャにしても同じです。
一方、8話のミラベルとミネコは、互いに言葉も視線も交わしません。そしてミラベルは人形遊びに終始し、人形の世界で暮らす人形のお姫様でした。冷たく張りついた表情で立ち並ぶ人形達がそんな状況を暗示していました。
更に、アンディ(オリヴィア)と再開したエルは、
「私、きっと来年は、このカーニバルにくることはないと思うんです・・・・その替わりに、アンディと一緒に何処か別のところに遊びにいきますよ。
アンディとはオリヴィアの思い出を共有するんじゃなくて、これから新しく思い出を作っていきたいですし」
アンディとオリヴィアは別人だと、はっきりこう明言しました。
これらより、人間として接せられたギフティアは、OSを入れ替えて代用できる人形ではなく、もう二度と会えない『人間』なのです。
●モノではなく人として(その1)
「(経費削減のため)本来なら処分するはずだったオリヴィアを、再利用したんですって」
また、8話ではエルがこんなことを言っていました。SAI社がギフティアを人ではなく『モノ』として扱っていることが演出されています。
だから、アンディも回収対象を自分と同じ『モノ』としてしか見ることができませんでした。
また、アイラは三年前からずっと運動機能が低下し続けています。きっと三回かそれ以上OSの入れ替えをしていて、電子的な限界だけでなく、物理的な限界が訪れているから・・・・って以外に理由が思い付きません。
そんな訳で、アイラはSAI社によってずっと観覧車のループに囚われていました。でも今回、ツカサがそんなアイラをモノではなく『人間』として見送ってくれました。そして、アイラをお姫様抱っこで観覧車から連れ出してくれたのです。
●やっと自分を肯定できたアイラ
更に、アイラとツカサが見送る相手へ最後に贈った言葉、
「大切な人と、いつかまた巡り会えますように」
は、少なくともサラに言うまでは気休めでしかありませんでした(ツカサにとっては今も気休めですが・・・・)。そう言えるのは、
「私ね、ターミナルサービスは思い出を引き裂くのが仕事で、決して報われない、感謝される資格もないんだって思ってた」
アイラの最後の手紙にこうあるように、アイラ自身がそんな言葉は気休めで回収対象やオーナーの役に立ててないと思っていたからです。
"すぐに"とかなら別ですが、"いつか"は付けた分だけ不確実性が増します。更に"巡り会う"なんて事象は人の力では制御のしようがありません、まさに神頼みの気休めです。
だから、ツカサにその言葉を言われた時、アイラは「うん」と答えながらも、ツカサではなく虚空を見て、熱い涙を一筋溢れさせてしまうのです。
「それなのに、私にありがとうって言ってくれる人が結構いて不思議だったんだけど、いざ自分が最期を迎えることになった時に、ようやく、わかった気がする。
だって、第一ターミナルサービスのみんなは、泣きたくなるくらい優しくて素敵な人達なので。一生懸命、私に向き合ってくれるので、自然と感謝の言葉がでちゃうの。そんなみんなと一緒にここで働けて良かった」
でも、三年前の事件を切っ掛けに、カヅキの尽力で一課はギフティア(回収対象、及びマークスマン)にも『人間』と同じように接するようになります。それは回収を控えたアイラに対しても同様でした。
それにより、(個人ではずっとそうしてきた)自分もちゃんと回収対象の力になれていたのだと、アイラはやっと実感することができました。
そして、12話でアイラが最後の言葉をかけた時、サラが
「貴方も」
と返してくれたことで、今まで「ありがとう」と言ってくれたギフティア達もそうだったのだと、より強く感じることができたのです。
しかも、アイラもギフティアで回収対象達と同じ境遇です。だから、回収対象は素直にアイラに自分を重ね、心残りを何割かアイラと分かつことができたのだと思います。
何より、もう次に大切な人と巡り会うことはできません。でも、
『ギフティア達はもう既に大切だと言える人に巡り会えています』
