さて、7話レビューのコメントで非常に面白いご意見を頂いたので、13話レビューを部分的にやり直したいと思います。
●7話のメールの真相は?
まず、7話レビューで書いたように、ツカサは「愛母の家 白井ヘレン」宛に他人行儀なメールを出していました。
これより、ツカサがそこで育った孤児だとすると、1話レビューや4話レビューに書いたツカサの不可解な点を綺麗に説明することができました。だから、ずっとツカサは孤児だと解釈していました。
でも7話レビューのコメントで、「愛母の家 白井ヘレン」は新しくソウタを引き取った施設、というかなり説得力のある意見を頂きました。
一応、ツカサを孤児と解釈した場合でも、13話レビュー(旧)で書いたように、ツカサは施設で人並みの幸せを経験できていない必要があり、メールが他人行儀になっていることを説明できます。
しかし、このメールがソウタ関連だとすると、じゃあツカサはやっぱりギフティアかも・・・・ってことになって、個人的には
1話レビューから予想してました!w
とか書けるので、そっちの方が嬉しいと言えば嬉しかったりします・・・・w
1話レビューで書いたように、ツカサは確実に何か訳ありです。また、1話以降も断続的にツカサの心の未熟さが描かれ、何回もそれについて書いてきました。
だから、ツカサが孤児でないなら、後述する充電など相反する描写もありますがツカサをギフティアと解釈するしかありません。
●13話の再解釈
また、13話レビュー(旧)で書いたように、13話でツカサが言った
「大切な人と、いつかまた巡り会えますように」
は、遥かに寿命の長い普通の人間が言うと、どうしても当事者でない者が無責任に応援してる形になってしまいます。
更に、13話Cパートでツカサが「黄色と青色のマスコット=人のために作られたもの(ストラップではなく着ぐるみの中身は人間≒心を持っている)≒ギフティア=アイラとツカサの暗示」を握っていたのも、ツカサをギフティアだと解釈した方がすっきりします。
●五分五分?
ただ、アイラはメンテナンスユニットでの充電が不可欠でしたが、ツカサは一度も充電してません。また、ギフティアについてホントに何も知りませんでした。
ツカサは最新型で食事だけで十分な電力を生成できる、とか幾らでも理由をでっち上げることはできますが、本編中にそんな描写は見当たりません。
でも、ツカサが孤児だという解釈の根拠になっていたメールに関して、あれはソウタに関するものだという同じくらい説得力のある説を頂きました。だから、もう五分五分でどっちかに決められないんですよね・・・・w
●この作品の主題
そこで、もっと視点を引いて「物語的な意味=ツカサをギフティア、孤児、どっちに解釈した方が奥深い物語になるか」を考えてみたいと思います。
まず、この作品の主題ですが・・・・
(SAI社に延々とOSを入れ替えられ、モノとして使い潰されていたせいで)アイラは1話で
「私は、恐い。こんなことなら、思い出なんてなければ良かったって、記憶なんて蓄積されなくて、プログラムだけで自動的に生きる存在だったなら、どれだけ楽だったろうって・・・・」
とモノであることを望んでいました。
でも、ツカサとの交流で互いに成長し、互いが互いの背中を押します。そしてアイラは、輝く思い出と共にそれが消えてしまう回収(=死)を、幾ばくかの未練を遺しながらも自ら受け入れることができました。『人間』としてツカサに見送られ、その人生を意義あるものとして閉じたのです。
それを通して、アイラに出会うまで人間らしく生きられていなかったツカサも
「もし、自分の命の時間が予め決まっていたとしたら。俺ならどう受け止めるだろう・・・・?
俺は、その限られた時間を、精一杯生きようって思う」
と、人生の意味を見い出すことができました。
そんな二人の、
『モノから人間への成長』
がこの作品の主題だと思います。
●こっちも五分五分?
よって・・・・物語的に考えても、ツカサがギフティアでも孤児でも、そんなに大きくは変わらないんですよねw
勿論、ツカサをギフティアだとすると、心ある知性体をモノとして扱う人間のダメっぷりがより強調されます。でも、カヅキやミチルといったそれを改めようとする人間がいるので、ツカサが人間でもギフティアでも主題に影響するレベルではありません。
まあ、僕はアイラとのラブストーリーって側面からも「ギフティア=(≒)人間」だと捉えています。だから、あくまでギフティアは人間相当の存在ではないと解釈される方は違ってくると思いますが・・・・。
そんな訳で、結論としては
『物語的余白なのでお好きな解釈でw』
といった感じなのですが、今回だけは僕の解釈を
『ツカサはギフティアだった』
としたいと思います。何故なら、
『1話から予想してました!w』
って言えるので!w
・・・・まあ、これは記事のネタでそんなにドヤる気はないですけどw 勿論、それなりに自信があったから1話レビューに書いた訳ですが、外れてたらしれっとなかったことにしますしw 当たるも八卦、当たらぬも八卦です。
何より僕の最大の目的はその作品の主題を把握することで、先の予想はその副産物にすぎませんw
といったところで、今度こそ多分プラスティック・メモリーズのレビューをひとまず〆たいと思いますw
スポンサード リンク
スポンサード リンク