だから心残りと同時に、大切な人に巡り会えた喜び、輝く思い出を、アイラとサラ達は分かち合うことができたのです。だから自分の最期に臨んでも、サラは「貴方も」とアイラと同じ思いを共有することができたのです。
●モノではなく人として(その2)
そして7話レビューで書いたように、おそらくツカサは孤児です。だから、今まで心から『大切』だと思える人はいませんでした。
ツカサは1話でチヅにOSの入れ替えを提案するくらい、そんな『大切』な人がいる状況を理解できていない(いなかった)のです。
だから、アイラはそんな弱いツカサの心を何となく感じ取っています。
「辛いのに泣くのを我慢して、頑張って笑おうとするところ・・・・そんな笑顔が素敵なところ。でも、ちょっと心配かな・・・・」
それがアイラのこんな言葉に表れていました。そして、そんな境遇の、まだ『人間』になりきれていないツカサだったから、
「大切な人と、いつかまた巡り会えますように」
ギフティアのアイラとこんな思いを分かち合うことができたのです。
(遥かに寿命の長い普通の人間がこれを言うと、どうしても安全地帯から無責任に応援する形になってしまうので・・・・w)
でも、アイラと"巡り合う"ことができて、ツカサも掛け替えのない『大切』な思いを知ることができました。そして、そのおかげで
「もし、自分の命の時間が予め決まっていたとしたら。俺ならどう受け止めるだろう・・・・?
俺は、その限られた時間を、精一杯生きようって思う」
と、1話の自分の問いに答えを出すことができたのです。
つまり、1話レビューや4話レビューで書いたように、大学受験に失敗したらそれ以上迷惑をかけないよう、全然知らないターミナルサービスに就職したり、
『孤児だという負い目から人形になりかけていたツカサが、人間らしく精一杯生きると自分の人生に向き合うことができたのです』
よって、ここまで書いてきた全てのことが、ラストでツカサと握手したのは、アイラではなくて他のギフティアだと言っています。
だから、その子やこれから回収していくギフティア達が「精一杯生きられたと笑って最期を迎えられるよう」、ツカサはこれからも精一杯ターミナルサービスで頑張っていくのだと思いますw
といったところで、これにてプラスティック・メモリーズのレビューをひとまず〆たいと思いますw
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ツカサの視線の高さ
靴とソックス
手と爪の色
にも考察が欲しかったと思います。
細かいこうさつに感服します。
最後に握手する時、ツカサが腰を曲げ前傾姿勢になり手を差し出します。更に相手の子が差し出した手の角度からも、相手の子はツカサより結構背の低い、アイラくらいの背格好だと思われます。つまり・・・・
「背がちっちゃいところ」
が好きなツカサはやっぱりロリコンですね!w
もしくは、
・課長がロリコン
・部長がロリコン
・開発部がロリコン
=つまり男はロリコン!
なんてネタを書こうかな〜とも一瞬思ったのですが、今回は割と真面目なレビューになったので(多分)、上では書きませんでしたw
ただ、ソックスに関しては改めて見てみるとザックのものに近い=男の子用に見えます。とすると・・・・
握手する子が部屋に入ってくる時の足元のアップが何か気になる・・・・?と思ってたら、靴が男物っぽいんですよね・・・・ソックスのことをご指摘頂くまでは気付きませんでしたけどw
つまり・・・・
・ツカサがショタに走った
・課長がショタに走った
・部長がショタに走った
・開発部がショタに走った
・レン(事務員)はやっぱりホモだった
=僕以外はみんな・・・・
と、Cパートで壁に張られていた張り紙が非常に意味ありげに見えたり見えなかったりw
あと、手と爪に関しては、手の色がアイラに似てるとかなくはないですが、特に何も思い付きませんでした。
こんな感じで、ちょっとネタ寄りのこうさつになりましたが、宜しければまたお越し下さい。